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にこプリトランス/白雪しおん

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著者: 白雪しおん
巻数: 4巻

白雪しおんの新刊
にこプリトランスの新刊

最新刊『にこプリトランス 4


にこプリトランス』(にこぷりとらんす)は、白雪しおんによる4コマ漫画作品。

「まんがタイムきららMAX」(芳文社)において2004年11月号から2009年1月号まで連載されていた。

あらすじ

ガラが悪くて、登校するだけで因縁つけられまくりな男子高校生、結城騎士。彼の前に、ある日突然、双子の妹と弟が現れた。聞いたことも無い弟妹の出現をいぶかしむ彼だったが、実はこの双子、本当の弟妹どころか、人間ですらなかった。この双子の本当の正体は、科学者である母親がつくったアンドロイドだったのだが、それを知った騎士は、さらに愕然。実母のあまりのデタラメぶりに思わず反発する騎士だったが、双子の面倒を見ているうちに、いつしか双子の居る日常が当たり前に。今では、ぶっきらぼうながらもお兄さんらしさもすっかり板につき、双子のほうもすっかり、結城家の一員として無くてはならない存在へ。そして今回も、「お兄ちゃん大好き」な双子達と、不器用な男子高生が織りなす、ほのぼのファミリー・コメディー。

主な登場人物

結城家とその関係者

結城せす(ゆうき せす)
設定年齢15歳。高1。女。双子アンドロイドの姉。前衛攻撃型。ムダに元気。要領は悪いががんばり屋さん。属性は、「お兄ちゃん大好きっ娘」。特殊スキルとして、料理するだけで台所が大爆発してしまうという能力あり。夏休みの勉強会の際のコメントは「鳴かぬなら、コンビニ行こうぜホトトギス」。他人の恋愛話が大好きなようで、その手の話になると、一々ちょっかいを出してしまうことも。若林輝也曰く「でっかいスピーカー」。連載が進むにつれて、デフォルメ絵がどんどん簡略化され、終盤に至ってはポットの上に立てるほど小さくなってしまっている。
実は、内蔵されている人格データは、元々りんすに入れるはずのものだったらしいが、博士が間違えて今の人格を入れてしまったようだ(逆に、りんすにはせすに入れるはずの人格データが組み込まれた)。
結城りんす(ゆうき りんす)
設定年齢15歳。高1。男。双子アンドロイドの弟。後方支援型。姉の結城せすと双子ということもあり女性的な容姿。精神面ではせす以上に女性的な部分が目立ち、ひかえめな性格。割となんでもそつなくこなす。現在結城家の料理担当で、ふりふりエプロンが魅力的。将来の夢は、「ぼくがお兄ちゃんをお嫁さんにするんですっ」らしい。

推定身長150cm。

なお、博士からのクリスマスプレゼントとして、「人間同様に食べ物を摂取してエネルギー補給が可能」となったらしい(これはせすも同様)。犬を思わせるその髪型は、博士がトリミングの最中、テレビの犬特集を聞いているうちに「いつの間にか」それっぽい髪型になってしまったらしい。
結城騎士(ゆうき ないと)
16歳。高2。182cm。男。母親がつくった双子アンドロイドを押しつけられた「お兄ちゃん」。ガラは悪いが、実は困っている人を放っておけない良い人。突然できた双子の妹&弟に振り回されながらも、結構充実した生活をおくっている。

本人は騒がしいのを嫌っているが、いつの間にか騒ぎの中心になってしまっていることが多く、連載が進むにつれ性格が枯れしまっている。あと、写真を撮られるのも嫌らしい。

その容姿からは想像出来ないが、実は「隠れ甘党」である。本人はこのことを他人に知られたくなかったようだが、せすとりんすによってあっさりとバラされた。終盤のドサクサで、従姉妹の弥深子と恋人同士になった。
美作弥深子(みまさか やみこ)
年齢17歳。高3。女。結城騎士の従姉妹で彼女。通称「ヤミ」。物腰やわらかなお姉さん。成績優秀そうに見られることが多いが、実は「ちょっとおばか」らしい。特殊スキルとして、「料理するモノすべてを赤飯にしてしまう」能力を持っている。化学変化どころか超常現象並みのスキルだが、赤飯の味はいたって普通らしい。長いこと騎士と一緒にいることが多いせいか、熟年夫婦と言われても違和感がないほどに相手の思考が読める。
騎士がラブレターを貰ったと知った時の動揺ぶりからもわかる通り、騎士には単なる従姉弟以上の感情を抱いていたが、2008年11月号で騎士とようやく恋人同士になった。
なお、本編で話題になる事は殆どないが、白雪しおん作品キャラの中で1、2を争うナイスバディの持ち主であり、作者曰く「明らかに成長している」との事。
トリニク
登場時は、近所のスーパーで売られていた食材だったはずだが、いつの間にか結城家のペットの座を獲得。ニワトリのくせにあざやかに飛んだり、じゃんけんをしたり、落ち込んでいる人間を慰めたりと、器用なニワトリである。
結城貴咲(ゆうき きさき)
年齢不詳。女。結城騎士の母。割とアバウトだが愛息のことは気にかけているらしく、24時間欠かすことなく見守っているらしい。息子の危機にはミサイルで支援しようとするなど、子煩悩な一面も。電話・携帯メール等で、本編には既に登場していたが、結城母本人はまんがタイムきららMAX2005年11月号で初登場。外見は一卵性親子と言われるほど、騎士とそっくり。胸が無ければ、「父」と言われても違和感が無い。なお、本当の結城父・翔馬のことを「翔馬さん」と呼び、「超、愛している」とのこと。その為仕事に煮詰まって翔馬に合えないことを嘆いている。よく一緒に息子に対して嫉妬している。
結城翔馬(ゆうき しょうま)
騎士の父親で家に居た。職業は作家。何やら名前に関してコンプレックスらしくペンネームは『結城御門(ゆうき みかど)』となっている。容姿はせすやりんす似であり女性的。弥深子とりんすを足したような性格をしているが、貴咲博士曰く「キングオブ攻」らしい。常に着ている和服は、貴咲博士が「脱がしやすくする」ために見立てたもの。酒乱で攻め顔全開になる。騎士曰く「日に日に可愛くなる父親を持つ息子の気持ち解かるか」のこと。
美作灯梨(みまさか あかり)
弥深子の母親。赤飯しか作れない娘と違って料理は上手。騎士の甘い物好きは灯梨の手作りお菓子を幼い頃から食べていたその影響であると考えられる。騎士が久しぶりに泊まりに来る際、珍しくミニスカートをはいていたヤミをからかっていた。実は騎士の初恋の人である。

生徒会とその関係者

若林輝也(わかばやし かぐや)
年齢17歳。高3。男。173cm。生徒会会長様。久我原このみの彼氏。成績優秀で優等生だが、性格のせいか「バカ様」扱い。動物全般が苦手だったり、流血が苦手だったりと弱点多し。常に本物の日本刀を持ち歩いている。
初登場時から久我原に惚れている描写があったが、その仲はなかなか進展しなかった。初登場時から惚れていて、姉妹校の生徒会長の後押し?もあり、ようやく久我原に告白できたものの、その後も「会長」「久我原」と呼び合う上に手すらつないだ事もない状態が続いたが、第3巻でやっと彼氏&彼女となり名前で呼ぶことができ、手でつなぐこともできるようになった。
動物嫌いの割に、髪型はポニーテールである(本人曰く「伸びるのが早いから切るのが面倒」との事)。女性が強い家系らしく、姉と妹がいる。久我原に一度、アロハシャツを着せられたことがある。
久我原このみ(くがはら このみ)
年齢15歳。高1。女。生徒会書記。若林輝也の彼女。無口で大人しいが、自己主張はしっかりしている。端から見ると、若林をおちょくる余裕すら持ち合わせており、彼にだけついつい意地悪しちゃうおちゃめさん。

このほか、異性ではりんすのことがなんとなく気になっていたようだが、作者曰く「りんすは女友達ってカンジ」。若林の突然の告白以来、適当にあしらいながらも彼の分の弁当を作ってあげたりしている。弟が一人いる。りんすと並ぶと彼よりも背が低く、弟の方が背が高いことが腹立たしいようだ。

頼経樹(よりつね いつき)
年齢17歳。高3。185cm。男。生徒会副会長。若林の右腕というよりも、忠犬ハチ公。若林の事を敬愛している。それもそのはず、天涯孤独の捨子だったところを拾われ、現在まで若林家に居候の身。真面目で純粋だが、惚れっぽいらしい。せすに一目惚れして以来、それとなく何度も告白しているのだが、相手のニブさ故に轟沈記録更新中。幼少時から絶えずケガをしているようだが、そのたびに復活。不死身。
根は善人なのだが、生徒会や若林家の人間に仇なす者には容赦が無く、特に騎士に対しては、初対面時に若林を侮辱したことが尾を引いているのか、敵意を隠そうともしない。結局は、せすの説得により不本意ながら騎士への敵愾心を自粛し、彼を「お義兄さん」と呼ぶようになる。
生徒会メンバーで唯一、結城貴咲博士と面識があるが、彼女が騎士の母親であることには気付かなかった様子。作者が一番気に入っているキャラクターらしいが、カラーで描かれたことは(本編を見る限り)単行本第2巻が出るまで一切無かった。
江藤(えとう)
姉妹校の生徒会長で、「バカ様」こと若林輝也の幼なじみ。性別、男。物腰やわらかで、終始笑顔の生徒会長様。取り巻きの生徒会女子役員からは、「王子」もしくは「王子様」扱いされ、きゃあきゃあ騒がれるほどのアイドル性を保有。「バカ様」のことを「かぐやちゃん」と呼び、「バカ様」いぢりも実に手慣れたお手並み具合。輝也の姉・灰華とは、似た物同士だからか非常に息が合っており、手を組んでいろいろけしかけることも。
とはいえ、さして悪意は感じられず、「バカな弟がかわいくてかわいくて仕方がない」といった風情のからかい方で、はたから見ていて実にほほえましい。もっとも、当事者の若林にとっては苦手な人物であることは明々白々。実に、ねこかぶりでイタズラ好きな「王子様」である。
実は灰華に対して恋愛感情を抱いており、灰華が自分のことを輝也と同レベルで「弟のようなもの」としか見てくれないことに歯がゆさを覚えている。
レギュラーキャラの中で唯一、下の名前が判明していない。
若林灰華(わかばやし はいか)
バカ様こと若林輝也の姉。「女にうつつぬかしてる」という台詞とともに登場。外見は和服の似合う大和撫子だが、弟・輝也の最も苦手な肉料理をわざとらしく用意したり、頼経樹と同じ名のイツキという犬を飼っているなど、かなりサディスティックな性格をしており、輝也曰く「Sの化身」。バカ様いぢりを楽しむ一方で、輝也の弱点改善を目指すなど、弟想いの一面も見られる。
若林逆奈(わかばやし さかな)
若林輝也の妹。中学2年生。礼儀正しい所は一緒だが、動物嫌いの兄や「ドS」な姉と違って、かなり大人しい。樹に対して恋心を抱いている。
久我原笹(くがはら ささ)
久我原このみの弟。中学3年生。俗に言うシスコンで、姉のこのみに他の男性が近づく事を良しとしないが、姉の気に障るようなことをした場合鈍器(大抵フライパン)で叩きのめされてしまう。背は姉より高い。このみと仲の良い結城りんすのことを快く思っていないが、結城兄妹が招かれた時は騎士をりんすだと思い込んで(りんす本人を女の子と勘違いして)しまった。
現在は若林輝也を目の敵にしている。

その他

河村有賀(かわむら あるが)
単行本第4巻の巻頭カラー漫画に登場。貴咲博士が怪しげな薬を作った際、逃げ遅れて実験台に選ばれてしまった(選ばれた直後も抗議はしたが、弟と妹を餌に出されて脅されたため、仕方なく言うことを聞く羽目になる)。

書誌情報

単行本

  1. 第1巻(2007年02月11日発行) ISBN 978-4-8322-7613-0
  2. 第2巻(2007年12月12日発行) ISBN 978-4-8322-7666-6
  3. 第3巻(2008年08月12日発行) ISBN 978-4-8322-7712-0
  4. 第4巻(2009年03月13日発行) ISBN 978-4-8322-7779-3

補足事項

続編ともいえる騎士たちの子どもの物語「ないと*ろーど」が2009年11月より、作者本人のサイトにて不定期連載されている。