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いじめてくん/吉田戦車

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著者: 吉田戦車
巻数: 1巻

吉田戦車の新刊
いじめてくんの新刊

最新刊『いじめてくん



twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

MACIKOnnn ブリキロボットって聞くと吉田戦車のいじめてくんに出てくる鉄の村松を思い出す町山は天地がひっくり返ってもモテるわけがない。 http://t.co/k0TlDbcKIm
yumetaro 業田良家氏の『機械仕掛けの愛』はどのエピソードも素敵だったが、とりわけ「ペットロボ」は、僕が吉田戦車氏の『いじめてくん』の中で一番好きなエピソード(ロボットの育て親である夫婦に本当の子供が出来て…云々)の「アンサー」になってるような気が(勝手に)して、より胸にせまるものがあった。
yumetaro 妻が、自分にぶつかって醒子(仮名)が転んでしまうたびに「ごめんねー」と言いながら助け起こしていたのだが、そしたら、ひとりでただ転んだだけでも自ら「さめこちゃんごめんねー」と言うようになってしまった。いじめてくん並みの自虐キャラ…。
xsumirex 吉田戦車のいじめてくんおもいだした。いじめたくなる顔してたとかなんだろうねwまだ5歳とかでさー。
zazae_san @ippu9999 吉田戦車のは戦え軍人くんとか、いじめてくんも好きでした。火星田マチ子とか。僕と一緒も面白かったけど、あまり覚えてないかも。。あれー?おかしいなー。

いじめてくん』は、吉田戦車による漫画作品。および主人公の名前。『コミックバーガー』(スコラ)で連載されていた。以前の作品『戦え!軍人くん』で登場した脇役キャラクターだったが、人気があったため軍人くんの打ち切り後に独立した作品として登場した。

概要

いじめてくんは、小型の地雷であり、生き物のように動き回る。外見は人間の頭部に細い手足が生えているような姿をしている。常に何かに怯えているようなオドオドした表情で気弱な雰囲気を放っているため、周囲の者の嗜虐心を異常にあおる。周囲の人間(時に動物も含む)がその嗜虐心に負けていじめてくんに暴力を振るうと苦悶の表情と共に爆発する。

これを開発した大佐(軍人という設定)は、いじめてくんを敵陣に放てば、敵はこれをいじめたくて仕方がなくなり大損害を被るであろうと皮算用するが、彼の目の前で部下の吉田が踏みつけ、二人は病院送りになる。

いじめてくんはその性質とは反対に心優しく気弱なキャラクターである。いじめられては爆発する自分の存在意義に疑問を抱いており、時に自己嫌悪に陥る。それがかえって周囲の嗜虐心を再びあおってしまうのだが。

作者の吉田戦車は単行本の序文において、いじめてくんという人の嗜虐性をモチーフにしたキャラクターを描くことに内心抵抗があり、当初はいじめてくんを独立した連載漫画として描くことに強い葛藤があったと告白している。

いじめてくんは、大鵬薬品工業の胃腸薬「ソルマックシリーズ」のCMキャラクターにも起用されていた。

主な登場人物

いじめてくん(爆弾)
自我を持ち独自に行動する生物爆弾。その外見と気弱な振る舞いから相手の嗜虐心を煽り、外的衝撃(物理的な“いじめ”)を受けることによって爆発する(自爆する訳ではなく、基本的に爆発した当人はすすにまみれる程度でほぼ無傷)。
爆発の規模にはムラがあり、周囲の人間や建物を粉微塵にすることもあれば、人体の一部を焦がす程度に留まることもある。また、本人の我慢次第である程度の衝撃までなら爆発せず耐えることができる。驚異的なまでの環境適応力があり、精神的な責め苦に対してはすぐ慣れる。ただ、地球人からみれば嫌がらせに近い火星人の文化・風習には最後まで戸惑いを覚えており、悪意のないものに対してこの適応力は発揮されない様である。
開発者である「大佐」のもとで軍事兵器として利用されていたが、ある時から「大佐」の親心によって戦線を退き、一般人として生きるようになった。旅行が趣味らしく、作中では国内を漫遊したり、タイ、インドネシア、火星にまで足を運んだ(海外では日本人という扱いを受ける)。また、退役後夜間学校に通っていた時期があるらしい。当初は無口で受身な小動物的キャラクターであったが、次第に爆弾としての自己を受け入れ始め、多少なりとも前向きな性格となっていった。それでも相変わらず周囲の人間に勝手に振り回され、不幸な目に遭うことが多い。
いじめてくん(きのこ)
生物兵器「いじめてくん」のルーツとなったきのこ。外見は“石突きのついた「いじめてくん」”で、自我を持ち、人間と会話することもできる。少なくとも中世頃から国内外に生育し、人間社会とも関わりを持っていたらしい。
いじめられることによって、相手に「毒の電気」を放つ性質がある。その致死性は高いが、場合により心地良いしびれを促すこともあり、現在でもいわゆるマジックマッシュルーム的な扱いで密かに流通している。
いじめてくん(爆弾)は、バリ島旅行中にひとりの客としてこの「きのこ」と出会い、自身のルーツを知った。
いじめて号(馬)
外見はいじめてくん(爆弾)そのままだが、作中ではあくまで馬として扱われている。
「殿様」に見初められ、彼の馬となる。多くの大名が欲しがるほどの名馬らしい。
大佐
こぐま師団所属。爆弾「いじめてくん」の産みの親。いじめてくんを自分の子供の様に思い、いじめてくんもまた彼のことを慕っている。
自身は未だ軍人として働いているが、いじめてくんには普通の生活をしてほしいと願っている。
『戦え!軍人くん』では「司令官(少将)」という名で、『戦え!学生さん』では「教頭先生」として登場している。
タイの悪霊(キックボクサー)
タイのとある村に祭られた精霊塔を乗っ取って住み着いた悪霊。キックボクサーを思わせるいでたちで、眉毛と口髭を生やしているが、目や口元は定かではない。
困り果てた村人達が半ば強引につれてきたいじめてくんを、最初は精神的な嫌がらせで追い詰めるが、次第に堪え切れなくなり、思わず蹴りを入れたところで爆発に飲み込まれた。
その後いじめてくんへの復讐のため頭部が腐敗したグロテスクな姿で日本に上陸し、彼に対し「ひたすらやさしくする」という悪魔的いじめを試みたが、いじめてくんは一週間でその生活に慣れた。
伊東ユカリ
革命王子率いる都市ゲリラ、「東京ゲリラ」のメンバー。いじめてくんを拘束し爆破テロの道具として利用しようとするが、後輩水島の暴走に足をすくわれる形で失敗してしまう。
水島
ユカリの後輩。「東京ゲリラ」のメンバー。活動家としてはまだ日が浅いらしく、任務に徹しきれずに暴走してしまう。
おばさん
子供ができず、ロボット「鉄の村松」(下記)を子供代わりにしていたが、子供ができてしまったためにいじめてくんにある非情なお願いをすることに。
村松 (鉄の村松)
「おばさん」(上記)の子供代わりとして育てられた、四角い頭を持ったロボット。「おばさん」に子供ができ、兄になれることを喜んでいる。彼のエピソードはこの作品中で唯一の悲劇的結末を迎えた。
奥さん
みっちゃんの非情なお母さん。
元々は『甘えんじゃねえよ』の登場人物。『戦え!軍人くん』にも「みっちゃんのママ(お母さん)」という名でゲスト出演している。
いじめてくんとは顔なじみであり、日々の生活に倦むと、リフレッシュの手段として彼をガッショウ山の一本松にぶら下げ、直撃しない様に凶器を振り回していじめてくんを怯えさせている。いじめてくんは行為の後に振舞われる奥さん手製のおにぎりがおいしいので嫌々ながらも協力している。後にいじめてくんを自宅に住まわすようになった。
人をいじめたりなぶったりすることに対してある種のこだわりを持っており、落ち込むいじめてくんの心をえぐる一言をみっちゃんに言わせようとしたりもする。
美智子(みっちゃん)
「奥さん」の一人娘。5歳。母と同じく元々は『甘えんじゃねえよ』の登場人物。自宅に住まうようになったいじめてくんと当初は反目し合っていたが、「奥さん」の計らいによって仲良くなった。
ヒダリ上人
地下の穴ぐらと呼ばれる地下街に寺院を構え、住職を務める偉いお坊さん。但し、その容姿は人間ではなく、グロテスクな一つ目の物の怪?である。
火星田マチ子
火星演歌の星を目指す火星人の女。火星旅行に来たいじめてくんと出逢い、彼の爆発を味わったことをきっかけにいじめてくんを愛するようになる。作者の別作品『火星田マチ子』『火星ルンバ』の主人公でもある。『戦え!学生さん』にも登場している。
火星田ジュン
マチ子の父親。プック(火星におけるロックの様なもの)を愛する永遠のプックンローラー。マチ子と同様、他作品にも登場。
火星野忠男
火星田マチ子に片思いしている火星の若者(?)。「このおれに」が口癖。
十郎
マチ子の友達の火星カバ。
カタコリ様
年中肩こりに悩まされている火星の神様。カタコリ様が肩こりになっている間は、火星が「麩照り」(日照りの「麩」版)になってしまう。
なぐさめ大学生
ある出来事で元気のなくなったいじめてくんを慰めるために大佐が贈ってきたロボット。
すじこ (スジコ軍)
大佐たちの軍隊が戦う相手。