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きずな/ももち麗子

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著者: ももち麗子
巻数: 3巻

ももち麗子の新刊
きずなの新刊

最新刊『きずな 3


出版社: 講談社
シリーズ: デザートKC


きずなの既刊

名前発売年月
きずな 1 2004-09
きずな 2 2005-03
きずな 3 2005-07

きずな』は、ももち麗子による日本の漫画作品。

概要

問題提起シリーズのひとつで、家庭崩壊を題材にしているサスペンス漫画。『デザート』(講談社)にて2004年6月号から2005年8月号まで連載された。単行本は同社の「KCデザート」から全3巻が刊行されている。

シリーズの中では恋愛色が薄いのが特徴。

あらすじ

高校2年生の主人公・斑鳩夏波がある男に出会ったことから物語が始まる。これ以降、弟の冬馬が刺されたり、家に脅迫電話が掛かってきたりするなど奇妙な出来事が立て続けに起こり、夏波の祖母・光子や父・大成など家族が次々と何者かに脅迫されるようになる。そして光子が何者かに轢き逃げされ命を落とした事をきっかけに夏波は幼馴染のキュー太と共に一連の事件の真相を探り始める。

やがて夏波は父親を脅迫していた人物の正体を知り、同時にこれまでの事件の真相を知る事になる。事件の真相は、冬馬の出生に隠されていた。実は今生きている冬馬は養子で、実子ではなかったのだ。本物の冬馬は生後まもなくマンションから転落し死亡していたのだが、夏波の母は冬馬が死んだという事実を信じられず、冬馬はまだ生きていると思い込んでしまった。そんな母の様子を見て困った父は冬馬の遺体を勝手に陶芸の窯で処分し、代わりに教会のマリア像の下に置かれていた赤ん坊を拾ってきて冬馬として育てていたのだった。

すべてを知った夏波は家族を守る為、正当防衛に見せかけて父を脅迫していた人物を殺害。だが翌朝、父が警察に全てを話してしまったため、夏波は殺人罪で逮捕される。そして、冬馬は自分が養子だったという事実を知り動揺する。その後冬馬の本当の名前が判明し、いったんはそちらの家に引き取られることになった。数年後、大学生になった冬馬は再び14年間を過ごした元の家に戻ることを決意する。既に夏波も出所していて、また昔のような平和な生活に戻ることになった。

登場人物

斑鳩夏波(いかるがかなみ)
高校2年生の主人公。自分の家族が何者かに脅迫されているのを知り、家族を守るために自分たちを脅迫する人物の正体と事件の真相を探ろうとする。冬馬を大切に思っている。
物語の後半で冬馬が養子だった事・本物の冬馬は既に亡くなっていて父がその遺体を勝手に処分していたことを知る。その後事件の真相を知った後、家族を守るために脅迫者を殺害、正当防衛に見せかけようとしたが、父が警察に真相を話していたため逮捕されてしまう。最終話では出所し、家に戻ってきた事が語られる。
斑鳩冬馬(いかるがとうま)
夏波の弟。家族が脅迫されるようになった後、何者かに刺され怪我を負う。その際血液型が他の家族と違うことがわかり、家族と血のつながりがなかったことが判明する。
実は彼は大成が冬馬の代わりとして拾ってきた捨て子で、本物の冬馬は赤ん坊の時に亡くなっていた。最終話で自分の出生にまつわる事実を知り、本当の家族の下へ引き取られていった。本当の家族に引き取られて少し経った後、キュー太と再会。その際姉の事を悪く言うが、それを聞いたキュー太から「14年間幸せだったのか」と問われ、この言葉を抱え続けることになる。それから数年後、大学生になった冬馬が14年間を過ごした斑鳩家に戻る事を決意するところで物語は締めくくられる。
斑鳩大成(いかるがたいせい)
夏波と冬馬の父で陶芸家。過去のある事件をネタに何者かから脅迫を受ける事になる。
実は本物の冬馬が亡くなった際に冬馬の遺体を窯で焼いて勝手に処分した上、捨てられていた赤ん坊を連れてきて冬馬として育てており、そのことをネタに脅迫されていた。後に夏波とキュー太が窯の中から冬馬の骨を見つけたのを知って二人に真相を話し、最後は家族を守るために全てを警察に話した。
斑鳩光子(いかるがみつこ)
夏波と冬馬の祖母。夏波のことをよくかわいがっていた。家族が脅迫されるようになった後、偶然自分たちを脅迫していた人物の正体を知ったが、その後轢き逃げされて命を落としてしまった。実は冬馬の出生の秘密を知っていた。
キュー太
夏波の幼なじみ。夏波の家族が脅されているのを知り、ふたりで協力して謎を解き明かそうとする。最終話で夏波が逮捕された後、本当の家族に引き取られた冬馬の下を訪れ、数年後に冬馬が斑鳩家に戻ることを決意するきっかけを作る役目を果たす。