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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。―妄言録―/渡航

共有

著者: 渡航
巻数: 17巻

渡航の新刊
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。―妄言録―の新刊

最新刊『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。―妄言録― 18


|- |colspan="2" style="padding:0"| {| class="infobox bordered collapsible innercollapse autocollapse" style="width:100%; margin:0" !colspan="2" style="text-align:center; background-color:#ccf"|漫画 |} |- 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』(やはりおれのせいしゅんラブコメはまちがっている、英題:My Youth Romantic Comedy Is Wrong as I Expected / My Teen Romantic Comedy SNAFU)は、渡航による日本のライトノベル。略称は「はまち」。通称は「俺ガイル」。

イラストはぽんかん⑧が担当。2011年3月からガガガ文庫(小学館)より刊行されている。

概要

友達を作ろうとも思わず、いつも一人でいるひねくれた高校生が、それを見かねた教師によって「奉仕部」という部活に入れられてからの高校生活を描いたラブコメディ作品。『あやかしがたり』に次ぐ渡航の第2作であり、初のラブコメディ作品。平坂読の『僕は友達が少ない』を筆頭とするいわゆる「残念系ラブコメ」を目指し書かれており、第1巻の帯には平坂からの推薦文が掲載されている。

当初の仮題は「俺の青春ラブコメが間違っている件」であった 。正式タイトル「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」は、句点を含めて20文字と非常に長いため、著者の公式Twitterアカウントを用いて略称が募集されたが、2016年現在でも公式の略称は決定されておらず、著者は応募された略称のうち「はまち」もしくは「俺ガイル」という略称を用いており、テレビアニメでは「俺ガイル」または「アニガイル」を略称としている。

元々1巻で終わる予定であったが、予想以上の人気のため続刊を書くこととなった。現在既刊14巻となるほど連載が続いたことについて作者は「全然考えていなかった。1巻で完結していたので続編が出せると聞いてあわてて6巻くらいまでのストーリーをおおざっぱに考えました。でも構想の中ではラストシーンは浮かんでいますよ」と語っている

作者自身も千葉県出身であるため、作中には千葉に関連する事物が多数登場する。ただし、登場人物の名前はすべて神奈川県内の地名に由来している

7.5巻、6.5巻および10.5巻を含む既刊14巻で、2017年9月現在、累計発行部数700万部以上。宝島社が発行するライトノベルのガイドブック『このライトノベルがすごい! 2014』にて作品部門1位を獲得し、好きな男性キャラクター部門では比企谷八幡が1位を獲得した。さらに『このライトノベルがすごい! 2015』での作品部門でも1位を獲得。また、好きな男性キャラクター部門では再び比企谷八幡が、好きな女性キャラクター部門では雪ノ下雪乃が、好きなイラストレーター部門ではぽんかん⑧が1位を獲得した。なお作品部門2連覇と4冠の同時達成は史上初の快挙である。そして、『このライトノベルがすごい! 2016』でも作品部門で1位を獲得し、殿堂入りを果たす。また、好きな男性キャラクター部門では比企谷八幡が1位を獲得。好きなイラストレーター部門ではぽんかん⑧が1位を獲得した。その他、2015年3月には第1回SUGOI JAPAN Awardでラノベ部門1位を獲得している。

あらすじ

1 - 5巻

千葉市立総武高等学校に通う高校2年生の比企谷八幡は、入学式当日に交通事故に遭ったせいもあり高校でも友達が出来なかったことから、友達を作ることを諦めて「一人ぼっち」を極めようとしていた。妙な屁理屈をこねながら、ぼっちな高校生活を謳歌しつつリア充を嫌い呪っていた八幡だったが、生活指導担当の教師・平塚静に目をつけられ、「奉仕部」に無理矢理入部させられる。そこで八幡は、校内一の才女として知られる雪ノ下雪乃と出会う。


雪乃は、才色兼備な超人で弁も立つが、八幡と同じく人付き合いが不器用な少女だった。二人は似たような境遇でありながら考え方が根本的に異なり、意見が衝突する。静はそんな二人に対し、どちらがより多く奉仕部に持ち込まれた依頼を解決できるか、という勝負を命じる。その矢先、最初の依頼人であり、八幡のクラスのスクールカーストの上位に属し、八幡への特別な感情が見え隠れする由比ヶ浜結衣もまた、奉仕部に入部することになる。まったく異なる性格と立場の三人は、中二病全開の材木座義輝、テニス部員で男子だが可愛い女子にしか見えない戸塚彩加、何でもそつなくこなすスクールカースト上位の人間である葉山隼人から受けた依頼を次々とこなしていく。


雪乃の正論では行き詰まる問題を、八幡が彼独自の理屈に基づく変則的な方法で解決する。そんな奉仕部の活動を通して、三人の関係は少しずつ良い方向に変わっていく。ところが、八幡が交通事故の際に助けた犬は、結衣の飼い犬であったことが発覚。八幡は、結衣が自分に好意的な行動をとっていた理由が事故に遭ったことへの同情だけだったと考え、その好意を拒み結衣との関係をリセットしようとするが、雪乃のとりなしによりどうにか二人の関係は元に戻る。だが、今度は事故を起こした車に雪乃が乗っていたことが明らかになる。雪乃に対して勝手な理想を押し付けていたことを後悔する八幡と、事故について黙っていたことを気にする雪乃。お互いに負い目を感じ、二人の関係がおかしくなっていく。

6 - 9巻

表面上は取り繕いながら、しかし決定的に噛み合わない奉仕部の面々。そんな時に、文化祭実行委員長に立候補した相模南から委員長の職務をサポートするよう依頼される。有能とは言いがたい上に委員長としての心構えがどこか欠如している相模に加え、雪乃の姉であり姉妹の確執らしいものがある雪ノ下陽乃が関わってきたこともあり運営は破綻しかけるが、八幡の自己犠牲的な貢献によって文化祭は対外的には無事に終わりを迎え、八幡と雪乃の関係も改善された。


文化祭での行動の結果、悪名を背負うことになった八幡だったが、修学旅行先で葉山グループの恋愛問題の解決を求められることになる。難航の末、文化祭と同様に八幡の犠牲的な行動によってとりあえずの解決をみたが、その対処方法を雪乃と結衣は拒絶し、三人の関係は再び変わっていく。


三人がギクシャクしている中、一年生の一色いろはから、生徒会選挙で望まぬ立候補をさせられたので落選したい、という依頼が奉仕部に舞い込む。またしても犠牲的な解決方法を提案する八幡に対し、雪乃と結衣は反発し、それぞれが自ら会長へ立候補することで解決を図ろうとする。それを目の当たりにした八幡は考えを改め、小町からの依頼という名分を得た上で、策略をもっていろはを説得し、依頼の取り下げに成功する。その結果、いろはは生徒会長に就任した。


一件落着したかに見えたが、立候補を取りやめた後から雪乃の態度がおかしくなってしまう。そんな中、生徒会長となったいろはから、海浜総合高校との合同クリスマスイベントの手伝いを依頼される。雪乃が内心、生徒会長になりたかったのではないか?と考えた八幡は、雪乃を生徒会から遠ざけるため、個人として依頼を受けることにした。


海浜総合高校側と総武高校側の双方に問題があり、イベントの企画は迷走していくが、八幡は自分のやり方に自信が持てなくなっており、対策が打てずにいた。雪乃の問題とイベントの問題が重なり途方に暮れる八幡だったが、静の助言を受け自分を見つめ直すことで問題の整理に成功する。そして、本心をさらけ出すことで三人の関係を修復し、雪乃と結衣の協力によりイベントも無事に終えることができた。


10巻 - 11巻

年を越え、一月。3年生進級時の文理選択の進路希望調査が実施された。選択に迷う葉山グループの面々に対し、葉山はなぜか頑なに自分の進路を話そうとしない。3年生でも葉山と同じクラスになりたい三浦優美子は、奉仕部に葉山の進路を調べるよう依頼する。材木座と戸塚の協力を得た八幡は、マラソン大会を利用して葉山の進路を聞き出すことに成功し、依頼を達成する。お互いを意識しつつもかつてのように活動できるようになった奉仕部に満足する八幡だったが、葉山と陽乃からそれぞれ思わせぶりな指摘を受けることになる。


二月になり、バレンタインの依頼を三浦たちから受けた奉仕部は、八幡の提案による生徒会主催の手作りチョコ試食会に協力する。名目が試食とはいえ、目当ての相手に手作りチョコを食べて貰えることに喜ぶ面々だったが、結衣は八幡と雪乃が互いに意識しているかのような様子を見て表情を曇らせる。そんな中、陽乃から現状に対する指摘を受けて三人は戸惑いを見せる。

高校入学試験の前日、母親から雪乃と同居するよう指示を受けた陽乃が三人の前に現われる。姉に逆らった雪乃は帰る場所を無くしてしまうが、結衣の提案で彼女の家に泊めてもらう。その経緯の中で、八幡のアドバイス通りに行動する雪乃に、結衣と八幡は何かを感じる。

次の日、結衣の提案で出掛けることになった三人は水族館で過ごした後、雪乃と結衣の本心を聞いた八幡は、これを「欺瞞だ」と拒否する。そして、彼女なりの決意をした雪乃の依頼を受けることになる。

登場人物

担当声優はドラマCD版、アニメ版同様のもの。

総武高校

千葉市立の(架空の)高等学校。 千葉県の稲毛高等学校をモデル

奉仕部

本校生徒らの自己改革を促し、悩みを解決する手助けを行う言わば相談所的な部活動。平塚静が顧問を務めており、当初の部員は部長である雪ノ下雪乃だけであったが、後に静の紹介及び最初に来た依頼がきっかけで比企谷八幡と由比ヶ浜結衣の二人が入部して現在の部員は三人となっている。また、依頼が来る回数はあまり多くなく、普段は自由に過ごしていることが多いが、それでも静に必要だと判断された者が導かれて依頼に来ることがあり、時にはその部活動の話を聞いたり、結衣の紹介で来る者もいる。

声 - 江口拓也
8月8日生まれ。A型。座右の銘は「押してだめなら諦めろ」。
本作の主人公。総武高校2年F組に所属している男子生徒。作品全体を通しての語り手でもある。雪乃からは「比企谷君」、結衣からは「ヒッキー」(他人に紹介する際は「比企谷君」)、彩加からは「八幡」、優美子からは「ヒキオ」、葉山達からは「ヒキタニ君」(葉山だけは後に「比企谷」)と呼ばれている。
幼少時からずっと友達ができず、周囲からは存在を軽んじられたり、上っ面だけの優しさに裏切られたりしたなどの経験から幾多のトラウマを抱えており、他人からの好意を信じることができなくなったために優しくされても罰ゲームなどで必ず何か裏があると見ており、特に女子に対して強い警戒心と猜疑心を抱いている中学時代に好きになった女子に告白して振られ、その女子がこのことを翌日にクラス中に広めたことで笑い者にされて大恥をかかされたというトラウマが起因している。8巻から登場するその張本人である「折本かおり」については当該項目も参照のこと。。また、「誰にも愛されず、人間の醜い部分ばかりを見せつけられてきた」という修羅場を長年潜り抜けてきたことから来る経験とそこから来る猜疑心の強さから洞察力は確かなようで、表面的な現象や世俗的な正義のみにとらわれることなく、作中の登場人物の内面や行動の思惑、そのような結果などを良く察知しており、現在では友達を作ることを諦めて「ぼっち」であることを誇りにさえしている。
静には「純粋すぎる」と評され、裏切られ続けた故に建前と同情による交友関係を嫌っており、それで成り立っている関係や行動には否定的であるが、逆に言えばそうしたものがない純粋な友情を尊んでいる。また、自分自身の他人に対する期待や評価が外れていると例え対象の人物が不誠実で自分が不利益を被っても「自分のイメージの押しつけであり自業自得」と割り切って自己嫌悪するなどの内罰的なところがある。また、前述のトラウマ等により、自分が他人から良いように思われていないと認識しているためか他人の自分自身に対する感情には疎く、結衣の好意や雪乃等の異性から意識されていることに気付いていない葉山から指摘されたり、張り詰めた空気を感じたりはしているものの、それが何なのかは理解していない。
雪乃とはまた違った意味で切れ者であるために陽乃に"理性の化け物"と言わしめ、静からは"人の性格的特性とその行動の動機を見抜く能力は高い"と評価されており、それ故にその能力に関しては雪乃や葉山からも一目置かれている。
学校では他人と会話をすることが滅多になく、クラスメイトから名前を正しく呼んでもらえないことが少ないことに関しても全く意に介していない。ルックス自体は悪くはないらしいが、静をはじめとする他の登場人物達からは「目が腐っている登場人物の中で唯一、目のデザインが違う。」や「根性が腐っている」などと言われており、静からは高二病中二病の発展形で主に中二病を否定する言動や考えのことを言う。しかし自分は周りとは違うという自己アピールの観点では中二病と同じである。と評されている程で、中学時代には実際に中二病だったと自覚している。
現実の世界で良しとされる正義や人情、友情といった類を全否定し、これまで生きた中で(存在すらも)認めてもらえなかったことから「ぼっちの自分が周囲にとって無価値なものである」との認識を持っており、ヒールに徹するなどの自己犠牲を厭わない一方で、自分自身の社会的立場の向上に対する執着を全く持っておらず、むしろ周囲からの好意を一切無碍にし、なおかつ人の悪性しか信じない姿勢も相まって雪乃らからは苦々しく思われており、評価も芳しくないために正反対の価値観を持つ葉山とは衝突することもしばしばある。
結衣が自分が助けた犬の飼い主と知った際はその引け目や同情で優しく接してくれていると感じて関係のリセットを試みるが、それでも踏み込んでくる結衣なりの考えを悟ってからはそういった行動を取ることは少なくなる。彼女から好意を抱かれていることに気付いてはいないものの、接触した際に赤面したり、彼女がフリーペーパーの表紙候補にされた際に男子生徒の目に晒されることを想像して不快感を匂わす等の意識しているような描写も見られる。また、彼女の人物像を表現する際は「アホの子」と酷評する一方で、「優しい子」や「素敵な女の子」等と評している辺りでは外見のみならず内面においても魅力的な女性だと感じている様子が伺える戸部が発言した彼女の競争率が高いことも素直に納得している。
雪乃に対しては自身と同じような境遇である彼女にシンパシーを感じており、同じような境遇でも自分自身を貫くことが出来る強さを持ち続けている彼女に対して、尊敬の念を持っているが、強い人間であるはずの雪乃が弱さを見せることに幻滅してしまう自分に嫌悪感を持っている。また、クリスマスパーティーの件以降は彼女と視線が合ったり、距離が近くなった際に動揺する等意識するようになった描写がある。
読書が好きで、比企谷家のリビングの蔵書数は結衣が引く程であるが、その知識量もあって学校では文系科目の成績は優秀。特に国語は学年3位となったり、その国語の素養力の高さは雪乃と対等に渡り合える程である一方で、理系科目はかなり苦手であるために数学では学年最下位の9点を取っている。
それなりの大学に進学し、優秀な女性と結婚して働かない、専業主夫として養ってもらうことを将来の夢としており、またMAXコーヒーを好んで飲み、学校から帰ればチバテレビでアニメの再放送を視聴して千葉県横断ウルトラクイズが出来る程の重めな千葉愛にも溢れているが、休日にはプリキュアを視聴して泣いている(小町談)。また、小町と戸塚に対してはかなり甘い面もある。
最初は友人作りや恋愛に真剣に取り組むなどの積極的かつ真っ直ぐな考えを持っていたが、前述にあったいくつものトラウマにより現在の性格へと変わるに至ってしまう。
その後、高校入学の当日に通りすがりの結衣が散歩させていた犬(=サブレ)が車(後にその車には雪乃が乗っていたことが判明する)に轢かれそうになったのを身を挺して助けたために自分が轢かれてしまい、結果として三週間も入院する羽目になる。高校に入学し、二年生へと進級。
そこで「青春とは嘘であり、悪である」と題したこれらを極端に具現化した内容の作文を作成したが、その作文を見た静からは将来を心配された上で猛批判されてしまい、「あの舐め腐った作文の懲罰」という名目で奉仕部に強制的に入部させられて生徒やその関係者からの依頼を当たっていくこととなる。その後は修学旅行において強引な方法で依頼を解決したために雪乃や結衣から自身の考えを否定される形で拒絶されてしまい、結果として部活動自体に亀裂が生じてしまうが、最終的には静に諭されたことや小町から励まされたことをきっかけに自分なりの答えを見つけ出して二人の前で、「本物」が欲しいと打ち明けたことで和解し、同時に信念を貫きつつもそれ以外の方法で解決するということも考えるようになる。
声 - 早見沙織
1月3日生まれ。B型。座右の銘は「目には目を、歯には歯を」。
本作のメインヒロイン。総武高校2年J組に所属している女子生徒で奉仕部の部長。八幡からは「雪ノ下」、結衣からは「ゆきのん」(出会った当初は「雪ノ下さん」と呼ばれていた)、小町からは「雪乃さん」、陽乃からは「雪乃ちゃん」と呼ばれている。
流れるような長い黒髪と大人びた顔立ちの美少女で、白いラインが入った黒のニーソックスを履いている。
普通科よりも偏差値が2か3程は高い国際教養科であるJ組に所属しており、学力テストでは常に学年1位をキープし続け、また八幡が「ユキペディア」と揶揄する(八幡自身は「ヒキペディア」)程の豊富な知識を持つなどの頭脳明晰さに加え、運動でも楽器の演奏でも大抵のことは3日でそれなりに修得できるという「完璧超人

」振りは、八幡も素直に高い評価をしている。反面、その高い能力が仇となって継続して何かに取り組むといった経験に乏しく、その影響で高い身体能力の割に持久力は極端に低い。極度の方向音痴でもある。また、結衣や陽乃に比べて胸が小さく、それを気にしている本人は気にしていないと振る舞っているものの、指摘されると饒舌になるために周りにはバレている。

他人に妥協せずに我が道を貫く行動方針を幼少期から貫いていたために、ただでさえ周囲の人間から疎まれがちだった上に、その美貌と完璧さから小学校高学年以降は多くの男子生徒に好意を寄せられ続けていることもあって、女子生徒からは常に嫉妬の対象となっていた。その結果、上履きを隠されるなどの嫌がらせを受け続け、友達と呼べる存在が誰もいなかったという悲惨な過去を持っている。
勝負事となると極度の負けず嫌いの一面を見せ、歯に衣を着せぬ物言いで建前を嫌い、その明晰な頭脳を活かして合理的と客観的な観点で物事を捉えて相手の詭弁や言い訳を論破することも度々あり、そこに憧れた結衣と後に友達となる。
八幡に対しては、当初はひときわ辛辣な言葉を浴びせて反発するのが常であったが、奉仕部の活動を通して交流するうちに八幡を奉仕部で共闘する仲間と認めるようになり、そのうえ異性としても認識するようになる。それからは、八幡がヒールとなって強引な解決方法を取ることを良しとしない様子を見せている。八幡とは行動理念の食い違うことが多々あって衝突することもあるが、クリスマスパーティーの件以降は以前よりも暴言の回数が減って内容も穏やかになり、更には彼を意識するような描写がある。
アドリブに弱く、予想外な対応をされると照れて口数多く捲し立てる癖がある。また、整然とした理論や言葉は即座に切り捨てるが、感情的な言葉や仕草には弱いという一面もある。
部活動中の空き時間には本を読んでいることが多く、特に東京ディスティニーランドの人気キャラクターでもある「パンダのパンさん」を幼少の頃に原書を読んで以来はマニアとも呼べる域に達している程のファン。猫が大好きだが、人前では中々それを素直に出せない。逆に犬は大の苦手。休日には映画鑑賞などをして過ごしている。
父親は県議会議員かつ建設会社の社長であるために実家はかなり裕福で、現在は高級マンションで1人暮らしをしている(また、高校入学初日に八幡を撥ねた車は雪ノ下家のもので、事故の時に彼女自身も同乗していた少なくとも3巻の時点で事故の相手が八幡であったと認識している。ことが判明している)。
自身と同等以上のスペックを持つ姉の陽乃に対しては、その存在を認めて憧れつつも反目し、母親に対しては確執があることを思わせており、また葉山とは幼馴染でありながらも過去に何かあったらしく、現在は奉仕部の活動を除いて交流はない。
現在の学校生活においてはその存在感と能力の高さに憧れてシンパとなっているクラスメイトまでも存在し、少なくとも過去と比較するとクラス内で孤立や迫害を受けている様子は無く、むしろ修学旅行時においてもそれらのシンパとなっているクラスメイトと共にグループ行動をしていた。
前述の経験から人の嫉妬などの醜い部分を深く知ったことでそれを含めて世界を変えるために奉仕部に入部し、部長として活動するようになる。
その後、修学旅行では強引な方法で依頼を解決した八幡のことを否定し、一時は部活動自体に亀裂が生じるが、最終的には八幡の答えを聞いたことや結衣に諭されたことをきっかけに和解し、同時に性格も穏やかになるなど、徐々に変わり始めて行く。
声 - 東山奈央
6月18日生まれ。O型。座右の銘は「命短し恋せよ乙女」。
本作のもう一人のメインヒロイン。総武高校2年F組に所属している女子生徒で八幡のクラスメイト。八幡からは「由比ヶ浜」、雪乃からは「由比ヶ浜さん」、小町からは「結衣さん」、陽乃からは「ガハマちゃん」、葉山達からは「結衣」、相模からは「結衣ちゃん」と呼ばれている。
緩くウェーブのかかった肩までの明るい茶髪に短いスカートや胸元のボタンを3つ程外したブラウスにクロスストラップタイプのキャミソールといったいかにも今風なギャルという外見をしており、雪乃とは対照的に童顔で、身長は少し低いが胸は大きい。派手な外見とギャル風な言葉遣い八幡からは当初リア充(=敵)と認定され、その容姿から「ビッチ」と呼ばれていた。に反して男女交際の経験は無く、性格にもキツさが無いために寧ろ空気を読んで周囲に合わせるそのためか、巻が進むにつれて言葉遣いもギャル風な感じが抜けてきている。ことを信条としており、また、自分が悪いことをしたと気づけばちゃんと謝ることが出来るなどの素直さや険悪な状態であったり、距離を置いている状態であっても相手のことを思いやれる優しさを持っている。
「やっはろー!」という独特の挨拶を使ったり、親しくなった人間にあだ名を付けたがる(逆にそれほど親しくない人間に対しては女子なら「さん」、男子なら「君」をそれぞれ付けて呼ぶ)が、ネーミングセンスは無く、以前は自分のあだ名を「ゆいゆい」と決めた時も全員から引かれて自分でも恥ずかしがっていた。
相手をフォローするつもりの発言が常に地雷を踏む言葉となる才能の持ち主。反面、文化祭においてクラスに割り当てられた予算を管理したりと金銭関係には細かい一面もある。
クラスでは葉山や優美子を中心としたクラス内カースト最上位のグループに所属しており、そこで友人関係が壊れないように他人の顔色を伺う八方美人的なところがあって自分でもそれを悪癖として自覚している。それでも奉仕部の面々との関係をどんどん密にする中においてもそれ以外のクラスメイトや友人との関係もそれまでと同様に続ける器用さがある。
学校の成績は悪く、八幡と同様に数学が苦手であり、八幡からは「アホの子」と言われている。また、勉強に時間を割くのは意味がないと考えていたが、八幡と同じ大学に行きたいと思うようになってからは勉強をしようという姿勢を見せる(続いているかどうかは不明)。料理の腕は壊滅的で、クッキーを作ろうとしても「ジョイフル本田で売ってる木炭みたいなもの」八幡曰く「不器用な上に大雑把で無駄に独創的」や「味、というか刺激といったほうがいい」とのことである。になってしまうが、奉仕部に関わってからは料理に興味が湧いたようで、趣味は料理(料理鑑賞)などとも語っていたりするが、一向に上達した気配はない。
知性的な能力は雪乃と八幡に及ばないものの、いわゆる"クラスそして学年の人気者"タイプであるために雰囲気を読んで誰とでも打ち解けるコミュニケーション能力や友達の多い境遇からその面での経験値は高いものがあり、この能力と経験は八幡と雪乃には無いためにその能力を奉仕部で活かす機会も多い。
学校へはバス通学をしており、家は駅アニメ版の描写からモデルは京葉線稲毛海岸駅。から歩いて数分のマンション群の一角にあるごく普通の一般家庭で両親と共に暮らしているが、幼少期は団地育ちである。
かつて愛犬を八幡に助けてもらった事故の後で、八幡の入院中にお菓子を持って八幡の自宅に見舞いに来たことがあり、その時に会っていた小町には「お菓子の人」と記憶されていた八幡自身は助けた犬の飼い主が女の子であることは認識していたが、顔などは覚えていなかった。
八幡に好意を抱いているようだが、なかなか正直にそれを示すことが出来ずにいる。故に八幡が他の女性に迫られているのを目撃すると激しく嫉妬する陽乃が迫った時やめぐりが近付いた時等。。また、雪乃とは対照的に猫が苦手である。
奉仕部に依頼に訪れた際に自分とは正反対のタイプの雪乃の姿に感銘を受けたことから奉仕部に出入りするようになり、後に部員となる。その後は様々な経験を通じて成長し、葉山達にもそれなりに自己主張が出来るようになる。その後、修学旅行では八幡の考えを否定し、一時は険悪な関係になってしまうが、最終的には八幡の答えを聞くと同時に雪乃を諭して和解する。
声 - 柚木涼香
誕生日は非公開。A型。座右の銘は「真ん中から打ち砕く!!俺の自慢の、拳でぇぇッ!!」。
総武高校の国語教師で、生活指導と奉仕部の顧問を担当している。生徒達のことは基本的に名字の呼び捨てで呼ぶが、かつての教え子である陽乃のことは下の名前で呼び捨てにしている。また、陽乃からは「静ちゃん」と呼ばれている。
黒髪ロングに巨乳とそれなりの格好をすれば周囲から注目を集める程の美人であるが、反面、ヘビースモーカーかつどこかおっさん臭いところがあり、加えて八幡とのメールのやりとりにも見られるような相手との距離感の詰め方のせいもあってか、かなり強い結婚願望に反して男っ気が全くない。年齢は明かされていないが、本人は「私はまだ立派なアラサーだ」と語っている。愛車はアストンマーティン・ヴァンテージ(アニメ絵による)千葉村に向かう際はレンタルしたワゴン車を運転していたために八幡からはそのワゴン車が自身の愛車だと勘違いされていた。。学校内ではスーツの上に白衣を着用している。
社会に適応できないと思われる生徒を奉仕部に強制入部させており、またそういった生徒達は見ていて面白いとも評しているが、奉仕部の活動については競争させるなどの方針は決めていながらも具体的な行動についての強制はしておらず、基本的に生徒自身に任せている。
教師社会においては若輩であるために地域の奉仕活動の監督(小学校の林間学校のサポート)や文化祭、体育祭の顧問などの仕事を押し付けられることが多く、それらの仕事を奉仕部が受けるように仕向けることで奉仕部の活動を促進している。
熱い少年マンガやアニメをこよなく愛しており、会話でも頻繁にそのネタが登場するだけでなく、実際に「拳で語る」こともしばしばあるが、八幡に対してはどこか教師と生徒という立場や歳の差を越えた感情を抱いている節があって、何かと気にかけたり作品中盤以降は、八幡に色んな場面で度々助言を行っている。、他の生徒には話せないようなことを話してくれたりもする。八幡も鉄拳制裁などを受けつつも悪印象は抱いておらず、10年早く生まれていて10年早く出会っていたら心底惚れてたんじゃないかとも思わせている。
学生時代千葉周辺のラーメン屋はだいたい制覇しているが、トマト麺だけは苦手である。

八幡の関係者

声 - 小松未可子
5月9日生まれ。A型。座右の銘は、清沢哲夫の詩「道」の全文正確には、言葉が一部異なる、派生バージョンの方。
総武高校2年F組に所属している男子生徒で八幡のクラスメイトでありテニス部の部員。出席番号は20番。信条は初志貫徹。趣味は手芸で、特技はテニスとジクソーパズル。得意科目は生物と地学。好きな食べ物は野菜(特に根菜系)。結衣からは「さいちゃん」と呼ばれている。八幡のことは出会った当初は「比企谷君」と呼んでいたが、後に彼から不意に一度だけ名前で呼ばれたことをきっかけに、以降は「八幡」と呼び捨てで呼んでいる最初は結衣に倣って「ヒッキー」と呼ぼうとしたが、八幡から拒否された。
性別は男だが、小柄な上に腕も腰も脚も細く肌も抜けるように白く、可愛らしい顔にソプラノの声と外見も立ち居振る舞いも儚げな可愛い美少女にしか見えないためにクラスの一部の女子生徒からは「王子」と呼ばれて人気があるが、男子の友達は少ない。性格は素直で、優しく控えめであり、作中では最もまともな部類に入っている。本人は可愛いと言われることを好まずに男らしい振る舞いに憧れているのだが、それとは裏腹に嗜好は乙女趣味で、結衣が驚嘆する程に可愛らしいアイテムを選ぶセンスに優れている。
学校の部活の他にテニススクールにも通っており、テニスの腕前もそれなりに良い。
八幡とは一年生の時からの同じクラスだったが、初めて会話をしたのは2年生になってからである。また、結衣とは以前から仲が良く、また校内では基本的にジャージを着用している。
テニス部を強くしたいという願いを結衣に相談したことがきっかけで彼女の紹介により奉仕部へ連れて来られる。その後、八幡と選択授業で会話を交わしたことをきっかけに彼に懐いて行動を共にするようになり、教室でも普通に八幡に話しかける数少ないクラスメイトと同時に初めての友達となる。文化祭の一件では周囲の八幡憎しの空気に中立の立場を取らざるを得なかった。後にテニス部の部長に就任する。
声 - 小清水亜美
10月26日生まれ。A型。座右の銘は「顔はやめな、ボディにしな。ボディに」。
2巻から登場した総武高校2年F組に所属している女子生徒で八幡のクラスメイト。姫菜からは「サキサキ」と呼ばれているその際は「サキサキ言うな」と反論している。
細身で、長身に加えて青みがかった長い黒髪を後ろで一つにまとめており、右目に泣きぼくろがある。家族想いな性格ではあるが無愛想で口が悪い為、人を寄せつけない雰囲気を放っているために教室でも大抵は一人でいる。一方、修学旅行の際にはお化け屋敷で怖がる等の年相応の女性らしい一面も見られる。また、裁縫を趣味にしているらしく、身の回りの服飾もリメイクしたり、自作したりしているが、文化祭や体育祭での衣装作りに貢献してからは姫菜と親しくなった描写がある厳密には懐かれた。。一方で、優美子とは折り合いが悪く、睨み合ったり、ガンを飛ばしたりしている原作版では優美子とキャラが被るために折り合いが悪いのではと言及されている。
スカラシップの件以降は夏の予備校の帰りに小町から八幡と結婚するような発言を聞いた際や文化祭の衣装作成のきっかけとなる会話、彼が失踪した相模を探す際に言ったお礼(「愛してるぜ」)テレビアニメ版ではこの相模を探す際に言ったお礼の場面は描かれていない。それどころか文化祭の八幡の一件を知るや、忌々しく睨みつけた後にクラスメイト達の元に行った。等で八幡を意識している様子が伺えるが、肝心の八幡からは何故か名前を「川なんとかさん」とうろ覚えにされており、弟の友人である小町ですら何故か苗字を正確に覚えてもらっていない。また、八幡には朝に自ら挨拶を交わす等の話し掛けるようにはなるが、八幡のことは名前では呼ばずに「あんた」等と呼んでいる。八幡からも好印象を抱かれているが、時々「殴る」や「殺す」等の物騒な発言をされたり、本気で睨まれることがあるために若干怖がられている。また、妹と弟がいてブラコンであり、9巻ではシスコンの気も見せている。
二年生に進学した後は家族のためにバイトを始めて朝方まで家に帰らずに学校にも度々遅刻していたが、後に弟である大志の依頼を受けた奉仕部の面々と八幡の勧めで予備校のスカラシップを取ったことで状況は好転することとなる。
声 - 檜山修之
11月23日生まれ。AB型。座右の銘は「大事なのはイラスト」。
総武高校2年C組に所属している男子生徒。結衣からは「中二」、小町からは「中二さん」と呼ばれている。
眼鏡をかけて常にコートを羽織っており、一見は中年サラリーマンの風貌をしている。中二病全開の「イタさ」があり、自らを足利義輝にちなんで「剣豪将軍」と称しているが、その性格や言動から友達ができず、同じく友達がおらずに体育でペアを組んだことのある八幡のことを相棒と呼んで何かと寄ってくる。
普段の言動から周囲に「馬鹿」と思われがちであるが、文化祭の際に八幡が相模を助けるために悪役を演じた際にはその真意に気付いても敢えて何も問わないという素振りを見せる等、八幡に対して理解力を示す面もあり、それ故に八幡からは本気で拒絶されるような仕打ちまではされていない。また、比企谷兄妹に対して自身とそのゲーセン仲間の使う口癖のような言葉である「ちゃんす」を伝染させつつある。
ライトノベル作家を目指しておりどちらかと言うといわゆる「ワナビ」に近く、八幡に「作家病」とまで言わしめている。、何とか小説を書き上げるもそれを見てくれる友達がいないために静から話を聞いて自身の小説を読んでもらうために奉仕部を訪れる。その後、雪乃から徹底的に酷評された上に結衣からも追い討ちをかけられ、更には八幡に止めを刺されたが、それでもちゃんと評価を示してくれたことに感謝し、めげずに創作に一層勤しむようになる。その後はゲームのシナリオライターへの夢に傾いたりもしたが、稼げないと知って一瞬で諦めた。

葉山グループ

F組のトップカーストグループ。葉山と優美子以外は2巻から登場している。

声 - 近藤隆
9月28日生まれ。B型。座右の銘は「Your time is limited so don't waste it living someone else's life(時間には限りがある。だから、誰かの人生を生きることで浪費すべきではない)」スティーブ・ジョブスの言葉。
総武高校2年F組に所属している男子生徒で八幡のクラスメイト。最初は八幡を「ヒキタニ君」と呼ぶことが多かったが、後に「比企谷(君)」と正確に呼ぶようになっている。
八幡とは逆に義理や人情を重んじる正義感に溢れており、クラス内外問わずに人望の厚く、グループの中心人物として人気も高い。特に、サッカー部のエースかつ次期部長候補(後に部長に就任している)としても活動しており、成績も文系では学年2位と文武両道で典型的な優等生であり、八幡の対極に位置する存在である。また、冷静沈着で、落ち着いた性格であるために優美子と奉仕部との諍いに仲裁役として入ることが多く人当たりも良いために、機会こそ少ないものの八幡に対しても友好的に接するが、当の八幡からは忌々しく思われている。
普段は温厚だが苛烈な一面もあり、大岡に雪乃と付き合っているかと問われた際や折本と仲町が八幡を馬鹿にした際などにその一端を見せているが、特に八幡に対しては「俺は君が思っているほど、いい奴じゃない」と告げたり、八幡のことが嫌いだと言い放ったりするなどのその内面を隠そうとしていない節がある。
父親が雪乃の父親の会社の顧問弁護士であることから雪乃とは幼いころから親交があり、また雪乃とは同じ小学校に通っており、陽乃とも知り合いである。それにもかかわらず、ごく自然に異性を名前で呼ぶ彼が雪乃のことは苗字で呼びながら、陽乃に対しては他者へと同様に名前で呼び、あまつさえタメ口で話すことに、八幡は違和感を覚えている。また、正月にカフェで雪乃とあった際に「雪乃ちゃん」と口走ったが、すぐに「雪ノ下さん」と言い直している。
人の悪性しか信じない八幡とは正反対に人の善性を信じており、「みんな仲良くする」ことを良しとする信条であるために人の好意を明確に拒む八幡とはしばしば衝突する一方で、現状維持に固執するあまりに自分の周囲の関係が壊れて失うことを極端に恐れる負の一面も垣間見られ、八幡が周囲の関係に変化をもたらす要因になり得る存在であることを認識した上で彼に敵意を露わにしているが、逆にこの内面が原因で以前は雪乃がトラブル(仲間外れ、いじめ)に巻き込まれた際に何も出来なかったらしく、彼女に対して負い目を抱いているらしきことも八幡に仄めかしている。
また、その信条故に自らが泥を被って事態を収めようとする八幡のやり方を快く思っていないが、姫菜の件についてはそのやり方を通す(ことを暗に期待し)ように頼んでいる。
クリスマスパーティーの件や自身の進路に関する件以降は、雪乃が変わり始めたのを感じ取っていて、それが八幡を意識するようになったことに起因していると感じている描写があり、さり気なく彼にそのことを仄めかしている。
声 - 井上麻里奈
12月12日生まれ。B型。座右の銘は「パンがないならバターいりのお菓子を食べればいいじゃない」。
総武高校2年F組に所属している女子生徒で八幡のクラスメイト。八幡の名前をあまり覚えておらず、彼のことは「ヒキオ」と呼んでいる。
とにかく目立つ程に派手で、ギャル風な風貌に加えて髪を金髪縦ロール(ゆるふわウェーブ)にしており、長身かつ顔立ちは整っている。「あーし」という一人称が特徴で、口調は傲岸不遜かつ苛烈であるためにクラスの女王的存在八幡曰く「獄炎の女王」。として振る舞い、またかなりプライドが高く、自己中かつわがままだが、葉山と同様に自分達の関係を壊したくないと思うなどの世話焼きかつ友達想いな一面もあり、八幡からは「おかん」と認識されている。雪乃に対抗心を燃やしているようで、結衣からその名前が出た時は露骨に機嫌を悪くしたもっとも、そのことを理由にして結衣を疎んじるといったことはやっておらず、結衣が雪乃と親密にしていることに関しても黙認している。が、葉山の進路に関する件以降は彼女に対する態度も温厚になり、威圧的な言動を取ることも少なくなっている。また、泣けば済むと思っているのが嫌いという割に自身は打たれ弱いらしく、しばしば泣く(泣かされる)ことがあり、結衣からは「結構乙女なところがある」と評されている。
恋愛話には積極的で、自身も葉山に好意を抱いているために葉山を侮辱あるい軽視する発言をした人間に対しては即座に怒りと敵視の感情を露わにする。グループでは姫菜と仲が良く、彼女が暴走した時にはそれを抑えに回る。中学時代は女子テニス部に所属しており、県選抜に選ばれた程の腕前を誇っている。
因みに自身が他人に対して友人と認定する唯一にして最大の基準は「見栄えの良さ」。
声 - ささきのぞみ
7月14日生まれ。AB型。座右の銘は「ホモが嫌いな女子なんていません!」「げんしけん」での大野加奈子の台詞。
総武高校2年F組に所属している女子生徒で八幡のクラスメイト。他の葉山グループと同様に八幡のことを「ヒキタニ君」と呼んでいる。
葉山グループに所属しており、肩まである黒髪に赤いフレームの眼鏡をした図書室が似合いそうな清楚可憐な感じだが、いわゆる腐女子である。戸部らの男性グループ及び八幡を葉山狙いのBLのような関係と妄想八幡のことはヘタレ受けと認識している。しており、一度妄想が始まるとその妄想が極まって興奮して鼻血を噴出し、優美子ですら止めに入る程に暴走する。戸部の想いに気付いてはいるが、自分の置かれている環境に満足しており、八幡(奉仕部)及び葉山にそれを壊さないで欲しいという願いを暗に相談し、現在のような心地よい環境は久しぶりだとも発言している。
修学旅行編では腐女子の顔の裏にほの暗い部分を隠し持っており、八幡の抱えているものを理解して共感している節もあって自らも八幡に対してかなり素の部分を見せている。
声 - 堀井茶渡
総武高校2年F組に所属している男子生徒で八幡のクラスメイトであり葉山と同じくサッカー部に所属している葉山グループの一人。金髪後に八幡は「金髪というより茶髪」と言い直している。に染めた長めの髪を後ろに流してヘアバンドで留めており、ブレザーの下にはパーカーを着込んでいる。「マジ○○だわー」と言ったような若者言葉を駆使し、外見も言動も軽薄そのもので、性根は悪い人間ではないのだが、無神経な言動が多く、八幡を苛立たせるような展開が多いために、良く言えば葉山曰く「見た目は悪そうだがノリの良いムードメーカー、イベントにも積極的に動く良い奴」、悪く言えば雪乃曰く「お調子者」と評されている。また、同じ部活故に葉山とセットで登場することが多く、またマネージャーのいろはからはパシリに使われたりするなどの葉山と比較してひどい扱いをされることが多い。
時々勝手に八幡を会話のネタにしているために当然本人からは「ウザいチャラ男」と思われており、文化祭以降は何も真相を知らなかったとはいえ嫌味交じりで八幡を会話のネタにするようになったことで奉仕部に依頼をしようとした際にもその態度を改めようともしなかった結果として普段交友のある結衣にも嫌悪の目を向けられ、雪乃からも依頼を拒否されて出て行くように言われてしまっている。
同じグループの大和や大岡とは葉山を間に挟んだ「友達の友達」でしかなかったが、職場見学の一件の後はそれなりに仲良くなっている。また、姫菜に好意を寄せており、修学旅行の直前にその件で奉仕部に依頼をしに来るが、そのこともあって八幡からは自身や大和、大岡の三人のうちでは一番話しかけやすい奴と認識されている。
声 - 川原慶久
総武高校2年F組に所属している男子生徒で八幡のクラスメイトでありラグビー部に所属している葉山グループの一人。大柄で、体格も良い。また、葉山曰く「冷静で人の話をよく聞く。マイペースで人を安心させる、寡黙で慎重な性格の良い奴」、雪乃曰く「反応が鈍い上に優柔不断」と評されている。最初は戸部や大岡との仲は葉山を挟んだ「友達の友達」でしかなかったためにあまり良いとは言えなかったが、職場見学の一件の後は戸部や大岡と三人でつるむようになる。
声 - 白石稔
総武高校2年F組に所属している男子生徒で八幡のクラスメイトであり野球部に所属している葉山グループの一人。小柄で、猿っぽい顔立ちをしており、制服の袖は常に捲っている。また、葉山曰く「人懐こく、何時も誰かの味方をしてくれる気の良い性格。上下関係に気を配って礼儀正しい良い奴」、雪乃曰く「人の顔色を窺う風見鶏」と評されており、また八幡には童貞であると見抜かれている。最初は戸部や大和との仲は良くなかったが、職場見学の一件の後は戸部や大和と三人でつるむようになる。

相模グループ

5巻から登場したクラス内では葉山グループに次ぐ位置にいるカースト。一年時は結衣もこのグループに所属しており、それ故に彼女とはカーストが違う現在でも普通に接している。

相模 南(さがみ みなみ)
声 - 寿美菜子
総武高校2年F組に所属している女子生徒で八幡のクラスメイト。6月26日生まれである。
クラスの2番手あたりのグループに属している。クラス女子内でトップに君臨する優美子に対抗意識を抱いているが、特に表立って対立することはない。だが、八幡だけは明確に見下している(グループの仲間も同様)。
葉山の頼みで文化祭でクラスの女子の実行委員になり、更には葉山に良い顔をしたいという欲望から実行委員長に立候補し、その上で奉仕部にその手伝いを依頼するが、陽乃の誘導と本人の自覚の無さが原因で準備から本番まで色々と問題行動(最たるものは仲間とつるんで委員会をほったらかし、雪乃に決済を丸投げしたこと)を起こして自滅し、その際に八幡によるえげつない解決方法の餌食に遭いながらもそれによって周囲から孤立せずに済むこととなる(また、それがクラス全体の雰囲気を沈める原因になり、クラス一丸での八幡への敵対心増大に繋がった。それを葉山が辛うじて止めている状態)。その後、6.5巻アニメDVD/BDの特典(6.25巻、6.50巻、6.75巻の再構成版)にてめぐりからの依頼及び本人の復活も兼ねて体育祭の実行委員長に就任し、最初は文化祭時の行動が仇になるも八幡や雪乃への逆恨みともいえる怒り本心では反省した所を八幡に評価してほしいような口ぶりである。がきっかけとなって復活したことで明るい元の性分を取り戻す。
ゆっこ
声 - 桜川めぐ
文化祭実行委員で、女子バスケットボール部に所属している。八幡達とは別のクラスの女子生徒。文化祭では相模と共に委員会を半ばサボっていた。文化祭のフィナーレの際に八幡が相模に放った言動から、彼に凄まじい敵意を抱く。しかし、体育祭での運営会議では相模と衝突する立場に回る。
遥(はるか)
声 - 井上美樹
文化祭実行委員で、女子バスケットボール部に所属している。八幡達とは別のクラスの女子生徒。ゆっこと同様に文化祭では相模と共に委員会を半ばサボっていた。文化祭のフィナーレの際に八幡の言動から、彼に敵意を抱く。体育祭の運営会議では相模と衝突する立場に回る。

生徒会

城廻 めぐり(しろめぐり めぐり)
声 - 浅倉杏美
6巻から登場した生徒会長。1月21日生まれ。雪ノ下陽乃の後輩にあたり、彼女のことを「はるさん」と呼び、陽乃か