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たびびと/重野なおき
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著者: 重野なおき
巻数: 5巻
最新刊『たびびと 5』
『たびびと』は重野なおきによる日本の4コマ漫画作品。主に、芳文社の雑誌『まんがタイム』(月刊)で2003年5月号から2010年3月号まで、『まんがタイムジャンボ』(月刊)で2003年12月号から2004年8月号まで連載された。『まんがタイムポップ』(芳文社)でも掲載されていた事がある。なお、韓国でも翻訳版が発売されている情報源:作者・重野の2008/06/05 (木)の日記。
作品概要
世界中を旅する写真家三郎太と、1枚の写真を手掛かりに故郷を探す料理人みちる、そしてカラス(正式には九官鳥)のクロの2人と1羽が世界中を渡り歩き、みちるの故郷(生まれた場所)を見つけるため旅をする物語。
同作者の作品『ひまじん』の対極として考えた作品。
主な登場人物
※パーティーに加入時の設定(みちると三郎太を除く)
職業 !レベル !攻撃力 !知力 !素早さ !体力 !特技 |
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三郎太 |写真家 |10 |32 |88 |25 |85 |写真・通訳・秘密道具 |
みちる |料理人 |5 |68 |20 |78 |82 |料理・乱れ斬り |
クロオールカラー版1巻表紙カバー下参照 |旅ガラス |2 |8 |1 |126 |30 |食べる・盗む・しゃべる・逃走 |
蘭 |トレジャーハンター |18 |96 |41 |70 |89 |探し物・ダイナマイト・ギャンブル |
ヒメ |姫 |1 |1 |36 |29 |35 |わがまま |
ロイ |商人 |12 |60 |81 |20 |65 |便利道具・交渉・鑑定・守銭 |
巴 |侍 |16 |135 |58 |100 |82 |剣術 |
ポー |ガイド兼ハンター |20 |105 |78 |10 |90 |弓術・着ぐるみ作り |
モモ |? |12 |128 |32 |135 |80 |体術 |
マルチダ |冒険家 |99 |135 |108 |101 |110 |執筆・探索 |
()内は三郎太・みちる・クロと同行した時期
- 三郎太(さぶろうた)
- 本作の主人公。年齢は26歳。写真家。性格は基本的には天然。糸目なのが特徴。8ヶ国語を話すのが可能。
- 三郎太のリュックサックには、色んな物が入っている。しかし用途が中途半端だったり、慌てるとすぐには目的の物が出せない(みちる曰く、猫型ロボットみたいらしい)。
- 母親の名前は千春。叔母(父方の妹)は異国に住んでいて名前はサユリ・フローレンス。叔父はサユリの夫で、猟師のジェラルド。
- みちると出逢う前は一人で旅をしていたがみちると出逢った事で2人で旅をする楽しさがわかった。
- 伝説の女冒険家、マチルダ・ブローリンを尊敬している。
- 実はみちるとは夫婦であることが3巻の最後で初めて明らかになった。籍は旅立ちの直前に入れている。3巻の冒頭の回想シーンから、子供の頃のみちると旅の約束と一緒に結婚の約束もしたようである。
- みちる
- 料理人。年齢は19歳。言葉は2ヶ国語しか喋れない。初めて作った料理は、オムライス。
- 親譲りの料理が得意で、母の遺した岩をも切り裂く包丁の名刀「鬼丸雪綱」(ロイによると1000万Gの価値あり)をいつも所持している。
- 一枚の写真を手に、母の故郷で自分の生まれた場所を探している。
- 三郎太と旅をする前は孤児院にいた。三郎太が院長の知り合いで孤児院に訪れて、三郎太に旅の話を聞かされるうちに旅をしたいと決心した。
- 母親は自称・超天才料理人で、名前はアン。
- 2巻の終盤で荒れ狂う波にさらわれ、三郎太と離れてしまったが、3巻の中盤で再会した。実は、とある国の王様の娘(つまり、王女)である。
- クロ
- さすらいの旅ガラス。首にバンダナを巻いている。人間の言葉を喋ることが可能。実はカラスではなく九官鳥。
- 三郎太とは道端でエサをやったらついてきた。三郎太にとっては最初の仲間。
- 泥棒行為をよくしており素行は悪いが、時折男気のある一面を見せることもある。
- 三郎太達に危険な事があるとすぐに空中に逃げ出したり、度々みちるの悪口を言って喧嘩をしたりしているが、4巻のマーズに対する発言(台詞自体はみちるの勝手な翻訳だが、実際図星だった)や、5巻でモモに吐露した本音から、本心では三郎太とみちるを強く信頼していることが伺える。
- サユリ・フローレンス
- 三郎太の叔母。10年ぶりに三郎太と会う時に、待ち合わせ場所に大砲を持って来て、警察に連行される。ちょっと天然。
- 旅人だった経験があるので、知識は豊富。
- 外国人のジェラルドと国際結婚し、夫の国で暮らし始めてから10年になる。
- 実年齢よりも、若く見られるらしい。
- 無農薬栽培野菜を作り、無人販売所で売っている。とても評判が良い。それで同じく野菜を作っているゲルババ・ゴルギアスに敵視されている。
- (ゴルギアスの野菜が売れない理由は「明らか」なのだが、ゴルギアス自身はそれを認めようとはしていない)
- 三郎太達と別れる時に、ボルケノ共和国の『どこか』に住んでいる、グランベリーという人宛の手紙を、三郎太に手渡した。
- その際に、みちるから秘伝の料理レシピ本をお礼に受け取った。その後、夫婦で小料理屋を開き、とても繁盛したという。
- ジェラルド
- サユリの夫。職業は猟師。
- 獲物が通りそうもない庭先に罠を張ったり、森に張った罠に、自分が自分でかかってしまうが、それを全然気にしていない、とっても豪快な男。
- 「今日は大物が穫れた」と言いつつ、「とろろごはん、おかわり自由だ!」と言う。やっぱりサユリと似た者同士の夫婦で、ちょっと天然。
- ボブ
- とある港町のはずれ住んでいる船大工。
- 木造船を昔造っていたが今は引退して50年が経っていて、現在は家具職人。
- ボトルシップを造るのが最近の趣味である。
- 三郎太達に宿代2割引で間借りをさせるなど微妙にセコイが、徴収した宿代で船旅に必要な物資を買い揃えるという太っ腹な一面も持つ。
- 実は眼鏡の下はきれいな目をしている。
- ニア
- ボブの孫。
- 世界中の船に精通しており、船の設計やデザインが得意だが、あまりにも極端な物を考えるときがある。
- おじいちゃん(ボブ)の事を伝説の船大工と呼んでいる。
- グランベリー
- ボルケノ共和国の西の森に住む医者。サユリの友人。
- 服装と仕事(薬の調合)から地元民からは魔女と呼ばれているが、本人は魔女っ娘と呼んでもらいたいらしい。
- 様々な薬を調合しており、平気で他者を薬の実験台に使う。薬の名前は「オモイダース」や「スグミツカール」等、単純なものばかり。
- 問題は何でも薬で解決しようとする傾向にある。
- マチルダ=ブローリンを捜す三郎太達にある助言を与えた。
- ちなみにサユリに詳しい所在を教えられなかったのは、連絡先を書いたメモを失くしたため。
- 蘭(らん)(海洋冒険編序盤~終盤)
- 自称・天才トレジャーハンターだが、宝に対する価値観が世間一般とズレており、生活は苦しいらしい。ギャンブルは得意の様だが、競馬だけはよく負けている。
- 爆弾の「スーパーダイナマイト」をいつも所持している。宝物にどー○くん(某テレビ局のマスコット)を持っている。
- 普段はバイクで旅をしている。大陸編(第1巻)で一度初登場しているが海洋冒険編(第2巻)では三郎太達の船に乗船していた。
- 2巻の最後でみちると離れ離れになった三郎太がみちるを迎えに行く途上、自分の旅を続けるため別れる。三郎太のモノローグによれば、その後再会することはなかったらしい。三郎太とみちるの関係については最後まで知ることはなかった。
- 5巻の終盤にロイの店を訪れ、彼に宝の鑑定を依頼した。宝に関しては全く相手にされなかったが、彼女のバイクは高値が付くらしい。
- ヒメ(海洋冒険編中盤)
- 本名、ハモンド・R・メイフラワー姫。ハモンド王国の国王の娘。12歳。
- ブライアント王国の王子に経済援助を目的に政略結婚したが、王子が好かないので三郎太達の船に乗り込みハモンド王国に逃亡した。ちなみに両親はかなり庶民的。
- 追跡編の序盤では三郎太達に重要な情報を提供した。
- ギンジ(海洋冒険編中盤)
- ブライアント王国の王室護衛隊長。グラサンが特徴。
- チハルとともにヒメを取り戻すため追っていたが、王にヒメを誘拐したと勘違いされ、指名手配(のち賞金首)される。ハモンド王国に住みチハルと屋台を開業する。
- 5巻の終盤では、自分よりも先に結婚したチハルをひがんでいる。
- チハル(海洋冒険編中盤)
- ブライアント王国の王室護衛隊長補佐代理心得。スキンヘッドが特徴。ギンジの部下。
- ギンジとともにヒメを取り戻すため追っていたが、王にヒメを誘拐したと勘違いされ、指名手配(のち賞金首)される。ハモンド王国に住み屋台を開業する。詩人な一面も持つ。
- 5巻の終盤では、兄貴分のギンジを差し置いて結婚したことが明かされる。
- ロイ(再会編序盤~激闘編終盤)
- 旅商人。14歳。女の子と勘違いされやすく三郎太とみちるにも間違えられた。
- かなりの守銭奴で、様々な物を鑑定したり上手く売り捌いたりする能力があり道中でもそれを応用(多少、悪用)した。
- 大型のリュックサックには、色んな物が入っているが、三郎太とは異なり用途が便利道具で、すぐに取り出せる。
- ロイは商人の家系で13歳以上になると行商の旅に出て1000万Gを稼ぐまで故郷に帰れないというしきたりがある。
- 再会編(第3巻)でみちると出会い三郎太と再開後も同行しその後、3巻の最後に西の国で雑貨店を開業する。
- チハルと同様に詩人な一面も持つ。拳銃を所持しているが、麻酔弾の値段が高いため滅多に使わない。
- 巴(ともえ)(激闘編序盤~雪国編中盤)
- 行き倒れていたところを三郎太達に助けられ旅に用心棒として同行した。
- 旅の女侍。眼鏡をかけている。
- 刀の腕や戦闘能力は抜群に良く様々な奥義や技を持っているが、眼鏡を外すと何も見えなくなるのが弱点。
- 無益な殺生は好まないので、できるだけ峰打ちで済ませている。
- 刀は刀匠・三条右近作の「三日月右近」でロイによると2000万Gの価値があるらしい。
- 雪山超えの最中、パーティーが雪崩に巻き込まれた際、別ればなれとなった。
- 5巻の終盤では、強い人と戦うために旅を続けている。
- ポー(雪国編中盤~雪国編終盤)
- 本名をポポロンという狩人。なぜか(かわいい)熊の着ぐるみにみを包んでいる。彼の家族(両親と妹)も着ぐるみを着て生活している。
- 雪原で気を失っていた三郎太とみちるを助け、その後2人と同行する。近辺の村や町では結構慕われている。弱点は口。
- ある日、村一番の美人・メリッサを同行させて山に狩りに出た際、怪鳥マーズと遭遇。自身は生還するも、メリッサが足に大怪我を負ってしまう。それに責任を感じ、今の姿となった、と語っている。
- しかし、メリッサが一度結婚するも離婚をしていることを旅先で知ったポーは、怪鳥マーズと再対決をし、勝利。メリッサに告白をし(告白をされたという方が正しいが)、結ばれた。5巻の終盤でメリッサを妻と言っていることから、その後結婚したようである。
- 着ぐるみの中身は「イケメン」(九官鳥・クロ談)。終盤でも気ぐるみを着ている(着ていないと落ち着かないらしい)。
- モモ(追跡編序盤~追跡編終盤)
- 記憶喪失の少女。グランベリーの家の近くの海岸に流れ着いていたところを彼女に拾われ、薬の実験台にされかかっていた。
- 三郎太達についていくことで記憶が戻りそうだと感じ、彼らの旅に同行する。
- 名前はグランベリーがつけたもので、由来はモルモット(実験動物)の略。
- 凄まじいまでの身体能力と体術の腕を有しており、一人で海賊団を壊滅させ、一瞬で電柱の頂上へ飛び移り、熊を5秒で倒すほどの実力を持つ。
- クズ鉄から素手でピストルを作ることもできる。
- 実はある組織で訓練を受けた殺し屋であり、任務の途中で船の事故に遭い記憶を失った。殺し屋だった頃は「黒バラ」の異名で呼ばれていた。
- 三郎太とみちるが受け入れてくれたことやクロの言葉を聞いたことで、記憶が戻った後も彼らの旅に同行するが、実は記憶が戻りきっておらず、さらに重大な事実が終盤で判明する。
- 三郎太達の旅が終わった後は、マチルダ=ブローリンから誘われて彼女の旅に同行する。
- マチルダ=ブローリン
- 伝説の女冒険家。60を過ぎてもなお現役。高いところがとにかく好き。
- 自らの冒険を綴った本「世界放浪記」は多くの人たちが旅に出るきっかけとなった。ちなみに、初回本は50万Gはするらしい(ロイ調べ)。
- 相棒にセバスチャンというオウムがいる。真面目で有能であり、マチルダのために食べ物を取ってきてくれるが、ジャングルの中でも食事の前の手洗いを要求する等少々生真面目すぎる面もある。また、たとえマチルダであっても仲間である鳥類に危害を加える者は許さない。
- 4巻の終盤で彼女がみちるの故郷を知っていることが判明し、三郎太とみちるは彼女を捜すことになる。
- 実はアン(みちるの母)の母親であり、みちるの祖母にあたる。ある事情で国を飛び出した二人を探すために旅をしていた。
- 自分の年齢を気にしているらしく、みちるから「おばあちゃん」と呼ばれる等、自分が年寄りだと実感させられる物事にはショックを受ける。本人曰く「心は永遠にナウなヤング」。
- アン
- みちるの母。自称・超天才料理人。
書誌情報
- 芳文社よりまんがタイムコミックスとして全5巻が刊行されている。
- 第1巻(大陸編・2004年4月17日発行) ISBN 4-8322-6332-3
- 第2巻(海洋冒険編・2005年6月3日発行) ISBN 4-8322-6400-1
- 第3巻(再会編・激闘編・2006年12月22日発行) ISBN 4-8322-6507-5
- 第4巻(雪国編・2008年9月21日発行) ISBN 978-4-8322-6671-1
- 第5巻(追跡編・2010年5月22日発行)ISBN 978-4-8322-6845-6
- オールカラー版 たびびと
- 第01巻(旅立ち編・2009年3月22日発行) ISBN 978-4-8322-6720-6
脚注
※本記事は、単行本第4巻までの内容を基に作成されています。最新の状況に修正や加筆をされる場合は、この点にご注意ください。