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おざなりダンジョン/こやま基夫

共有

著者: こやま基夫
巻数: 7巻

こやま基夫の新刊
おざなりダンジョンの新刊

最新刊『おざなりダンジョン 7


出版社: 学習研究社
シリーズ: ノーラコミックス


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

augur_and_clown のらくろ(復刻版) 漫画日本の歴史 人物日本の歴史 おざなりダンジョン モルダイバー へうげもの おもいつかん… #読んだマンガも人間性に影響するらしいのであなたの人生のベスト10を教えて
ginoyahutaushi こやま基夫先生のおざなりダンジョンが大好きなので、獣人やリザードマンなんかもぜひやってみたい!
cva1046 「おざなりダンジョン」一択!青春! #懐かしいノーラコミックスを呟いてTLを学研にする
asariyositotter RT @smegma_butter: 小学5年生のとき近所のローソンにカールビンソンの単行本が置かれてて、少ない小遣いで頑張って買って、それからも新刊出るたびにそのローソンに入るから、ずっと買ってた。関係ないけどおざなりダンジョンも読み始めた。
asariyositotter RT @banban_bino_35: カールビンソンとかおざなりダンジョンとかありすぎた #懐かしい少年漫画を呟いてtlを燃え上がらせる

おざなりダンジョン』は、こやま基夫の漫画作品およびこれを原作としたOVAである。本項ではシリーズ作品の『なりゆきダンジョン』『なおざりダンジョン』についても記述する。

ややSF調のファンタジー世界を舞台に、流浪の冒険者モカ・キリマン・ブルマンの3人組による自由闊達で破天荒な活躍を描く、ユーモラスな作品である。

概要

「月刊コミックNORA」(学習研究社)において、1987年11月号に1話、1988年1月号に2話が掲載、1988年11月以降月刊連載となり、1996年11月号まで連載された。単行本の描き下ろしを含めて全99話(SD漫画除く)。単行本は全17巻。また、ビブロスから3~20、67~69話の内容と、描き下ろしのSD漫画を加えた復刻版の単行本が全3巻で発売。

その続編となる『なりゆきダンジョン』が「月刊コミックノーラ」1997年2月号より連載されるが、1998年9月号の休刊と共に終了。全20話。単行本は全3巻。

そして2004年に、「超人ロックSpecial」(ビブロス)のVol.11より、『おざなりダンジョン』より過去の話となる『なおざりダンジョン』の連載が開始され、2006年にVol.14の雑誌休刊と共に終了。この全4話の連載をまとめた全1巻の単行本が、ジャイブから発売された。その後、「月刊コミックラッシュ」(ジャイブ)に雑誌を移し、2006年6月号より連載が再開、2010年2月号まで連載された。(この間、休載時に『おざなりダンジョンSpecial』も掲載された。)

2010年4月号より『なりゆきダンジョン』以降の話となる『おざなりダンジョンTACTICS』が連載開始された。

本作は「月刊コミックNORA」の最長連載作品であり、『マップス』(長谷川裕一)、『NERVOUS BREAKDOWN』(たがみよしひさ)とともに三大看板の一角をなしていた。

また、連載が開始された時期は日本でコンピュータRPGが急速に普及し始めた頃であり、ライトノベルなどでは「剣と魔法の世界」を題材とするものが多くなっていたが、本作は日本の漫画作品におけるそのような傾向の草分けとも言える。ファンタジー小説に近い内容であれば少女漫画で既に確立された作品があったが、アクション性の強い本作品はずっとライトノベル的、あるいはアニメ的であった。また、連載当初はウィザードリィなどの影響が顕著に見られた。

単行本

  • おざなりダンジョン 全17巻(学習研究社、ノーラコミックス)
    • 1巻 1989年4月24日発行 ISBN 4-05-103405-4
    • 2巻 1989年12月24日発行 ISBN 4-05-104357-6
    • 3巻 1990年7月6日発行 ISBN 4-05-104940-X
    • 4巻 1990年12月6日発行 ISBN 4-05-104948-5
    • 5巻 1991年6月6日発行 ISBN 4-05-105653-8
    • 6巻 1992年1月6日発行 ISBN 4-05-105787-9
    • 7巻 1992年5月6日発行 ISBN 4-05-106140-X
    • 8巻 1992年12月6日発行 ISBN 4-05-106151-5
    • 9巻 1993年4月6日発行 ISBN 4-05-600071-9
    • 10巻 1993年9月6日発行 ISBN 4-05-600287-8
    • 11巻 1994年3月6日発行 ISBN 4-05-600466-8
    • 12巻 1994年9月6日発行 ISBN 4-05-600682-2
    • 13巻 1995年4月6日発行 ISBN 4-05-600931-7
    • 14巻 1995年9月6日発行 ISBN 4-05-601040-4
    • 15巻 1996年2月6日発行 ISBN 4-05-601207-5
    • 16巻 1996年7月6日発行 ISBN 4-05-601345-4
    • 17巻 1997年1月6日発行 ISBN 4-05-601469-8
  • なりゆきダンジョン 全3巻(学習研究社、ノーラコミックス)
    • 1巻 1997年9月6日発行 ISBN 4-05-601727-1
    • 2巻 1998年3月6日発行 ISBN 4-05-601835-9
    • 3巻 1998年10月7日発行 ISBN 4-05-601957-6
  • おざなりダンジョン 全3巻(ビブロス、メグコミックス)
    • 妖精の城編 2004年10月5日発行 ISBN 4-8352-1663-6
    • 天虹の城編 2004年11月5日発行 ISBN 4-8352-1672-5
    • 虚構の王座編 2004年12月5日発行 ISBN 4-8352-1683-0
  • なおざりダンジョン 全8巻(ジャイブ、CRコミックス)
    • 1巻 2006年2月13日発行(2月7日発売) ISBN 4-86176-186-7
    • 2巻 2006年11月12日発行(11月7日発売) ISBN 4-86176-351-7
    • 3巻 2007年5月11日発行 (5月7日発売)ISBN 978-4-86176-400-4
    • 4巻 2007年12月11日発行(12月7日発売) ISBN 978-4-86176-467-7
    • 5巻 2008年7月日発行(7月日発売) ISBN 978-486176-511-7
    • 6巻 2009年3月日発行(3月7日発売) ISBN 978-4-86176-630-5
    • 7巻 2009年7月13日発行(7月7日発売) ISBN 978-4-86176-686-2
    • 8巻 2010年3月日発行(3月6日発売) ISBN 978-4-86176-753-1
  • おざなりダンジョンSpecial(ジャイブ、CRコミックス)
    • 2008年7月日発行(7月日発売)978-4-86176-544-5
『おざなりダンジョン』よりギルドの街編+新作2話
  • おざなりダンジョン 全10巻(ジャイブ、CRコミックス)
    • 1巻 2009年3月15日発行(7月7日発売) ISBN 978-4-86176-631-2
    • 2巻 2009年3月15日発行(7月7日発売) ISBN 978-4-86176-632-9
    • 3巻 2009年4月日発行(4月7日発売) ISBN 978-4-86176-647-3
    • 4巻 2009年4月日発行(4月7日発売) ISBN 978-4-86176-648-0
    • 5巻 2009年5月日発行(5月7日発売) ISBN 978-4-86176-658-9
    • 6巻 2009年5月日発行(5月7日発売) ISBN 978-4-86176-659-6
    • 7巻 2009年6月日発行(6月6日発売) ISBN 978-4-86176-669-5
    • 8巻 2009年6月日発行(6月6日発売) ISBN 978-4-86176-670-1
    • 9巻 2009年7月13日発行(7月7日発売) ISBN 978-4-86176-687-9
    • 10巻 2009年7月13日発行(7月7日発売) ISBN 978-4-86176-688-6
各巻に書き下ろしで『ナノnanoダンジョン レッド』(奇数巻)『ナノnanoダンジョン ブルー』(偶数巻)が収録。
ギルドの街編が直前に発行されたおざなりダンジョンSpecialに収録されたため、未収録となっているため注意が必要。3巻巻頭に注意書きあり。
  • おざなりダンジョンTACTICS 1巻~(ジャイブ、CRコミックス)
    • 1巻 2010年10月15日発行 (10月7日発売) ISBN 978-4-86176-791-3

あらすじ

モカ、ブルマン、キリマンの3人が世界を股にかけて繰り広げる冒険が描かれている。主人公らの珍道中物語では在るものの、その背景にはシリアスな展開も含まれる。

『おざなりダンジョン』は、アストラルのエスプリと共に、3人がゴンドワナ大陸を舞台に冒険する物語。冒険の中で度々ロゴスと対峙することになり、次第にギルド、ジオ・サウルス帝国、マジック・アカデミーといった多くの世界を巻き込んだ、真竜を巡る戦いに身を投じていくことになる。

『なりゆきダンジョン』は、グレート・ソウルから渡された「ロゴスの牙」を携え、3人が『おざなりダンジョン』の事件により出現したローレシア大陸を舞台に冒険する物語。ローレシア大陸に辿り着いた3人は、そこで文明を作り出す子どもたちに出会い、戦っていく。その中で、過去に飛ばされてしまったアベルと再会を果たす事になる。

『なおざりダンジョン』はゴンドワナ大陸を舞台とした『おざなりダンジョン』よりも前の話で、3人が出会った頃を描いた物語。偶然3人が参加したギルドの人員募集の試験で、ドラコニア帝国との事件が起こり、3人が事件の解決に乗り出す。

『おざなりダンジョンTACTICS』は「なりゆき~」から3年、ゴンドワナ大陸とローレシア大陸との間に戦争が勃発。二つの勢力の対立が深まる中、第三勢力「バンデット・カフェ」として活動するモカたちの姿があった。

登場人物

主人公

モカ
戦士の少女。種族は Barbarian (蛮族)と思われる。
楽天的で喧嘩には滅法強く、子供の頃、伝説的な狂戦士(バーサーカー)サルバドルによって育てられた過去を持つ。
思考するという作業が苦手で複雑な問題に直面すると力で解決できる短絡な手段を好むが、本質を直感的に察する鋭さも併せ持つので結果的に良い結果に結びつける事ができる。また戦闘行為に関しては時にブルマン以上の洞察力を発揮する事もある。
回を重ねるごとに粗暴な面の描写がエスカレートして行き、絵柄も中性的になっていった。
普段は、トラブルメーカー以外の何者でもなく無銭飲食などはする。
このように粗野・粗暴な印象が多い彼女であるが、戦争や殺害を嫌い、食事を目的とする狩猟以外では人間・モンスターを問わず極力命を奪う事を避ける傾向が強い。
また、露出度が高いコスチュームだが、全裸姿を見られることは嫌い、女性らしい服装を似合わないと自覚しつつも興味を示す場面などもあり、全くのただの乱暴者という訳ではない。
ブルマン(ブルー・マンジェロ)
盗賊、男性。種族は Nekomatango (獣人、小柄な猫人種)。
優れた頭脳と高い技術力を持つ盗賊で、大盗賊ネロとも互角以上に渡り合うことができるものの、極めて謙虚な性格の為に目立たない(盗賊としても目立たない方が良い訳だが)。
盗賊業以外にも機械いじりを得意とし、ギルドではよくモローの助手をしている。
慎重な性格ゆえに、モカのお守り役に回ることが多い「パーティーの良識」。かつては自己中心的な性格も見られた(「なおざり」~「おざなり」初期)が、その役割が固定されていくにしたがって丸くなった。
ただし、余計な一言を言ってはモカに殴られるのも彼の役目。
キリマン(キリー・マウンテン)
魔法使い、性別不詳(作中の反応などからやや男性っぽい)。種族はカンガルーを思わせる Inumoarukeba 。
普段はまったくと言っていいほど言葉を発さず、そのため、会話は主に手持ちの板に文字を書く事で行う(シリーズ第1回(読み切り前後編)でのみ一言だけ口を聞いている)。
いつもボーっとしているため、何を考えているのか分からない。
加えて「何(モンスターやアンデッドもお構い無し)とでも友達になれる」という意味不明な特技を持つ。
しかしその魔法の腕と咄嗟の機転で、度々周囲を驚かせることがある…が、普段が普段だけに怪現象扱いである。
キリマンという名前は、モカが呼びやすいように勝手に付けた名前であるが、本人は別に嫌がってはおらず、むしろ気に入っているようである。
本名はダンブルウィード。かつて、伝説の魔導士であるヴァヴァラウドの弟子だった過去を持つ。
彼が無口な理由はここにあり、禁呪を口にする事を懸念し、言葉を発しないよう自らに制約を課している。

マジック・アカデミー

グレート・ソウル
マジック・アカデミーを統べる存在で、アストラルを生み出す昇華の儀式を行う事ができる。星に宿る生命の、世界を破壊する真竜に対して向けられた小さな意識が同化することによって生まれた精霊。魔力(マナ)を正しく扱うために、マジック・アカデミーを創った。アストラルへの昇華を拒んだ唯一の人間であるヨナに対し、特別な関心を抱いている。エルザら一部の者達には“能力があるのになにもしない”等と日和見な態度を好ましく思われていない様な場面も見受けられる。
エスプリ
アストラル。マジック・アカデミーが下した人類を粛正するという決定の是非を調査するために地上に来たが、そこでモカの存在に惹かれ、人間を知るためにモカの剣に姿を変え共に冒険することになる。モカには正体を明かさずにいるが、実際のところは概ねばれているし、エスプリ自身もそれを理解している。度々ロゴス達と衝突することになる。
ロゴス
真竜にしてアストラル。一度マジック・アカデミーに関係したものの、離反して敵対するアストラルとなったが、ナーガと出会うことで自らが真竜であることに目覚める。そして真竜という種族が絶滅しようとしている事に疑問を抱き、種を絶やさぬために行動を起こす。本来は禍々しい巨大な黒竜だが、自らの力によって普段は青年の姿をしている。破壊神の異名をとる。2人のイニシエート、エトス、パトスを従えている。
ラプラス
数十年ぶりに生まれた新たなアストラル。人間だった頃の名は「予言者ラル」。優れた水使いの魔道士で自らの予知に従い使命を果たすべく理力の塔に向かう途中でモカたちと道連れになる。
集って来た魔道士の中では冷静な人物で、生前のエスプリに似ていると危険視されロゴスによって異空間に幽閉される。資格に満たない魔道士たちを強制的にアストラル化しようとするロゴスに立ち向かい倒れるが死する寸前にグレートソウルの手でアストラルに昇華した。
自身の予知を変えた(彼の予知では自分は死ぬ筈だった)モカの「イレギュラー」を認め重要視している。

理力の塔

白のマスター
理力の塔のダンジョン・マスター。姿格好はてるてる坊主でちっとも威厳が無いし、部下からも地位だけはある無能人扱いされていたが、実際にはかなりの力を持つ魔道士である。理力の塔を黒のマスターに奪われた際、モカたちを雇って塔を取り戻した。白竜ナーガを人間の姿に変えて一緒に暮らし、間に一子をもうける。腕の立つ忍者を多数従えている。
ナーガ
真竜。本来は白竜の姿をしているが、人間として生きることを望み、白のマスターに力を与える代わりに人間の女性に姿を変えて貰い、理力の塔で白のマスターと共に暮らしている。当初は約束を破って封印を解いた時には喰ってしまう、という契約だったらしいが、愛情が芽生えたのか自ら破棄。人間としての名前は「奥さん」。白のマスターの部下である忍者達は、主に彼女 (?) のために働いていると言っても過言ではない。子を宿した事を知ったとき、モカに名付け親になってもらうよう依頼する。モカや赤ん坊のアベルを守る為にグレートソウルが生まれた過去に彼女らと共に送られ、ロゴスのやつあたり攻撃から最後まで生き残っていた街を守っていたのだが・・・?
アベル
白のマスターとナーガの間に生まれた子供。モカが咄嗟に思いついた、カインの死別した兄の名を取って名付けられる。グレート・ソウルを倒すことのできる存在として、ロゴスに狙われる。モカ、ナーガと共に過去へ送られてしまうが、その後ローレシア大陸に姿を見せることになる。なお、ローレシアに現れた彼はナーガが過去のロゴスとモカの戦いにおいて死亡、もしくはそれ以後に寿命による死etcを迎えた為に生まれたif(いくつかある未来の可能性の一つ)の存在である為に、本来ならば名付け親であるモカに対して「何故母を見捨てたのか?」と問う場面も。今後の展開によってはその存在や持っている意識等が変更されるかも知れないキャラ。

ギルド

ヨナ
ギルド・マスターで女性(老婆)。
かつて「プランナー」の異名を持ち、王のいない国を創る事を目指して、各国の軍師として働き資金を稼いでいた。
優れた洞察力と思考力を持ちながらも、自身の目的に添わないと知るや呆気なくアストラルへの昇華を拒み、マジック・アカデミーの技術を地上へもたらす。
しかし結果は自分が絶対権力者となっただけであり、このことはあまり快く思っておらず、モカたちを見て昔を回想することもある。
エルザの育ての母であり、サルバドルの義娘であるモカに興味を抱く。
モカとカインの恋の行方をしきりに気にしている。(というか目論んでいる)
周囲からの評価は「喰えない婆さん」。
エルザ
サルバドルの実の娘であり、ヨナによって育てられた。
ギルド・マスターの次期後継者。
モカにサルバドルとの繋がりがある事を知り、モカに対して関心を持つ。
アストラルが度々起こす事件に関わることで、マジック・アカデミーに対して不信感を抱くようになる。
余談だが、制服の下に着用している機械が原因でいかり肩で体格がいいように見えるため、当初多くの読者に男性と勘違いされ、後に露出度が高くなっていった。
サルバドル
モカの育ての親であり、エルザの実父。
大剣「ケッアルカトル」を持ち、かつてギルド最強の戦士を誇っていた。
しかし剣の道を極めるためにギルド後継者の立場を捨て、エルザをヨナに預けて旅立ったことが、ヨナの怒りを買うことになる。
旅路の果てに既に死亡しているが、一般には「行方不明」となっている。
蛮族の王とも称され、その名は大陸中に知れ渡っているため、しばしばその名を騙る不心得者が現れる。
ファルコ
天虹の城の騎士。「白銀の鷹」の異名を持ち、ギルドでは創設祭における白騎士として知られている。
剣をとればモカと互角の腕を持つが、モカとは対照的に騎士道を重んじる生真面目な性格。
亡き親友トビ・カトウの娘、トビ・アズサとは恋仲。
ギルド三銃士の一人である。
キートン
ギルドにおける最高剣士「ソード・バスター」の称号を持つ。
その名の示す通り随一の剣の腕を持ちモカすら手玉にとる。恐らく作中に登場・活躍する剣士では最強である。
かつてサルバドルに敗れた過去を持つ。
サルバドルと闘いたくて、彼に最初であった時幼少の頃のモカを見かけている。
常に奇行を繰り返すため、何を考えているのか分からないが、キリマンとは波長が合うようだ。
ギルド三銃士の一人である。
38歳時点で独身。かつてはふさふさなアフロのような髪をしていたが、現在はスキンヘッドである(剃っているのかただ単にはげたのかは不明)
名前の元ネタは、おそらくは往年の喜劇役者バスター・キートンであろう。
カイン
イシュライ公国アサシン侯爵の息子。
病床の父親に成り代わり黒騎士としてギルドを訪ねた折、モカに剣の稽古をつけられ、それ以来モカに惚れ込んでしまう。
詩と唄を好み、意志が弱く軟弱な性格。
モカの事となると一途…であるが、それだけに突飛な行動をしてしまう。
アベルという名の、生まれてすぐ死んでしまった双子の兄がいた。
ギルド三銃士の一人である。
モロー
マッドサイエンティスト的な発明家で、既存の魔道機関を否定し、独自の純粋な機械装置を開発しようとしている。
そのためなら人体実験すら厭わない「アブナイ」人。
ヨナの古くからの知り合いで、茶のみ友達でもある。
ギルド本部で怪しい発明や機械的労働力を目指したグランタ(大抵は爆発する)の開発に勤しんでいるが、周囲からはあまり理解されておらず、拷問係・資材浪費者扱いされては憤慨している。
おそらく名前の由来はマッドサイエンティストの草分け的存在であるH.G.ウェルズの『モロー博士の島』に登場する同名科学者と思われる。
コープス
ギルドの幹部の一人でこのコミックの登場人物では比較的常識人。
ゴーグルをかけた細面のスキンヘッドが印象的なヨナの側近の一人。
外部組織との折衝、実働部隊の指揮など手広く諸事を任される冷静冷徹な人物であるが、モカたちの破天荒な行動に大慌てする姿も見られる。
当初は三つ目のゴーグルをかけた姿で描写されたが、これはおざなりダンジョン後期や、なおざりダンジョンで再登場した際には通常の二つ目に変更された。
ジェパード
ギルドの戦士。元はドラコニア帝国の騎士で『力のジェパード』の異名を取っていた。
ギルド選抜試験のときに出会ったモカにいち早く目をつけていたが、ギルドの倉庫から財宝を盗み出されるなど、被害者的な立場になることが多い。
ドラコニア帝国時代に埋め込まれたオーガシードが延びてくるため、定期的に削り取っている。
グリッド
ギルドに所属するトラップメーカー。
ギルド選抜試験会場『エセジアム』の管理者で、自分の作成・配置したトラップに引っかかった受験者があげる悲鳴が大好きと言うサディストな一面を持つが、どうやらこれは彼なりの愛情らしい。
かつてキートンに自分の仕掛けたトラップの全てを突破されたことがあり、それが半ばトラウマとなっている。
エスパニオ
ギルド査察官『真実のエスパニオ』、酒に酔っていて自分が嘘をついていなければ相手の嘘を見抜くことができる。
リーファイ
エスパニオの副官、嘘のつけないエスパニオに代わり交渉を担当。

ジオ・サウルス

モルガーナ
科学者ブラフマーの義娘で、リザードマンとして育てられてきた人間の少女。戦士として高い才能を持ち、皇帝から竜騎士の名を授かっている。皇帝の勅命によって、モカをつけ狙う。しかし、最後はロゴスの策略によって……
ブラフマー
ジオ・サウルスの学者。通称「七賢者」と呼ばれる、皇帝の御意見番の1人。血の気が多い(冷血なのに!?)同国内では数少ない穏健派で、戦火の必要以上の拡大に憂いを感じている。人間の赤ん坊を殺すことに躊躇いを感じ、引き取り自分の娘として育てた。

バーバリアン

ワムハム
獣拳のワムハム、ワガ属出身、半獣人。猫科の動物のような腕で攻撃する。短絡的な思考でモカにライバル心を抱いている。
ウォール
絶壁のウォール、ガゴ族出身、国境蟲(ウォールウォーム)を操る能力を持つ。ブラクロやリバンズと並んで、体を自在に変化させることができる。
オンキ
呪符士オンキ、呪符を用いたさまざまな術を使う。作内では主に転送系の術を使用した。
クロムコア
鉄心クロムコア、パワーと重装甲を誇る。ワムハム同様、モカにライバル心を抱いている。自ら高速回転する轟天輪界なる技があるが、回転の軸が相手に向いているためそこを付かれてしまった。
シャーウッド
妖弓のシャーウッド、百種の矢を放つ能力を持つ。
その矢はボルカの髪の毛で作られ、コンビでいれば無限に放てる。
トーシュカ
緑風のトーシュカ、他人を回復させる能力、植物を扇動する操る力を持つ。
バーバリアン12一の知性派。機械のような話し方をする。
ヒズナ
大空扇ヒズナ、飛翔能力があり、鳥たちを操れる。鳥目。
ブラクロ
影殺のブラクロ、影に潜んで対象を操る能力を持つ。
ブラクロの潜んだ影は濃淡が変化しない。
ポー
不在者ポー、瞬間移動能力を持つ。斥候やスパイ活動が主な任務。
鏡の多面体に囲まれると自分の位置を把握できなくなり飛べなくなる。モカの事をサルバトルの後継者として高く評価している。
ボルカ
毛獣ボルカ、体毛を伸ばして自在に操る能力を持つ。シャーウッドと行動を共にしている。
マドロ
眠塊のマドロ、精神を侵略し夢を見せたり幻覚を見せる能力を持つ。夢の中で人格を融合する術も使える。
幻覚攻撃は心の無い者には聞かない。
リバンズ
変幻のリバンズ、ヌロ族出身、変身能力を持つ。体の一部を武器に変化させることもできる。
知性派だが、トーシュカほどではない。
エニグマ
東の7人目、実はサルバドルが試練に使用していた古代器で、過去の生物の屍から能力までコピーできる。

その他

ネロ
獣人族の大盗賊。「生きている伝説」とも呼ばれ、特にダンジョンにおけるトラップ構築の腕は、冒険者達の間でそれに触れることはタブーとされているほど。プライドが高く冷酷な一面もある一方、義理には厚い一面もある。盗賊と呼ばれることを生業とする人間にとってはほぼ絶対の存在である彼だが、駆け出しの頃に生涯の負い目となる事件があった。
ゲドリアン
元ギルドの暗殺集団の首領。暗殺を芸術と考える。暗殺が恐怖政治に利用されるようになったためにギルドから追放されたが、裏社会で暗殺を続けていた。サーカスを隠れ蓑にしている。
ジト
象のパオを養うためにサーカスで働く少年。
シルカ
科学者でネロの友人だった。古代人アムール人が作った魔力を強化する作用がある薬【魔薬】を研究し、完璧なる魔薬を作り出したマッドサイエンティスト。
ヴァヴァラウド
ギルド黎明期における47賢者の一人。名魔道士として多くの弟子を抱えていた。キリマン(ダンブルウィード)もその一人であったが、破門されている。しかしマジックアカデミーの不死の技法に取り憑かれてしまい、それを編み出すために当時の弟子を全て殺してしまった。世界を作り替える魔法「ブラフマーブロス」に関与した事が罪に問われ、自身が設計したギルドの魔戒牢に幽閉されている。
タニア
ドラコニア帝国の獣人女性騎士。『技のタニア』の異名を持ち、二振りの剣を用いる。ドラコニア帝国が鬼(オーガ)族に占領された際、皇帝にされたアルマを守るためにオーガシードを受け入れ、獣鬼人となる。アルマの恋人
アルマ
ドラコニア帝国の獣人騎士。『知のアルマ』の異名を持ち、騎士であると同時に魔道師でもある。ドラコニア帝国が鬼(オーガ)族に占領された際、同胞を救うためにその政治力を捧げ、獣鬼人となってゴーレムに組み込まれ、ゲドン皇帝にされていた。タニアとは恋人同士である
ゲドン
ドラコニア帝国の皇帝。本来国をもてない鬼(オーガ)族に国を持たせたという事で強い求心力をもっていたが、実際にはボリスカに作られたゴーレムだった。
ボリスカ
ドラコニア帝国の皇室従士長。鬼族でありながら頭が良く、オーガシードの開発者であり、エンペラー・ゲドンの製作者でもある。『鬼族に政治ができないのなら他の種族にやらせればいい』と考えてアルマを操りゲドン皇帝に仕立て上げた張本人。最後はそんな考えに鬼族の誇りなどないとガノスの怒りに角を叩き折られた。
ガノス
ドラコニア帝国の武人。皇帝が傀儡ということを知らなかった。
エボ
キメラ。タイプアンノウンと呼ばれる禁種のキメラで、見たものを模倣して進化していく能力を持つ。筋力増幅型・飛行型・はてはモカの腕に装着して剣になったり、モカ自身の鎧になったりする。生まれて最初に見たモカに非常になついている。
ゾンザイク
軍事国家ボワの総統、狂人のランクで言えばチャンピオンクラスで、複数の人格が入っても平気だが、サルバドルに対してはトラウマをもっている。

ローレシア大陸

イド、ウルガルド、トキメキア、ミアータ
アベルの元にいる4人の支配者。ローレシア大陸における文明を作り出している。

用語

ギルド
『おざなりダンジョン』/『なおざりダンジョン』の舞台となるゴンドワナ大陸の人間の領域で絶大な権力を誇る職能組合。要人警護や小競り合い程度の解決に数人単位のパーティーを派遣する便利屋的な存在である一方、国家に対してフリーランスの傭兵を提供するなどしており、支払った賃金に見合った働きをする事で知られている。ゴンドワナ大陸では最も近代的に栄えている「ギルド・シティ」に本拠を構え、マナを動力とする機械文明も発達している。
ギルドシティおよび点在する直轄領を持ち、他の国家と対等以上の交渉(内容は国家間の外交そのものである)を行う実態は、ギルドマスターであるヨナを頂点とする独立主権国家そのものであり、しかも周辺国を従えるほどの強大な存在である。この形態は前述の通り、創設者であるギルドマスター・ヨナの理想とは一番かけ離れたものというのが実状である。
アストラル
マジックアカデミーに在籍する者の肉体になる物。マナを基盤に精神的な力によって存在しており、頭部の球体以外は高い防御力を持つ。普段は人に近い形態であるものの、どちらかと云うと「中身の無い鎧」に酷似している。自在に姿を変え、陸海空を自由に移動でき、強力な魔法の力を有する。しかしマジックアカデミー以外では人間の姿に化けたり、または外部との接触を避けようとする事から、その実態を知るものは極めて少ない。
数十年に一度グレートソウルの名の許に有資格者を選定し、新たなアストラルを生み出す「昇華の儀」が執り行われる。
イニシエート
ロゴスの力によって変化した魔道士の肉体で、アストラルに酷似するが黒い(アストラルは白い)。戦闘に特化した力を持つため、2人分のイニシエーションが合体する事で2乗の力を発揮するとされるが、ロゴスにより力を制限されているためか、アストラルのエスプリは「絶対倒せない」という。
真竜
創世の時代に世界を形作ったとされる巨大な竜(姿は龍の方に近い)。恐竜種族の末裔は、これを神とも崇めている。強大な魔法力を有し、気高く荒々しい存在であるが、作中世界では既に滅亡したとされる種族。
シーモンキー
水棲人であまり地上には干渉しない種族。深海域を生活圏としているため、地上人との接点も少ない。かつては高度な文明を持っていたが、作中の時代ではやや後退している。
マナ
魔法のエネルギー源となる存在で、普通は(ゴンドワナ大陸では)大気中に空気と同じように存在している。一般の人間はそれを知覚する事が出来ず、高度な魔術師のみが可能である。ローレシア大陸では、鉱石や木の実、液体といった形に姿を変えていた。
魔法機関
マナの持つエネルギーを物理的かつ連続的な動力として取り出す装置。大量の「マナ」を「炉」の中に封じ込めている。外燃機関の一種と思われる。モローによって開発され、ギルドの絶対的な力な根源のひとつとなっている。しかし、「マナ」を封じるには高度な魔術師の能力を必要とし、我々の現実世界の機械文明ほど一般には普及させる事が出来ない。そのことを開発者自身のモローは疎ましく思っている。
グランダ
モローによって開発された、「マナ」を一切必要としない純科学(化学・物理学)によって設計された試作作業用ロボット。蒸気機関や内燃機関を用いており、現実世界の機械に近いのはこちら。モローのヒラメキによって開発されている部分が大きく、初期は年中爆発・大破した。しかし、第1作末期には実用的なレベルにまで成長したようである。

OVA 「おざなりダンジョン 風の塔」

1991年に東芝EMIより全3巻で発売、1993年にテレビ東京で放映された。

スタッフ

  • 製作:学習研究社、東芝EMI、東京ムービー新社
  • 制作協力:テレコム・アニメーションフィルム
  • 原作:こやま基夫
  • 製作:本郷佐智夫、宍戸史紀、加藤俊三
  • プロデューサー:倉田幸雄、杉山潔、竹内孝次、鈴木克伸
  • 監督:青山弘
  • 脚本:園田英樹、志茂文彦
  • 作画監督:滝口禎一
  • 美術監督:井芹達朗、平田秀一
  • 撮影監督:長谷川肇
  • 音響監督:山崎宏
  • キャラクターデザイン:前田実
  • 音楽:KAZZ TOYAMA & SECRET PLANS

キャスト

  • モカ:鈴木みえ
  • ブルマン:頓宮恭子
  • キリマン:こやま基夫
  • エスプリ:堀内賢雄
  • ロゴス:郷里大輔
  • グレートソウル:伊藤美紀
  • ガゼル:徳丸完
  • フォロン:水鳥鉄夫
  • モーロウ:大滝進矢
  • ギンガー:二又一成
  • 神官:天野由梨
  • 老神官:中村紀子子

主題歌

  • オープニング 「もっとBe Myself」
  • エンディング 「We are」
  • 挿入歌 「翼ひろげて」
    • 作詞:SHOW/作曲、編曲:馬飼野康二/歌:三浦秀美

タイトルリスト

カッコ内はテレビ東京での放送日を表す。

  • おざなりダンジョン 風の塔I「よろしくプレリュード」1991年9月27日発売(1993年3月12日18:30 - 19:00放映)
  • おざなりダンジョン 風の塔II「まだまだカプリッチオ」1991年11月27日発売(1993年3月19日18:30 - 19:00放映)
  • おざなりダンジョン 風の塔III「おまたせコーダ」1991年12月20日発売(1993年3月26日18:30 - 19:00放映)

サウンドトラック

  • おざなりダンジョン 風の塔(TYCY-5174、東芝EMI 1991年8月30日 発売)

補足事項

  • OVAのキリマン役が原作者のこやま基夫となっているが、元々キリマンはしゃべらないキャラクターであるためセリフは全くなく、従って作中でこやま基夫の声を聞くことはできない。
  • スーパーファミコン用のゲーム版が予定されていたが、開発中止になった。

外部リンク