めだかボックス/暁月あきら 西尾維新 西尾維新暁月あきら ...
著者: 暁月あきら
西尾維新
西尾維新暁月あきら
西尾維新暁あきら
巻数: 16巻
暁月あきらの新刊
西尾維新の新刊
西尾維新暁月あきらの新刊
西尾維新暁あきらの新刊
めだかボックスの新刊
最新刊『めだかボックス 16』
twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)
めだかボックスの既刊
名前 | 発売年月 |
---|---|
めだかボックス 1 | 2009-10 |
めだかボックス 2 | 2009-12 |
めだかボックス 3 | 2010-02 |
めだかボックス 4 | 2010-04 |
めだかボックス 5 | 2010-07 |
めだかボックス 6 | 2010-09 |
めだかボックス 7 | 2010-11 |
めだかボックス 8 | 2010-12 |
めだかボックス 9 | 2011-03 |
めだかボックス 10 | 2011-05 |
めだかボックス 11 | 2011-08 |
めだかボックス 12 | 2011-10 |
めだかボックス 13 | 2011-12 |
めだかボックス 14 | 2012-03 |
めだかボックス 15 | 2012-04 |
めだかボックス 16 | 2012-07 |
『めだかボックス』は、原作:西尾維新、作画:暁月あきらによる日本の漫画作品。『週刊少年ジャンプ』(集英社)2009年10号に読み切りとして掲載され、同年24号から連載開始。話数カウントは「第○箱」で、各回ごとのタイトルは、その回に出てくるセリフやモノローグからの引用になっている。
概要
『戯言シリーズ』や『化物語』などのライトノベル作品で知られる、西尾維新の3作目の漫画作品で、初の連載の漫画原作。あらゆることを完璧にこなす主人公、黒神めだかが学園内でおきた問題を生徒会の仲間たちと共に解決してゆく物語。
バトル漫画の面も持ち、超人的な力で事に当たることもあるが、相手を更生させたり成長の手助けをすることを主体としている。登場人物の奇抜な名前や性格、推理、言葉遊び・パロディなど、原作者が自身の作品で用いる要素は本作でも健在である。
あらすじ
文武両道・容姿端麗・質実剛健・才色兼備・有言実行…の完璧超人である箱庭学園の1年生、黒神めだか。彼女は入学したてでありながらも、生徒会長選挙で大言壮語を放った結果、支持率98%で箱庭学園第98代生徒会長となる。
選挙戦での公約通り「目安箱」を設置し、その投書に書かれた案件を幼馴染の人吉善吉と共に解決していく。個性的な生徒揃いの箱庭学園内で、生徒たちのトラブルを解決していくにつれ、次第に好評となった目安箱は、いつの間にか「めだかボックス」と呼ばれるようになる。最初は2人だけだった生徒会も、いくつかの事件を解決していくうちに、柔道界のプリンス阿久根高貴、競泳部の守銭奴喜界島もがなといった個性ゆたかなメンバー達が揃う。
そんな中、箱庭学園理事長を中心とした「フラスコ計画」なる陰謀が発覚。「天才を人工的に作る」という壮大な計画のもと、参加者である「十三組の十三人(サーティン・パーティー)」と呼ばれる特待生たちが本格的に活動を開始し始め、めだか率いる生徒会はその渦中に巻き込まれていく。
登場人物
登場人物の名字は基本的に日本の九州地方に実在する地名で統一されている。また、作中で個人データが紹介されている登場人物の血液型はすべてAB型である。
生徒会
- 黒神 めだか(くろかみ めだか)
- 本作の主人公でありヒロイン。箱庭学園第98代生徒会長である女子生徒。誕生日は10月2日である。
- 1年13組所属の特待生。学力、スポーツ、芸術など多方面に際立った能力の持ち主で容姿端麗、家は世界経済を担う大金持ちと全てにおいて恵まれた「完全」な生徒会長。「見知らぬ他人のために生まれてきた」という思想を信条に、学園の誰からの相談でも24時間365日受け付けることを有言実行している。身内には厳しい。目的解決に必要とみなせば自らが傷を負うことを厭わないが、決して自己犠牲主義ではなく、状況によっては自分が一番目立たないと気が済まない子供染みた部分もある。また妙なところで一般常識に疎く、目的に対する方法・手段も極端。桁外れの能力値のせいで、本人は大の動物好きでありながら、動物には本能的に避けられてしまうというスキル「動物避け」を抱えている。
- 昔から傍にいてくれる善吉に多大な好意と信頼を寄せているが、不知火以外なら彼が誰に懐こうと構わないと公言している。
- 半ば露出狂の気があり、他人の前で着替えることや肌を露出することに抵抗がない。常から胸元を大きく開けた生徒会専用制服を好んで着用(自身は「胸元以外を隠している」と主張)しており、任期中に女子の制服を同じもので統一しようと密かに画策している。
- 彼女の異常性は「完成(ジ エンド)」他人の異常性・才能を本来の持ち主より使いこなし完成された状態で体現できる。問答無用で相手の上を行く能力ではあるが、宗像の異常性「殺人衝動」や-十三組の過負荷に対してはより悪化した才能を体得してしまうだけであり、また日之影の異常性は「認識できない」という性質上体得できず、決して無敵というわけではない。
- 黒神めだかの真骨頂(善吉談)
- その1「上から目線性善説」
- 他人のいかなる悪行も環境などの外因でやむなく行っているとみなし、実力行使で更生させようとする。
- その2「ツンデレ」
- 普段は古風かつ男まさりな口調だが、デレると一転して乙女じみた口調になる。
- その3「行き過ぎ愛情表現」
- 全人類を自分の家族だと思っており、その愛情表現でキスをする。小学校に入るまでは見境無しにキスをしていたが、善吉によりやめさせられた。最近では滅多に見られないレアなこと。また、この愛情の一端として敵さえ好み、相手方からの接触を歓迎することもある。
- その4「乱神モード」
- 激昂するとこの状態になる。怒りに任せ暴力に訴える暴走状態。気休め程度だが怪我の治りが早くなる。都城の異常性「人心支配」のコピーを経て、暴走状態でしかなかった乱神モードを支配下に置く「改神モード」へと昇華させた。
- 人吉 善吉(ひとよし ぜんきち)
- 生徒会庶務。
- 1年1組(普通科)の男子。左利き。星座はしし座。
- 本作のもう一人の主人公で、めだかとは2歳の頃からの幼馴染。昔からめだかの正しさを信じ多大な好意と信頼を寄せているが、初めは生徒会入りに乗り気ではなかった。目安箱の初の案件解決の過程で考えが変わったことで、後に庶務の役職に任命される。突飛な行動に振り回されながらも、どこまでも性善説を貫く彼女の汚れ役を独断で買って出ている。
- フランスの格闘技であるサバットを基本に蹴り技・足技に特に優れており、戦闘能力は異常者にも劣らない。さらに自身を向上させるために日夜身体を鍛えるだけでなく、あらゆる危機的状況を想定した対銃火器策にも秀でている。
- 斜に構えた態度が目立つが、性格は真面目で努力家。仲間の手助けに不意に感涙したり、自己の役割を果たした際には誇らしげであったりときわめて情緒豊かであるが、危機に直面した時には決して感情だけで行動せず、多面的に状況を分析する冷静さも持ち合わせている。また、本人のセンスとして周囲には理解しがたい奇抜な着こなしを好む傾向がある。
- 2歳で初めてめだかに出会った時の言葉が、現在までの彼女に正の影響と、「この世に生まれた目的」を教えた。
- 球磨川の過負荷に対して重度の恐怖を感じていたがくじらとの特訓により目を閉じれば恐怖を感じないことに気付き生徒会戦挙庶務戦では戦闘で球磨川を圧倒し心を乱されるが勝利を収める。勝利の際、球磨川の過負荷により失明させられさらには数十匹のハブに咬まれ死ぬ寸前まで陥るが、死の淵で安心院という謎の少女に出会い視力も元に戻り息を吹き返す。
- 阿久根 高貴(あくね こうき)
- 生徒会書記。
- 2年11組(特別体育科)の男子。特待生。柔道部所属で三段。甘いマスクで「柔道界のプリンス」と呼ばれている。
- めだか達と同じ中学出身。後述の経緯からめだかに崇拝ともいうべきレベルで好意を寄せ続けているが、その言動全てを盲信している訳ではなく冷静にツッコミを入れたり呆れたりする事もある。彼女の傍らにいる善吉に突っかかることもままあるが、彼の努力自体は認め、また有事には協力するなど狭量な人格ではない。
- 中学時代は「破壊臣」と呼ばれる札付きの不良で、当時の生徒会長・球磨川に従って破壊活動を行なっていた。その一環としてめだかを破壊対象に据えた際、彼女が全く堪えなかったことで立場がなくなり、善吉を中心とする反阿久根派の生徒達により徹底的に報復されてしまう。しかしその窮地をもめだかに救われたことで、今までの自分を振り返り「俺の何かになってくれ」と彼女に願い出て改心した。めだかにもっとも変えられた人間。
- 戦闘能力はきわめて高く、条件さえ整えば喜界島の肺活量・善吉の脚力にも匹敵し得る。柔道では相手を壊す心配がないことから寝技を、また柔道部部長である猫美の影響で禁じ手の技も修得しており、状況によって破壊と非破壊を使いこなす。
- 柔道部から生徒会へ移籍する際に、字が綺麗なのを見込まれて書記となる。ちなみに制服を着用する際には、会長職であるめだかを見習って、ネクタイを着けず胸元の襟を大きく開けたスタイルをとっている。
- 生徒会戦挙に向けて喜界島とともに日之影、真黒の特訓を受けていたが、突如襲撃してきた-十三組によって3人とともに重症を負い、辞退を余儀なくされる。
- 喜界島 もがな(きかいじま もがな)
- 生徒会会計。
- 1年11組(特別体育科)の女子。特待生。競泳部のエース。簿記一級。ポニーテールの眼鏡っ子。
- 困窮した生活の果てに父が蒸発し母は身体を壊したと言う不遇な過去を持つ。学園の部費争奪イベントでは金銭に対する思い入れの強さから生徒会と敵対したが、めだかの上から目線性善説、行き過ぎ愛情表現、屋久島・種子島の気遣いを受け、金銭こそ至上とする主義を改めた。後日めだかから生徒会業務への助力を求められ、競泳部内の勧めもあり日給320円で生徒会の会計職に就任する。数少ない友人として善吉を慕う。めだかとの交流の中で異常性を抜きにした彼女の本質をいち早く見抜くなど、思慮深く友達思いな性格をしている。
- 率先して場を仕切ることはなく一見クールな印象だが、基本的に自己の主張は譲らず、過度に緊張した時には喜怒哀楽が激しくなる。そのために我を失って突飛な行動に出ることもままある。また、動物が嫌いで生物特有の「かわいさ」を理解しない。
- 競泳着を着ないと力が入らない性質で、校内での活動中にも生徒会専用制服の下にこっそりと水着を着用している。水中での運動能力はめだかをも凌駕し、その肺活量は常人の比ではない。その応用として共振作用を起こすほどの高音域の大声、物理攻撃としてのエネルギーをもった声を発することが出来る。
- 生徒会戦挙に向けて阿久根とともに日之影、真黒の特訓を受けていたが、突如襲撃してきた-十三組によって3人とともに重症を負い、辞退を余儀なくされる。
風紀委員会
- 雲仙 冥利(うんぜん みょうり)
- 風紀委員長。
- 2年13組(特待生)の男子。10歳。元「十三組の十三人」ながら、フラスコ計画に懐疑的な言動を見せる。通称「モンスターチャイルド」。
- 弱冠9歳で箱庭学園に飛び級入学を果たした秀才。人の上に法を置いており、相手の言い分を聞くめだかの「上から目線性善説」と正反対の思想「見下し性悪説」に従い、相手に一切の事情や弁解を許さず徹底した「血の粛清」を加える。己の正義を行使するためには手段を選ばない。
- めだかとの対決後に「十三組の十三人」を離脱。後に彼女が連れ去られた際には、鍋島・冥加・鬼瀬、また生徒会に敗れた高千穂、宗像とともに結成した「負け犬軍団」(自称)を率いて生徒会の援軍として現れた。
- 生徒会役員との戦いを通して大きな変化はなかったが、めだかの風紀違反を黙認したり、善吉の涙を見た際に少しうろたえた事などから、少し器が大きくなったようである。
- 裏の六人(プラスシックス)以外で、地下13階まで直通のエレベーターを唯一操作できる。
- 現在のところ彼の異常性は判明していないが、異常者の中では珍しくオールマイティに能力を兼ね備えている人物。まだ10歳であるため、体力・体格などを補うため、フラスコ計画に参加する報酬として理事会から受け取った多数の武具を駆使して戦う。
- 対人兵器「超躍弾(スーパーボール)」 - 武器になるよう改造が施されたスーパーボール。1個あたり定価120万円。
- 炸裂弾「灰かぶり(シンデレラ)」 - 老朽化した壁ならひとつで破壊できるほどの威力を持つ火薬玉。
- 風紀委員会特服「白虎(スノーホワイト)」 - 耐圧繊維で縫製された防護服。動きづらいのが難点。1着定価8,750万円。
- 鋼毛玉(ストリングボール)「アリアドネ」 - 雲仙冥利が持つ武具の最後の切り札。白虎を縫製しているものと同じ糸で1本で5tの重量を吊り上げられる。一度使ったら巻き取れず、二度と使えない奥の手。
- 呼子(よぶこ)
- 風紀委員、副委員長。
- 2年10組(特別普通科)の女子。鉄製の鎖を使って、生徒を縛り首にする戦法を取る。「雲仙冥利を愛でる会」会員で、行動原理は学園風紀より冥利への忠誠心によるところが大きい。また、負傷中の冥利を膝に乗せた際に頬を赤らめていることから、忠誠心以外の感情によるところも大きい。
- 鬼瀬 針音(おにがせ はりがね)
- 風紀委員会第三部隊隊長。
- 1年3組(普通科)の女子であり、冥利自らがスカウトした風紀委員。ツインテールの眼鏡っ子。別名「手錠メリケンの鬼瀬」。鉄拳制裁を信条にプライドをもって委員会業務をこなす反面、八つ当たりでの校内器物損壊、偽の投書でめだかの服装を正そうとするなど本末転倒な行動も多い。状況によっては冥利を制するために嘘をつくこともあり、委員会それ自体を盲信する訳ではなく、自分なりに納得して行動を起こすだけの思考力がある。何かと派手な行動の多い生徒会を快く思っていない。「雲仙冥利を愛でる会」会員。
- 後々負け犬軍団として再登場。その時は出世して風紀委員第3部隊長になっていた。また、生徒会加勢のために冥利たちについていったはいいが、その際冥利・猫美が張り切って命名した「負け犬軍団」という名前には少々不満があるようだ。
十三組の十三人
- 高千穂 仕種(たかちほ しぐさ)
- 3年13組(特待生)の男子。験体名「棘毛布(ハードラッピング)」。時計台地下のフラスコ計画研究施設地下一階の住人。
- 外見はコーンロウのヘアスタイルに筋肉質で長身、色黒。「十三組の十三人」最強の男。他人との触れ合いを求める求愛者であり、フラスコ計画に参加したのも自身より強い奴が作り出せる可能性に賭けたためだった。
- 彼の異常性は「反射神経(オートパイロット)」。過剰なまでの反射神経を持ち、条件反射を用いて行動ができる。回避行動のみならず反撃・奪取などまで反射で行い、「十三組の十三人」でさえ一人として触れられる者がいない。おそらく視覚・聴覚でとらえられる範囲であれば、物理的攻撃は彼に届かない。
- 過去に遭遇した交通事故で家族を亡くし、自身一人だけがその能力で生還したことで異常性を自覚した。
- フラスコ計画戦闘科学担当で戦闘スタイルはキックボクシング。くじらの発言からおそらく今の格闘能力・スタイルができたのは「十三組の十三人」加入後。格闘家である前に科学者でもあり、優れた観察力と洞察力を持つ。自分自身に関する研究データをSSDで携帯している。
- 宗像 形(むなかた けい)
- 3年13組(特待生)の男子。験体名「枯れた樹海(ラストカーペット)」。本来は時計台地下のフラスコ計画研究施設地下九階の住人だが、草木の水やりをするなど地下二階にある日本庭園型ビオトープの環境保持にも務めている。後ろで髪をひとつに括り、日本刀を腰に帯びた物静かな人物。
- 彼の異常性は「殺人衝動」。他人を見れば殺すことしか考えられず、ありふれた全ての現象が殺人に通じるという思考の持ち主。5歳の時に「殺したらどうなるのか知りたかったから」という動機で殺人に目覚め、以後殺人を繰り返した末に国際指名手配を受け、現在はフラスコ計画への参加を条件に学園に匿われている。しかし、実際には前述の経歴は詐称。殺人衝動は本物だが、人を殺したくない一心からあえて殺人者を名乗り、出会い頭に凶器や殺意をひけらかすことで他人を遠ざけ、それら努力の成果として殺人を犯した経験は一度もない。胸中ではそんな孤独な生き方を嫌い、友人関係を欲してフラスコ計画に参加。本心を看破した善吉の友人となる。「殺す技術」に長けていることから同時に「殺さない技術」「殺されない技術」にも長けている。
- 現役時代の黒神真黒に訓練された暗器使いであり、限界の体現者として彼に最も気に入られている。戦闘時には刀剣類・銃火器類など、明らかに制服に隠しきれない量の武器を取り出し捌き切る。なお、武器を扱う才能自体が無かったため、真黒のマネージメントをもってしても改善できず、使い方のみに限れば腕は素人並みである(あえて武器の長所を活かそうとせず、閉所でも銃を乱射するなど殺害できればよいとの認識しかない)。
- 古賀いたみ(こが いたみ)
- 2年13組(特待生)の女子。験体名「骨折り指切り(ベストペイン)」。時計台地下のフラスコ計画研究施設地下三階の住人。
- 天真爛漫な言動や露出度の高い見かけにはよらず、高千穂と並んで「十三組の十三人」最強の女と称される戦闘派。十三人の中では唯一生まれついての異常者ではないため、フラスコ計画そのものへの執着心が強い。
- 彼女の異常性は「異常への執着」と名瀬の改造による「異常駆動・回復力」。体格・能力・境遇、全てにおいて普通に育ち、世界には普通のことしか起らず、自分も普通のことしかできないと悟っていた中学時代に名瀬と出会う。その時に自分を実験動物として役立てて欲しいと懇望し、改造手術を経て改造人間になった。並み外れた腕力・脚力、さらには複雑骨折も十秒程度で完治する驚異的な回復力を誇る。しかしその代償として非常に身体的に疲れやすく、エネルギー切れを抑えるためのアラートとして痛覚が強化されている。自然に治癒できない怪我(脱臼等)も力ずくで骨を組むことで治せる。
- 現在は王土の「理不尽な重税」により異常駆動・回復力を奪われ、真黒とくじらにより修復中。また「十三組の十三人」解散以降は、名瀬に従って比較的生徒会に協力的な言動を見せている。
- 名瀬 夭歌(なぜ ようか) / 黒神 くじら(くろかみ くじら)
- 2年13組(特待生)の女子。験体名「黒い包帯(ブラックホワイト)」。時計台地下のフラスコ計画研究施設地下四階の住人。
- 包帯で覆面した上から短剣を刺し、タイツでほとんど素肌を隠している。バイオテクノロジーの世界的権威で現フラスコ計画統括者。自身が改造した実験体である古賀いたみとは唯一無二の親友で常に共に行動する。一人称は「俺」。相手を評価する時によく性的な表現を用いる。巨乳ながらノーブラで、常に腕組みで胸を支えている。
- 正体はめだかの姉であり真黒の妹である黒神グループ第二子「黒神くじら」。不幸願望を理由に11歳の誕生日に家出した後で記憶を消しており、女子中学校在籍中に苛められっ子として迫害される中いたみと出会う。運動神経は高くないが人体観察のために特別体育科の十一組に在籍、後に十三組に移籍して「十三組の十三人」入りする。しかし、あくまで「運動能力が高くない」というのは周りと比べての話であり、女子でありながら江迎を蹴り飛ばすなど、一般から見ればむしろ高いほうだと言える。
- 彼女の異常性は「禁欲さ(ストイック)」。「素晴らしいものは地獄からしか生まれない」を口癖にあらゆる幸福を否定して学業に没頭する中、ついには恵まれた環境である黒神家と自身を愛する兄妹の存在さえ許せず、先述の経歴を辿る。場当たり的、攻撃的な性格で、不幸になるためだけに周囲にまで被害を及ぼすようになる。人体改造に長けており、理科生物学の分野においてはめだかをも上回る。
- 友人の古賀いたみを何よりも大切にしており、彼女が危機に陥った際はポリシーを捨ててまで助け、強く反抗心を抱く真黒に助けを乞うた。フラスコ計画凍結後は軍艦塔に身を寄せ、真黒と共に古賀の修繕にあたる。
- 現在生徒会に不在である副会長の役や善吉の指導役を自ら買って出ており、不幸願望はあくまで向上のための手段に過ぎず、根は面倒見がよい。
- 庶務戦後、球磨川に-十三組の資質を見出されスカウトされる。当初は球磨川の意見に賛成したが、自らの生徒会のメンバーに対する愛着を自覚し誘いを断る。それによりいたみを人質にとられ一時心を乱されるがめだかと善吉がいたみを保護し、めだかに味方でいる事を懇願され我に返る。めだかの支持者になる事を告げ、球磨川禊に激しい怒りを燃やし(本人曰く、初めて手ずから誰かをぶちのめしたいと思ったらしい)書記戦へのエントリーを促される。
- 行橋 未造(ゆくはし みぞう)
- 3年13組(特待生)。験体名「狭き門(ラビットラビリンス)」。時計台地下のフラスコ計画研究施設地下十二階の住人。
- 男子制服の上に厚着をして仮面を被り、荷を担いでいる小柄な人物。一人称は一貫して「ボク」で陽気な口調で話す。王土の人間性に魅了されたことのみを理由に語り部を自称して彼に付き従い、「十三人」の一員ながらフラスコ計画自体には興味が無い。異常性ではない特技として、骨格を組み変えて他者に変身することも可能。作中で女性に変身したり身体の柔らかさを指摘されるが、その性別について現時点で明言はされていない。
- 彼(彼女)の異常性は「受信感度」。脳髄及び神経が活動する際に流れる電気信号の体外に漏れ出た電磁波を皮膚で受信することで人の心(思考)を読むことが可能。皮膚感覚に集中するために、あえて仮面で視界を狭めている。この異常性の弱点は感度が良すぎることであり、量や質に関わらず自身で受信する情報を取捨選択することは出来ない。ゆえに、あらゆる電子機器の電磁波、「痛い」「眠い」など負の情報も本人の意思と関係なく受信してしまう。上記の理由、また戦闘能力がさほど高くないことで、攻撃は必要最低限にしか行わない。
- フラスコ計画の凍結後は王土と共に箱庭学園を退学した。
- 都城 王土(みやこのじょう おうど)
- 3年13組(特待生)の男子。験体名「創帝(クリエイト)」。時計台地下のフラスコ計画研究施設地下十三階の住人で、フラスコ計画の要となる存在。
- 生まれながらにして王者の気質を持つエゴイストであり、他人は自分の役に立つために生まれてきたと信じて疑わない非情で傲慢な性格。その冷酷さは時に仲間にすら向けられるが、計画のもう一つの要となる行橋には常に気を許して自由に行動させる。めだかを見初めて一方的に妻になるよう命じるなど尊大ではあるが、場合によっては一般的な視点から物事を計り、妥協・交渉するだけの余裕も持っている。一人称は「偉大なる俺」もしくは「王(おれ)」、(後に)「普通なる俺」。
- その計り知れない資質は過去に研究上コンビを組んでいた真黒の解析能力を以てしても全容が知れず、自身も常に自分の限界を超え続けるとすら語る。身体能力にも優れ、足指の握力と腹筋操作で重力に反した垂直なベクトルに直立・歩行が可能。フラスコ計画が完遂した暁には王道楽土の楽園を築き、報酬として成功例の生徒4人を四天王として配下に置こうと企てる。
- 彼の異常性は「人心支配」。手指から電磁波を発することで対象の駆動系に干渉(行橋の異常性とは逆に「発信」)し、電磁波を感知出来るものであれば金属、電子機器、人間であれ意のままに動かして操ることが出来る。生来より自覚する「支配」の異常性を世のために役立てることを望んだが、理想を叶えられないまま今に至る。
- フラスコ計画凍結後は行橋と共に箱庭学園を退学した。
- 都城王土の真骨頂(行橋談)
- その1「言葉の重み」
- 電磁波による干渉で相手の身体を命令(主に「平伏せ(ヒレフセ)」「跪け(ヒザマズケ)」等の一語の動詞)通りに動作させる。
- その2「理不尽な重税」
- 対象者の心臓に素手で直接電磁波を送り、相互干渉によって対象者から異常性の電気信号の周波数を強制的に取り立て、その異常性を自身の肉体で100%体現する。その際に対象は異常性を失うが、能力を発揮する方法がわからなくなるというだけで肉体に備わる能力値や身体の強度自体は変わらない。不知火理事長しか知らない裏技。
裏の六人
- 糸島 軍規(いとしま ぐんき)
- 3年13組(特待生)の男子。験体名「死番虫(デスウォッチ)」。
- 六人のリーダー格。宗像と戦った地下二階の庭園は実は彼の部屋であると6巻で明かされた
- 百町 破魔矢(ひゃくちょう はまや)
- 2年13組(特待生)の男子。験体名「初恋(ラヴ)」。
- 眼鏡を掛け右目側の前髪だけを伸ばしており、弓を携えている。能力を現すまでもなく、雰囲気が醸す異常さだけでも軍規に並ぶ「裏の六人」の二枚看板。
- 湯前 音眼(ゆのまえ おとめ)
- 2年13組(特待生)の女子。験体名「宙ぶらりん(フリーワールド)」。
- オーバーオール一枚を身に着けただけの露出度の高さに加え、戦闘中にも風船ガムを噛みながら棒読み調で話すなど全体的に覇気がなく、六人のことも設定上の仲間としか認識していない。身体への物理攻撃を、力の加わった箇所を液状にして背後まで貫通させることで無力化することができる。
- 筑前 優鳥(ちくぜん ゆとり)
- 3年13組(特待生)の女子。験体名「髪々の黄昏(トリック オア トリートメント)」。
- 長髪で顔の半分以上が隠れているため表情は窺えず、言葉少なで不気味な雰囲気を漂わせている。自らの頭髪を伸縮させ自在に操ることが出来る。
- 鶴御崎 山海(つるみさき やまみ)
- 2年13組(特待生)の男子。験体名「占領役者(スターマスター)」。
- スーツ姿で表情に乏しい人物。普通(ノーマル)を「カス」と蔑む。手指で鉄球を溶かし貫くことが出来る。ボウリングのアベレージは70前後と低スコア。
- 上峰 書子(かみみね しょこ)
- 3年13組(特待生)の女子。験体名「食虫植物(デンタルシューズ)」。
- 三つ編みで眼鏡をかけている。普通(ノーマル)を「ゴミ」と形容するなど、異常さを優秀だと考える点は前述の山海と同じである。機関銃から発射された弾丸であっても口腔内に溜める(食べる)ことができる。
-十三組(マイナスじゅうさんくみ)
- 球磨川 禊(くまがわ みそぎ)
- 3年-13組の男子で、めだかの最大最凶の宿敵である。-13組の筆頭格でもある。水槽学園からの転校生。台詞には全て『』(二重鍵括弧)がつく。その容姿はRPGやアドベンチャーゲームに登場する無個性主人公を連想させる。
- めだか達と同じ中学校の出身。当時支持率0%で生徒会長に当選、数ヵ月後にリコールという経歴をたどる間、自らにとって邪魔なものは高貴に命じて破壊させたことから立場としては黒幕に近い。幼少時から退廃的な思想・破滅願望を抱き、転校する先々の学校を潰した末に箱庭学園に転入、十三組生を中心としたエリートを抹殺することを宣言する。
- 常に屈託のない調子で喋り、嘘とも本心ともつかない挑発や、他者を簡単に踏みにじり絶望に追いやる言動が特徴。常に感情のない表情をしているが、安心院絡みの事になると憎悪の感情を露にする。
- めだかに影響されなかった最初の男であり、初めての「乱神モード」を起こした引き金でもある。幼少時に医療施設でめだかと対面しており、めだかの心の奥底にある「暗闇の-要素の世界」を作った張本人ともいえる。
- 彼の過負荷は「大嘘憑き(オールフィクション)」。現実のあらゆる事象を「なかったこと」にできる能力。外傷や損壊を無傷に戻せ、人の死すら「なかったこと」に出来る。使いようによっては最初から万全な状態のものさえ「なかったこと」にする。治癒能力のような前向きな能力ではない。手に入れて間もない能力であり、細かなコントロールは効かず、また、因果律に対するものであるため、自分が「なかったこと」にした事柄を更に「なかったこと」にしたりはできない。巨大なネジを凶器として扱い、心身ともに相手を『"螺子"伏せる』戦闘スタイルを特徴とする。
- 生徒会戦挙では庶務として初戦に出場しくじらの特訓を受けた善吉に敗れる。が、実は自らが囮となりめだか達を注目させる事により、裏で凶化合宿中の阿久根たち残りメンバーを志布志たちの手で再起不能なまでに叩き潰させるなど、本人曰く「"マイナス"思考」でめだか達を躊躇なく翻弄する。
- 不知火 半袖(しらぬい はんそで)
- 1年1組(普通科)から、自らの意思で1年-13組に移籍した女子。視力は両目ともに1. 5。箱庭学園理事長不知火袴の孫であり、-13組が設立された切っ掛けになった存在。小柄な見た目に似合わぬ健啖家で、劇中では何かを口にしている描写が非常に多い。
- 底抜けに明るい振る舞いと幼い容姿から無邪気に見られがちだが、生徒の個人情報やフラスコ計画の裏事情にも精通しており、時にはそれらを積極的に利用して周囲を振り回すなど小悪魔的な一面も持ち合わせている。球磨川がくじらをスカウトすることをめだかに告げるなど未だに敵か味方かわかりづらい行動も多い。めだかや善吉の過去に詳しく、善吉と行動を共にする場面が多々あるが、基本的にただ見ているだけで何もせず、危なくなったら一人だけ逃げるなど本人曰く「都合のいい時の友達」。めだかとは犬猿の仲(着信拒否されるほど)。また、-十三組加入前であるにも関わらず球磨川が一切危害を加えようとしなかった珍しい人物。
- 江迎 怒江(えむかえ むかえ)
- 1年-13組の女子。城砦女学院からの転校生。
- 初対面で偶然鉢合わせた善吉の親切心に触れたことをきっかけに盲執的な好意を抱く反面、自らの過負荷を問題にしない球磨川に対する依存心も強い。自らの能力に振り回された幼少期には自らの死さえ思いつめ、その後、成長に伴い過負荷の能力が増大していった模様。善吉と接触した後は他者の行為・言葉をほぼ自分に都合の良いように受け止め、善吉との相思相愛を疑わずに狂的な恋慕と執着心を見せる(いわゆるヤンデレ、精神医学で言うエロトマニア)。
- 彼女の過負荷は「荒廃した腐花(ラフラフレシア)」。手に触れた物を生物・無生物・気体問わず全て腐らせてしまう。能力のオン・オフは操作出来ないが、強弱をつけることは出来る。腐らせ方にも様々なバリエーションがある。
- 蝶ヶ崎 蛾々丸(ちょうがさき ががまる)
- 2年-13組の男子。
- モノクルを掛け、執事服を着用した紳士風の風貌。エリートを目の敵にしている。
- 6歳の時に、異常者の管理・研究に特化していた病院を志布志と共に廃墟にしてしまった。
- 彼の過負荷は「不慮の事故(エンカウンター)」。
- 志布志 飛沫(しぶし しぶき)
- 1年-13組の女子。
- 胸元を露出し、スカートに大きくスリットの入ったセーラー服を着ている。肉弾戦を望んで球磨川に同調した。言葉より先に手が出る性分で、「ごめんなさいもうしません」と棒読み口調で謝罪する癖がある。
- 5歳の時に、異常者の管理・研究に特化していた病院を蝶ヶ崎と共に廃墟にしてしまった。
- 生徒会戦挙では、書記戦に自らエントリーした。
- 彼女の過負荷は「致死武器(スカーデッド)」。対象に直接触れずに切り刻む事ができるが詳細は不明。また、剃刀の刃を両手にナックル状に挟んで武器にもする。
その他の箱庭学園生徒
- 人吉 瞳(ひとよし ひとみ)
- 1年1組(普通科)の女子で、善吉の実母。42歳。
- その年齢が冗談としか思えないほどの童顔かつ幼児体型の持ち主。
- かつてはフラスコ計画に通じる医療施設に勤め、「免許を持ったブラック・ジャック」と呼ばれていた。心癒外科手術(パッチワーク)に優れ、裁縫道具を武器とした縫合格闘技「狩縫」で戦う。善吉のサバットの師でもある。現役時代に異常性を持った幼児を多く診察していたことで、現在 過負荷に成長した生徒とも多数面識があり、めだかとも顔見知りである。めだかと同時期に球磨川も担当したが、彼の過負荷と深層心理を見抜けず「異常なし」と世間に出した事に深く反省し、施設を辞職した過去を持つ。そして球磨川を含む過負荷が箱庭学園に集結している事を危惧し、少女にしか見えない外見を利用して善吉と同じクラスへ転入、生徒会のサポートをする。球磨川やくじらの発言に驚くことが多く、普通人と変わりない感性を持つ。
- 柔道部
- 鍋島 猫美(なべしま ねこみ)
- 3年11組(特別体育科)の女子で、関西弁の柔道部部長(後に引退)。天才を努力で踏みにじることを生き甲斐として「柔道界の反則王」と呼ばれている。どちらかと言えば陰湿ではなく、知恵のある卑怯さやずるさを持ったきわめて楽観的かつ図太い神経の持ち主。
- 常に明るく飄々と振る舞って、一度は独占した部費を幅広く分配する、後輩同士の喧嘩の仲裁にも積極的に乗り出すなど面倒見もよい。大抵のことには動じず柔軟かつ合理的に立ち回るが、それが高じて真っ向勝負を避けたり、どこかかませ犬のような台詞をこぼす事もあって、実力がありながら周囲に小物と言った印象を与えてしまう。善吉を自らの後継者にすべく目安箱に次期部長選任への協力を求める投書をした際には、思惑は外れ、更には典型的な天才であるめだかのことも見直すこととなった。
- 競泳部
- 屋久島(やくしま)
- 3年11組(特別体育科)の男子。競泳部の部長。特待生。
- 水泳のオールラウンダー。貧困のため一家離散した過去を持つ。3人のリーダー格で、最も常識的な言動が特徴。もがなの交友関係を案じており、実の家族のように可愛がり接している様子。
- 種子島(たねがしま)
- 2年11組(特別体育科)の男子。競泳部の副部長。特待生。
- 男子水泳界の事実上最速のスイマー。目つきの悪い色黒の男で、外見通り言動はかなりハイ。屋久島同様、もがなに対して家族的な好意を寄せる。貧困のため育った養護施設は潰れている。
- もがなを加えたこの3人は「金にうるさい三匹のトビウオ」と呼ばれる。札束のプールを夢見て金銭のためなら命を懸けることも厭わない。
- 十三組
- 雲仙 冥加(うんぜん みょうが)
- 1年13組の女子であり、雲仙冥利の実姉。
- メイド服を纏った怪力の鉄球使い。独自に開発した数字言語で喋り、その言語を扱える冥利やめだかを除いては基本的に意思の疎通が計れない。出席義務が免除された十三組生だが、学校には引きこもりのため長く登校していなかった。また鍋島に敗れたことでかなわなかったものの、以前は「最強」を求めてフラスコ計画」への参加を目論んでいた。
- 長者原 融通(ちょうじゃばる とけみち)
- 2年13組男子。選挙管理委員会副委員長。
- 彼の異常性は「公平」。如何なる場合においても公平に物事を進行させる。名前に反した厳格さで選挙管理に務める傍ら、場面状況に合わせてルールを改定したり、選手同士の助言をある程度まで認めるなど、選挙を合理的に行うことを最優先とする。判定に際して自らの死をも厭わないが、影の存在として常に礼儀正しく、振る舞いは常識的。
- ルールを人より上に置くという点で気が合うため雲仙冥利と仲が良く、彼の唯一の男友達。
- 日之影 空洞(ひのかげ くうどう)
- 3年13組の男子で、常識はずれの巨漢。箱庭学園第97代生徒会長。善吉曰く、「知られざる英雄(ミスターアンノウン)」と呼ばれなかった男。生徒会長在任中、全校生徒はおろか生徒会役員でさえ彼を見つけることが出来なかった。
- 話せば気さくだが基本的にはシャイで、何でも一人で背負い込もうとしがち。軍隊にも匹敵する戦闘能力を持ち、近接戦闘に限れば高千穂・めだかでさえ足元にも及ばない。誰もが目を逸らし忘れたくなるほどの破壊的な強さの持ち主と評される。
- 彼の異常性は「知られざる英雄(ミスターアンノウン)」。自身の存在を他人に一切認識させず、本気を出せば人の記憶から存在した事実や接触した経緯をも消すことが出来る。存在を認識できないため、めだかの異常性「完成」でも会得・体得することが出来ない。任期中は全校生徒全員にその名さえ認識させないまま、箱庭学園の平和を守っていた。
箱庭学園関係者
- 不知火 袴(しらぬい はかま)
- 箱庭学園理事長。72歳。半袖の祖父。事実上のフラスコ計画責任者であり、教育者として天才を安価に大量生産することを目的に十三組の生徒を管理下に置いている。
- 全校生徒を犠牲にすると言う非情な計画を淡々と推し進める傍ら、必要がなくなれば宗像の指名手配を解除するなど「十三人」及びその候補には甘い。後に生徒を抹殺すると言う球磨川の行動も教育理念優先のために黙認しており、性格はきわめて合理的かつ冷酷。
- 半袖とは遠縁の関係にある。
- 黒神 真黒(くろかみ まぐろ)
- 箱庭学園旧校舎、通称「軍艦塔(ゴーストバベル)」。の管理人。18歳。めだかとくじらの兄。
- 自身の唯一の行動原理は「妹萌え」で、部屋をめだかとくじらの写真やグッズで埋め尽くす程妹達を溺愛している。かつて箱庭学園の十三組に在籍し「十三組の十三人」の一人としてフラスコ計画を統括、都城王土と一時的にコンビを組んでいたが、メンバーとソリが合わなかったためにすぐに引退。計画離脱の代償として臓器の大部分を提供し失っており、その影響で学園を中退している。(後に球磨川によって傷と臓器は全て「戻され」た)
- 敵対者をあえて場違いな発言で挑発・翻弄し、自分のペースに巻き込むことに長ける。また、女性と対峙した際は何かと理由をつけて脱衣することが多く、めだかとは別の意味で露出癖の持ち主。
- 彼の異常性は「解析」。魔法使いとまで呼ばれた伝説の分析家でマネージメントの天才。自分では何も出来ないが、他人の技能を向上させることに関しては神がかり的に長けており、プロデュースの内容は企業コンサルティングから肉体強化まで多岐にわたる。その能力から「理詰めの魔術師(チェックメイト・マジシャン)」。と自称する。自身の臓器提供、宗像の暗器技術教授の様に人の限界への興味を満たすためには自他問わず人命も意に介さない一面があるが、当人の意向を無視してまでプロデュースすることはない。
その他
- 安心院(あじむ)
- めだか達と同じ中学校出身の女子。「3-C」と学年の記された上履きをはいている。一人称は「俺」。初めての乱神モードを引き起こした一件にかかわった際に球磨川に顔を剥がされているが、それ以降には関係人物の精神意識内に出没するところから、現在の生死は不明。今なお球磨川がむき出しの感情(憎悪)をあらわにする数少ない存在。球磨川が死ぬたびに会っていると語り、意識内では善吉に助言と元通りの視力を与えた。
箱庭学園
物語の舞台となる創立およそ100年の高校で、元々は「黒箱塾」なる寺子屋であった。現理事長は不知火袴。1学年に付き10組以上クラスがあるマンモス校。1 - 4組は普通科、5・7・9組は体育科、6・8組は芸術科となっている。10組より上のクラスは全員が特待生(チームトクタイ)となっており10組は特別普通科、11組は特別体育科、12組は特別芸術科、さらに上には十三組(ジュウサン)と呼ばれる13組が存在する。さらに、全国から集められた過負荷(マイナス)を集めた-十三組(マイナスじゅうさんくみ)も存在する。
制服は、男子はブレザー、女子はセーラー服であるが、生徒会役員は黒を基調とした生徒会専用制服(セイトカイコスチューム)を着る。風紀委員会は白を基調とした制服と星のマークのついた腕章をつけている。生徒の自主性を何よりも重んじるが、故に生徒会の仕事は多岐にわたり、膨大な量となる。部活も活発で、クラブが30以上ある。
普通科の生徒は- 生徒会執行部(せいとかいしっこうぶ)
- 箱庭学園における生徒会は通例、会長・副会長・書記・会計・庶務と5つの役職で構成されている。当初はめだかが全てを兼任していたが、善吉を庶務に任命したのを切っ掛けに人数を増やしている。
- 風紀委員会(ふうきいいんかい)
- 学園治安の維持を至上目的とする遊撃部隊。理事会・職員室を始めとするあらゆる権力から解放された独立特務機関である。人呼んで学園警察。理事会から条件付で武装を許可されている。女子メンバーは「雲仙冥利を愛でる会」で多くを構成している。くじら曰く「冥利のカリスマ性で成り立っている」とのこと。冥利が風紀委員としての仕事ができなくなった際、「これから学園が荒れる」と言っていた事からも同じことが言える。が、それゆえに風紀委員会の風紀に対する忠誠心・団結力はすさまじい。
- 十三組(ジュウサン)
- 特待生の中でも更に選ばれた特待生。彼らは、常人では不可能なことを当然のように行い、常に異常な結果を生み出す。彼らは「異常性(アブノーマル)と呼ばれる異常な才能を有しており、基本的にはそれらの才能のみに特化しており、めだかや冥利のように全方向に万能であるのは稀である。1口に異常性と言っても千人いれば千通りの異常性があり、それらの共通項は「説明がつかない」ことくらいである。登校義務さえ免除されているため、殆ど学校に来ていないが、100人以上在籍している。十三組の中から更に選抜され、フラスコ計画に参加している生徒十三人は「十三組の十三人(サーティン・パーティー)」。と呼ばれている。
- -十三組(マイナスじゅうさんくみ)
- 不知火袴の独断によるフラスコ計画・プランBの開始に伴い新設されたクラス。過負荷(マイナス)と呼ばれる負の才能を持った生徒のみで構成されている。異常性と違って過負荷を制御するつもりがなく、基本的に階級や規律に頓着しない。球磨川曰く週刊少年ジャンプの愛読者であり「ぬるい友情・無駄な努力・むなしい勝利」をクラスのモットーとして掲げる。 -十三組生の真の異端さは過負荷などの性質ではなく、性格や人格である。
用語
フラスコ計画
「天才がなぜ天才なのか」を解明し人為的に天才を創り出す計画。計画に参加できる定員は13名であり、通称「十三組の十三人(サーティン・パーティ)」と呼ばれる。始動したのは数百年前、学園がまだ私塾だった頃でその当時は「試験管計画」と呼ばれていた。歴史は上記のように長く、不知火を代表とする数十の財団から国家軍部に至るまでが出資者となり戦時中からバブル最盛期にもその研究は絶え間なく続けられており、現在では箱庭学園の地下に広がる研究施設で続けられている。
なお、計画の過程で「天才を作り出すカリキュラム」が完成した暁には箱庭学園に通う全校生徒にそれらを適用するという目論見があり、王土曰く「箱庭学園に通う全校生徒を犠牲にフラスコ計画は完成し、被験者の98%は『壊れる』」という。
生徒会執行部が地下研究施設に視察したことで、王土すらも凌駕するめだかの異常性「完成(ジ・エンド)」が浮き彫りになり、「プランA」は頓挫。フラスコ計画は半ば自動的に「プランB」へと移行する結果となってしまった。
- 十三組の十三人(サーティン・パーティ)
- フラスコ計画に参加している十三組生の総称。史上最強のモルモット軍団。異常性を持つ十三組生の中でもさらに計画に必要だとみなされた者だけが加入できる。本来のしきたりとして1年生は参加できない。また、内1人が欠ければすぐに補充しようとする。雲仙冥利のリタイアにより、その後釜を狙う他の十三組生が突如として登校し始め学園に混乱をもたらした。
- 裏の六人(プラスシックス)
- 異常な「十三組の十三人」の中でもさらに異常度の高い6人。異常度だけを見れば他のメンバーさえ凌駕する。宗像曰く、めだかが化物ならこの6人は魔物とのこと。異常性も異常であったが、何よりもその心のありようが異常だった。-十三組のたたき台的な存在。
- -十三組(マイナスじゅうさんくみ)
- 不知火袴が孫の不知火半袖を参考に「プランB」として独断で創設したクラス。前述を参照。
地下研究施設
箱庭学園の地下に広がる研究施設。ここでフラスコ計画の研究が日々行われている。地下一階から地下十三階までの13のフロアがある。時計台1階の「拒絶の扉」が唯一の出入り口。
- 拒絶の扉
- フラスコ計画研究施設への入り口を塞ぐ門。電子錠でロックされており、その暗証番号は6桁の数字だが一人通るたびに番号が変更される。通れる確率は百万分の一という超低確率であり、逆に言えばフラスコ計画に参加できる程度に異常な異常者しか通れないということになる。右脳・左脳兄弟が門番をやっていたが、別に侵入者を止めるわけでもないので特に何かをしていたというわけではなかった。
- 地下十三階直通エレベーター
- フラスコ計画の最深部にして最新部である地下十三階まで直通のエレベーター。キーボード入力による漢字かな交じり、文字制限無しの暗号を入力しなければ稼動しない。このエレベーターを動かせるのは現在確認されているだけで、「十三組の十三人 裏の六人」の6人、雲仙冥利、黒神めだかの8名だけである。
- 地下一階フロア 巨大迷路
- フロア全体が巨大な迷路になっており、施設全体が壮大な実験器具となっている。かなり複雑にできているようで、右脳・左脳兄弟は出ることができなかった。三年十三組 高千穂仕種がこの階の住人。
- 地下二階フロア 日本庭園型ビオトープ
- 日本家屋や石灯籠、飛び石、池、庭木などが土を敷いた床面に直に配置されている疑似自然空間。フロア全体が広大な日本庭園を模したビオトープとなっており、気圧や光量を調整し屋外を再現している。三年十三組 糸島軍規 がこの階の住人。しかし、このフロアの庭園の維持管理は三年十三組 宗像形が行っている。
- 地下三階フロア 実験動物園
- フロア全体が動物園になっている。このフロアの動物達は名瀬夭歌により改造を施された実験動物で、めだかのスキルである「動物避け」がまったく通じない。二年十三組 古賀いたみがこの階の住人。
- 地下四階フロア 名瀬夭歌の実験工房
- 病院のようなフロア。名瀬夭歌の実験工房で改造手術室などがある。フラスコ計画の費用等の書類が置かれている。二年十三組 名瀬夭歌がこの階の住人。
- 地下五階フロア 駐車場
- 二年十三組 百町破魔矢がこの階の住人。
- 地下六階フロア 図書館
- 三年十三組 上峰書子がこの階の住人。
- 地下七階フロア 温泉
- 二年十三組 湯前音眼がこの階の住人。
- 地下八階フロア 大舞台
- 二年十三組 鶴御崎山海がこの階の住人。
- 地下九階フロア 墓場
- 三年十三組 宗像形がこの階の住人。
- 地下十階フロア 美容院
- 三年十三組 筑前優鳥がこの階の住人。
- 地下十一階フロア 球技場
- 二年十三組 雲仙冥利がこの階の住人だった。現在は空きフロア。
- 地下十二階フロア ゲームセンター
- ゲームセンターを模して作られたフロア。最新の化学技術の結集である遊戯施設を用いて行橋未造の受信感度を磨いている。三年十三組 行橋未造がこの階の住人。
- 地下十三階フロア
- 三年十三組 都城王土がこの階の住人。13万1313台ものスーパーコンピュータが24時間365日休むことなく並列で動作しており、それらで異常者の解析を行っている。大量のスーパーコンピュータが動作しているため、オーバーヒート予防のために冷房が過剰なまでに効いている。
生徒会戦挙
箱庭学園の前身である黒箱塾時代の塾則第百五十九項に基づき、生徒会長にリコールを請求した場合に行われる、現生徒会とリコールした側との決闘。庶務、書記、会計、副会長、会長の順に1対1の決闘を行う。黒箱塾時代は防具をつけず、日本刀のみで5つの役職を奪い合った。
読み切り版
『週刊少年ジャンプ』2009年10号に掲載。内容は目安箱への初めての投書による案件解決で、廃部寸前の柔道部の依頼を受け、めだかと善吉が活動する。
善吉がめだかの幼なじみでほぼ相思相愛である、不知火が二人の共通の知り合いである等の設定はそのまま引き継がれているが、連載版において重要なキーワードのひとつである異常(アブノーマル)の要素や、「黒神めだかの真骨頂」等の性格の解説には触れられていない(作中の言動からツンデレの表れと見受けられるシーンは存在する)。展開としてはコメディとバトルを合わせた学園ものとして一話完結している。また、読み切り版での結末は善吉が副会長の役職を任されるが、連載版では庶務に変更された。
単行本
- 生徒会を執行する(2009年10月7日初版)ISBN 978-4-08-874776-7
- わかってもらおーなんて思ってないよ(2009年12月9日初版)ISBN 978-4-08-874778-1
- 私は生徒会長だぞ(2010年2月9日初版)ISBN 978-4-08-874799-6
- 妹・妹・妹だ!(2010年4月7日初版)ISBN 978-4-08-8700-26-7
- 普通に格好いい(2010年7月7日初版)ISBN 978-4-08-870076-2
- お前は何のために生まれてきた?(2010年9月8日初版)ISBN 978-4-08-870106-6
- これがフラスコ計画だ(2010年11月9日初版)ISBN 978-4-08-870129-5
ラジオドラマ (VOMIC)
ジャンプ専門情報番組「サキよみ ジャンBANG!」にて、2010年2月に原作第1箱にあたるストーリーが放送された。各3分、全4話。後に2010年3月から集英社ヴォイスコミックステーション「VOMIC」で配信。また十三人の十三組編の序章として、原作第26箱以降にあたる話が2010年7月に放送された。
- キャスト
- 黒神めだか - 豊口めぐみ
- 人吉善吉 - 神谷浩史
- 不知火半袖 - 加藤英美里
- 日向 - 羽多野渉
- 門司 - 川野剛稔
- 黒神真黒 - 子安武人
- 都城王土 - 三宅健太
外部リンク