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まんがサイエンス/あさりよしとお

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著者: あさりよしとお
巻数: 13巻

あさりよしとおの新刊
まんがサイエンスの新刊

最新刊『まんがサイエンス 13


出版社: 学研
シリーズ: ノーラコミックス


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

simanekomama RT @mikan_sensei629: 昔、まんがサイエンスの作者プロフィールで、作者の作風自体が毒のあるウィット・落語や古典に題材を取っているという点で、三島由紀夫のパロディかと思ったら本当だったことに驚いたのが、あさりよしとおさんでしたっけ・・・。
asariyositotter RT @YoshidaFactory: @montarou_kona あさりよしとおさんの「まんがサイエンス」です
asariyositotter RT @2v_4u: ってのが「まんがサイエンス」っていう漫画にありましてね
asariyositotter RT @nobuhiron: 本棚の漫画でこれ一冊、だと一冊で完結してないといけないから結構ムズカシイですね。まんがサイエンス2、購買のプロキオン、中央モノローグ線、ドライエックあたりであろうか。
asariyositotter RT @hopstepstock: あさりよしとおったーなんてあるんですね…… まんがサイエンスやワッハマンも好きですよ!

まんがサイエンス』は、あさりよしとおによる日本の漫画。学習研究社(2009年からは学研教育出版)が刊行する学年誌『5年の科学』および『6年の科学』にて連載されている科学学習漫画。

『学研の科学』は2006年度を以て製版を終了し、2007年度からは月毎に再版を繰り返している。その為、2007年度以降は『5年の科学』および『6年の科学』での『まんがサイエンス』の新作はなく、再掲の形で連載され、2008年8月の時点では、同社刊行のムック『まんがひみつ科学マガジン』に掲載された描き下ろしが最終作品となっている。

清水ますみによる同名の作品も、事実上の前作であるため本項で扱う。ただし、両者に登場人物・ストーリーの関連は全くない。

以下、『まんがサイエンス』は、特記がない限りあさりよしとお作品を指す。

概要

連載開始は『5年の科学』1987年10月号、当初は『5年の科学』のみに連載。連載開始の事情は#清水ますみ版『まんがサイエンス』も参照。

中断を挟み以後現在に至るまで15年以上の連載を続けるという、学習漫画では類例のないロングヒット作品となっている。トピックごとの協力者は存在するが原作者を持たず、作者自身の取材によって、多岐にわたる科学分野について内容的に高水準の作品を子供にも理解できるよう解かりやすく描き続けている点でも希少な作品と言える。

開始当初は8ページのショート連載であり、協力者と共に、「絵」として欄外に小さくクレジットされるようにあさりの扱いも小さかった。1991年度から倍の16ページとなり、『6年の科学』にも同じ内容が連載されるようになった。学研ノーラコミックス名義で、2010年現在12巻までコミックスが出ており、また図書館向けのハードカバー版もある。

掲載誌が横書き・左綴じなので、本漫画も欧米の漫画のように左から右へ読む形式で、ふきだしの台詞も基本的に横書きになっている。

単行本カバー見返しのコメントによると、小学4年生の頃、内山安二の『コロ助の科学質問箱』(学研まんが ひみつシリーズ)を読んで以来、科学まんがを描きたいという希望を温めていたという。ある種、作者の念願が叶った作品である。

作品の内容

基本は一話完結方式で、毎回ハイテク機械や人体、生物、また環境問題や気象などあらゆる科学のテーマを採り上げ、それを主人公の小学生たちが専門家と一緒に知識を学んでいくというもので、その内容は大人が参照しても十分勉強になるレベルであり、その明快な説明と図解には定評がある。

その一方で、作者ならではのコントやギャグも交えており、ギャグ漫画としても十分楽しめる。小学生と専門家というのは学習漫画の定番だが、本作では人間の専門家がほとんど無く、あからさまに怪しい人外キャラクターが毎回登場する。作者の趣味が前面に出ていることも特色であり、とりわけロケットに関する話題は多い。その他カメラや時計など精密機器の話も多く見られる。また、5~12ヶ月にわたって続き物となっているシリーズ連載作品(ロボットの来た道など)もあり、レギュラーキャラ以外が登場する特別編もある。

主な登場人物

レギュラーキャラ

よしおクン
理科クラブの5年生で、至って真面目な少年。しかし、登場当時からのスタンスで女の子のボケに釣られてツッコミ役に回ることが多い。一度だけ女の子ばりにボケを連発したこともあるが、キャラが合わなかったのかすぐに元の役回りに戻った。まなぶクン同様、色んな知識を持っている。
連載初期は名無しだったが、1988年4月・5月号上で名前の募集が行われ、同年7月号にて公式に発表された。
あさりちゃん 
よしおクンとコンビを組むショートカットの女の子で、連載開始時から登場。見た目は普通っぽいが、あやめちゃんが登場するまでは、ひたすら大ボケ発言を連発しツッコミ役のよしおクンと漫才コンビとなっていた。あやめちゃん登場以降は多少良識を振る舞うようになるも、天然なところは相変わらず。また、あやめちゃんへのライバル意識が強く、彼女の前では大胆な発言が多い。名前は公募によるもので、「あさり」+「よしお」で著者の「あさりよしとお」のパロディとなる。
あやめちゃん(大隅 あやめ)
特別編からレギュラーとなったお下げ(ツインテール)の女の子。明朗快活なお調子者。いつも元気いっぱいだが、考え無しのうかつな発言も多く、そのため「専門家(後述)」の怒りを買って厳しく体罰を受けたり、実験台にされてしまうことが多い。いくら酷い目に遭ってもめげない精神力と人間離れしたタフさを持つ。一番おいしい役所を持ったキャラで、あさりちゃんから「大ボケ役」の座を奪った。しかし、でまかせが正解であることもあり、妙な勘の良さはある。後述する池上タクミ、長原サキを別にすれば、レギュラーキャラで彼女のみフルネームが存在している。
「あやめ」も「おおすみ」も日本の人工衛星の名前である。
まなぶクン
レギュラーでは一番地味なメガネの少年で、特別編以降2作目からレギュラーとして登場。知識はかなり蓄えているが、難しいことは答えられない。負けん気が強く、けっこう意地っ張りなところもある。真面目なせいかボケは得意としないタイプだが、場に応じてツッコミを入れたり、話題をすげ替えたり、それなりに空気は読んでいる。
専門家(初期シリーズでは「おたすけ怪人」)
各話の主題を説明する役。後述する池上タクミ主人公の回を除き、牛乳パック・地球・イカ・人魚など毎度毎度変った姿をしている為、登場時は大概上記のレギュラー陣が驚いたり不審そうな表情を浮かべるが、専門家としての知識は有している。時折死霊や精霊など、あからさまに非科学的な専門家も登場し、「これ、科学まんが!」と突っ込みを入れられるが、専門家達は平然としている。ある意味、『まんがサイエンス』の名物ともいえる。
個々の専門家については、まんがサイエンスの専門家一覧を参照。

「ロボットの来た道」

池上タクミ(いけがみ タクミ)
2001年度の「ロボットの来た道」シリーズで主人公の少年。どういうわけかロボットが家に迷い込んでくる。タクミくんはロボットに振り回されつつも、彼の素性を調べるためロボットについて勉強することにした。このシリーズではよしおクン達は全く登場しない他、専門家も普通の人間ばかりであり、本作では異色のシリーズとなっている。また、よしおクン達の話に、タクミくん達が登場することもない。
名字の元ネタは東急池上線。沿線住民らしく、作中にも利用している場面が登場する。
只野呂保人(ただの ろぼっと)
タクミくんの名前と住所以外の記憶を失ったロボット。記憶を頼りにタクミの家に強引に上がり込む。そのため本名は不明だが、「ただのロボット」と自己紹介した相手に「只野呂保人」という姓名と勘違いされたため、単行本9巻の専門家名鑑ではその名で紹介されている。ただし、作中の役割は専門家ではない。非常に人間臭く、また悲観的なところがありタクミにしばしば励まされる。
長原サキ(ながはら サキ)
タクミが勉強を教えてもらっている年上の女性。しばしば、タクミに求められてアドバイスをする。
チドリ
タクミの同級生の少女。おしゃべりで、タクミからは煙たがられている。ロボットを「只野呂保人」という姓名と思い込んだ。本シリーズでのボケ役といえる。

「ぼくらの宇宙船」

カオス
2004年度の「ぼくらの宇宙船」シリーズで主人公の少年。宇宙旅行中の異星人で、地球に不時着するが宇宙船の修理方法は知らない。たまたま目撃した子供たちと一緒に、宇宙へ行く方法を調べ始めた。文明人の自負があり、無自覚に「野蛮」な地球人を見下すところがある。役回りは2巻に登場するロケットの神様に近くカオスの場合、機器はあるので方法さえ分かれば修理なりロケットの建造なりが可能という設定で基本的な展開も踏襲している。
ノゾム
宇宙船を目撃した少年の一人。初めは流星と思った。カオスの態度に反発するが、本当は自分が宇宙に行きたいと思っている。液体燃料ロケットを研究。
カケル
宇宙船を目撃した少年の一人。大砲で宇宙に行くアイデアから始まり、固形燃料ロケットを研究。ノゾムと張り合っている。
ミドリ
ノゾムとカケルの同級生の少女。メガネをかけている。普段は周囲の突っ込み役だが、時折鋭いアイデアを出す。

その他

  • 『トップをねらえ!』のアンソロジー『コミック・ガンバスター』で、本作の「出張版」2ページが掲載された。本編と同じく「あさりちゃんとよしおくんによる問題提起と専門家による解答」という構造になっているが、購読の対象が小学生では無い事もあって、当時のOVAに対する痛烈な非難が続出している。
  • 作者本人によるパロディ作品に『がんまサイエンス』がある。また、同じく作者本人による学習漫画の形式を取った大人向けの作品に『H・A・L』がある。

清水ますみ版『まんがサイエンス』

『5年の科学』1987年4月号~8月号連載。

少年の大洋くん、少女のめもりちゃんの疑問に山下博士が答えて行くというもので、オーソドックスな学習漫画の形式である。

9月号は「自由研究特集」として休載、10月号からあさりの同名タイトルの作品に代わり現在に至る。 学年誌では学校年度に合わせて4月号~3月号を1サイクルとして連載が行われるのが普通であるが、あさり版『まんがサイエンス』が異例の10月連載開始と紹介されているのは、こうした事情のためである。

関連項目

  • 科学と学習
  • 学習漫画