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おれは男だ!くにおくん/穴久保幸作

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著者: 穴久保幸作
巻数: 11巻

穴久保幸作の新刊
おれは男だ!くにおくんの新刊

最新刊『おれは男だ!くにおくん 第11巻


おれは男だ! くにおくん』(おれはおとこだ! くにおくん)は、穴久保幸作による日本の漫画作品。『熱血硬派くにおくん』を原案としている。1991年から1996年まで『月刊コロコロコミック』(小学館)で連載されていた。単行本は全11巻。

概要

テクノスジャパンから発売されたゲーム作品『熱血硬派くにおくん』を原案としたギャグ漫画。初期はゲームと同様に様々なライバル達と戦っていたが、以降はほとんどが下品な方向に走ってしまったオリジナルのネタ作品となった。テクノスジャパンの倒産や、作者の別作品『ポケットモンスター』の開始により終了となる。

ゲームと異なりはせべ(長谷部和美)、まみ(島田真美)等は登場せず、女性キャラは脇役でしか出てこない。これ以外にも各キャラの設定などゲーム本来のそれとあからさまな相違や矛盾が非常に多いので、原作やゲームファンからの批判も多い作品である。

単行本の登場人物紹介では、主要キャラ以外に一話限りのキャラ(江口洋助ノ助など)も解説していた。

登場人物

主要人物

くにお
熱血高校3年生。熱血高校の最強の男にしか許されない白ランを着ており髪型はアイパー。ケンカに強く情も熱いが成績は悪い。性格はバカでマヌケでスケベ。ドッジボール部主将。身長は、当初周りのキャラと同じくらいだったが、次第にくにお以外の身長が伸びており、明らかに低くなってしまった。得意技はマッハパンチとマッハキック。注射が嫌いで風邪を引こうとしたことがある。また、交通事故で一度死んだときは、「試験や注射をしなくて済む」と大喜びし、追い出されて生き返った後ももう一度死のうとしたためこうじ、ひろし達に呆れられた。後期は金儲けやいろんな事にチャレンジし才能を発揮するが、最終的には失敗し悲惨な結末となる展開が多かった。
最終回でダブルドラゴンの誘いでアメリカのヤンキー達と戦うために渡米した。
こうじ
くにおのクラスメートであり友人。パーマ頭が特徴。初期はくにおを慕っていたが、徐々にくにおとつるみだしバカにする素振りも増えて言った。ツッコミ役だが後期はひろしに代わり出番が減っていた。初めは谷花高校のヤンキーを軽く倒すこともあったが、話が進むにつれ一撃で簡単に吹っ飛ばされるかませ犬になるパターンが多くなった。原作と同じく名前は「こうじ」だが、キャラクター紹介で「こーじ」と表記されている。また、誰かが彼の名を呼ぶときも「こーじ」である。
ひろし
くにおの後輩でドッジボール部員。くにおを慕っているが、くにおのマヌケな行動に巻き込まれる事が多い。後期はこうじに代わるツッコミ役として登場するようになる(連載後期の多くがくにおとひろしの2人の話である)。たまにくにおと共にボケる事がある。家はかなりの金持ちで結構モテるらしい。一度、くにおに苦学生と間違えられる。
鮫島力(さめじま りき)
花園高校の3年生でくにおのライバル。マジメで熱血漢だが調子に乗る事もある。リーゼント頭が特徴。学ランの下にはさらしを巻いており、くにおにデベソと言われたこともある。何故かサッカー部員としてインターハイに出場した過去があり、くにおの出る大会やイベントなどに名前を変えて出場する事がある。ウサギが好きで、学ランにウサギのアップリケをしており、これが原因でくにおに弱みを握られてしまった上に、最後にばらされてしまった。連載後半では出番が急激に減った。
原作では留年しており彼女もいるが、作中ではそれらの設定はほとんど出てこない。住所は不明だが、くにおの家の隣に引っ越してくるエピソードがある。無論くにおと大喧嘩した。
最終回ではくにおのアメリカ行きに納得できず殴り飛ばすが、最後は納得して見送った。
園川薫(そのかわ かおる)
千里台高校の生徒。ぐるぐるメガネをかけていてナスのヘタの様な髪型。くにおを一方的に慕っている。そのためにはた迷惑な行為に走ってしまう。ケンカは弱いが暴れると手がつけられなくなる。一度くにおの追っかけをやめてりきのファンになったことがあった(くにおの気を引くためで、本当に寝返ったわけではなかった)。
原作ではくにおを基本的に「アニキ」と呼ぶが、本作ではなぜか「くにおさん」と呼ぶ。
山田(やまだ)
冷峰学園の3年生。くにおの中学時代の同級生でありライバル。後輩のダブルドラゴンを子分として利用しているが、大抵はうまくいかない。原作では後に明暗高校へ転校するが、今作では最後まで冷峰に在学し、藤堂とつるむことも殆どないなど異なる点が目立つ。また、原作とは違い、子分のダブルドラゴン兄弟(原作では子分でも何でもない)がくにおに敗れたことを知って敵討ちにくるなど、硬派な初登場を見せ、原作ほどの陰湿さは無い。基本的にくにおを対抗しているが、大阪でくにおやりきが三羽がらす(後述)にやられかけた際はくにお達に手を貸した。カナヅチでもある。刑事のエピソードでは被害者として登場するも、最後で実はただ眠っていただけだったというオチがお約束になっている。初登場から一度もくにおと殴り合いの喧嘩で決着をつけたことはない。
竜一・竜二(りゅういち・りゅうじ)
冷峰学園の双子の生徒。山田の子分で通称ダブルドラゴン。原作ではくにおたちと同じ3年生だが、本作では後輩という設定で山田を慕っている。拳法の使い手で、普段からカンフールック。初登場時にくにおがドラゴンとヘビを勘違いした事から「バカなヘビ兄弟」と呼ばれている。家は大金持ちで、最終回では先にアメリカに留学しており、くにおを誘っている。原作の必殺技以外に、ダブル殺法という漫画オリジナルの必殺技がある。始めはくにおと敵対していたが、後には一緒にお花見をしたり焼肉バイキングを食べに行ったりと仲が良くなっている。
藤堂護(とうどう まもる)
冷峰学園の生徒。大企業の御曹司で金に物を言わせており、普段はカーブを曲がれないほど長いリムジンで移動している。ケンカはある程度強く金を使った作戦を目論むが、くにおには負けている。原作とは違い山田とつるむことは殆どない。原作では末っ子という設定だが、本作では熱血高校に入学した弟が登場する。

準レギュラー

ゲームにも登場するキャラ

しんいち
初期に登場したくにおのクラスメートであり友人、基本的にくにおの強さを引き立てるだけのやられ役でケンカは弱い。原作ではドッジボール部員。尚、原作とは違い、サングラスはかけていない。
五代(ごだい)
谷花高校の3年生。原作より小太り気味。くにおと初対面の際に「こだいこ(小太鼓)」と間違われた。原作では棒術スペシャルを使う最強クラスのキャラであり、初登場時もくにおを苦しめたほど(もっとも、空腹で力が出せなかったということもあったが)の強さであったが、後に基本ヘタレでケンカは弱く、ほとんど噛ませ犬的な立場になっていった。
豪田(ごうだ)
宝陵高校の3年生。石頭で頭突きを得意とするが、作中では何らかのトラブルによりくにおには使っていない。五代とつるみ打倒くにおを目指すこともあるが、くにおの気付かない内に空周りして失敗する。基本的にボケ役で五代にツッコまれる事が多いなど、聡明で男らしく正義感の強い原作とはまるで人物像が違う。言い訳しながら闇討ちやせこい作戦を使ったり、くにおを見てビビって逃げ出すなど原作とは全く違う非常に情けないキャラになってしまい、五代以上の噛ませ犬的な立場にされている。原作と一番かけ離れた人物。
鬼塚(おにづか)
冷峰学園の生徒。原作に登場した冷峰四天王と思われる4人の子分を引き連れている。存在をアピールするために山田やくにおに対抗意識を燃やすが空回りし失敗に終わる。真面目で優しい性格の原作とまるで異なり他の登場人物と同様にせこい性格になっている。
なお、本作には原作における冷峰学園の歴代の生徒会長(鬼塚・山田・藤堂)が全員登場しているが、作品の中で3人のいずれも生徒会長を務めている様子は特に見られない。後期は出番が全くないが背景で登場した事がある

西村(にしむら)
白鷹工業高校の生徒。デブだが動きが俊敏で肥満体型が攻撃の威力を吸収する。独特の口癖は特になく俊敏さや打たれ強さなど原作とまるっきり異なる点が多いが、原作における沢口似の子分らしき人物は登場している。学生だが何故か荒れた喫茶店のマスターをしている。本作ではなぜか五代や豪田、そして冷峰をも制圧してしまうほど強いという設定になっている。
ウィリアム(うぃりあむ)
アメリカンハイスクールのドッジボール部キャプテン。原作ではストリートファイターのマイク・バイソンに酷似しているが、今作では美男子。普段は真面目に見えるが本性はヤンキー。くにおを始めとする日本の不良を下に見ていたが、くにおにドッジボールで破れリベンジを誓う。
山本・上条(やまもと・かみじょう)
影村高校の生徒。くにおとりきの名を騙って悪事を働き、2人の評判を落としていた。全く似てないにも拘らずなぜか本人達以外にバレなかったが、本物と思った不良にボロ負けしくにお達に助けられる。しかしそれでも全く懲りずに、次はダブルドラゴンになりすまそうとした。でかい口を叩くが、本性は小学生にカツアゲを仕掛け、値切られるほど情けない。

漫画オリジナルのキャラ

若村(わかむら)
通称「ワカ」。大阪の不良3人組「三羽がらす」の1人。蹴り技やパチンコ玉での攻撃を得意とするが、竜一の爆魔龍神脚を食らい気絶する。長い眉毛が特徴。東京に来襲したときは原宿で買い物をしたがっていた。
高林(たかばやし)
通称「タカ」及び「なにわのコニシキ」。「三羽がらす」の1人。デブのメガネが特徴で、その体系を生かした攻撃を得意とするが、山田が仕掛けたジャーマンスープレックスをまともに食らって敗れる。東京に来襲したときは渋谷でナンパをしたがっていた。
重光(しげみつ)
通称「シゲ」。「三羽がらす」のリーダー格。口の横の髭が特徴。勝つためには卑劣な手段に出る事もあり、なにわのマッハパンチを得意技とする。くにおの元祖マッハパンチの前に敗北。その後、ワカとタカを連れリベンジの為に上京するが、またもくにおに敗れた。実は観光もしたかったらしく、決闘の場をわざわざ東京タワーにして、くにおに記念写真まで撮らせていた。
浜岡(はまおか)
朝日高校の生徒で東京一を自負している男。その強さはくにおと互角。藤堂の策略で熱血高校に乗り込みくにおと闘うことになる。くにお並のアホだが悪い奴ではなく、りきから真相を聞かされるとくにおと和解し藤堂を懲らしめる。そばが好物。
カレーの城のおやじ
カレー専門店「カレーの城」の店主。インド人。最初は谷花高校に、二度目はライバル店「カレー道楽」によって閉店の危機に陥る。カレー道楽のエピソードではくにおと組んで客を呼び戻そうとするが、くにおのせいでカレー道楽ともども店を壊滅させられ、インドに帰る。
ライト博士
航空機マル秘研究所の博士。数々の戦闘機を研究・開発して、その多くが広大な研究所の格納庫に収められている(ただし、中には航空自衛隊から盗んだ物もある)。「鳥人間大会」に出す予定だった飛行機をくにおが壊してしまい、代わりにゴム動力の飛行機でくにおを出場させる。その後、餅つき大会に自作のマシンで出場するが、またもくにおに壊されている。
悪井(わるい)
少年刑務所の収容者の頭(かしら)。冤罪でやって来たくにおを潰そう考えていたが叶わず降参する。30回以上も脱走を試みているが全て失敗しており、勘違いで自分が死刑になると思った

くにおと共に抜け出すが道を間違えて何故か所長室にたどり着いた。

りきの母
鮫島力の母親。りきの家に関係するエピソードに時々登場している。髪型はシニヨンのようにまとめていて、着物の似合う美人。メインキャラクターの母親の中で唯一二度登場している(くにおの母とひろしの母も登場したことがあるが、いずれも一度のみ)。くにおとりきがカルタで勝負したときはカルタの歌を読んでいた。くにおたちが目の前で大喧嘩していても暢気にお茶をすするほどの心の余裕を持っている。実はトラックを運転できる。
熱血中学応援団長
くにおの中学時代に通っていた「熱血中学」の応援団長。くにおがあまりに失礼な態度をとるので懲らしめようとしたが、返り討ちにあった。後にくにおが参加するトライアスロンで熱血の応援団として子分たちと再登場している。またこの時くにおのボケにツッコミを入れている。中学3年にしては老けた顔をしている。

その他

ちんみ
連載初期から登場している目つきが悪く時折突っ込みを入れる謎の動物。モデルは作者の穴久保が飼っていた猫であり、語尾に「~ニャ」をよくつける。作者の後作品『ポケットモンスター』にも頻繁に登場している他、名前だけ背景でよく書かれる事が多い。
あいや
ちんみと一緒に登場するもう一匹の猫。ちんみと違ってセリフがなく、後ろにいることが多い。ちんみと同じくモデルは当時、穴久保が飼っていた猫。
変態
漫画の冒頭シーンによく登場するヘンタイ男。主に熱血高校周辺や住宅地に出没する。一人だけではなく複数人いる。

読み切り版との相違点

連載開始前に別冊コロコロコミック1991年10月号に掲載された読み切り版。単行本では1巻の巻末に収録されている。

  • くにおは母子家庭で、ケンカに明け暮れた事で熱血に転入し、ケンカをしないと不在の父親(理由は不明)と約束していた。
  • くにおが以前に通っていた学校については描かれていないが、熱血の不良にもくにおの噂が知られていた。
  • ひろしはいじめられっ子だが、本人は自分が弱いと思っていない。また、くにおとひろしは連載版よりも大きく描かれており、ひろしの顔も異なる。

関連項目

  • くにおくんシリーズ