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西村宗

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おこのみサラリ君 3

出版社: 扶桑社
シリーズ: 扶桑社文庫


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おこのみサラリ君 扶桑社 扶桑社文庫

西村 宗(にしむら そう、1936年4月28日 - )は、大阪府泉大津市出身の漫画家。明治大学農学部農産製造学科卒業。中学生の時から漫画の投稿を重ね、大学を卒業して繊維メーカーに就職した後に応募した『週刊朝日』による「百万円懸賞連載マンガコンテスト」で準佳作に入賞し、プロの漫画家へと至る。

代表作

  • 産経新聞「サラリ君」
  • 産経新聞「サラリ君の青春期」(自伝エッセイ)
  • 週刊読売「アッサリ君」
  • サンケイスポーツ(大阪版)「チャンスケ」
  • 夕刊フジ「バットマン」
  • 夕刊フジ「丸でサイエンス」(科学エッセイ)
  • 朝日新聞「ワン漫時評」
  • 光の泉「いずみクン」
  • 正論「西村宗のステージ」(エッセイ)

サラリ君

著者の代表作で、産経新聞朝刊に1980年3月24日付から2010年3月31日付きまでの約30年間連載されていた4コマ漫画である。当初は地方面に掲載出典・「おこのみサラリ君」第2巻巻末の加藤芳郎氏のコメントされていたが、その後社会面に移動。2008年1月10日付から産経新聞東京本社版管内の一部でカラー化された。また、2008年3月20日付からは記事中の文字の拡大化に伴い、縦4段・横1列から縦2段・横2列の配列に変更された(最長8コマまでになることもある)。2009年6月9日付で連載10000回を突破した。

長らく社会面(左側の面)に掲載されていたが、東京本社版は2009年4月から第二社会面(右側の面)に掲載位置が変更された(2009年10月1日から発行が開始された九州・山口特別版も第二社会面に掲載)。大阪本社版は2009年7月からスポーツ面に移転した(社会面には南ひろこの『ひなちゃんの日常』が生活面から移動した)。

なお、九州版(2009年9月30日まで。同10月1日から東京・大阪版と同日・同内容掲載)・中京版(三重全域と名古屋市・岐阜市の一部は除く)では締め切りの関係でそれ以外の地域とは1日ずれた掲載になっていた。

連載から30周年を迎える区切りを迎えることと、西村氏の高齢などのため、2010年3月31日付をもって終了した。

主な登場人物

サラリのぼる
主人公。性格は新聞4コマ漫画の主人公にしてはかなり短気。
趣味はテレビ鑑賞・パチンコ。阪神ファンで優勝した時は風呂に飛び込んだりもしている。
よく他人の家(特に社長宅)を窓の外から覗き込む癖がある。大阪出身らしい。
なお、一度改名している。改名前の名前はサラリ・アゲローだった。
打ち切り間際に透明人間になる術を編み出した。
咲子
妻。性格は短気で見栄っ張りでヒステリック。一見巨乳だがパット入り(たけし談)。
趣味は買い物・カラオケ。韓流ドラマにはまっており「日本海を東海ていうのよ」との発言も。
やたらサラリの手紙や日記やメールを勝手に読んではキレている。鹿児島出身らしい。
なお、夫と同じく一度改名している。改名前の名前はサラリ・ペッチャン子だった。
のりこ
長女。趣味は読書。ケータイにはまっており、出会い系サイトで見つけた男を家に連れ込んだりもした。
ハムスターを飼育していたが、飼育書を読んでる最中に死なせている。やや反抗期。
たけし
長男。勉強はあまり得意ではないが、一時東大進学を目指したことがある。一時期、九官鳥をペットにしていた。
海の味が塩辛いことすら知らなかった。
すみ
同居しているサラリの母。性格は偉そうな反面、どこかいじけたところがある。
経済力は意外とあり、よく旅行(海外含む)に行ったり、高級ブランドを買ったりしている。
なお、夫は大東亜戦争で戦死したようだ。ペットのネコを溺愛している。一万回を越してからようやく名前が判明した。
シロ
サラリ家の飼い犬。以前は耳が垂れていたが耳が立つようにサラリが整形させた。
タマ
姑の飼い猫。
社長(氏名不明)
サラリが勤務している会社「紅白物産」の社長。家も近所。年齢60歳位。性格は偉そうな反面、真の実力者の嫁とは不仲で、
よく夫婦喧嘩話や離婚話や別居話が出てくる。小学生になる孫がいる。
なお、経営能力には問題があり、過去に拳銃購入未遂・秘書の給料横領未遂や女優のスカートの中盗撮疑惑等やらかしている。
また、ボーナスや社員の昇給も嫁の顔色をうかがわないと出来ないようだ。リストラには熱心(サラリもリスト入りしていた)だが、
女性社員には甘い面がある。
社長の妻
「会長の娘」で「社長の会社の大株主」でもあるので、社長も頭が上がらない。「りつ子」という名前らしい。
マリ
サラリの会社に勤めるOL。ウマ年。結構もてるようで恋した回数は80回とも。性格は高慢で高飛車。
吉村
サラリの後輩社員。マリに惚れていてアタックしては悲惨な結果に終わるが、たまにデートにこぎつけたり、
一緒にマンション探しをする話もあるので、望みはないわけではないようだ。なぜここまでマリに固執するのかについては不明。
人見ふみ
2006年春頃に初登場した女性社員。東大(大学院)卒。「吹けば飛ぶようなわが社(社長・談)」へ入社した志望動機は「危機感を持って仕事がしたい」。
会社始まって以来の高学歴者だけに社長には目をかけられており、一緒にオペラ鑑賞やら花見やらカラオケやらに誘われている。
「東大卒のふみちゃん」と社長に呼ばれることも。
長年に渡って登場している吉村やマリのフルネームですら不明であるにもかかわらず、準レギュラーにしては珍しく、フルネームが設定されている。
伊藤
角眼鏡をかけた女性。咲子と近所付き合いをしている。「高齢者ケアセンター」に親を入れている。
水鳥先生(白鳥先生)
売れない小説家。以前はベストセラーを出した事もあったらしい。妻がいる。水鳥と白鳥どちらが正しいのか不明。
タカハシ博士
科学者。専門は不明。モデルは作者の恩師らしい。

評価

一般的な評価はあまり芳しいとは言えず、検索サイトで「サラリ君」を検索すると「つまらない」、「たらい回し」などが関連キーワードとしてあがってくる。

批判

2007年12月15日に掲載された作品が、医学部に通う学生が勉強内容を問われた際に、足でたらいを回して主人公が「たらいまわしか」と言う内容であり、これに対して「医療現場で働く人たちへの侮辱である」と多くの個人ブログで批判されている。 検索サイトで「サラリ君 たらい回し(あるいは、ツンダラ)」で検索すると、多数のブログがヒットする。

特徴

  • 漫画家の長谷邦夫は、著書の『ニッポン漫画家名鑑』で「おっとりと暖かみのあるシンプルな線で、小市民をチクリと刺す四コマ」であると評している。
  • 新聞4コマ漫画としては他紙のそれと比べて、短気で喧嘩っ早い性格のキャラクターが多い所為か、どこか殺伐とした印象がある。
  • 掲載紙の性格上、保守的な内容が多かった。
  • 手拭の頬被りで唐草模様の風呂敷を担いだ泥棒が出没したり、「KK(株式会社)」という表記が出る等、昭和で時間が止まっている感があった。
  • 四国遍路の事を「四国四十八個所めぐり」と書いたり〈正しくは四国八十八箇所めぐり)、“「ツンダラ」と言う言葉が流行っている”(「ツンデレ」の間違い?)と書いたり、きちんと調べたとは思えない表現が目立った。

単行本

  • 「おこのみ サラリ君シリーズ全3巻」(産経新聞ニュースサービス(現社名・産経新聞出版))
  • 「サラリ君 愛蔵版」(同上 2004年に連載8000回達成を記念して出版された)
  • 「お風呂で読めるサラリ君シリーズ全5巻」(同上 防水加工を施した特殊紙面)
  • 「おもろいヤンキー ツムジ風」(エッセイ集 筑摩書房)
  • 「マンガ家は科学好き」(エッセイ集 朝日新聞社出版本部(現・朝日新聞出版))

テレビ出演

  • 2007年11月7日放送の「水曜ミステリー9:湯けむりドクター華岡万里子の温泉事件簿3」(テレビ東京)に長老役としてエキストラ出演した。

表彰

  • 1985年 文藝春秋主催の第31回文藝春秋漫画賞獲得(サラリ君、ワン漫時評)
  • 2000年 漫画協会賞・優秀賞(サラリ君)

参考文献

  • 長谷邦夫著 『ニッポン漫画家名鑑』 データハウス、1994年。ISBN 4887181965

外部リンク