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イブの息子たち/青池保子

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著者: 青池保子
巻数: 3巻

青池保子の新刊
イブの息子たちの新刊

最新刊『イブの息子たち 第3巻


出版社: 白泉社
シリーズ: 白泉社文庫


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

nagakubo_info RT @suwamugtea: 本屋なう。新刊コーナーが「カルラ舞う」「イブの息子たち」「生徒諸君!」てどういうことなの…。新装版は分かるけどさ…。のきなみ80年代じゃない…
tl_nuyafu2153 本屋寄ったら久々に漫画買い込んじゃった_| ̄|○イブの息子たち新装版でてたら買うよね!

イブの息子たちの既刊

名前発売年月
イブの息子たち 第1巻 1995-09
イブの息子たち 第2巻 1995-09
イブの息子たち 第3巻 1995-09

イブの息子たち』(いぶのむすこたち)は、青池保子による日本の漫画作品。1975年から1979年まで『月刊プリンセス』(秋田書店)連載された。単行本全7巻が秋田書店から、文庫版全3巻が白泉社から発売された。

概要

『月刊プリンセス』(秋田書店)1976年1月号から1979年8月号に不定期連載され、全6部と番外編4編から成る作品。

本作は青池保子の出世作であると共に、多彩な歴史上のキャラクター(モーゼ、コロンブス、マルコポーロ、ロビンフッド、エジソン、北条政子、マリーアントワネット、楊貴妃、トロイのヘレン、クレオパトラ、エリザベス一世、マクベス夫人、サロメ他、アルプスの老女ハイジ、旗本退屈どてら男等)とそれらに関する作者の博識さ(カラヤンの指揮で、ナチスのSSに「♪森へ行こうよ」と合唱させたりする)、ギャグセンス、それらを生かした物語の緻密な構成力等も見せ、後の「エロイカより愛をこめて」で花開く青池の本格的ストーリー漫画における才能の片鱗をうかがわせる作品となっている。

番外編として「エロイカより愛をこめて」とクロスオーバーしている「グッド・カンパニー」「プリズナー69」、秋田書店がメディアミックスに大きな役割を果たしていた「宇宙戦艦ヤマト」を徹底的にパロディ化した「宇宙帆船ムサシ」なども描かれている。

なお、連載終了時、欄外には「次の部をお楽しみに」など、中断であるかの記載があったが、作者によれば、冗談で出すべきではないヒトラーを出してしまったことで罪悪感を禁じえず、終わりにしたとのことである。

あらすじ

ヒース、ジャスティン、バージルの英国青年3人組は、ある日、天使ドジエルから、自分たちが「ヴァン・ローゼ族」である事を告げられる。ヴァン・ローゼ族とは、ドジエルがイブの肋骨から作ってしまった男性だけの一族で、彼らの多くは古今東西の歴史上の人物であり、選ばれた者が一時的に性転換して女性となり、子供をもうけてその血を長らえていた(そのため、彼らは同性愛者である。但し「選ばれた者が一時的に性転換」の設定が登場するのは第1部のみで、第2部以降は単なる同性愛者集団化している。)。そして3人組は彼らの住む異空間に毎回無理矢理召喚されては、ヴァン・ローゼ族と彼らと敵対する女たちとの騒動に巻き込まれて行く。

登場人物

主要人物

バージル・ワード
詩人。見つめるだけで相手(美青年)を虜にする「ゴリラ落とし」の持ち主。3人組の中では一番同性愛嗜好を強く打ち出しており、その気のないジャスティンに迫っては逃げられまくっている。黒髪の美形を好む。マッシュルームヘアを「キノコ頭」と揶揄される事が多い。
ジャスティン・レイ
人気ロック歌手。登場人物の中では唯一のノンケだがそれ故に事ある毎にバージルに迫られ、ひ弱でいじめられっ子気質なところから、ヴァン・ローゼ族の変態系キャラクターに追い回される役回りとなる。連載中は「白痴美」(現在は「幼稚美」)と揶揄されていた。番外編「グッド・カンパニー」では東西のスパイ騒動に巻き込まれ、女装して近づいてきた部下G(「エロイカより愛をこめて」のエーベルバッハ少佐の部下)に惚れてその唇を奪い、Gのゲイ嗜好に火を点ける遠因となる。
1970年代に活躍したプログレッシブ・ロックバンド「ムーディー・ブルース」の美形メンバー、ジャスティン・ヘイワードがモデルという説がある。
ヒース・イアソン
演奏の度にピアノを破壊する、長髪の肉体派ピアニスト。体力勝負の肉弾戦でここぞとばかりに活躍する熱い男。基本的に優しい性格で、同じゲイのバージルよりは寛容にジャスティンに接しているので、バージルから逃げるジャスティンの保護者役になる事もしばしば。長面でしばしば「馬面」と揶揄され、動物系キャラクターに好かれる傾向にある。特に白鳥に変身するニジンスキーには、シリーズ終盤まで時空を越えてつきまとわれた。
1970年代に活躍したプログレッシブ・ロックバンド「エマーソン・レイク・アンド・パーマー」のメンバー、キース・エマーソンがモデルであると言われている。

ヴァン・ローゼ族、およびその他の主な登場人物

天使ドジエル
天地創造の際に神様の助手をしていて、誤ってイブの肋骨から男を作ってしまう。この「イブの息子」がヴァン・ローゼ族の起源である。ヴァン・ローゼとはロゼワインのことで、赤と白の中間、すなわち男と女の中間の人類とされている。
アレキサンダー大王
ヴァン・ローゼ族の住む「アトランティス大陸」の支配者。欲望むき出しでジャスティンに迫り、「変態大王」と呼ばれる。いつも通訳のモーゼを従えている。
パリス
「アトランティス大陸」と敵対する、女ばかりが住む「ムー大陸」における唯一の男性。最初、ジャスティンを女と思い込んで迫るが、その後バージルにその道に目覚めさせられ、最後は天使ドジエルとカップルになる。
ベアトリーチェ
「ムー大陸」に住む可憐な少女。ジャスティンと互いに思いを寄せ合う。シリーズを通しての全女性キャラ中、唯一の「普通の」女の子(「イブ」の世界では基本的に「女はみんなバケモノ」である)。
ニジンスキー
眉間に皺を寄せた表情で登場する、苦悩するバレエダンサー。月を見ると白鳥に変身するという能力を持つ。ヒースに惚れ込み(本物のヴァーツラフ・ニジンスキーは生まれ変わったら馬になりたいと言っていたという)、「ヒース、私を見て…」と言いつつ登場するのがシリーズのお約束となった。
ヤマトタケル
「エデンの西」に住む、長い黒髪の美青年。宿敵はジャンヌ・ダルク。バージルに思いを寄せるが、ストイックで誇り高い性格である。
アポロ
地中王国の太陽神。ユニコーンのカウンタックと共に、ヒースの熱情に動かされる。
無名の端役
地獄の住人で、レオナルド・ダ・ヴィンチの秘書兼ヘンリー八世の六人の妻の一人。バージルに思いを寄せられる。モデルはチェーザレ・ボルジアだが、最後まで呼称を「無名の端役」で通している。
ヒットラーおじさん
ゲッベルスの指示に従い、大衆に受けることに苦労を重ねるソドムの住民。ジャスティンに惚れ込み、目的の為にはSSを出動させる黒い面も。
高杉晋作
ソドムの住民で、ヒットラーおじさんの警護役ながら、常識人。

関連作品

  • エロイカより愛をこめて