豊田徹也
珈琲時間
twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)
豊田 徹也(とよだ てつや、本名同じ、1967年 - )は、日本の漫画家。茨城県出身。
「このマンガがすごい! 2008」(宝島社)では、影響を受けたマンガとして下述の谷口ジロー作品(「特に80年代初頭~中期の作品」)を挙げている。
来歴
1987年、アフタヌーン四季賞の佳作に入選。会社勤めののち、2003年夏に「ゴーグル」で四季大賞を受賞しデビューする。虐待のために心を閉ざした少女と無職の青年との交流を描いた同作は、審査員の谷口ジローから「ほとんど完璧な作品だ。読んでいてドキドキした。周囲に漫画関係者や漫画家がいない状況で、独学でここまで表現力を高めた作者には敬意を表する。今回は全体的にレベルが高かったが、読み終わったとき、大賞はこの作品だと確信した。」と絶賛を受けた。
2004年10月より一年間にわたり作品「アンダーカレント」を『月刊アフタヌーン』にて連載。その静謐な表現がマンガ評論家をはじめ一部で高く評価された。本作は2009年1月29日から2月1日までフランス・アングレームで開催される 「アングレーム国際漫画祭(Festival international de la bande dessinée d'Angoulême)」に、2009年度オフィシャルセレクションの一つとして出展され(他の作品は「La Force des humbles」(平田弘史)、「神の雫」(原作亜樹直、作画オキモト・シュウ)、「闇金ウシジマくん」(真鍋昌平)、「顔泥棒」(伊藤潤二))、ほぼ同時期にフランス語訳されたものが発売された。さらに2009年、パリ郊外で開催されたJapan Expoにおいて第3回ACBDアジア賞を受賞。フランスのマンガ批評家らから「極めて日本的な背景と普遍的なテーマを同時に描いている」と評された。
「アンダーカレント」の連載終了時に「工場で働く」との言葉を残したのち、作品の発表が一時途絶える。その後、2006年12月25日発行の「彷書月刊(特集:みんなでふるほんまんが)」に2ページの書き下ろしを発表。さらに2007年末の『月刊アフタヌーン』にて読みきり短編「スライダー」を発表した。
2008年、オムニバス形式の作品「珈琲時間」の連載を『月刊アフタヌーン』同年7月号より開始。2009年11月号にて連載終了。
作品リスト
- 「ゴーグル」(講談社『月刊アフタヌーン』2003年9月号、単行本未収録)
- 「アンダーカレント」(『月刊アフタヌーン』2004年10月号~2005年1月号・3月号~6月号・8月号~10月号)
- 本書名が表記される際に「アンダー・カレント」と二語に分かち書きされることがあるが、「アンダーカレント(undercurrent)」で一語である(意味は「下層の水流、底流、暗流」)。
- 「スライダー」(『月刊アフタヌーン』2008年1月号、単行本未収録)
- 「珈琲時間」(読みは「コーヒーじかん」、『月刊アフタヌーン』2008年7月号~2009年11月号、全17回)
書誌情報
- 豊田徹也 『アンダーカレント』 講談社〈アフタヌーンKCDX〉 2005年11月22日初版発行 ISBN 978-4-063-72092-1
- 豊田徹也 『珈琲時間』 講談社〈アフタヌーンKC〉 2009年12月22日初版発行 ISBN 978-4-063-10604-6
関連項目
外部リンク
- 『アンダーカレント』朝日新聞書評(南信長評)