HOME > コミック > ねこ・ねこ・幻想曲

ねこ・ねこ・幻想曲/高田エミ

共有

著者: 高田エミ
巻数: 16巻

高田エミの新刊
ねこ・ねこ・幻想曲の新刊

最新刊『ねこ・ねこ・幻想曲 16



twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

shinkanmanga 【きょう発売のまんが】ねこ・ねこ・幻想曲 全8巻セット (集英社文庫―コミック版) #comic #manga : (著) 高田 エミ, 集英社 (2012/01/31) = ¥ 5,200 http://t.co/8b1kwon5
aniseiyu コミック情報:「2012/01/31 ねこ・ねこ・幻想曲 全8巻セット (集英社文庫―コミック版)」がアマゾンで予約を開始しました。http://t.co/t1DVPmIO #高田エミ #amazon #comic #comics #コミック #マンガ #漫画
twsecca 『ねこ・ねこ・幻想曲』『きんぎょ注意報』 #今の若者は知らない少女マンガ

ねこ・ねこ・幻想曲の既刊

名前発売年月
ねこ・ねこ・幻想曲 15 1994-08
ねこ・ねこ・幻想曲 16 1995-05

ねこ・ねこ・幻想曲』(ねこ・ねこ・ふぁんたじあ、「・」は本来は猫の足跡様のグラフィック)は、高田エミによる日本の少女漫画作品、またそれを原作としたアニメ作品である。

概要

人間に変身することのできる黒猫・シロを中心に彼女の周りで起こる物事などを描いたファンタジー色の強いコメディー。『りぼんオリジナル』(集英社)1985年冬の号を初出とし、『りぼん』1992年5月号にて一旦連載を終了。その後1992年11月号に番外編を掲載した後、1994年3月号から1995年冬休みおたのしみ増刊号までシロの娘であるルルを主人公とした話(以下便宜上「ルル編」と称す)が掲載された。

単行本は新書版が全16巻、文庫版が全8巻発売されている。ただし文庫版にはルル編は収録されていない。また、1991年にOVA化もされた。

登場人物

シロ(声:渡辺菜生子)
本作の主人公である黒猫。お月様から授けられた「銀のしずくの力」によって人間に変身する能力を有する。明るく天真爛漫でじっとしていられない性格。飼い主である里子やその家族たちの役に立とうと人間に変身して様々な行動を起こすが、猫であるがゆえに人間の常識から外れた行動をとることも多く、それが騒動の始まりとなることもしばしば。しかし悪気は一切なく、そのせいか「憎めないところがある」と思われているようである。また連載が進むにつれて行動に落ち着きが出てもきている。全体的に幼いところがあり特に恋愛に関しては「恋」と「鯉」の違いも分からないくらいであったが、終盤鏡で手のひらを切って瀕死の重傷を負った際にサスケが助命に尽力したことがきっかけとなったか彼に急激に想いを寄せるようになり、最終回では遠い町に引っ越していくサスケの元に嫁入りする形で里子の元を去ることとなった。
長音符の発音を省略する癖がある(「セーラー服」を「セラ服」など。これは『のだめカンタービレ』の主人公・野田恵と似る)。
人間に変身した後はグレーのおかっぱ頭で三頭身くらいの少女という姿になる。服はセーラー服を着ていることが多い。(中期以降の里子を除く)人間からは「猫野 白」という名の少女だと思われている。人間に変身しても、足跡が猫のままであったり、爪の出し入れが可能だったり、家の屋根から空中三回転着地したりといったように、猫としての力も兼ね備えている。
サスケ
初期にシロの住む町に引っ越してきた猫。赤茶縞の日本猫。優しく真摯な性格。その一方でやや弱気なところがあり、本人もそれを気にして「強くなりたい」と願っていたが、話が進むにつれて克服されていき、終盤にはシロの命を助けるために素晴らしい勇気を見せるまでになる。しかしそれまでにもジェドに対し服従を拒むなどやる時はやる少年であった。本作を通して最も「成長」を見せたキャラの1人であると言える。飼い主は生花店を営む老婦人で、彼女からは服を作られるなど溺愛されている。
人間に変身した後は坊ちゃんらしい少年といった雰囲気。しかし身長は連載が進むにつれて一見して分かるほどに伸びている。
セディ
中盤にシロの住む町に引っ越してきた猫。赤レンガ色でアビシニアンと日本猫のハーフ。やや年長で物事をそつなくこなす傾向がある。また少し意地悪な性格でサスケをよくからかう。引っ越してきた日にシロに一目惚れをし、それ以降サスケと恋の鞘当てを繰り返してきたが、終盤シロの命を助けるためにサスケと行動を共にしたことをきっかけとしてサスケのことを見直し、自身は身を引いた。その後はララと両想いになる。飼い主の苗字は「中島」。
人間に変身した時の姿は太田によく似ている。
ララ
後半にシロの住む町に引っ越してきた白猫。溺れていたところをサスケに助けられて彼に一目惚れをし、それ以降シロに対し一方的にライバル心を燃やす。しかし、町内会の運動会で彼女に対し優しさを見せたセディに対し反発しつつも恋心を抱くようになり、やがて両想いに。
人間に変身した時は金髪ウェーブの長髪で、容姿も良く雑誌のカメラマンから撮影の依頼を受けたことも。
ボス
本名トム。シロの生まれた町である月見町のボス猫。雉トラで左目を負傷で失っている。かつては飼い猫であったが誤解と負傷をきっかけとして捨てられ、野良猫となった。このような経緯から人間嫌いであったが、その後、元飼い主との間の誤解は氷解している。シロの出生時の状況を知っており、彼女の頼みで月見町へ案内したりもした。やや厳しいところもあるが、親分肌で面倒見のいい性格であり、戦闘能力も高く他の猫たちから厚い信頼を受けている。
物語の最終盤でエレナという猫と結婚した。
人間に変身した時は里子からかっこいいと思われるほどの美形である。
長老
本名雪之助。長毛の白猫。シロの住む町で最も高齢の猫であり、皆のアドバイザー的な存在である。かつては老婦人に飼われていたが、老婦人が亡くなってしまい、それ以降空き家となった老婦人の家で1匹で暮らしていた(その後家が売却されて取り壊されることとなり、シロ達が勝手連的に取り壊しを阻止しようとするも果たせず)。
人間に変身した時は性格相応の温和そうな老人である。
ルナ
シロの母親。黒猫で、シロ曰く「世界一きれいな猫」。本来の飼い主が引っ越したことで野良猫となり、その後様々な苦労を重ねてきたが、お腹の中にいる娘(シロ)の存在を励みとして頑張ってきた。しかし、シロを出産したすぐ後、体力を急激に失い亡くなってしまう。
なお、前述の通りシロを産んですぐに亡くなっているため、シロはルナの顔を知らない状態で育っている。しかし、シロが月見町に来た際には魂となってシロを励ました。またその後シロは事情でタイムスリップしており、その際人間の姿で対面を果たしている。
ケン
通称「風の猫」。白と黒で部分長毛が特徴的。闇の国から猫たちを守ることを使命としており、月に選ばれて永遠の命と聖なる力を受けている。その使命ゆえ、闇の国の王がこの世に次々と送り込む使者との戦いのため、世界中を旅する運命にある。
永遠の命を持っている事情から他の誰も愛さないことを心に誓っていたが、ルナだけは例外で、彼女との間に娘(シロ)を儲けることとなる。その後、闇の国の使者ジェドとの対決のため、シロの住む町に再来し、シロと対面することになるが、自分からシロに父親として名乗り出ることはなかった。
人間に変身した事もあり、人間の姿のシロと過した。
シエル
左の目で過去を、右の目で未来を見通す力(但し黒猫の運命だけは見通せない)を持った、かぎしっぽの白猫。ただしその力はシロがタイムスリップした際に偶然彼にレンガをぶつけてしまったことにより身に付いた、後天的なものである。自分に優しくしてくれた里子を好きになってしまい、様々な行動を起こすようになるが、彼女と香川先輩の絆の深さを知って諦める。その後、長老の家が取り壊される際に彼をかばって重傷を負い、助かりはしたがその際に前述の力を失う。
チビ
物語前半で初登場。シロが拾った子猫で、白猫。境遇を不憫に思ったシロが主人探しを行ったことにより女性漫画家にもらわれることとなる。
ライム
中盤に登場する部分長毛の白猫。飼い主の少年が誘拐され、助けようとした際に頭を強打して記憶を失う。その後記憶を取り戻してシロたちの協力で飼い主救出に成功することとなる。飼い主に対しては恋愛感情を抱いている。シロに人間の姿に変身させてもらった際に、いつまでもそばにいる旨、飼い主に想いを伝えた。
人間に変身した時の姿は両サイドの髪の毛を縦ロールにした少女姿。
ミリィ
中盤に登場。かつては飼い猫であったが、発熱によって視力を失い捨てられてしまう。その後は以前から仲の良かったカイの助けを受けて生活をしていた(そのことでカイとは深い愛情で結ばれることとなる)。その後カイやシロ達が入手した「青いスズラン」の力で視力を取り戻し、シロの住む町に住むある家庭に拾われる。
カイ
ミリィとよく一緒にいたトラ猫で、ミリィの失明後は彼女のために体を張り、お互いの間に愛情も芽生えたが、食料入手の途中に電車にはねられて亡くなってしまう。しかし、ミリィのことが気がかりだったため、その魂が太田の弟に乗り移り(その状態では「カン吉」と名乗っていた)、青いスズラン探しに尽力。ミリィが視力を取り戻したことで心残りがなくなり、成仏した。
エレナ
ボスの妻。最終回の直前に登場。シロ曰く「ルナお母さんと同じくらいきれいな猫」。
ジェド
闇の国からの使者。正確には精神生命体のようなもので他の猫に乗り移ることで行動する。「全てを暗黒の闇が分け隔てなく包み込む闇の国は平等で美しい」という考えの持ち主。闇夜の中では、逆らう猫を石化することや、服従した猫をしもべとすることができる。

人間

樹村里子(きむら さとこ)(声:井上喜久子)
シロの飼い主。緑ヶ丘高校2年生。純情かつ優しい少女で、大の猫好き。やや天然ボケ気味なところもある。猫たちからは「サトコ」と呼ばれている。中盤で一度死亡するが、その際にシロたちの思いとお月様の力によって生き返り、猫の言葉が分かるようになる「ムーンクリスタルのブレスレット」をもらう。以降は銀のしずくの力について知る唯一の人間となった。最後にはシロの幸せを願い、サスケの元で暮らすよう彼女を涙ながらに説得した。
香川先輩に片思いしていたが、前半で思いが通じて交際するようになる。
樹村正人(きむら まさと)(声:納谷六朗)
里子の父親。緑ヶ丘高校生物教諭。足が速く、学生時代は陸上部で名スプリンターだった。自ら「猫アレルギー」と称するほどの猫嫌いでシロを飼うことにも強硬に反対していたが、徐々に受け入れるようになる。
猫嫌いになった理由は幼少期に太平洋戦争による空襲で当時可愛がっていた猫を亡くしたことがトラウマとなっているため。
樹村冴子(きむら さえこ)(声:池田昌子)
里子の母親。元看護師。穏やかな性格である。
香川貴広(かがわ たかひろ)(声:中原茂)
緑ヶ丘高校3年生。里子の彼氏。作中では「香川先輩」と呼ばれる。頭脳明晰で明るく、ユーモアも解する好青年。元バスケットボール部員。
誤解からケンカをしたこともあったが、基本的には里子とは深い絆で結ばれており、彼女のためなら危険も厭わない傾向にある。
太田春彦(おおた はるひこ)
緑ヶ丘高校3年生。香川先輩の友人で、幼稚園からという長い付き合い。実家は寿司店。里子のことを好きであったが、告白する前に香川先輩に取られる格好になってしまった。
太田夏彦(おおた なつひこ)
太田の弟。中学1年生。カイに乗り移られていたことがある。
竹中チヨ(たけなか ちよ)
サスケの飼い主。生花店を経営している。通称は「おばあちゃん」。物語終盤で生花店を畳み、遠い町に引っ越すこととなる。
カオル
ボスの飼い主であった少女。ボスが親に捨てられてしまったことを長く後悔していた。
葉子(ようこ)
長老の飼い主であった老婦人。亡夫の建てた家で1人暮らしをしていたが、娘の勧めで猫(長老)を飼い始めることとなる。彼女が亡くなったことで長老は野良猫となった。
竹田絵美(たけだ えみ)
少女漫画家。事故に遭いかけたチビを助けたことから、彼を引き取って飼い始めるようになる。モデルは作者自身か。
仁(ひとし)
ライムの飼い主。誘拐の被害に遭った。先天性の心疾患を抱えている。
吉川淳子(よしかわ じゅんこ)
中盤に登場。緑野小学校3年生。関西方面からの転校生で、いじめに遭うなど新しい環境に溶け込めていなかったが、偶然からムーンクリスタルのブレスレットを拾い、猫の言葉が分かるようになって寂しさが紛れるようになる。その後ブレスレットは壊れてしまう(後に修復)が、シロたちの励ましと周囲の誤解が解けたことから徐々にクラスに溶け込んで行った。

その他

お月様
作中で月はこう呼ばれる。明確な意思を持っており、話すこともできる。猫や人間のために様々な形で力を貸している。
昼間は眠っており、今まで見てきた昔の光景を夢に見ているらしい。
ドロシー
後半にシロの住む町に引っ越してきたセントバーナード。大柄な外見とは裏腹に可愛い物好きで乙女系の性格。
初登場時には野良犬に性別を間違われていた。
スピルバーグ
樹村家に住み着いているハツカネズミ。よくシロたちの前に出てきては追いかけられる脇役だが彼を主役にした番外編が存在する。

「銀のしずくの力」について

月見町の猫たちが、ルナと生まれてくる子供(シロ)の幸せを願った結果お月様に思いが通じ、シロに授けられた力。お月様曰く「しあわせと 愛と 夢の力」。

基本的に願いをかけることによって、人間に変身することができる力である。お月様が雲に隠れていたり、新月の状態であった場合は使えない。また、昼でもお月様が見えていれば変身できるが、その際はお月様が見ている夢の時代へタイムスリップしてしまう。

使えるのはシロだけであるが、他の猫にもその力を分けることによって人間に変身させることができる。ただし、一度に変身する猫の数が余りにも多い場合は時間制限が生じる。

人間に知られると消えてしまう力であるが、シロが里子を助けるために瀕死状態の里子の目の前で変身した時は、お月様もシロと里子の心の結びつきの深さに免じて見逃している(さらにはムーンクリスタルのブレスレットもプレゼントしている)。

人間に変身した状態でカメラに撮られると猫の姿で写ってしまう(フィルムの場合。デジタルカメラは当時一般化されていないため不明)。

弱点は鏡で、そばに鏡がある状態で変身しようとすると、月の魔力がそこに封じ込まれてしまい、変身できない。それどころか、月が徐々に消えていき、月が司っている誕生と死の秩序の乱れにより、生死の異変が世界各地で起こるようになる。また、割れた鏡で切り傷を作ってしまうとそこから銀のしずくの力のみならず生命力までも吸い取られ、何もしないでいると概ね10日間で死に至ってしまう。この状態から命を救う場合は八角島(架空の島)にあるヒカリ池の水が必要。

単行本

新書版

本作の単行本がりぼんマスコットコミックスで発売されている。

  1. 1巻 ISBN 4088533747 - 1986年7月20日発売
  2. 2巻 ISBN 4088534026 - 1987年4月20日発売
  3. 3巻 ISBN 4088534174 - 1987年9月19日発売
  4. 4巻 ISBN 4088534379 - 1988年3月20日発売
  5. 5巻 ISBN 4088534514 - 1988年7月20日発売
  6. 6巻 ISBN 4088534719 - 1989年1月18日発売
  7. 7巻 ISBN 4088534840 - 1989年5月20日発売
  8. 8巻 ISBN 4088535057 - 1989年11月20日発売
  9. 9巻 ISBN 4088535219 - 1990年4月18日発売
  10. 10巻 ISBN 408853543X - 1990年11月20日発売
  11. 11巻 ISBN 4088535650 - 1991年5月20日発売
  12. 12巻 ISBN 4088535812 - 1991年9月18日発売
  13. 13巻 ISBN 4088535995 - 1992年2月19日発売
  14. 14巻 ISBN 408853624X - 1992年8月15日発売
  15. 15巻 ISBN 4088537491 - 1994年8月15日発売(これよりルル編となる)
  16. 16巻 ISBN 4088537963 - 1995年5月

発売

補足

  • 舞台は北海道札幌市西区(現・手稲区)である。設定上では主人公の住む家の近くにセイコーマート(北海道を地盤とするコンビニエンスストア)もある。
  • 連載時のキャッチフレーズは「爆笑おニャン子コメディ」「やさしさいっぱいの、おちゃめなおニャン子コメディ」などであった。これは連載開始当時人気絶頂であったアイドルグループ・おニャン子クラブに因む意味もあったものと思われる。
  • 作中に登場する「月見草の丘」は作者が考えた架空の光景であったが、後に作者は仕事場の引っ越し先で偶然同じような景色を目にしている。
  • OVA版に登場する曲の一部は作者の手によるものである。また、作者は主題歌の作詞も行っている。
  • OVA版のキャラクターデザインは垣野内成美が担当している。
  • 作者は本作の作成初期、「よく猫好きと間違われるが、実は猫嫌い」と語っている。猫を一度も飼ったことがなく、目が苦手だと、作中コラム(おしゃべりタイムその1)で語っている。