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とある飛空士への追憶/小川麻衣子 犬村小六

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著者: 小川麻衣子 犬村小六
巻数: 4巻

小川麻衣子の新刊
犬村小六の新刊
とある飛空士への追憶の新刊

最新刊『とある飛空士への追憶 4



twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

koikeiko1417 あと、ずーっと前にサークルの誰かにオススメされたのを思い出して『アウラ 魔竜院光牙最後の闘い』と『とある飛空士への追憶』の漫画もそれぞれ1巻を買ってみた。近いうち2巻以降を買いに行くよ(^o^)v良子可愛い。一郎になりたい。ファナとシャルルはもどかしくってたまらんとですな!
kokuen16 RT @taku_oe: ナイス @kazerindou 【とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫 い)/犬村 小六】身分違いの二人の、つかの間の心の交流・・・ロマンですねえ。 →http://t.co/ZFAzJ1EbF2 #bookmeter
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とある飛空士への追憶の既刊

名前発売年月
とある飛空士への追憶 1 2010-01
とある飛空士への追憶 2 2010-06
とある飛空士への追憶 3 2010-12
とある飛空士への追憶 4 2011-09

とある飛空士への追憶』(とあるひくうしへのついおく)とは犬村小六・著の長編小説である。イラストは森沢晴行、編集は湯浅生史。著者の長編小説『レヴィアタンの恋人』が継続するなか、2008年2月19日に単発作品としてガガガ文庫(小学館)より刊行された。

続刊の希望が多くの読者から上がったことから「ガ報」No.0016、2008年8月19日発売のガガガ文庫折り込み。、この作品の世界を舞台にした新たな物語『とある飛空士への恋歌』が2009年2月に刊行された。『追憶』もラジオドラマ化され、2009年5月7日から7月30日までニッポン放送『宇宙GメンEX』内「アニコボ」で放送された(内容は平野綾による朗読)。ゲッサン創刊号にて小川麻衣子の作画で漫画化が発表され、2009年9月号より連載が開始された。話数カウントは第●章。 2009年12月、映画化が発表されガガガ文庫折込チラシより、2010年4月には、アニメ映画であることが発表された

概要

『とある飛空士への追憶』で著者は、『ローマの休日』と『天空の城ラピュタ』の切なさと爽やかさを意識しながら身分違いの恋と一人の少女を守るための空戦を描いた。口コミを中心に評判が広まり、広範な読者層から大きな反響があった。『このライトノベルがすごい! 2009』の作品総合ランキングでは10位を獲得し、書泉ブックタワーのブック売り上げランキング(2007年10月15日 - 2008年10月12日)では1位を記録している。2009大学読書人大賞2位

ストーリー

『とある飛空士への追憶』の世界では中央海と呼ばれる海を挟んで1万2000キロメートル隔たった西方大陸と東方大陸の2つの大陸のみが存在し、西方大陸を支配する神聖レヴァーム皇国と東方大陸を支配する帝政天ツ上の両国が戦争を続けている。

天ツ上領内にありデル・モラル家が実質的に管掌するレヴァーム自治区サン・マルティリアではデル・モラル屋敷が天ツ上空艇兵団の単座戦闘機・真電に襲撃され、統治者である公爵ディエゴ・デル・モラルが殺される。レヴァーム皇国皇子カルロ・レヴァームはディエゴの一人娘で許嫁であるファナ・デル・モラルを奪還するため「第八特務艦隊」を編成し東方へ派遣するが敵の防御線を破ることはできず全滅する。

絶望的な状況下、第八特務艦隊の失敗を秘匿しつつファナをカルロの元に届けるための極秘計画「海猫作戦」が立案される。デル・モラル屋敷強襲事件から3週間後の7月下旬、この作戦に従いデル・モラル空艇騎士団のエースである狩乃シャルルはファナを飛空機に乗せ中央海を越えたサイオン島沖に届ける任務を託される。彼は、階級制度の頂点に入る次期皇妃ファナを水上偵察機サンタ・クルスの後部座席に乗せて二人きり、敵哨戒中の海へ飛び立つこととなる。 身分が低く被差別人種であるシャルルと、階級の頂点に位置するファナ。かつて1度だけすれ違っただけの、本来ならば決して交わる事の無い2人が再び出会い、心を通わせていく。 シャルルとともに空戦を切り抜けるうち、幼い頃から心を閉ざしていたファナは感情を取り戻すとともに素朴なシャルルに惹かれてゆく。シャルルもファナを連れて逃げたい思いが頭をもたげながらも、任務遂行を目指す。

サイオン島に向かう最後の飛行で、サンタ・クルスは真電編隊に阻まれる。編隊長の千々石はシャルルの技量に驚嘆し、シャルルに一騎打ちを仕掛ける。千々石はシャルルよりも一枚上手であったがファナの機転により千々石は撃退され、サンタ・クルスは目的地に終着する。シャルルを共に皇都へ連れて行くことをファナは望むが迎えにきた将校はそれを許さず、ファナを出迎えの飛空戦艦へ連行する。残されたシャルルはサンタ・クルスの機体を操り、報酬の砂金を撒き散らしながら艦上のファナに別れの舞いを見せつける。

中央海戦争を休戦に導き、「西海の聖母」と呼ばれる皇妃ファナ・レヴァームのサン・マルティリア脱出劇は長く秘匿されるが後の時代に一人のノンフィクション作家が海猫作戦の全容を記す一冊の本を書き上げる。本の題名は「とある飛空士への追憶」という。

登場人物

デル・モラル空艇騎士団一等飛空士。21歳。サン・マルティリア最高の飛空士と認められる操縦技量を持ち、身分の関係ない自由な空を飛ぶことを好む。武器を持つ飛空機に乗る道を自ら選び、多くの撃墜スコアを誇り、また自らが撃墜されることに凄まじい屈辱を感じる軍人であるが、敵を撃ち殺したくはなく、「空を飛ぶのが好きなだけ」だとも言う。
天ツ人の母とレヴァーム人の父を持つベスタドであり、リオ・デ・エステの貧民窟アマドラ地区出身で住所を持たない流民階級に属する。父は炭坑仕事による肺病で亡くなり、母はデル・モラル家の召使いとして働くが不祥事で解雇されてほどなく酔漢により刺殺、シャルルは9歳で孤児となり、浮浪者生活に追いやられた。10歳のとき飢えと寒さでいよいよ死にそうになっていたところをアルディスタ正教会の神父に救われ一命をとりとめる。この時点で既に、飛空艦船の重さを指す「排水量」やその数値「6万トン」、「示威」といった専門用語を知っていた。
以降、神父に養育され、やがて教会仕事を通じて飛空士たちと関わるうちに見よう見まねで飛空機の操縦を覚え飛空士となる。幼い日の夏にデル・モラル家で一度だけ会ったファナに励まされた思い出を、辛いときに引き出してきた。
神父に育てられた中、どこで覚えたかは定かでないが、釣れたカツオをその場でさばいて帝政天ツ上の料理「刺身」に仕上げる腕はプロ級である。
続編の「とある飛空士への恋歌」には、名前こそ明かされていないが彼と思われるパイロットが登場。「海猫」のエンブレムを持つ戦空機アイレスVを駆り、主人公の乗る機体の危機を何度も救っている。現在は空戦シーンのみに登場。
サン・マルティリアの統治者ディエゴ・デル・モラルの一人娘である18歳の少女。その容姿は「光芒五里に及ぶ」と評されるほどに美しい。1年前にレヴァーム皇子カルロ・レヴァームと婚約し、次期レヴァーム皇妃となる。
お転婆だった幼い頃、毎晩天ツ人の召使いに聞かされる天ツ上の歴史物語を楽しみにしていたがその召使いが父の言いつけに背いたため解雇されたことを知る。以来、世界を玻璃の向こうの遠い存在のように感じ感情が剥落するが、海猫作戦の最中、シャルルとの触れ合いを通して次第に感情を取り戻していく。
続編である「とある飛空士への恋歌」にも「ファナ・レヴァーム」の名で、名前のみ登場している。
レヴァーム人の特質である情熱的行動を体現するレヴァーム皇国皇子。宮廷晩餐会で会ったファナに一目惚れし1年前に婚約して以来、軍事用無線電信を使って押しつけがましい恋文をファナに送り続ける。デル・モラル屋敷が真電に襲撃されたことを知りファナを奪還するための新たな艦隊を編成し、「第八特務艦隊」と名付け東方へ派遣する。その愚行はデル・モラル空艇騎士団員のみならずレヴァーム空軍正規兵からも嘲りを買う。
海猫作戦の直前にはファナに対して「偵察機の後席に5日間も閉じ込められる君が心配だ」という内容の電信を送信し、その暗号無線を天ツ上諜報部に解析され極秘である海猫作戦の詳細を漏洩させてしまう。
天ツ上空艇兵団の飛空中尉。空色のマフラーを首に巻き、搭乗する真電の機首にビーグル犬のイラストが描かれている。海猫作戦の2週間前、シャルルの搭乗するアイレスIIを撃ち落とす。
海猫作戦終盤においても、サンタ・クルスの前に立ちふさがり一対一の決戦を行うものの、ファナの射撃を左翼に受け戦闘継続が不可能になり、シャルルと挨拶を交わし帰還した。

用語

西方大陸を支配するレヴァーム人による建国700年の大国。「産業革命」を経ており「近代国家」と文中記されている。民主主義体制ではなく、その国家体制は王権神授説が未だ健在の絶対王政。皇都エスメラルダに住まうレヴァーム皇家を頂点として皇民2億1000万人が階層化されている。
60年前に帝政天ツ上と戦い大勝を挙げたが、現在の天ツ上との戦争では敵を過小評価し苦戦する。
通貨単位はペセタ。
東方大陸を支配する天ツ人による大国。建国3000年の歴史を持つ。漢字仮名混じり文の言語を用い、「サムライ」「刺身」といった日本文化がある。
天ツ上領内にあるレヴァーム自治区。リオ・デ・エステを拠点とし、デル・モラル家が実質的に管掌する。55年前に天ツ上の言葉で常日野と呼ばれた地域にレヴァーム人が入植し、50年前から皇都・エスメラルダとの大陸間貿易で発展してきた。サン・マルティリアの制空権を巡ってレヴァーム空軍東方派遣師団と天ツ上空艇兵団が争っている。
天ツ人とレヴァーム人の混血児のこと。双方が敵対していることもあり、天ツ人・レヴァーム人の両方から迫害されている。
ディエゴ・デル・モラルの私設軍隊。実態は傭兵の寄せ集めであり、平時は商船の護衛を務める。開戦後はレヴァーム空軍の下部組織に編入され、作戦時には囮として利用され、レヴァーム正規兵から見下されている。
1万2000キロメートル隔たった西方大陸と東方大陸の間にある海。大瀑布により東西に隔てられ高い方が西海、低い方が東海である。
中央海の東西を隔てる高低差1300メートルの滝。その両端がどうなっているかは明らかになっていない。大瀑布付近には天ツ上の哨戒網が張り巡らされている。
第八特務艦隊によるファナ・デル・モラルの救出が失敗したことを隠しつつファナをレヴァーム皇家に迎えるために立案された作戦。シャルル(コードネーム:海猫)の操縦する複座式水上偵察機サンタ・クルスにファナを乗せ、単機で中央海の敵哨戒網を突破する。
アルディスタという聖人の名前ではなく、神格名。本作では「アルディスタ正教会」という一教会、一教団の名でしか登場しなかったが、『とある飛空士への恋歌』で作品世界の創造神(であると信じられている)のことであることが明かされた。
『恋歌』第3巻によると、遥かな古代に天翔ける船に乗り、訪れた島、大陸に自らの血肉と言語、子孫へ語り継ぐべき教えの種子、「聖アルディスタの種子」をばら撒いたと伝えられる。その種子より生まれた人々は同じ知識・言語・道徳により育つため、身体特徴・技術発展・文化・言語体系などが酷似している。
産業革命を経たあと、「第2の産業革命」と呼ばれたほどの発明。レヴァーム皇国、帝政天ツ上、両国のあらゆる飛行機械の動力源であり、「錬金術師」が発明したという。水素電池は海水からいくらでも抽出できる「水素ガス」により蓄電・発電双方が可能な動力源であり、これによって、事実上ほぼ無制限の航続力を得ることが出来る。主役メカである「サンタクルス」もこれを動力源としている。ただ、水素電池が発生させた電気で稼働する発動機はモーターではなく「エンジン」第1作物語後半、第2作以降は「水素電池スタック」という名で記されるようになり、「エンジン」という記述はされなくなる。である。第1作の国々と第2作以降の国々は互いに存在すら知らないのだが、水素電池をはじめ、「飛空機」「飛空戦艦」「揚力装置」といった用語、メカニズムも同じものが用いられている。
レヴァーム空軍の最新鋭複座式水上偵察機。水陸両用で、空冷エンジンを採用している。複座といっても水偵としてポピュラーなタンデムではなく、前部操縦士席と背中合わせ後ろ向きに据えられた後部座席は実質7.7ミリ旋回機銃1挺物語終盤ではいつのまにか「連装」になっており2挺になっている。のための銃座である。この戦闘機の武装はこれのみである。操縦系がアイレスIIと共通しているため、同機からの機種転換に時間はかからないという。最高飛行速度620km/hという高速を得るため、レヴァームの他の多くの軍用飛空機と同様、空力性能上邪魔になる着水用フロートは胴体への引込式、かつ2基有するが、水上機に不可欠な翼のフロートに関しての描写はない。このため、海上で横転しない理由は不明である。航続距離は3100km。また、コミック版では4翅二重反転プロペラを採用している。胴体引込式のフロートは形状と共に数も1基に変更され、翼端にもフロートを備えている。
真電とほぼ同時期に開発された単座戦闘機。登場当初はレヴァーム空軍の誇る最新鋭機と謳われたが、直後に登場した真電には全ての性能において凌駕され、一気に旧式化した。
20ミリ機銃と7.7ミリ機銃を備える天ツ上空艇兵団の最新鋭単座戦闘機。あらゆるスペックにおいてレヴァーム空軍最新鋭単座戦闘機アイレスIIを圧倒する。水素電池エンジンの出力はサンタ・クルスと互角らしい。主翼は逆ガルウィングであり、先尾翼、推進式配置のエンジンを特徴とする戦闘機。コミック版ではサンタ・クルスと同じく二重反転プロペラを採用している。

その他、とある飛空士への恋歌#用語も参照のこと。

既刊一覧

犬村小六(著)、小学館〈ガガガ文庫〉、全1巻

  • 『とある飛空士への追憶』 2008年2月19日発売 ISBN 978-4-09-451052-2
漫画版
  1. 2010年1月12日発売 ISBN 978-4-09-122089-9
  2. 2010年6月11日発売 ISBN 978-4-09-122360-9

劇場版アニメ

2011年夏公開予定、キャストは未定。

スタッフ

  • 監督 - 宍戸淳
  • 脚本 - 奥寺佐渡子
  • キャラクターデザイン - 松原秀典
  • メカニックデザイン - 山田勝哉
  • 原作 - 犬村小六(小学館・ガガガ文庫刊)
  • アニメーション制作 - マッドハウス
  • 制作 - トムス・エンタテインメント

脚注

外部リンク