おまもりひまり 6
『おまもりひまり』は、的良みらんによる日本の漫画、およびそれを原作とした小説、テレビアニメ作品。
概要
富士見書房『月刊ドラゴンエイジ』にて2006年7月号より連載中。作者やスタッフによる略称はおまひま。的良初の「一般向け」連載作品である。
連載の話数表記が「第1話、第2話、……」ではなく「一匹目、二匹目、……」となっている。ただし、毎回新たに妖(あやかし)が登場するわけではない。
『月刊ドラゴンエイジ』2009年5月号にてテレビアニメ化が発表された。2010年1月から3月まで放送された。
あらすじ
主人公・天河優人は、ごく普通の高校生。7年前に両親を亡くし、天涯孤独となってしまった。幼なじみの凜子の家族に世話になっているが、それ以外はどこにでもいるような少年であった。
そんな優人が16歳の誕生日を迎えた朝、謎の美少女「緋鞠」が突然現れた。そして、優人の祖父との約束でこれから優人を「護る」ため、ずっと優人のそばに付き従うと言う。しかし、その正体は……。
登場人物
主要人物
- 天河 優人(あまかわ ゆうと)
- 声 - 平川大輔、美名(子供時代)
- 主人公。16歳。7年前に両親を亡くし、天涯孤独の身。身長165cm、5月30日生まれ(ふたご座)、血液型はB型。好きなものはゲーム、ネット、テレビ、映画。嫌いなものは高いところ、争い。濃いカーキ色のショートヘアー。体格は年相応だが、やや痩せている。
- 妖を退ける役目を持つ「鬼斬り役」の序列6位・天河家の末裔。まだその力に完全に覚醒はしていないが、「光渡し」という能力を秘めている。自分の正体はどうあれ、平和で普通の生活をしたいと思っている。また妖にも基本的に差別意識や敵対感情を持っておらず、積極的な行動こそ起こさないが妖との共存を望む平和主義者。家柄だけで鬼斬り役の役割を果たさねばならないという考えには疑問を持っている。
- 重度の猫アレルギーで、近くで緋鞠が猫娘化すると涙と鼻水が止まらなくなる。ベッドは自分だけの寝場所のはずだったが緋鞠が「護るため」と称して毎晩入り込んで添い寝をし、朝方には静水久が「監視」と称して入り込んで来るため気苦労が絶えない。
- 数々の事件の後、人間と妖との共存と緋鞠や静水久達を含めた自分の日常を護るために鬼斬り役となることを決意する。
- 連載時の第1話では、名前の読みが「ゆいと」とされていた(単行本では修正された)。
- 緋鞠(ひまり)
- 声 - 小清水亜美
- メインヒロイン。優人が16歳の誕生日に凜子との登校途中に現れた、謎の美少女。身長157cm、12月21日生まれ(射手座)、血液型はネコ型、スリーサイズは88(F)・56・85。好きなものはひなたぼっこ、和菓子(特にみたらし団子)。嫌いなものは寒いところ、ネギ。青みを帯びた黒のロングヘアー。赤い大きなリボンでポニーテールにしている。瞳は赤みを帯びた紫色。かなりの巨乳で、スタイルは抜群。
- その正体は、猫の妖(あやかし)。他の妖たちには「野井原の緋剣」(のいはらのひけん)と呼ばれている。人間としての生活などで必要があれば、野井原姓を名乗る(これは緋鞠自身が名乗っているものであり、先祖代々が「野井原」を名乗ってきたわけではない)。本来は白猫の姿であり、かつて野井原に居た幼少の優人とはこの姿で共に過ごしていた(猫の姿のままでも人と会話が可能)。人間に変化しているときでも妖と戦うときや怒ったときなどには猫耳と尻尾が出る(この姿の時は優人のアレルギーも誘発させてしまう)。
- 卓越した身体能力を誇り、あらゆるスポーツ種目で凜子を軽々と負かしてしまうほど。しかし猫だけに、水に対しては基本的に恐怖感を抱く。風呂などは問題ないが、海など足がつかない深さの水は苦手。また、妖なので神社などの神聖な場所も苦手。その他、彼女の種族は雌しか生まれないため他種の妖猫との混血らしい。
- 先祖から受け継がれた盟約(後述)と優人の祖父の依頼により、優人を他の妖の襲撃から護る「護り刀」となるためにやって来た。ただし、緋鞠自身は過去にあった優人とのあるいきさつにより、盟約や依頼とは関係なく自らの意思で優人のかたわらにありたいと思っている。またその気持ちの延長線上なのか、かなりのやきもち焼きで凛子や静水久と修羅場を演じることも日常となりつつある。時折優人を誘うような言動が目立つが本人は当初キスの概念もいまいちよく知っておらず、抱きついたりするのは猫としてじゃれついているという面も多い。
- やや古めかしい口調で喋り、優人を「若殿」(わかとの)と呼ぶ。
衣服も普段は和服がメインだが、優人に買って貰った洋服は喜んで着ている。
- 愛用の武器は日本刀で、銘は「安綱」(やすつな)。優人の祖父・源爺が緋鞠に託した刀。平安時代の刀工・大原安綱の作とされる名刀で「童子切」の異名を持つ。くえすとの戦いで彼女の放った魔術により一度焼失したが、その価値を認めたくえすの魔術「時間逆行(ロールバック)」により修復されて緋鞠の許に戻った。(正確には一本だたらの砂沙が直している)なおその間は文に野井原から運ばせた刀剣類を使用していた。
- 常に優人を護るため、当然のように優人と同居中。また学校でも優人のすぐ近くにいるため、「野井原緋鞠」の名で優人のクラスに転入する。自身の存在を誇示して妖への抑止力とするために前の学校(?)の制服を着続けている。その容姿から校内の男子に人気が高く言い寄られることも多いが、「自分は若殿の物」と一切相手にしない。文系科目の成績は良いが英語や理数系は授業自体をサボっている。
- 料理はできるが家事はやや苦手。天河家の家事担当を静水久に取られてしまったので、現在はメイド喫茶でアルバイトをしている。
- 九崎 凛子(くざき りんこ)
- 声 - 野水伊織
- 優人と同い年で、幼なじみの少女。身長156.5cm、4月9日生まれ(おひつじ座)、血液型はA型、スリーサイズは75(A)・57・84。好きなものは運動、ネコ、ファッション雑誌、お笑い番組。嫌いなものははっきりしないこと、英語、数学。明るいカーキ色のショートヘアー。赤い細いリボンを、頭の左右にアクセント程度につけている(ツインテールになるほど大きくしばっているわけではない)。瞳は明るい茶色。見た目も性格も緋鞠とは逆にしようという設定のため貧乳である。
- 身寄りがなくなった優人を、家族ぐるみで世話している。幼なじみとして優人を毎朝起こしに行ったり、食事づくりといった世話をしていてその中で優人に淡い恋心を抱いている。家事は一通りこなせる。
- 体育会系の元気娘。スポーツ万能で、学校では運動系クラブ最強の助っ人と呼ばれるほど。身体の発育は平均程度。やや気が短く、軽いツンデレ。
- 髪留めの赤いリボンは入浴時と寝る時、そして年1回のあるイベントの時以外には決して外さない。これには、優人に関する特別の意味がある。
- 「蘭丸」(らんまる)という名の猫を飼っており、これは猫アレルギーの優人に対する武器としても使われる(直接けしかけたり、抜け毛を天河家にバラまくなど)。
- 優人と同居を始めた緋鞠・静水久に対し優人が奪われるという危機感(スポーツやプロポーションでは緋鞠に、家事では静水久に勝てない上、同居と別居という大きな差があるため)を抱き、ライバル心を激しく燃え上がらせている。さらにリズまでもが優人に好意を抱くようになり今や「人間であること」だけが3人に対するアドバンテージと思っていたが、最近は人間のくえすがライバルとして出現したため苦悩の毎日である。その悩みにつけこまれて妖怪「枕返し」にとり憑かれた。話が進むにつれてヤンデレの要素を表し始めており、優人へのエロ制裁も以前の徒手から文に渡された釘バット『凛子ちゃんの激愛』を使用する様になっている等、悪質さでも他のヒロイン達に追いつこうとしている。
- 静水久(しずく)
- 声 - 真堂圭
- 夏の海へ海水浴に出かけた優人と緋鞠の前に出現した少女。なおその前に優人と緋鞠が近くの山へ行ったとき一時的に緋鞠から離れた優人の前に初めて現れ、謎の警告を発した。身長は130cm、1月31日生まれ(水瓶座)(自称)、血液型はヘビ型、スリーサイズは60(AA)・45・72。好きなものは水浴び、和食、相手を煙に巻くこと。嫌いなものは汚水、祭りなどの神事。見かけは10歳ぐらい。胸はほとんど平坦。緑色のショートヘアー。瞳は赤。語尾に「〜なの」とつけて話す癖がある。
- 正体は、水を操る妖の「虬」(みずち。ただし作中では龍の眷属ではなく蛇の妖という設定)。水系の妖のため、水死体のような顔色をしており、常にずぶ濡れの状態(ただし、これらは意識的に普通の人間と同じようにできる)。物質としての身体はあるが、近くに十分な量の水があればまるで変わり身の術のようにその水と瞬時に入れ替わることができる。このため、緋鞠の刀で斬られても平気。舌を長く伸ばすことができ、舌の先端は蛇のように2つに割れている。この舌で液体をなめて、その中に含まれているものを調べることができる。この能力で、リズが優人の紅茶に仕込んだ毒を発見したこともある。
- 水を自在に操る上、氷の短剣である「氷針」(ひばり)や大きな水塊の中に相手を閉じこめて溺れさせる「水籠」(みなご)、まるでレーザー光線の如き勢いで発射する水鉄砲などの強力な攻撃技を持つ。その一方で、清らかな水を使って人間の傷を治すこともできる。周りに水がなくても戦うことはできるが、相手が強敵の場合は髪を身長以上に伸ばして空気中から水分を採取する。アニメ版では更に、身体を「液体化」させる能力を見せている。
- 一族は約100年前、「鬼斬り役」十二家の1つ、地走家に皆殺しにされた。そのため鬼斬り役には深い恨みを抱いているがそれは優人が接吻をしたことを知ったときに珍しく動揺したり優人の命を狙ったことを恥じるような発言をしていることから、次第に明確な好意を示しつつある。また海では優人を殺すための刺客として緋鞠と戦ったが優人の言動に気になるものを感じ、いったん退いた。
- 自宅に戻った優人が入浴中に、その浴槽から再び出現。緋鞠と一触即発にまで至るが凜子に「かつて自分が受けた苦しみと同じことをするのか」と諭された上、静水久を斬ろうとする緋鞠を止めて「普通の生活がしたいだけ」という優人をとりあえず信じるとともに監視と称して天河家に居候することになった。部外者には緋鞠の縁者と称している。緋鞠を「猫」と呼び優人を狙う妖やくえす相手には共闘する一方、優人を巡って日夜ラブバトルを展開している。
- 家事全般が得意(凜子よりも腕がよい)。特にきれい好きで、汚い場所には住みたがらない。裏表がまったくない性格で、隠しごとをすることもない(できない)。優人の世話をするのも他の妖たちに「優人をたらし込め」と言われたためで、それを優人たちに話してしまっている。一方で自身の容姿をうまく利用する狡猾な面がある。
- くえすに地走家の末裔・蘭華の存在を知らされて彼女を襲うが、最後には一族の復讐よりも優人達との日常を選択している。
- リズリット・L・チェルシー
- 声 - 大亀あすか
- メイド喫茶「カフェ・リリッシュ」に住み込みで働く、緋鞠の先輩アルバイター。愛称は「リズ」。身長157cm、2月22日生まれ(実体化した日)(うお座)、血液型は紅茶型、スリーサイズは91(G)・57・87。好きなものは紅茶、スコーン、メイド服。嫌いなものは辛いもの、暴力。ブロンドのロングヘアーをツインテールにしている。
- 正体は人間ではなく、英国製の古いティーカップに宿る付喪神。紅茶が大好きで、それを広めるため約100年前に来日。紅茶を淹れる腕前は卓越しており、それを飲む客に安らぎを与えることに喜びを感じる。また「紅茶の精」と自称している(実際に紅茶と直接関係する精霊や妖というわけではない)。本体のティーカップが攻撃されない限り仮初の肉体が傷ついても平気だが、修復するのに妖力が必要なため完全に無敵ではない。また、本体の有効範囲内ならば神出鬼没に行動できる。妖怪としては非力な部類だが、人間一人を空高く放り投げることができるほどの力は持っている。その他嗅覚が鋭いのか、緋鞠を「何かケモノくさい」と言ったことがある。
- 初登場時は来店した優人を自分を滅しに来たハンターと勘違いし居場所を失う恐怖から紅茶に毒を入れて殺そうとした(アニメでは帰宅したくなる毒薬を飲ませて帰ってもらおうとした)が、静水久に見破られ緋鞠の攻撃を受けた。危うく本体が宿っているティーカップを割られそうになったが、優人が受け止めてことなきを得た。
- 邪心がないことがわかり、緋鞠たちとも和解している。さらに命を救ってもらった優人に好意を抱いており、その上巨乳を利用しての際どい色仕掛けを敢行するなど静水久や凜子には天敵のような存在(凛子曰く「女のデカい胸には邪心が詰まっている」、静水久曰く「ナイ方が身も心も清廉」)。くえすには「巨乳で優人を誘惑しない事」を条件に見逃されており、見返りに出張お茶汲みサービスをさせられている。
- 神宮寺 くえす(じんぐうじ くえす)
- 声 - 松岡由貴
- 鬼斬り役十二家の序列12位(末席)・神宮寺家の跡取り娘。16歳。身長158cm、10月17日生まれ(天秤座)、血液型はAB型、スリーサイズは86(E)・56・85。好きなものは読書、魔法実験、新しい知識。嫌いなものは猫、アヤカシ全般、無知。銀髪ストレートのロングヘアー(幼少時は紺のセミロング)。ヘッドドレス風のカチューシャをつけている。ツリ目。額に三日月形の模様をつけている。一人称が「くえす様」と、かなり高飛車な性格。ヤンデレとツンデレの両属性を持つという設定だが、ヤンデレの比率の方が圧倒的に多い。
- イギリスで魔法の修行をしていたが、過激な魔法使いの一派と親交を深めたり様々な危険な書物を読破するなどして各国の機関より危険人物としてマークされている。「クロウリーの娘」「セカンド・マージナル」「微笑むクラスターボム」など実に物騒極まりない二つ名をいくつも持つ、日本最後の魔女。覚醒した(記憶を取り戻した)優人の前に現れ周囲に妖だらけの状況はおかしいと言い、自分と共に来るよう強要する。さらに自分が優人の祖父により定められ、両家に認められた優人の許婚であると語る。
- 強力な破壊力を持つ魔術を行使し、魔法の媒体として魔術書を手にしている(但し、あくまで媒体であり、必ず必要というわけではない)ほか、緋鞠との一対一の戦いでは魔術の他にスチェッキン・マシンピストルを使用した。静水久と互角に戦い、緋鞠には安綱を破壊した上でほぼ勝ちを収めるなど戦闘能力は非常に高く、人間離れした戦闘能力と性格の持ち主。妖を殺すことを「Death(デス)る」と言う口癖(決め台詞?)がある。
- 緋鞠達とも「殺せば優人の敵になる」という理由から停戦状態。ただし緋鞠との相性は、優人がらみの感情もありすこぶる悪い様子。元々優人の猫アレルギーも彼女(あるいは神宮寺家)の仕業であったことが示唆されている。緋鞠からは「黄昏の月」と呼ばれる。
- 神宮寺家は鬼斬り役十二家の中で最も劣っているとされており、実際に静水久や序列3位・各務森家から「末席、みそっかす」と馬鹿にされていた。しかし、序列11位・夜光院棺は「今は神宮寺家と他家の鬼斬り役、妖の実力の立場が逆転した」と語っている。本人もそれをコンプレックスに感じ、それを指摘されると激高する。その屈辱的な実情を打開するために厳しい修行をし優人の持つ「光渡し」という強力な力を手に入れようとしていると思われたが、実際には優人を想い続けて幼少の頃の約束を果たすために厳しい修行を乗り越えてきた健気な一面を持った少女である。意見を違えた優人にナイフで襲い掛かるが、実は優人の記憶と能力を目覚めさせるための演技であった。結果として優人はくえすとの記憶や約束を思い出しており、くえす自身も神宮寺家のためではなく自分と優人との約束を心の支えにしていたことに気が付いた。優人の幼少時代の記憶にある少女は彼女であり記憶の復活後は幼い頃同様、優人を「ゆうちゃん」と呼ぶようになる。さらに「優人の日常の一部」となるべく、彼の部屋のクローゼットに通じる4次元通路を開き食卓に割り込むなど事実上の同居人に加わる。
- 元々は『COMIC阿云』2000年2月号 - 9月号に連載された同作者の作品『PALLADIUM GARDEN』に登場しているキャラクター。
鬼斬り役
- 土御門(つちみかど)
- 序列1位・土御門家の男姓。最強の鬼斬り役と言われ、他の鬼切り役の事実上の統括者。序列11位・夜光院柩に起爆の護符を持たせていた。くえすの三大妖退治志願も許可した。これらのことから各務森家ほど下位の鬼斬り役を見下していない。柩に「腐女子キラー」という、大変有り難くない異名で呼ばれている。
- 上櫻 巌堂
- 序列2位。くえすのあらが歌(「夢を砕き、命を砕き、明日を砕き、世界を砕く、彼の力、悠久の時を揺蕩し今、上櫻巌堂が封せし理を砕く。」)に名前がでてきたため三雁 蘭華に封印した時点では健在。現時点での所在地や状態等詳細情報は一切不明。
- 各務森 飛白(かがみもり かすり)
- 序列3位・各務森家現当主。18歳の巫女。左右の目の色が違う「獣の目」をもつ。鏡を用いた封魔術を得意とする。剣術も得意である。鬼切り役は国の公安(兵吾たち)の言うように妖をすべて滅ぼすのが役目ではないという考えの持ち主である。しかし、くえすのことを部をわきまえないと思っていることから妹同様下位の鬼斬り役を見下している。過去に緋鞠と手合わせし引き分けている。
- 飛鈴と共に元々は『COMIC阿云』2002年9月号 - 2003年8月号に連載された同作者の作品『緋牙刻』に登場しているキャラクター。
- 夜光院 柩(やこういん ひつぎ)
- 序列11位・夜光院家の少女。15歳。超速思考による未来予測が出来るがその反面、脳細胞の死滅が早い。また、体にも負担がかかるため病弱である。動向や言動が常に怪しげで気色悪いことこの上ない。
- 本人が語るには、「完全空間座標知覚」と「時間座標把握」能力も持っているため「相手の行動は読めるし」「自らの行動は読まれない」とのこと。この能力のため兵吾たちが盗聴器をしかけても半日ももたない。また、自身は攻撃魔法が使えない(手近に使える攻撃手段が無い)ため土御門家から護符を受け取っている。
- 少女探偵として活躍しており厳密には鬼切り役ではないが、くえすの査問に姿を見せており、天河家の末裔である優人に興味を示している。また、 夜光院家も序列下位のため神宮寺家同様他家から見下されていたためか天河家、神宮寺家のことは見下していない。
- 上の命令で妖退治に出向き、その際緋鞠たちに接触する。
鬼斬り役の関係者
- 各務森 飛鈴(かがみもり ひすず)
- 飛白の妹で末期のシスコンかつ小物で姉の腰巾着のような少女(作者曰く「姉にベッタリの性格にしたら何だか凄く小物臭くなってしまった」)。各務森家の鬼斬り役は当主飛白がついでいるため厳密には鬼切り役ではない。しかし、家の序列の高いことを鼻にかけているようで天河家、神宮寺家のことを見下している。
- 三雁 蘭華(みかり らんか)
- 序列8位・地走家の傍流の末裔(本家は大戦で滅んでいる)。21歳。以前の優人同様、鬼斬り役としての素性を封じられて普通の女子大生として生きていたがくえすの計略で地走家を仇とする静水久に狙われる。しかし、くえすのことは許している(飛白いわく「くえすと違い分をわきまえる人間」)。
人間
- 柾木 泰三(まさき たいぞう)
- 声 - 鈴木達央
- 優人のクラスメイトの少年。優人とは昼飯をいっしょに食べるほど仲がいい。ライトピンクのショートヘアー。
- 年相応以上にスケベ。海ではリビドー全開の発言を連発して凜子のかかと落としを食らい、露天風呂でも緋鞠に(物理攻撃的な意味で)襲われるなどロクな目にあっていない。学園祭ではミスコンテストを企画運営した。緋鞠が優人を「若殿」と呼ぶのを「バカ殿」と聞き間違いしてから、優人をそのあだ名で呼ぶようになる。
- 第1話でガス状の妖(アニメでは蜘蛛の妖)(声 - 瀧澤樹)に身体を乗っ取られて優人を襲ったものの、介入した緋鞠に助けられた。
- いいんちょ
- 声 - 嶋村侑
- 本名不明。作者曰く「名前は存在した筈だが思い出せないので放置している」。優人や緋鞠が属するクラスの委員長で皆から「委員長」と呼ばれている。赤紫色のショートヘアーに×型の髪留めを付けている。眼鏡っ娘で胸はやや大きめ。
- 優人たちと仲がよく、いっしょに海水浴に行ったりする。成績優秀な一方、オタク趣味の持ち主で美少女ゲームをプレイしたり(それらの中で描かれている委員長キャラクターを模倣している)学園祭で二次元関係の展示を行なったりしている。学校に現れたくえすの素性をネットで探り当てており緋鞠や静水久が非日常の存在であることも察しているが、深く関わることはあえて避けている分別の持ち主。その聡明さからくえすにも気に入られている。
- 優人を巡る関係では凛子を応援しているが一方で秘かに優人に気があったらしく、クリスマスパーティーのビンゴで優人を一日好きに出来る権利を得た際に突然のハグで一同を驚愕させた。
- 元は原作二匹目の緋鞠と凛子の対決シーンで登場したモブキャラクターだったが、作者に気に入られて準レギュラー化した。
- アニメでは原作と比べるとストーリーへの絡みは少なく聡明な描写も見せず、くえすのことも静水久が調べているため非常に出番は少なかった。
- 如月 冴(きさらぎ さえ)
- 声 - 根谷美智子
- 優人のクラス担任。眼鏡をかけた巨乳の女性教師。スモーカーである。
- 「カフェ・リリッシュ」の常連客でリズとも仲が良い。悩んでいた緋鞠にアルバイトを薦めた。
- 凜子には「冴ちゃん」と呼ばれているが、直接聞くと頭をぐりぐりしながら「先生と呼べ!」と注意する。緋鞠には「担任の師」と呼ばれる。
- 静水久に抱きつかれている優人を見て、半分冗談ながら「生徒が性犯罪をしてもかばう気はない」「幼女はダメだが九崎なら構わない」などと言い放つほど、豪放な性格。
- 元々は人間に擬態した強大な妖として登場する予定だった模様。
- マスター
- 緋鞠とリズがアルバイトをしているメイド喫茶「カフェ・リリッシュ」の店長。チョビヒゲの男性。
- 緋鞠とリズが妖である事は知らない様子である。営業後はリズに留守を任せて妻子の待つ自宅に戻る。
- 鏑木 兵吾(かぶらぎ ひょうご)
- 声 - 藤原啓治
- くえすの補佐を勤める男性。国の超常現象専門部署である警備局公安4課の所属で、補佐と共に監視の任も含まれている。薬莢の回収など主にくえすが戦闘を行った後始末を行うのが仕事で、暴走気味のくえすのおかげで苦労が絶えない。
- くえすの宿を訪れた優人の服に盗聴器を仕込んでいたが、くえすに見破られ破壊された(アニメではこのときに影でくえすを「じゃじゃ馬」と呼んでいる描写があった)。その後タマの暗躍を受けて優人達の前に現れ、鬼斬り役としての覚悟を迫った。
- 妻と娘がおり、クリスマスの時のくえすの話から子煩悩振りが伺える。他に「土屋」「中村」という名の同僚がいる。
- 阿久津 悠子(あくつ ゆうこ)
- 冴の同僚の美術教諭。存在感の無さや声の小ささから生徒たちから「幽子ちゃん」と呼ばれていて本人も気に入っているらしい。冴の飲み仲間でもある。
妖
- 加耶(かや)
- 声 - 本多真梨子
- 取り憑いた家屋を守護する妖怪・座敷童子(ざしきわらし)。裾の短い和服を着た少女。小柄ながら胸だけは無駄に大きい。野井原にある、優人の実家に寄生している。
- 優人の祖父母が亡くなった後、無人になった家の手入れをしている。天河邸敷地内ならば強いが、敷地を出た際の戦闘能力は人間をも下回る。武器は包丁。
- かつて同居していた緋鞠とは仲がよく、彼女を異常なまでに溺愛する余り変態的な行為に及ぶ事すらある。優人がいなくなれば緋鞠が戻って来るという極端な考え方しか出来ていないため、優人を邪魔者扱いし度々殺害しようとする。
- 文(あや)
- 声 - 小菅真美
- 文車妖妃(ふぐるまようび)。緋鞠の配下の妖怪であり、劇中で加耶の事を「加耶様」と呼んでいたことから、階級は加耶よりも下と思われる。長髪の浴衣で、髪も服も水色をしている。
- くえすとの戦いで安綱を失った緋鞠に代わりの刀剣を渡すために現れた。
- 腹の中に大量の荷を飲み込んで持ち運ぶことができる。取り出すときは口から嘔吐するため、それを初めて見る者はほぼ驚愕する。服や身体のほとんどが紙で出来ているため火や湿気、またシミ目の虫が苦手。
- 以降は封書の姿で緋鞠の懐に収まっており、度々召喚されている。なぜか凛子に釘バットを渡し、えげつない暴行の片棒を担いだりもする。
- 影月(かげつき)
- 火車(かしゃ)(ただし、猫の妖怪ではない)。静水久の仲間の妖の1人。千里眼の能力を持ち、遠距離の対象物を正確に捉えるばかりかその距離までも推測する。
- 本性はいかにも「妖怪」や「バケモノ」的な姿で、モブキャラクターとしては静水久とほぼ同時期に登場している。名前が明らかになると同時に人間の姿も取れることが判明。黒髪で優人たちより少々年上風の青年になる。
- 基本的に静水久と同じ考え方の方向を持ち、現状では優人に敵対する意思は持っていない。優人をたらしこむことを静水久に提案したのも彼である。以後静水久や優人の危機に度々姿を見せており、静水久がくえすの計略で一族の復讐に走った際は優人に彼女を救う様に懇願した。
- アニメ版では登場していない。
- 明夏羽(あげは)
- 声 - たかはし智秋
- 野井原で、優人たちを襲撃した女性妖怪。正体は、飛縁魔(ひのえんま)という妖。
- 先がハネたショートヘアー。ツリ目。巫女風の服だが、帽子をかぶり靴を履いている。
- 主な武器は長く伸びる腕と鞘なしの短刀。
- 仲間内での自分の地位向上のために優人を殺そうとする。緋鞠と激闘を繰り広げるが、緋鞠のスキを突いた攻撃を助っ人に来た優人に当ててしまう。それを見て狂戦士化した緋鞠に殺されそうになった所を鬼斬り役の優人にかばわれ、命を救われたために屈辱とともに一旦引き下がる。
- 後日に沙砂と共に下校中の優人を襲うが、すでに殺害が目的ではなく彼に固執しており(凜子曰く「静水久パターン」)、結界内に誘い込んで吸血した。
- アニメ版では、酒呑童子とタマと戦うため、自分の身を守る目的として優人の血を吸血した後、沙砂と共に緋鞠達と共闘する。最終話のラストシーンでも優人の家で優人達と共に食事していた事から、天河ファミリーと共存し始めたものと思われる。
- 沙砂(ささ)
- 声 - 仁後真耶子
- 一本ダタラ(いっぽんだたら)という刀鍛冶の妖。1本足と顔面の中央を占める巨大な1つ目という、不気味だが何処か愛嬌のある外見が特徴。多数の柱らしきものを空中に出現させ、それを敵の頭上に落として攻撃する。また、目から怪しいビームを放つ。
- 1本足で不安定なせいか、ほぼいつも身体がガクガクと震えている。妖としてはやや下級のようで、明夏羽に従っている。言動からすると、知能もあまり高くないらしい。小柄な容姿に反して体重が重く、大食漢である。
- アニメでは目から出るビーム光線に刀などの刃物系を修復する能力(その際、戦闘用から修復用に瞳が切り替わる)が備わっており、緋鞠とくえすの戦いで破損した日本刀「安綱」を瞬速で新品同様に修復させた。ちなみに、修復時には火柱による爆発が起きる(その場にいた緋鞠達は爆発の巻き添えを食った)。
- 野井原の優人の実家に現れ凜子や加耶、静水久を襲撃した。しかし強力な妖の静水久には勝てず、生け捕りになった。その後、明夏羽に連れ戻される。
- 再登場時は二本足で一つ目も前髪で片眼が隠れているかのような容姿となっており、傍目には普通の可愛い女の子に見える。足止めした凜子に大量に食事を奢らせた後、礼として緋鞠と明夏羽の戦いを制止、和解して帰るときに自ら男性であると暴露した。ちなみに、カードゲームの『project revolution』では女となっている(カード制作がカミングアウトより前だったため。性別が判明した後も作者の意向により女扱いとなっている)。
- そのデザインについて作者が語る所によると、「人間に擬態した際の姿を本性として出す」という担当の意見を押し切り、現在の容姿で落ち着いたとの事。
- 大太法師(ダイダラボッチ)
- 声 - 吉柳太士郎
- 明夏羽に連れられて現れた、身の丈数十メートルに及ぶ巨大な妖。大まかには人の姿だが異形と言える容姿で地面に着くほど腕が長く、その先端には巨大で鋭い爪が4本ずつ生えている。
- 鬼斬り役の優人を殺すために明夏羽に連れて来られたが大太法師は鬼斬り役には関心がなく、緋鞠と勝負をしたいだけであった。本来は邪悪な妖ではなく、緋鞠の側も積極的な戦意を示さなかった。
- 重傷を負った優人を見て暴走状態になった緋鞠に右手を切り飛ばされるが、緋鞠が優人によって鎮静化させられるところを見届ける。その後、明夏羽とともに撤退した。
- 作者曰く「彼のモチーフはクトゥルフ神話のイタクァだったが、今になって改めて見直してみると使徒の様だ」との事。
- 然樹(ゼンジュ)
- (おしら様)東北地域一体の妖をまとめている神格ある妖。切り株のような体に穴が二つ開いているような目があり、枯れ枝のような手を持つ。東北を訪れた優人と緋鞠一行と共通の脅威となる九尾と酒呑に対する協力体制を結ぶ。(アニメ版に登場したモブの妖の一体を作者が許可を得て原作に逆輸入)
- 小冬(こふゆ)
- (雪女)然樹の配下の妖。見た目は18~19歳ぐらいの美しい女性。露天風呂に入浴している優人に九尾から守ってくれるお礼として雪女装束でお背中を流しますと迫ってくるなど、リズに似て御気楽で淫乱な性格。露天風呂に全裸の女性の姿で現れたタマ(九尾)に対し緋鞠たちとともに強力な冷気攻撃を放った。(名前は『COMIC阿云』2004年4月号に掲載された同作者の作品『鬼と彼女と開かれた世界』に登場している同名キャラクターから採られている)
- 閃蟷螂の薙蘇魔(セントウロウのテスマ)
- 緋鞠、凛子と共に森の中で優人が光渡し能力を使いこなせるために特訓を行っている際に現れた蟷螂の妖。金髪の長髪にサングラスにコート姿の男性の姿で現れ優人の説得にも耳を貸さず、光渡しの能力を確かめたいと襲い掛かってきた(九尾に協力する理由は「九尾の作る世界が見たいから」)。左手を鎌に変形させ右手には拳銃(H&K USP)を持つ。優人の光渡しトラップに怯んだ所を緋鞠によって左腕を切り落とされて敗走するが、夜光院柩が仕掛けておいたワイヤートラップによって胴体を切断されて死亡する。(名前の由来はマンティスからテスマ)
- 作者曰く「『人型妖というのは雌ばかりか?』と言われたので制作。攻撃的なイメージからモチーフは蟷螂と決まっていたものの、幾ら調べても蟷螂型妖怪が見付からなかったので仕方なくオリジナルの種族を作る羽目に」との事。
- タマ(白面金毛九尾)
- 声 - 水原薫
- 日本三大妖怪のひとつ、玉藻前(白面金毛九尾の狐)。縦ロール髪の幼い容姿の少女。東北編では成人女性くらいの姿まで覚醒し、リズにも劣らぬ巨乳を見せつけた。妖力と霊力を欲しているため霊能者や妖を襲い喰らい続けている(作者曰く「こいつは常に何か喰っている」)。まだ覚醒が不十分で本来の能力に比べれば遥かに微力だが、緋鞠やくえすでも感知できない程に完全に妖気を消す能力を持つ。緋鞠を襲うが、今は喰らう潮時ではないとして退散する。人間(現代人)は血が臭いとして捕食せず、一方で甘い菓子を好む。
- アニメ版では、酒呑童子が倒れた後、なぜか優人の家で優人達と共存しているかのような描写が見られた。
- 鬼(酒呑童子)
- 声 - 菊池正美
- 日本三大妖怪のひとつ。タマと共に暗躍している男性。駆けつけたくえすが持っていた童子切(安綱)に反応したことから素性が露呈。その後タマとは別方向で暗躍しており、夜光院柩を襲撃し彼女の自爆に巻き込まれる等している。
小説版の登場人物
- 夜魔姫(やまひめ)
- 小説版第1巻に登場。優人たちの学校の裏山で優人が遭遇した妖。ロングヘアーに泣きボクロ、緋鞠以上の巨乳の持ち主と言う妖艶な姿をしているが、容姿は優人の母親に瓜二つであり、懐かしいという感情を呼び起こさせる。京言葉に近い「はんなり」とした言葉遣いや雰囲気を持つ美女。また、使い魔として「げじべえ」という小鬼たちを使役する。
- 夏休みの自由研究のために裏山を訪れた優人の前に現れたが、以前より彼のことを知っているような言動を取る。また凛子にも、小さな女の子の姿をした夜魔姫と共に優人と遊んでいた記憶がある。
- 正体は裏山の守り神である頂上に生えた大杉であり、神体にして裏山の産土神。自身を「相手の姿を映す水鏡」と称し求められた物を無条件で相手に与える存在であり、並みの妖では足元にも及ばないほどの力の持ち主(それ故に「母親の愛」「性的衝動」「妖等霊的存在との共存」等を望んだ優人と、「戦闘への執着」が意識の中心にあった緋鞠とでは態度が豹変していた)。「げじべえ」も正体は木の精霊であり、名前も「夜の魔の姫」ではなく「山の姫」の言い換えである。
- 優人や緋鞠との和解の後、最後に暖かな時間を過ごせたことを感謝しつつ裏山の開発と共に姿を消した。しかし本体である大杉は切り倒されずに、優人の学校の校庭の隅に植え直された。
- 銀子(ぎんこ)
- 小説版2巻に登場。夏休みを利用して野井原に滞在していた優人が、昔を思い出して田舎道を歩いているときに古いお堂の近くで出会った銀狼(ニホンオオカミと思われる)の妖。普段は銀色の毛並みを持つ狼の姿だがシャギーが深めに入ったセミロングの銀髪、金色の目、みぞおちの辺りでカットしたタンクトップ姿で首輪を付けた美しい少女の姿へと擬態もする。戦闘時には瞳が赤くなり瞳孔が縦に伸びて狼の耳と長くてふさふさな尻尾が出現し爪と牙が伸びる。
- 昔、出会って自分に鍵付きの首輪を贈ってくれた主人・マコをお堂の前で待ち続けている。
- 華(はな)
- 小説版4巻に登場。優人が通っている棟陵学園屋上で緋鞠が物思いにふけっている時に現れた妖。長身の少女で赤髪長髪、古めかしい感じの紺色のセーラー服姿でスカートはくるぶしまで長く、腰にベルトを巻いており一振りの居合い刀を差しているという、今や数多くの種と共に絶滅した幻の脊椎動物スケバンに似た服装をしている。人間の霊から妖になったばかりで、性格は姉御肌。かつ思考力が低く気が早い(その為優人を探している因縁の相手・零と間違えて襲ったりした)。
- 人間であった頃恋人であった男「零」(れい)に裏切られ姿を消されたため、その霊に復讐しようと探している。剣の腕前は緋鞠と同格。
- 彼女の存在により、生物がリフォーマットされる事で産まれる「後天性」の妖の存在が実証された。
用語
- 鬼斬り役以下十二家の現状、『おまもりひまり にゃんサイクロペディア』 p8~p9を参照。
- 古来より、人を妖から護る役割を担ってきた一族の総称。いわゆる退魔師・妖怪ハンター・ベムハンターなどとほぼ同義。「鬼斬り役十二家」と呼ばれ、それぞれの一族が特殊な能力を持っている様子。その能力で妖と戦い、双方とも多くの犠牲者が出ている。そのため現代の妖たちにも鬼斬り役を憎むものが存在し、それ以外の妖にも鬼斬り役の末裔を危険視する存在は多い。しかし、現在はわずかに5家しか存続していない。(詳しくは下の表参照)
- 現状は以下のとおりである。
- 序列第1位:土御門家(存続)
- 安倍氏の家系を汲む陰陽道の一族。神宮寺家と違い表立った活動は見せないため詳細は不明。しかし、最強の【鬼斬り役】と言われ嫌悪する妖は多い。
- 序列第2位:上櫻家(不明)
- 古神道霊符術を使う一族。大戦後、人ならざる力を危惧し能力を封印。その後、いずこかへ消えた。現在どうなっているのか不明だが、蘭華の素性の封印を行っている事から存続している可能性も高い。また、その封印はくえすが僅かに穴をあけることしか出来ないほど強力である。
- 序列第3位:各務森家(存続)
- 古神道鏡守術式封魔法を駆使する一族。対象を根絶ではなく封印することが出来る唯一の家系。当主は左右どちらかに“獣の目”を宿す巫女だけがなる事が出来る。
- 序列第4位:弧月境家(断絶)
- 呪禁道から発し、呪殺術や医術に秀でた一族。大戦中、ドイツ古代遺産教会に派遣された二家の一つだが当主が現地で死亡した為に後に滅亡してしまった。
- 序列第5位:宝条家(断絶)
- 電磁波を操る一族。昭和の始め、謎の大爆発と共に屋敷と共に一族全員が死亡した。
- 序列第6位:天河家(存続)
- 対象の能力を増幅させたり、魔力を付与する【光渡し】という技を持つ。序列は高いが、妖(緋鞠の先祖)と交わった事で他家から蔑まれている。しかし戦後、人間と妖の共存を模索するケースとして注目されつつある。また、【鬼斬り役】の中ではもっとも穏健であるとされる。力は古来より男子に受け継がれる。
- 序列第7位:空須家(断絶)
- 剣術のみで退魔を行っていた一族。江戸中期、復活した九尾に挑むも返り討ちにあい滅亡した。
- 序列第8位:地走家(断絶)
- 大地の力を宿す一族で、怪力を誇る。大戦にて滅亡したが、わずかに傍流が残るとされている。
- 序列第9位:火群家(断絶)
- 炎を自在に操る一族。大戦中、ドイツ古代遺産教会に派遣された二家の一つだが当主は現地で死亡した為に火群家は後に滅亡してしまった。
- 序列第10位:柊家(断絶)
- 風使いの一族、体術にも秀でていた。戦国時代に開いた冥府への門を閉じる為に他家と協力するも、当主が闇に飲まれ死亡。その後、強力な術者は輩出できず衰退していった。
- 序列第11位:夜光院家(存続)
- 未来線を読むことが出来る一族。高速思考が可能だが、代償として脳細胞の死滅が必要なので【鬼斬り役】の務めを果たしたがらないが、上の命令で動くこともある。神宮寺家同様序列が低いこと、攻撃魔法や強力な武術が一切使えないため他家からは腫れ物扱いされている。
- 序列第12位:神宮寺家(存続)
- 独自の魔法と西洋魔術を駆使する一族。妖魔討伐で名を挙げ、十二家に加えられた。十二家内での冷遇への反発から妖をすべて根絶やしにして【鬼斬り役】の頂点に立とうと一族の向上心が強く、現代ではトップクラスの実力を誇る。そのため、現代の妖たちからは一番嫌悪されている。力は古来より女子に受け継がれる。男系の天河と1つになり光渡しの力を手に入れようとしている。
- お守り
- 優人が祖母にもらったもの。ひも・袋ともに真紅。強力な「護法の念法」が込められていて、優人が16歳になるまで妖たちから護っていた。優人が16歳になった時にその効力をなくしたが、代わりの護り役として緋鞠がやって来た。天河家の護法は強力すぎたのか、優人は幼い頃の記憶(特に、緋鞠と過ごした頃の記憶)も封じられてしまっている。
- 地走家傍流の末裔である蘭華も、同様に上櫻家の封印により護られていた。
- 野井原(のいはら)
- 地名。天河家の本宅(優人の実家)がある。優人が暮らしていた頃(約10年前)は村だったが、3年前に周辺の町村と合併して現在は市になっている。優人の実家はローカル線の駅からタクシー、さらに歩いた先というかなりの田舎にある。
- 優人の実家には、優人の祖父母・天河源之介と天河佐和子(声 - 定岡小百合)が、緋鞠とともに住んでいた。現在は無人だが祖父母の死後に訪れた加耶が家屋の手入れをしているので、荒れてはいない。源爺と佐和婆の位牌をおさめた仏壇や、天河家の能力などが記録された書物も置かれている。
- かつて緋鞠の先祖が鬼斬り役の天河家に負け殺されるはずだったが、当代の天河家当主に慈悲をかけられて従者となり以来末代まで天河家に従うという盟約を結んだ。それ以来、緋鞠が連なる一族はこの地(天河家)に住んでいた。その結果、緋鞠が「野井原」と呼ばれかつ自ら名乗るようになっている。
- 緋鞠にとっては先祖代々が住まい、そして自身が生まれ育った場所ということもあり、その力を最大限まで発揮できる場所となっている。数年前、優人の父母(声:父 - 一ノ渡宏昭、母 - 小菅真美)が祖父母を変人と見限り、この土地を離れた。
- 高宮市伊理谷町
- 地名。優人たちの住んでいる町。関東にある。
- 日本三大妖怪
- 酒呑童子(鬼)、玉藻前(白面金毛九尾の狐)、崇徳上皇(大天狗)の三人。
- かつて人間の手により倒され、その体を幾つかを分断され日本各所に封印された。玉藻前の妖気で酒呑童子が復活。その後完全復活と封印した人間達への復讐を目論んだ。
- 崇徳上皇(大天狗)に関しては保元の乱に敗れ讃岐に流され、失意のうちに没し怨霊となった怪。祟りを畏れられた一方で神としても祭られる。本作では未登場である。
派生作品
- おまもりひまり 緋鞠のおぱんちゅ
- 『月刊ドラゴンエイジ』2009年11月号より連載開始。作画はにくばなれ。
- 原作とは無関係の4コマ漫画である。同誌で掲載中の他の4コマ作品と同じく、当該ページのストーリーに関連したコメントがハシラに明記される。
書誌情報
単行本
富士見書房より角川コミックスドラゴンJr.として刊行されている。
- 第1巻(2007年2月1日刊行) ISBN 978-4-04-712478-3
- 第2巻(2007年9月8日刊行) ISBN 978-4-04-712508-7
- 第3巻(2008年4月9日刊行) ISBN 978-4-04-712541-4
- 第4巻(2008年11月8日刊行) ISBN 978-4-04-712575-9
- 第5巻(2009年4月7日刊行) ISBN 978-4-04-712598-8 ※ボーナストラックとして、作者の一般誌デビュー作「状況開始っ!」を収録。
- 第6巻 DVD付き超限定版(2009年12月19日刊行) ISBN 978-4-04-712618-3、通常版(2010年1月8日刊行) ISBN 978-4-04-712619-0
- 第7巻(2010年8月9日刊行) ISBN 978-4-04-712680-0
ノベライズ
『ドラゴンマガジン』において2008年5月号より連載スタート。作者はみかづき紅月、単行本表紙ならびに挿絵を的良みらん本人が担当する。富士見書房より富士見ファンタジア文庫として刊行されている。
- 『おまもりひまり1 浪漫ちっくメモリー』(2008年7月19日刊行) ISBN 978-4-8291-3315-6
- 『おまもりひまり2 乙女ちっくロイヤリティ』(2008年11月20日刊行) ISBN 978-4-8291-3355-2
- 『おまもりひまり3 ドラマちっくフェスティバル』(2009年6月20日刊行) ISBN 978-4-8291-3415-3
- 『おまもりひまり4 レトロちっくジェラシー』(2010年1月20日刊行) ISBN 978-4-8291-3484-9
その他
- 『オフィシャルガイドブック 第0巻』(2009年10月24日刊行) ISBN 978-4-04-712627-5
- 『TVアニメーション おまもりひまり 公式ファンブック』(2010年5月20日刊行) ISBN 978-4-8291-7689-4
- 『おまもりひまり 1/4 緋鞠の4コマ あんそろじぃ』(2010年4月9日刊行) ISBN 978-4-04-712662-6
テレビアニメ
2010年1月から3月まで、tvkほか独立UHF局、BS日テレなどにて放送された。全12話。
原作同様にパンチラやお色気シーンも健在で過激な描写も多いが、女性キャラの乳首などは書かれていない。
テレビ愛知、tvk他一部の放送局では一部のシーンで表現規制が行われているが、静水久の身体丸ごと、パンツの形の白抜き等不自然な規制となっている場合が多い。
9話までは原作を踏襲したストーリーだが10話から最終話はオリジナルの展開である。
テレビアニメシリーズとしては極めて珍しく「映像を完成させた後、それに合わせてBGMを作曲する」という手法がとられており、これによって映像と音楽の親和性を高めている。そのため映像はテレビ放映の半年前にはすでに完成しており、公式サイトではこの手法を“あやかしサウンドシステム”と呼称している。
スタッフ
- 原作 - 的良みらん
- 監督 - ウシロシンジ
- シリーズ構成 - 長谷川勝己
- キャラクターデザイン - 磯野智
- デザインワークス - 岩永悦宜、山本篤史
- 美術監督 - 小坂部直子
- 色彩設計 - 岩井田洋
- 撮影監督 - 口羽毅
- 編集 - 平木大輔
- 音響監督 - えのもとたかひろ
- 音楽 - 橋本由香利
- 音楽プロデューサー - 植村俊一
- 音楽制作 - コロムビアミュージックエンタテインメント
- プロデューサー - 蜂屋誠一、鈴木智子、武智恒雄、原田由佳、小湊義文、川崎とも子
- 制作プロデューサー - 橋本和典
- アニメーション制作 - ZEXCS
- 製作 - おまひま製作委員会
主題歌
- オープニングテーマ「押しちゃうぞ!!」
- 作詞 - 三重野瞳 / 作曲・編曲 - 川田瑠夏 / 歌 - AyaRuka
- エンディングテーマ
- 「BEAM my BEAM」(第2話 - 第11話)
- 作詞 - 只野菜摘 / 作曲・編曲 - Low-tech-Son
- 歌 - ひまりんこ・L・しずくえす(小清水亜美、野水伊織、真堂圭、大亀あすか、松岡由貴)(第2話 - 第6話、第12話)
- 歌 - 野井原緋鞠(小清水亜美)(第7話)
- 歌 - 九崎凛子(野水伊織)(第8話)
- 歌 - 静水久(真堂圭)(第9話)
- 歌 - リズリット・L・チェルシー(大亀あすか)(第10話)
- 歌 - 神宮寺くえす(松岡由貴)(第11話)
- 第12話は挿入歌として使用された。
- 「坂道の果て」(第12話)
- 作詞 - 只野菜摘 / 作曲・編曲 - Kohei by SIMONSAYZ
- 歌 - 天河優人(平川大輔)
- 挿入歌「ひだまり」(第10話)
- 作詞 - 只野菜摘 / 作詞・編曲 - 川田瑠夏 / 歌 - AyaRuka
各話リスト
第1話 | 猫と少女とアレルギー | 長谷川勝己 | ウシロシンジ | 駒屋健一郎 | 臼田美夫 | 磯野智 |
第2話 | 海ねこスクランブル | 鈴木雅詞 | 伊能樹 | 相坂ナオキ | 烏宏明 | |
第3話 | メイドinネコ | あみやまさはる | 徳本善信 | 仁井学 吉井弘幸 | 磯野智 | |
第4話 | 野井原の白いネコ | 長谷川勝己 | ウシロシンジ | 渡部穏寛 | 北村友幸 田中正之 | 烏宏明 |
第5話 | 悩める猫と平常心 | 伊能樹 | 新田靖成 | 星野尾高広 | 磯野智 | |
第6話 | キス×ネコ×KISS | 鈴木雅詞 | 川崎逸朗 | 岩本貴玲 | 烏宏明 | |
第7話 | 猫の想いと魔法少女のユウウツ | あみやまさはる | 川崎逸朗 | 駒屋健一郎 | 藤原未来夫 清水博明 | 磯野智 |
第8話 | Curiosity killed the cat | 長谷川勝己 | ウシロシンジ | 鬼原守 | 織岐一寛 鬼原守 | 磯野智 烏宏明 |
第9話 | 猫鳴く忍び寄る闇 | 鈴木雅詞 | 徳本善信 | 仁井学 清水博明 | 磯野智 | |
第10話 | 妖しき猫の思い | あみやまさはる | ウシロシンジ | 新田靖成 | 相坂ナオキ | 烏宏明 |
第11話 | 猫(ひまり)、護り刀として… | 長谷川勝己 | 及川啓 | 川崎逸朗 | 杉本智子 吉井弘幸 仁井学 | 磯野智 |
第12話 | 猫と優人と乙女の純情 | ウシロシンジ | 駒屋健一郎 | 島沢ノリコ 桜井正明 清水博明 |
放送局
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 放送系列 | 備考 |
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埼玉県 | テレ玉 | 2010年1月6日 - 3月24日 | 水曜 25時30分 - 26時00分 | 独立UHF局 | |
千葉県 | チバテレビ | ||||
東京都 | TOKYO MX | 2010年1月7日 - 3月25日 | 木曜 26時30分 - 27時00分 | ||
愛知県 | テレビ愛知 | 2010年1月8日 - 3月26日 | 金曜 25時58分 - 26時28分 | テレビ東京系列 | |
日本全域 | BS日テレ | 金曜 26時00分 - 26時30分 | BSデジタル放送 | ||
神奈川県 | tvk | 2010年1月9日 - 3月27日 | 土曜 25時00分 - 25時30分 | 独立UHF局 | |
福岡県 | TVQ九州放送 | 2010年1月10日 - 3月28日 | 日曜 26時30分 - 27時00分 | テレビ東京系列 | 第7話・第8話は2話連続放送 |
兵庫県 | サンテレビ | 2010年1月11日 - 3月29日 | 月曜 25時40分 - 26時10分 | 独立UHF局 | |
日本全域 | アニメNewtypeチャンネル | 2010年1月16日 - | 土曜 更新 | ネット配信 | 第1話は無料配信 第2話以降は1週間無料配信 期間終了後は有料配信 |
Webラジオ
テレビアニメ開始に関連して、アニメイトTVでWebラジオが配信されている。
- 概要
- ラジオタイトル:おまひま☆HR(おまひまえいちあーる)
- 配信期間:2009年11月12日 - 2010年4月30日(隔週木曜日)
- パーソナリティ
- 小清水亜美(緋鞠役)
- 野水伊織(九崎凛子役)
- 主題歌
- love and peace
- 作詞 - 只野菜摘 / 作曲・編曲 - 橋本由香利 / 歌 - 小清水亜美
- 配信
style="white-space:nowrap"|第1回 |style="white-space:nowrap"|2009年11月12日||なんかエロ〜い!(挨拶|| |
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第2回 |2009年11月26日||なにそれこわい?||大亀あすか(リズリット・L・チェルシー役) |
第3回 |2009年12月10日||けろ〜んぱ〜だよっ☆||真堂圭(静水久役) |
第4回 |2009年12月24日||くえす様、ご降臨〜♪||松岡由貴(神宮寺くえす役) |
第5回 |2010年1月7日||なますてー(謎)||平川大輔(天河優人役) |
第6回 |2010年1月21日||カユくないもん!||嶋村侑(委員長役) |
第7回 |2010年2月4日||今日出来る子!||根谷美智子(如月冴役) |
第8回 |2010年2月18日||鉄板って言いたいの!?||本多真梨子(加耶役) |
第9回 |2010年3月4日||アレ立っちゃいました……||鈴木達央(柾木泰三役) |
第10回 |2010年3月18日||エーじゃないかエーじゃないか||大亀あすか |
第11回 |2010年4月1日||黒野水降臨!?||真堂圭 |
第12回 |2010年4月15日||ヨッ!||嶋村侑 |
第13回 |2010年4月30日||……毛?||平川大輔 |
参考文献
- 『おまもりひまり にゃんサイクロペディア』(富士見書房『ドラゴンエイジ』2009年3月号別冊付録)
関連項目
- UHFアニメ一覧
脚注
外部リンク
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