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うたわれるもの/水口鷹志 アクアプラス

共有

著者: 水口鷹志 アクアプラス
巻数: 1巻

水口鷹志の新刊
アクアプラスの新刊
うたわれるものの新刊

最新刊『うたわれるもの 1


出版社: アスキー
シリーズ: DC


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

ymtmnomi RT @PirikaChro: 【うたわれるもの×チェンクロ】 コラボを記念して、#小山力也 さん(ハクオロ役)のサイン入り色紙を1名様にプレゼト! 本アカウントをフォロー&このツイートをRTで応募完了!! 期間:6/24まで 詳細→https://t.co/QANOMuEB
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amararegame うたわれるもの トリロジーボックス (特典同梱) #Vita (アクアプラス) の、Amazonの販売再開の監視を終了しました。 https://t.co/QbBzvgmZbP
shamal3224 ポケモンが積みゲーとして君臨してるのに更にうたわれるものを積んだから、もう攻略の糸口が見えなくなってきた。 GWでどれだけ出来るかが肝だな
yamadori_riyo21 RT @pureneron_fl: 以上、うたわれるもの 散りゆく者への子守唄 アクアプラスリミテッドボックス開封式でした! 新作アニメ見るぞ見るぞ https://t.co/lad1PKZOLO

|- | colspan=2 style="padding: 0;"| {| class="infobox bordered collapsible innercollapse autocollapse" style="width: 100%; margin: 0" ! colspan=2 align="center" style="background: #ccf"| アニメ |} 『うたわれるもの』はLeaf(アクアプラス)制作のアダルトゲームおよび一般向けゲームソフト、またこれを原作とする漫画およびドラマCD、アニメ作品である。

概要

当初はCD-ROM版が発売され、後にDVD-ROM版も発売された。定価はどちらも税抜き8,800円で声優の音声はない。2006年10月には後述のアニメ版声優を起用した、プレイステーション2版『うたわれるもの 散りゆく者への子守唄』(戦闘パートは『サモンナイト』シリーズのフライト・プランが担当)が発売された。

本作品は主人公「ハクオロ」の視点による一人称形式で書かれており、ゲームの流れとしてはアドベンチャーゲーム部とシミュレーションRPG部を交互に繰り返す形である。シミュレーションRPG部の難易度はさほど高くないが、PCのDVD版では難易度を大幅に変更することができる。登場人物達はケモノの様な耳・尻尾・翼・能力などを持つ。アイヌ語に似た響きを持つ独自の固有名詞、衣類の作りや模様など、舞台や世界観はアイヌ文化をモチーフにしているとみられる。

PS2版は約2か月で10万本以上を売り上げ、大手通販amazon.co.jpの2006年ゲーム総合部門売り上げランキングではファイナルファンタジーなど人気シリーズタイトルにつぎ、異例の第4位を記録した。2006年に発売されたPS2版では同じセーブデータを使う場合、3周目以降に回避可能な重大なバグ有り。対象ロット等不明?詳しくは外部リンク PS2版うたわれるもの

2006年4月から、朝日放送(ABCテレビ)を幹事局に、UHFアニメの形態でテレビアニメ版が放映された。また、本作品は『夢使い』と共に初めてABCテレビで放映されたUHFアニメでもある。テレビアニメ放送中に開始されたインターネットラジオ『うたわれるものらじお』が関係者ですら予想外だったと語るほどの人気番組となり、様々な波及効果が見られた事も話題となった。

2007年12月2日にパシフィコ横浜にて開催されたイベント『アクアプラスフェスタ2007』にて、OVAの制作が決定との発表が行われた。

2008年11月29日に東京厚生年金会館にて開催された『アクアプラスフェスタ2008』で、PSPに移植されることが発表された。

歴史

  • 2002年4月26日 - Windows(PC、CD-ROM)版発売(18禁)
  • 2003年12月12日 - Windows(PC、DVD-ROM)版発売(18禁)
  • 2005年9月30日 - 漫画版連載開始(「電撃G's magazine」11月号)
  • 2006年4月3日 - TVアニメ版『うたわれるもの』放送開始
  • 2006年7月26日 - ドラマCD Vol.1 発売
  • 2006年8月23日 - DVDおよびDVD-BOX発売開始 (DVDは毎月、DVD-BOXは隔月)
  • 2006年10月26日 - プレイステーション2(PS2)版『うたわれるもの 散りゆく者への子守唄』発売
  • 2006年12月6日 - ドラマCD Vol.2 発売
  • 2007年2月21日 - ドラマCD Vol.3 発売
  • 2007年3月23日 - アプリケーション集『うたわれるもの デスクトップキャラクターズ』発売
  • 2007年5月23日 - ドラマCD Vol.4 発売
  • 2007年10月27日 - 散りゆく者への子守唄漫画版連載開始(「電撃「マ)王」12月号)
  • 2008年1月23日 - Blu-ray Disc BOX発売
  • 2009年5月28日 - PSP版『うたわれるもの PORTABLE』発売
  • 2009年6月24日 - 『OVA うたわれるもの』第1巻発売
  • 2009年12月23日 - 『OVA うたわれるもの』第2巻発売
  • 2010年6月23日 - 『OVA うたわれるもの』第3巻発売

PSP版追加要素

PS2版で追加された、

  • 主人公を含むフルボイス化
  • PS2移植のためのシナリオとCG改変、及び新シナリオと新CGの追加
  • 新キャラクターの導入
  • 自由に経験値稼ぎができるフリーマップの実装
  • 複数のキャラで同時攻撃ができる「協撃」の追加
  • 装備と道具システムの実装
  • その他、戦闘システムで細かい変更点が多数有

に加え、

  • 難易度に「高難度」の追加
  • 「高難度」クリア特典CGの追加
  • 縦横比を4:3と16:9(スクロール可)から選べる

が追加された。

あらすじ

ある日、とある辺境の山奥にあるのどかな村に瀕死の怪我を負った青年が運び込まれる。

決して外れない仮面を着けたその青年は、目覚めた時には全ての記憶を喪っていた。彼は村人達に獣のような耳や尻尾がある事や、農作に有用な化学肥料や製鉄などの高度な専門知識を自身が持っている事に疑問を持ち、自分自身とそれを取り巻く世界に感じる微妙な齟齬を訝しみつつも、おおらかで穏やかな村の雰囲気に徐々に馴染み、そこでの暮らしを受け入れていく。そんな中、ある事件が起こり…。

世界観

本編開始以前

全くの異世界で進行する物語である様に見える本作品だが、実際には未来世界の日本が舞台となっている。そして、作品世界の起源は終盤で明かされている。

本作品に登場する時代設定は、3つに大別される。過去から順に史実との接点である「古代」、後述するアイスマンが発見され亜人間達が生まれた「創成期」、そして「現代」(本編)である。「古代」及び「創成期」についての概要と、最後の「現代」に至るまでの過程を記述する。本作品に於ける時代設定では、現実世界の「現在」が「古代」に相当する。

「古代」において、ある考古学者は立ち入り禁止区画に踏み入り、謎の巨大生物らしき化石を見つけるが、それの存在を隠蔽しようとする者の手によって拳銃で撃たれ瀕死の重傷を負う。その際飛び散った血液の一部が化石にかかり、その化石の意識を呼び覚ましてしまう。願いを叶えるという謎の化石の声に対して死に際した考古学者は静かに眠らせてくれるよう頼むと、その願いは考古学者自らの身体を差し出すことで叶えられ、両者は一体となって永い眠りに就く。

次に挙げる「創成期」では、環境の激変によって地上に人が住めなくなり、人類は地下に潜って生き存えていた。この時代では膨大な時間と技術を費やし地球を再生する事に成功したが、完全に管理された揺りかごの様な施設内で過ごす事となったあまりに永い時間が、自然環境に適応する耐性を人類(以後旧人類)から奪ってしまっていた。

そんな中「古代」の氷河の中から仮死状態のまま凍結された人間が発見され、さらにその男が被っている仮面らしきものは彼がいた時代(「古代」)より更に数百万年以上も昔のものだということが分かる。「創成期」に生きる旧人類が失ってしまった耐性や適応力を持つ「古代」の人類唯一の生き残りである彼を旧人類達はアイスマンと名付け、彼の遺伝子を元にした実験体-動物の耳と尻尾らしき器官をもった生物(亜人間)を作り出し、自分達を地上に適応させるための実験(恐らくは、動物の持つ生命力や環境適応力を人間にも付与する為の遺伝子合成実験とその性能試験)を行う。しかし計画半ばで1人の研究者が情にうたれ、自分達の恐ろしい所業に苦悩した末にアイスマンと実験体たちを地上へと逃亡させる。

地上に逃れた彼らは子を授かり平和に穏やかに暮らしていたが、特に重要なサンプルであるアイスマンを手放したままでは居られなかった旧人類達によって研究所へ強制的に連れ戻され、アイスマンの妻となっていた実験体ミコトは解剖されてしまう。これに激怒したアイスマンは突如巨大な異形へと変貌、我を忘れて暴走し衝動の赴くままにその力を振るい出す。死を恐れ、強靭な肉体を求めて愚行を繰り返す旧人類達を、怨嗟と皮肉を込めて未来永劫死ぬことの出来ない、とても生物とは思えないような赤い異形の粘液体へと変異させ、また緊急異常事態に他施設からの断絶や攻撃を恐れる声を聞き、彼ら以外の施設の全てを一瞬にして破壊した。アイスマンは深い愉悦を感じつつも同時に制御不能になった自分の破壊衝動を止めることを望む様になる。その想いを受けた特別な実験体であるムツミが『死』という形で願いを叶えようとし、施設をハッキングして人工衛星からのレーザー攻撃を敢行するも彼を殺しきることは出来ず、仕方なく『眠り』という形で封印する事で、彼のその望みはようやく叶えられた。

その後、相反する感情を抱えたままの彼は封印の内で何度となく目覚めと眠りを繰り返し、いつしかその意識は「分身(ぶんしん)」と「空蝉(うつせみ)」のふたつにはっきりと分裂してしまう。

かくして旧人類は滅亡し永い時が過ぎ行くに従い、研究所に捕らわれていた実験体(亜人間)達は旧人類たちの束縛から解放されて野に広がり文明を築いていった。機能の殆どを失った研究所の施設はムツミを始祖とする宗教國家「オンカミヤムカイ」によって「聖地」として封印され、一部の者を除いてほぼ全ての亜人間達は自分達の起源を忘れ去った。

以下、この「大陸」に多くの亜人間達が暮らす時代を「現代」として本作品のストーリーは進行する事になる。

地理

本作品の世界は「古代」でいう日本列島が主舞台であり、他の大陸も存在するが未登場である。しかし、「古代」とは違い地軸が異なり、陸の形もわずかに違う。作中の地図では「古代」の千葉が最南端になっており、東北側が東、近畿側が西である。また、クンネカムンの首都は「古代」の石川県金沢市と一致する。

「現代」では、大陸の中央にシケリペチムがあり、その東方にケナシコウルペ(後のトゥスクル)、北西にはクンネカムン、南西にはオンカミヤムカイがある。ケナシコウルペの東にクッチャ・ケッチャがあり、南にナ・トゥンクがある。クンネカムンの西にはエルムイヌンバニハップラプをはさみ、ノセシェチカがある。大陸中央北側の沖合にはサハラン島がある。形状が佐渡島に酷似しているこの島はクンネカムンの領土であり、硫黄の匂いが漂っている。

文化

科学技術水準は「古代」に於ける産業革命以前の様相を呈しており、機械技術と呼べるレベルのものは作中に登場する最先進国でも存在しない。蒸気機関もいまだ開発されておらず、原始的なカラクリがちらほら見える程度。作中に登場する主な移動手段は、陸路では徒歩またはウォプタル(「ウマ」と呼ばれる二足歩行トカゲ)に直接搭乗・あるいは荷車や馬車を牽かせる等。戦争レベルは、空路での運搬推力となりうる飛行技術・生物が作中に登場せず空爆の手段が確立しておらず、大量殺戮兵器を実現するほど科学が発達していない世界において有効な集団攻撃手段となりうる「法術」を扱え、また作中に登場する中では唯一飛行出来る種族の国家であるオンカミヤムカイは、自分達を厳しい戒律で縛り、道を外れるものと法術技術の流出を防いでいる。そのためこの世界での戦争行為では、ほぼ全て地上での歩兵・騎兵・弓兵・中世のバリスタのような設置型大弩弓が用いられ、短期間で戦局を左右する方法が存在しないため、血で血を洗う戦國時代の真っ只中である。 地方によっては奴隷制があり、基本的に國の法は國、ひいては國の皇が自由に決定している。トゥスクルやカルラゥアツゥレイのように、圧政や虐待に耐えかねた民や奴隷が反乱を起こし、そのまま皇を討ち新たな皇を立てて國を興す事例も発生しており、結果的にいつまでも戦乱が終わらない連鎖が続いている。『オンカミヤムカイ』は國家間調停者として、ウィツァルネミテア信仰を足がかりに國師(ヨモル)を各國に派遣し、同盟を組ませるなど無益な争いを未然に防ぐよう働きかけている。

宗教

作中に登場する宗教には、ウィツァルネミテア信仰とオンヴィタイカヤン信仰の2つがあり、世界の大半はウィツァルネミテアを信仰している。 また、これら2つの信仰が崇める神はそれぞれ対立しているため、数や勢力で劣るオンヴィタイカヤン信仰は冷遇される傾向にある。 ウィツァルネミテア信仰を推し進めるオンカミヤムカイは『調停者』を名乗っており、他國に対して直接的な武力介入・支援をすることは出来ない。 よって、1度加速してしまった戦争を止めることはできない。

両者とも神話自体は共通しており、「オンヴィタイカヤンが人間を創造したが、ウィツァルネミテアがそれを打ち破り、人間たちを解放した」と語られる。 おそらく、旧人類(オンヴィタイカヤン)とアイスマン(ウィツァルネミテア)がモデルになっていると思われる。

種族

作中には動物の耳、尻尾などが生えている『亜人間』たちが登場する。登場人物はほぼ全て『亜人間』であり、彼らを中心としてストーリーが進むことになる。彼らは種族ごとに外見または能力的に特徴があり、基本的には種族ごとに集落、國を形成している。また彼らは火神・水神・土神・風神(ヒムカミ・クスカミ・テヌカミ・フムカミ)と呼ばれる『神』を1人1柱ずつ宿している。母性遺伝がかなり強いようである。「我らの血は母親から受け継ぐものだろう」というセリフや、耳の外見が違う異母兄妹が登場するように、耳や尻尾などの特徴は母系遺伝である。ただし女性に優秀な男性と子を成し、その血を受け継がせることを務めとしている種族も存在することから、父性遺伝子も機能していることが分かる。

以下に代表的な種族を列挙する。

オンカミヤリュー族
天使の如き翼を持つ。他種に見られる獣耳と尻尾は無い。特殊な祈りと呼吸・発声法を組み合わせた詩を唄うことにより、物体転移などの奇跡の如き現象を引き起こす「法術」と呼ばれる術に長けている。大神『ウィツァルネミテア』を信仰する者達の総本山である宗教國「オンカミヤムカイ」を統べ、他の國家間の争いを早期終結させるための緩衝材としての『調停者』の役割を果たしている。大量殺戮兵器の登場しない(『浄化の炎』を除く)世界において唯一それに匹敵する力を操る種族だが、術者達は厳しい戒律と信仰で道を外れる者が無いよう教育される。登場人物ではウルトリィ、カミュなどが該当する。
ギリヤギナ族
虎のような耳、尻尾が特徴。戦闘に特化した肉体を持つ一族で、それゆえにどんなに飲み食いしても体形が変化せず、総じて戦闘に向いた引き締まった体格に落ち着く。腕力・膂力などの基本運動能力が他の種族より飛びぬけており、体術の型や技を必要としないスタイルをとる。かつては強國「ラルマニオヌ」を治めていたが、強さに奢ったためかシャクコポル族に反乱を起こされ滅亡し、奴隷へと身をやつした。登場人物ではカルラ、デリホウライらが該当する。
エヴェンクルガ族
高地に住む少数民族。卓越した肉体的・精神的強靭さと「義」を貫く為なら死をも厭わない清廉さにより他の種族から畏敬の念を抱かれていて、「義はエヴェンクルガにあり」とまで言われる。自らの眼で自分たちが仕えるにふさわしい主を選び付き従う。戦の際にはその存在が戦場の士気にかかわるほどであり、自軍にエヴェンクルガ族がいるということは大儀は自分たちにあるという証である。鳥類の羽のような耳が特徴。登場人物ではトウカ、ゲンジマルが該当する。基本的に一族の里を出るのは男性のみで、トウカのような女性が里を出るのは優秀な血(子孫)を里にもたらすという使命を帯びているためである。
シャクコポル族
過去、大いなる父『オンヴィタイカヤン』によって寵愛されていたとされる種族。大神ウィツァルネミテアによってかの神が滅ぼされた際、他種族の嫉妬を買って「穴人」という蔑称で卑下され迫害された。兎のような耳を持ち、肉体的には全種族中最弱といわれている。それらの要因からかつては奴隷以下の扱いを受けていたが、20年程前にクーヤの父が「血の契約」によりアヴ・カムゥを入手することでギリヤギナ族に反乱を起こし、ラルマニオヌを制圧しその地に三大強國の1つと称される巨大単一種族國家「クンネカムン」を築いた。しかし未だ他の種族からは対等に見られておらず孤立している。登場人物ではクーヤ、サクヤらが該当する。

ケナシコウルペ(皇:インカラ)
エルルゥたちの住むヤマユラの集落がある國だったが、ハクオロたちの叛乱によって滅ぼされ、トゥスクルと改称した。西部にヤマユラの集落がある。中央付近には交通税目当てのタトコリの関があり、行き来が制限されている。
本遍開始時には悪政により國としては末期に陥っており、周辺諸国も放って置いても反乱などで自滅すると侵攻せず傍観していた。
トゥスクル(皇:ハクオロ)
ハクオロを皇とする新興國家。ハクオロは國の指導者と戦時の軍師を兼ねており、ひとえにこの國の驚異的な発展は彼の類稀な智才によって成されたものである。ハクオロの軍師としての手腕によって自國よりも遥かに強大な國家をも打ち倒していることが発展の要因の一つであるが、その最も肝となる要因は様々な前例の無い政治的政策を取り入れていることにある。例としてこの國には、他國に広く知れ渡るほどの規模を持つ歓楽街が皇の主導で運用されており、その目的は悪銭の巡りを押しとどめ腐敗した政員を出さず、また他國から人を集めて資金を循環させようというものである。「歓楽街なんていうものは禁止しきれるものではない。ならば自分達で管理してしまおう」というハクオロの言葉からも、彼の知略の深さがうかがえる。しかしそのせいで「トゥスクルの皇は幾人もの『室(妃)』を持つ好色皇」という風に誤解されて広まっており、ハクオロを閉口させている。またハクオロは「仮面をつけた皇」という程度でしか民に認知されておらず、ハクオロが普通に城下町を歩いていても騒ぎになることがない。コミック版では祭りの屋台で仮面のレプリカが販売された際に、偽者騒ぎが起きたことがある。また周辺諸国からは、キママゥ退治の見事さからキママゥ退治の第一人者「キママゥ皇ハクオロ」として褒め称えられている。ベナウィからその名前は三國に鳴り響いていると聞かされ、ハクオロを閉口させている。
元はケナシコウルペの領土であったが、かの國の暴虐を見かねたハクオロが平民達を先導し、一大謀反を起こしたことを起源とする。この國の名前は、殺されてこの謀反の火付けとなった山村の人望高い村長「トゥスクル」に敬意を表してのものである。後にはクッチャ・ケッチャ領を併合し、カルラゥアツゥレイを同盟國とする。シケリペチムが解体し、ノセシェチカとクンネカムンが滅びた後は中小の諸勢力の指導的立場に立ち、名実共に最強國となる。
南部國境付近にはキヌハン藩やシシハル藩などが存在する。國境付近のホゥホロ城は天然の要塞であったが、クンネカムンの侵攻時に破壊されてしまった。
クッチャ・ケッチャ(皇:オリカカン)
騎馬民族國家であり、國土のほとんどが平原である。軍も騎馬隊が多くを占めている。もともとが遊牧民族國家であることもあり、皇都や本陣が絶え間なく移動しているのが特徴である。オリカカン皇が殺された後、トゥスクルが吸収合併した。
シケリペチム(皇:ニウェ)
三大強國のひとつで軍事國家。多くの中小國や集落をその軍事力によってまとめた國だが、皇一人の力に頼っていた部分が大きかったために皇の死・皇都陥落により、元のように多くの國々に分裂した。
ナ・トゥンク(皇:スオンカス)
奴隷國家ともいわれ、浚って来た人を売り國の財としている。デリホウライ率いる奴隷による叛乱軍「カルラゥアツゥレイ」によって滅ぼされた。
カルラゥアツゥレイ(皇:デリホウライ)
デリホウライ率いる叛乱軍によってナ・トゥンクを滅ぼした後に建國された新國家であり、叛乱軍の名前がそのまま國名となっている。國名はデリホウライの尊敬する姉、カルラの本名から。トゥスクルとは同盟を結んでいる。
ラルマニオヌ
ギリヤギナ族によって治められていた超大國だが、その傲慢なギリヤギナ族の態度によって徐々に反感を買い、シャクコポル族によって叛乱を起こされ滅亡した。カルラとデリホウライはこの國の皇の子である。
オンカミヤムカイ(皇:ワーベ)
ウィツアルネミテアの総本山であり、賢大僧正を長とする宗教國家である。國民すべてがオンカミヤリュー族であり、自らを調停者とし、先立って争いに参加することはない。
クンネカムン(皇:アムルリネウルカ・クーヤ)
三大強國のひとつであり、ラルマニオヌ滅亡後に建國された新興國家である。國民すべてがシャクコポル族であり、唯一オンヴィタイカヤンを信仰している。シャクコポル族は肉体的に最弱といわれるほどだが、アヴ・カムゥの力によって非常に強い軍事力を持つ。その力は三大強國であるノセシェチカを数日で滅ぼすほど。全土平定を目指し他國への侵攻を試み大陸の三分の一近くまで國土を広げたが、トゥスクルを中心とする多くの小國による抵抗にあい、最終的にはムツミによる浄化の炎で皇都を焼かれ事実上の消滅となった。
ノセシェチカ(皇:カンホルダリ)
三大強國のひとつで、クンネカムンの西方に位置している。クンネカムンによってわずか4日で滅ぼされた。
エルムイ(皇:ポナホイ)
小さな集落が集まってできたごく小さな國で、ノセシェチカの属國である。カンホルダリの命によりクンネカムンへの侵攻を試みるが逆に滅ぼされた。

登場人物

※担当声優は「日本語」は日本語版アニメおよびPS2版ゲームでの声優、「英語」は日本国内版Blu-ray Disc BOXにも収録されている英語版アニメでの声優を記載。なお英語版声優のリンクは、片仮名書きは日本語版ウィキペディアの、アルファベット書きは英語版ウィキペディアの記事へリンクしている。

トゥスクル

ハクオロ
声 - 日本語:小山力也、英語:ジョン・グレミリオン
主人公。大怪我をして倒れていたところをエルルゥ達に助けられる。助けられる以前の記憶を失っており、なぜか外すことの出来ない仮面を着けている。「ハクオロ」とは、トゥスクルの計らいでエルルゥ達の実父(故人)から借りうけた名前である。年齢は27歳〜28歳。カミュに「おじ様」と呼ばれた時にショックを受けたり、アルルゥから父親の面影を重ねられたときに内心複雑な心境であるような言動を見せたりと、記憶喪失であることも相まって自分自身の年齢を気にしている。時に優しく、時に厳しい父親のような性格。自らの胸の内や悩みは人に話さず自分で解決する傾向にあり、それでいてたいていの逆境は自力でどうにか出来てしまうという難儀な性をしている。記憶喪失だということを鑑みても不思議なくらい安定した人格者である。こういったゲームの主人公には未成熟なキャラクターが多いが、懐の広さや時に見せる厳しさや非情さなどを見るに、そういう意味では彼は「大人」である。
戦闘フェイズでは毒液・刃を仕込んだ鉄扇を操り、既存の概念にとらわれない采配を振り、先頭に立って一軍を率いる。
その正体は遥か過去から存在する神の如き存在『うたわれるもの』。人間達からウィツァルネミテアと呼ばれ崇められる存在である。ハクオロはそのうたわれるものの半身が顕現した姿、「空蝉」である。かの時代で認知外の高位存在と同化してしまった末の意識が彼であり(作中の描写から博士号を持つ学者だと思われる)、「創成期」でのアイスマンとは彼のことである。彼の被る仮面は、幾千本もの未知の繊維で直接脳髄に縫い付けられており脱着は完全に不可能である。その繊維はそれぞれが脳の各部に作用し、身体機能や免疫力などを向上させる機能を持つ。その効果を研究するための実験体が亜人間たちの祖先であり、彼は遺伝子的な意味で「現代」に生きる全人類の父であると言える。また、「ハクオロ」とは前大戦でウィツァルネミテア(空蝉)がトゥスクルに告げた名前で、トゥスクルはそれを自分の息子に貰っていたが、大怪我をして担ぎ込まれた当初に彼の正体に気付き、その名前を「返還」した。つまりハクオロという「白き皇」を意味する名前は、借り物ではなく彼の真名である。オンカミヤムカイ最深部にて精神の統合後、大神である自身がこの世に相容れぬ災いであることを認識し、自ら封印されることを選ぶ。自身の存在に悩み苦しみながらも、自分が封印される瞬間まで自身の意思を貫き通した。
エルルゥ
声 - 日本語:柚木涼香、英語:キラ・ヴィンセント=デイヴィス
メインヒロイン。大怪我をして倒れていたハクオロを助ける。面倒見がよく村人に慕われる心優しい少女であるが、かなりのやきもち焼き。怒らせると誰もとめられない。家事全般が得意。酒が入るとすぐ酔うが、そこから一向に潰れない。薬師の卵で、祖母であるトゥスクルには薬の調合法などを教わっている。薬草や薬石を採りに行くのが好きで、しばしば森まで通っている。トゥスクルの遺言でアルルゥとともにハクオロに預けられ、建國後はトゥスクル國の薬師となり、以後ハクオロの御付として体調管理を任され彼を見守り続ける。ハクオロの周りにいる女性たちが皆見目麗しい者たちばかりなのを気に病んでいる。エルルゥの名前はトゥスクルの姉と姉妹草から取られている。
ゲームの戦闘時には祖母仕込みの薬術で傷薬や戦時麻薬、果ては毒薬までもを生成し(PC版は回復のみ)、一軍の要として尽力する。アニメでは戦闘に参加しない。
本編開始前、地震で瀕死の重傷を負ったアルルゥを救うため、ハクオロとの間に自らの存在を明け渡す契約を結んでいる。ハクオロへの愛情はその契約による部分もあり、本人にもその自覚はあるが、それを抜きにしてもハクオロ個人へ本当の愛情を抱いている。その旨を声に出すことが出来なかったが、その苦難に耐えながらも別れのそのときまでハクオロを精一杯支え続けた(アニメ版のウルトリィの発言より)。
アルルゥ
声 - 日本語:沢城みゆき、英語:Sasha Paysinger
エルルゥの妹。無口で人見知りが激しいが、一度懐くと甘えたりいたずらをする。主人公を「おと〜さん」と呼び慕う。動物と心を通わすことができ「森の母(ヤーナマゥナ)」ともよばれる。ユズハとカミュとは親友であり、「アルちゃん」と呼ばれている。食欲旺盛な育ち盛りで、皆からは小動物の如く可愛がられ、よく餌付けされている。はちみつが大好物で、カルラに便乗して倉から盗み出すほど。無邪気な性格のわりに頭の回転が早く勘が鋭いが、無謀な行動を取ることもあり実際何度か死に掛けている。アルルゥの名前は姉妹草からとられている。
戦闘フェイズではムックルとガチャタラを従え、ハクオロとエルルゥを守るために、矢も矛も恐れず戦場を駆け巡る。後述のムックルの体毛硬化の能力から、戦闘メンバー随一の物理防御能力を誇っているが、雨が降るステージなどでは弱体化してしまう。
ムックル
声 - 日本語:下山吉光、英語:モニカ・ライアル
エルルゥ達が住む村の近くの森で『森の主(ムティカパ)』として恐れられハクオロ達に退治された、ムティカパ(白虎)の子供。成長した時の事を考え始末されそうになるが、アルルゥが助け面倒を見ている。人の言語を解するほどの高い知能を持つ。巨大な白虎に成長するが、まだまだ子供で、アルルゥにとてもなつき甘えている。だがアルルゥが危機に陥った際は、凶暴なムティカパとなって戦う。しかしエルルゥだけには敵わない。
親のムティカパと同様の刀も通さぬ程硬い体毛を持つが、水に濡れると非常に脆くなる為に水辺や雨を極端に嫌う。
ガチャタラ
チキナロが商品として連れてきたミキュームと呼ばれる白いオコジョやリスに似た霊獣。その肝はあらゆる病気に効くと言われており、ユズハの治療の為にオボロに殺されそうになるが、「可哀想」という理由からユズハは殺すのを拒否し、アルルゥが面倒を見る事になる。名付けた者に対する刷り込みが起こるため、アルルゥを親だと思い込んでいる。小さくて可愛いらしいので、女性陣からは可愛がられるが、特に母親代わりのアルルゥの関心を奪われてしまうことに対してムックルはやきもちを焼いている。
オボロ
声 - 日本語:桐井大介、英語:Chris Patton
ユズハの兄。義賊として活動をしており、最初はハクオロを敵対視していたが、ケナシコウルペとの戦を通じて彼を「兄者」と呼び、最初に彼に心酔する忠臣の1人となる。部下としてドリィとグラァを従え、彼らからは「若様」と呼ばれている。酒は強い方ではないが、周りに大酒飲みが揃っていることに加えて、負けん気の強さからコンプレックスを抱えている。よく飲みすぎて二日酔いの薬をエルルゥに作ってもらっている。妹であるユズハのことを溺愛しており、それゆえ後先が見えなくなることもある。皇族の出身であり、祖父はケナシコウルペの先代皇だった為、オボロはケナシコウルペの正統後継者でもある。しかし祖父が前大戦で敗北し、その結果インカラの先祖に権力闘争でも負け、皇の地位を奪われ没落してしまった。ハクオロからは自身の後継者として任命されたが、「柄じゃない」としてベナウィに託した。またオボロの祖父とトゥスクル、ワーベは前大戦で共に戦った戦友である。
戦闘フェイズでは弐刀流を操り、軽業師のような身のこなしを生かした戦法を見せる。
ユズハ
声 - 日本語:中原麻衣、英語:モニカ・ライアル
オボロの腹違いの妹。盲目であり生まれつき病弱。大病を患っておりしばしば発作で苦しむ。トゥスクル曰く体に複数の『澱神』を宿している特異体質で、彼女の病は複数の澱神の相反の負荷によるものであるため不治とされる。寝所という狭い範囲の世界が彼女の生活圏であり、兄オボロの極端な過保護により純真無垢のまま育ったため、いろいろな方面の知識が欠けている。一種浮世離れした雰囲気をまとい、また凛とした芯の強さをものぞかせる。親友であるアルルゥとカミュからは「ユズっち」と呼ばれる。苦党。自分の存在が、周りの者達に迷惑をかけているのではないかと危惧している。また、自分の命が長くないために「自分が生きた証」を残したいと思いハクオロと子供を作った。また、PC版でハクオロは複数のヒロインと関係をもったが、子供ができたのはユズハのみである。
ドリィ、グラァ
声 - 日本語:渡辺明乃、英語:Brittney Karbowski(ドリィ)・ナンシー・ノヴォトニー(グラァ)
オボロの部下の双子。共に弓の名手。常に二人一組で行動し、見た目も思考パターンもほとんど同じ。瞳が紫で袴が藍色なのがドリィ、瞳が青で袴が朱色なのがグラァである。オボロに対して尊敬以上の感情を持っているらしく、オボロに記憶がなくなるまでお酌をし、撃沈させることもある。少女と見間違えるほどかわいらしい外見で、ハクオロも勘違いしていたが、実際は二人とも少年である。二人ともオボロを若様と、ハクオロを「兄者様」と呼び敬愛する。隠密活動も得意であり、しばしば諜報活動も担当する。隠密活動時は通常より小さめの弓を使用する。トゥスクル弓衆隊長を務めており、ドリィが蒼組隊長、グラァが朱組隊長。
ウルトリィ
声 - 日本語:大原さやか、英語:Kelly Manison
オンカミヤムカイの第1皇女であり、カミュの姉。本来は巫(カムナギ、巫女)であり外交特使として活動することはないが、本人たっての希望によりトゥスクルの國師(ヨモル)として派遣された。美しい白翼を持ち、慈愛に満ちた立ち振る舞いで様々な人々から畏敬の念を集めている。カルラとは旧知の仲であるが、その馴れ初めは明らかにされていない。神々しい聖女のような女性だが、預けられた捨て子に感情移入しすぎてしまい、親元に帰す際に手放すことが出来ずに我を見失い、悪鬼のごとく変貌するなど人間的な面も見せた。ハクオロに想いを寄せている。
戦闘フェイズでは、オンカミヤリュー独自の法術を駆使して戦う。
カミュ
声 - 日本語:釘宮理恵、英語:Serena Varghese
ウルトリィの妹で第2皇女。誰とでも仲良くできる元気な少女。一族の始祖の力を特に強く受け継ぐその羽は黒色。ゆえに畏怖をもって別格視され、皇女である事も重なりトゥスクルに来るまで友達と呼べるような者がいなかった。アルルゥやユズハとは仲良しで、アルルゥからは「カミュちー」と呼ばれる。ハクオロのことを「おじ様」と呼び、父のように慕っているが段々それ以上の想いを寄せるようになる。『この世ならざるもの』と対話することが可能な、オンカミヤムカイの中でも特異な存在(ムツミの項参照)。
戦闘フェイズでは、姉のウルトリィ同様の法術を駆使して戦う。ただし、ウルトリィとカミュでは使用できる術の属性が異なっている。
ベナウィ
声 - 日本語:浪川大輔、英語:Vic Mignogna
ケナシコウルペの侍大将であり騎兵衆隊長。國への忠義のため戦う生粋の武人。槍の達人であるが、その冷静沈着さと知性で政務の補佐においても優れた手腕を発揮する。國を蝕むインカラ皇の圧政に心を痛めながらも、己の気持ちを押し殺し命令に従っていた。インカラ皇を殺害した後に自害しようとするがハクオロに止められ、以後彼に仕える。表には出さないがハクオロの人柄に惚れており、彼に心酔する忠臣の1人。持ち前の容姿と性格から女官たちの憧れの的であり、恋文も多数受け取っていたようだが、本人は無自覚。上司も同僚も部下も気ままな行動をする者が多いため気苦労と小言が絶えず、恐らくトゥスクル國内では一番の苦労人。一見旧人類(普通の人間)のように見えるが、長く尖っている耳がたまに見えるので、彼もまた亜人間である。
戦闘時には鉤槍を振り回し、シシェという名の灰色のウォプタルに騎乗して俊敏に敵兵を攪拌する。
クロウ
声 - 日本語:小山剛志、英語:ジェーソン・ダグラス
ベナウィ率いる騎兵衆副長。言葉使いも行動も少々粗野だが礼節は弁えた、頼りになる武人。「平和を望まないわけではないが、戦場を駆けることこそ生きがい」と豪語する。また意外と細かい気配りも出来る。かなりの酒豪で、自分の周りに健啖な飲み仲間が増えて喜んでおり、豪放磊落な彼曰く「酒は競わず、楽しむもの」。オボロとはじゃれ合いめいたいがみ合いが絶えない。隊長であるベナウィとは強い信頼関係で結びついている。ベナウィを「大将」、ハクオロを「総大将」と呼び心酔する忠臣の1人。
戦闘フェイズでは緑色のウォプタルに騎乗し、規格よりも少々大きめな大刀を操る。
カルラ
声 - 日本語:田中敦子、英語:Shelley Calene-Black
本名:カルラゥアツゥレイ。戦闘に特化した肉体を持つギリヤギナ族の女剣奴(ナクァン)。鎖つきの大きな首輪が特徴の怪力娘で、男5人がかりでないと運べないほど重い巨大な剣を片手で軽々と振り回す。この剣は、通常の剣ではカルラの怪力に耐えきれず折れてしまうため、「決して刃こぼれせず、折れず、曲がらない」という注文によって作られた特注品。この常識外の強靭な力はカルラ生来の(ギリヤギナ族としての)素質もあるが、彼女の父親が大神と契約し得た力が引き継がれているためでもある。一流の戦士であると同時に酒と風流を嗜む生粋の自由人でかなりの酒豪。まじめな人をからかうのが好き。奔放な言動と行動でハクオロを翻弄するが彼に心酔する忠臣の1人であり、同時に彼を心から愛している。髪の毛の一本から血の一滴まで捧げるという「ウィツァルネミテアの契約」をハクオロと交わし、彼を「あるじ様」と呼ぶ。ウルトリィとは古くからの友人。 アルルゥ同様、つまみ食いの常習犯である。他人からはいい加減で捻じ曲がった精神の持ち主のように思われがちだが、後述のスオンカス曰く「自らの痛みは我慢できても、他人の苦痛には耐えられない」性格で、いざとなれば自己犠牲も厭わない。ちなみに、一人のまだ幼さの残る少女が剣奴の闘覇者として君臨し、そのあまりの強さのために恐れられ、死ぬことを前提とした過酷な戦に常に駆り出されていた、という噂話があるがその少女がカルラだったのかどうかは不明。
戦闘フェイズでは前述の重剣を使用して眼前の兵士を暴風の如く薙ぎ倒す。
トウカ
声 - 日本語:三宅華也、英語:Sofia Mendez
武術に優れ、義を重んじ、高潔なる魂を持つといわれるエヴェンクルガ族の流浪の女武人。始めはクッチャ・ケッチャに与してハクオロと敵対していたが、誤解が解けた後は彼に心酔する忠臣の1人となった。ハクオロのことを「聖上」と呼びお傍付(護衛役)を務めているが、最近では他の女性に対抗してか皇妃の地位を狙いハクオロの子を欲しがっている。生真面目な性格なのだが、ひとつのことに集中すると周りが見えなくなる為、「某としたことが」を口癖にうっかり色々なことをやらかす。別名「うっかり侍」。 生真面目ゆえ度々カルラにいじられる。酒に対する耐性は無きに等しく、一献あおるともう朝まで起きない。可愛いものに目がなく、特にアルルゥに対しては戦場ですら本音が出るほどである。武人を模した玩具の人形を宝物として大切にしていて、その人形が走り去る馬車に乗っかってしまった時には、鬼神の形相で追いかけて街の噂になった事もある。一人っ子である模様。
戦闘フェイズでは日本刀で居合い切りを連続で放つ離れ技を見せ、ハクオロに手向かう者を斬り捨てる。ゲームを見る限り左利きであるが、アニメや一部のゲームシーンでは右利きで描かれる事がある。

ヤマユラ

トゥスクル
声 - 日本語:京田尚子、英語:Marcy Bannor
エルルゥとアルルゥの祖母で村長。各地で知られる高名な薬師であり、倒れていたハクオロを治療する。祖母として優しく孫たちに接するが、怒ると怖い。ヤマユラが戦乱に巻き込まれた際、ヌワンギの部下の凶刃からアルルゥを庇って死亡。これが村人の怒りを爆発させる原因となり、この大きな戦いの火付けとなった。若いころはワーベとも親交があり、彼の腕に噛みついたというエピソードがある。
テオロ
声 - 日本語:石川ひろあき、英語:Mike Vance
辺境の村ヤマユラの男。村人からは「おやっさん」または「親父」と呼ばれており、「頼りにされている」と自分では言っているが、実際は子供の頃から親父くさい顔をしていたからだという。ハクオロを「アンちゃん」と呼び慕っている。序盤に参加する戦闘では斧を武器として戦う。
ハクオロがケナシコウルペ皇都を制圧した後に、エルルゥとアルルゥを除き全員ヤマユラに戻った。だがその後、クッチャ・ケッチャからの突然の襲撃に際し、ハクオロへとその報を伝えて体制を整える時間を稼ぐ為に全員で応戦し、結果皆殺しの憂き目にあった。背中に毒矢を受けながらもハクオロの元へと向かったテオロは「報告」という役目を果たし、皆が出撃して誰も居なくなった部屋の中で静かに息絶えた。
ソポク
声 - 日本語:雪野五月、英語:クリスティーヌ・オートン
テオロの妻。姉御肌で、親を亡くしたエルルゥ達から身近な女性として家族のように慕われ、また接している。
ウゥハムタム
声 - 日本語:下山吉光、英語:John Swasey
ヤーやターと一緒にいる三人組の一人で、「ウー」と呼ばれている。大柄の男で無口。主に後方支援として戦うが、戦闘場面には登場しない。
ヤァプ
声 - 日本語:加藤将之、英語:Christopher Ayres
ウーやターと一緒にいる三人組の一人で、「ヤー」と呼ばれている。老人で、よく語尾に「〜ダニ」と付く。主に後方支援として戦うが、戦闘場面には登場しない。
タァナクン
声 - 日本語:雪野五月、英語:Christopher Ayres
ウーやヤーと一緒にいる三人組の一人で、「ター」と呼ばれている。緑の服の若い少年。耳はトゥスクル兵が耳部につけた布のようだが、タァナクンの場合はこれが耳である。主に後方支援として戦うが、戦闘場面には登場しない。

カムチャタール一味

コンシューマ版の追加シナリオに登場するキャラクター達。OVAにてアニメ版に初登場した。タイムボカンシリーズの三悪がモチーフであることが制作サイドから公言されている。

カムチャタール
声 - 日本語:田口宏子
歓楽街の女主人。実はインカラの娘で、ある理由から裏で盗賊稼業をしていた。ベナウィ、クロウとも元は主従関係にあり、顔馴染み。特に、クロウに対しては何か含むものがあるようである。
ノポン
声 - 日本語:下山吉光
ひょうきんな髭面と言葉遣いが特徴のオンカミヤリュ-族。地脈を利用した転移術など、本来なら僧正級の身分でないと使えないような高位の術を会得しているが、オンカミヤリューの戒律を嫌って出奔した破戒僧。また金を塩に変えたり、取れたてのモロロに命を吹き込んだり出来る。インカラ皇の時代にはベナウィ、クロウと同僚であった。
ゴムタ
声 - 日本語:間島淳司
キママゥだが自分の事を人間と思っているらしく、キママゥ扱いされると怒る。人間の言葉を理解出来るほど高い知能を持つ。ドリィとグラァに懸想した。

ケナシコウルペ

ヌワンギ
声 - 日本語:吉野裕行、英語:Greg Ayres
藩主ササンテが下女に産ませた子供。インカラ皇の甥。権力を笠に身勝手に振舞うプライドだけ高い若者。母親の故郷であるヤマユラの集落で子供時代を過ごすが、ササンテの嫡子が夭折したため、代わりに跡継ぎとして城へ戻される。幼馴染のエルルゥに好意を寄せている。エルルゥたちと暮らしていた頃は優しかったらしいが、父親の元で過ごしたことで性格が歪んでしまった。父であるササンテ亡き後はインカラの下で侍大将となったが、ハクオロ達との戦闘に敗れ捕えられる。エルルゥに諭され改心したかに見えたが、落武者狩りにあい死亡したと思われる。アニメ版の消息は不明。
ササンテ
声 - 日本語:大川透、英語:John Swasey
エルルゥ達の村とその周辺を治める藩主で、ヌワンギの父。横暴な性格をしており、重税をかけて村人を苦しめる。鈍重そうな見かけによらず、武人としての実力は高い。コンシューマ版ではヌワンギとの協撃が敵で唯一追加された。ハクオロ達の反乱に敗れ、ヌワンギを囮に自分だけ逃げようとしたところ、母親と一緒で役に立たないと言われ逆上したヌワンギに殺される。アニメ版と漫画版ではハクオロに鉄扇を喉に突き立てられ殺される。
インカラ
声 - 日本語:大川透、英語:Andrew Love
エルルゥ達の國のケナシコウルペの皇でササンテの兄、ヌワンギの伯父。弟ササンテ以上に狡猾かつ残虐な性格で、民からの収穫を私事につぎこむ愚皇。自分の髪の毛(アフロ)には並々ならぬこだわりを持っている。皇都陥落の際、皇の最後の務めを拒否したためベナウィに「介錯」される。
チキナロ
声 - 日本語:太田哲治、英語:Andy McAvin)
旅の商人。薬や武器や装飾品から他國の情報まで、人身売買以外のありとあらゆる物を売り買いしている。護身の為か仕込み武器を持っており、その腕は達人級らしい。人身売買は決して請け負わないが商人としてのプライドを貫くために、自分自身の命ならば平気で質に入れる。

オンカミヤムカイ

ワーベ
声 - 日本語:大木民夫、英語:John Swasey
宗教國家オンカミヤムカイの皇で、教祖たる賢大僧正(オルヤンクル)でもある。ウルトリィ、カミュの父親。
ムント
声 - 日本語:白熊寛嗣、英語:Jay Hickman
オンカミヤムカイの僧正(ヤンクル)にして皇女ウルトリィ、カミュのお目付役を務める老人。ウルトリィやカミュの事を心から心配しているが、気合いが空回りする事もあり、色々と気苦労が絶えない。僧としての位はウルトリィよりも高い。戦闘には参加しない。

クンネカムン

アムルリネウルカ・クーヤ
声 - 日本語:富坂晶、英語:Luci Christian
三大強國の1つのクンネカムンの若き女皇。最弱と言われるシャクコポル族。ハクオロに興味を持ち接触してくる。言葉遣いは尊大だが、非常に愛らしい容姿をしている。また年若い皇であることも相まって、臣民や忠臣たちからは密かに軽く見られがちなため、人前では常に外套で素顔を隠している。戦場では白のアヴ・カムゥを駆って戦う。戦場にて初めて人を殺めたことで戦争の恐ろしさを自覚し始め、自分の中の理想との齟齬を感じ始める。自分に与えられた力の大きさと、自身の未熟と非力の落差に苦悩しており、自分が進むべき道を見失いかけたとき戦乱と信念と無力は、彼女にある決断を迫る。
シャクコポル族の権威の確立のため、全土統一に乗り出しハクオロとも刃を交えるが、突如戦闘に割り込んできたディー達に国土を焼かれ、敬愛する忠臣を殺され、精神崩壊を起こし幼児退行する。以後、トゥスクルにサクヤと共に預けられ、作中では、ついに精神が復帰することは無かった。
サクヤ
声 - 日本語:水橋かおり、英語:Allison Sumrall
クーヤの世話係で、ゲンジマルの孫でありヒエンの妹。クーヤにとっては唯一の友人。この世界では母親の遺伝子を強く受け継ぐ為、ゲンジマルと違いシャクコポル族。本来は腰まである長髪だったが、ハクオロを呼びに禁裏に忍び込んだ際衛兵に見つかり、逃げている最中に髪を斬られ、短髪になってしまった。
ゲームではワーベ救出の際にゲンジマルの人質として逃げ出さない証の為、ゲンジマルに足の腱を切られており走ったり強く力を入れることが出来なくなっている。終盤以降、幼児退行してしまったクーヤの親代わり兼世話役として共にトゥスクルで過ごす。
ゲンジマル
声 - 日本語:飯塚昭三、英語:Charles Campbell
先代のクンネカムン皇の頃よりクンネカムンに仕えている大老(タゥロ)でクーヤの腹心。エヴェンクルガ族の中でも稀代の英雄であり、生ける伝説と言われている。一族の名に恥じぬ忠義に厚い性格。
ウィツァルネミテア(ディー)と契約して彼の眷属となっている。その為ディーに仇なすことは許されていなかったが、クーヤの身を守るためディーに果敢に立ち向かい絶命した。そのさまに心動かされたディーは先代からクーヤに渡っていた契約の破棄を認める。かつてカルラ、デリホウライの父を7度に渡る決闘の末、打ち倒している。
ハウエンクア
声 - 日本語:渡辺明乃、英語:Blake Shepard
クンネカムン右大将。人を人とも思わず、「戦いの火を撒き散らし、大勢の人間を殺したい」という己の欲望のために大義名分でクーヤを扇動しようとする、「手段」のためなら「目的」を選ばない狂人。戦場では赤いアヴ・カムゥを駆り、無力の相手をも容赦なく皆殺しにする。最後は憐れにもハクオロに恐怖して精神を病んでヒエンにトドメを刺される。アニメではクンネカムン皇都で変身したハクオロに倒された。
ヒエン
声 - 日本語:野島裕史、英語:Clint Bickham
クンネカムン左大将。ゲンジマルの孫でサクヤの兄。仁義に厚く、義を重んじる人格者であるゲンジマルの孫らしく、彼の影響を顕著に受けた武人。しかしゲンジマルと違って自分が貧弱なシャクコポルである事や、目標であるゲンジマルがとうてい自分では追いつけないほどの英雄である事に焦りを覚え、ハウエンクアとはまた違った理由で戦争を望む。戦場では青いアヴ・カムゥを駆り、厳格に、しかし慈悲無く敵兵をなぎ払う。ゲームではハクオロ達を進ませる為に、ムツミと戦って絶命した。アニメではクンネカムン皇都で変身したハクオロに倒された。

その他の諸國および勢力

ニウェ
声 - 日本語:秋元羊介、英語:Christopher Ayres)
三大強國の1つシケリペチムの皇。武と知を兼ね備えた皇で元は狩猟部族の長だった。各地に散らばった部族達を統括し一代で國を三大強國の1つと言われるようにまで成長させた。非常に好戦的な性格で大変気性が荒く、戦うために生まれ、戦うために生きる武人なのだと自ら認めている。ハクオロに『最高の獣』としての素質を見抜き、獲物と定め執拗にトゥスクルに攻め込む。しかしトゥスクルに軍勢の大半を送り込んでいる隙にハクオロを含む少数の精鋭に城を襲撃され、最期はウィツァルネミテアとして覚醒したハクオロによって惨殺された。
オリカカン
声 - 日本語:小形満、英語:John Swasey
北方の騎馬民族國家・クッチャ・ケッチャの皇。ハクオロを裏切り者の義弟ラクシャインと呼び、妹の仇としてトゥスクルに攻め込んだ。しかしハクオロに対する憎悪は実はディーによって精神操作された偽りのものであり、トゥスクルへの進攻もハクオロを追い詰めるためにニウェとディーによって仕組まれたものに過ぎず、最期は用済みとされ暗殺される。
スオンカス
声 - 日本語:近藤孝行、英語:Josh Grelle
奴隷の売買を國益とするナ・トゥンクの皇。生きた人間を花の糧にするなど倒錯した美的感覚をもつ残忍な性格。カルラに異様なまでの執着心をもっている。実はカルラに男性としての機能を破壊されているが、本人はむしろそのことを感謝しているらしく、オカマ言葉で喋る。
デリホウライ
声 - 日本語:加藤将之、英語:Nomed Kaerf
滅亡した超大國ラルマニオヌの皇子でナ・トゥンクの解放軍「カルラゥアツゥレイ」のリーダー。ギリヤギナ族。傲慢な性格で自分の力に溺れていたが、カルラに「教育」され丸くなった。幼い頃に生き別れた姉を今でも慕っているが、かなり美化して記憶しているようである。ちなみに「カルラゥアツゥレイ」とは彼の姉の名前である。新国「カルラゥアツゥレイ」建国後は皇となり、トゥスクルと同盟を結ぶ。
カンホルダリ
声 - 日本語:最上嗣生、英語:John Swasey
三大強國の1つ、ノセシェチカの皇。屈強の肉体を持ち傲慢で自己中心的性格。明確な描写はないが、耳などの形からギリヤギナ族の可能性がある。シャクコポル族に対して偏見があり、憎悪にも近い嫌悪感を抱いている。戦の才はあっても、視野の狭い独裁者。ポナホイにクンネカムンへの侵攻を命じ、自身も返り討ちにあいディーによって生きた操り人形にされてしまう。アニメではクーヤのアヴ・