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イレブンソウル/戸土野正内郎

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著者: 戸土野正内郎
巻数: 12巻

戸土野正内郎の新刊
イレブンソウルの新刊

最新刊『イレブンソウル 12



twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

ebkmania イレブンソウル 14 (コミックブレイド) 戸土野正内郎 http://t.co/a3BWqM4Flq #戸土野正内郎 14
gemagayurusoku [natalie] 戸土野正内郎「イレブンソウル」が最終回、完結15巻は6月: 本日3月30日に発売された月刊コミックブレイド5月号(マッグガーデン)にて、戸土野正内郎「イレブンソウル」が最終回を迎えた。 http://t.co/5fVywXJeIl #manga #anime
Manga_Topics 戸土野正内郎「イレブンソウル」が最終回、完結15巻は6月 http://t.co/mbrXie7djm #manga
comic_natalie 戸土野正内郎「イレブンソウル」が最終回、完結15巻は6月 http://t.co/LZkeBwku8T
the4reviewer RT @the4_ch: ♥3/30発売♥月刊 COMIC BLADE (コミックブレイド) 2013年 05月号:センターカラー『ソニコミ』仏さんじょ、センターカラー最終回『イレブンソウル』戸土野正内郎 http://t.co/o33YOfWGKl #sonico

イレブンソウルの既刊

名前発売年月
イレブンソウル 8 2010-06
イレブンソウル 9 2011-01
イレブンソウル 10 2011-05
イレブンソウル 11 2011-10
イレブンソウル 12 2012-03

イレブンソウル』 (ELEVEN SOUL) は、戸土野正内郎による日本の漫画作品。『月刊コミックブレイド』(マッグガーデン)にて、2006年1月号から連載中。2008年10月号で第1部が終了し、第2部が『月刊コミックブレイド』2010年1月号から再開された。タイトルのELEVEN SOULは、そのまま漢字に訳すと「十一魂」、さらに十一を縦につなぎ合わせて「士魂」となる。つまり、日本語に訳すると「志ある者」という意味になる。ちなみに作者は「志」のつもりでつけたと書いている。

単行本は2010年8月現在、8巻まで発行されている。

ストーリー

21世紀中盤、人類の文明世界は大きな試練を迎えた。

発達した遺伝子技術は世界中で巨大な市場と莫大な利益を生み、研究が加速。やがて自らの欠点を他の遺伝子を取り込む事で補完する発展型成長遺伝子が発見され、人類は遂に「不老不死」の夢に肉薄した。しかし、研究機関がこの遺伝子の実験サンプルをバイオハザードした事で事態は急変。自然界から無制限に遺伝子を取り込み、人類の予想を遥かに超えて進化した「彼ら」は人類世界を侵略し始める。

「シャヘル」と名付けられた彼らは人類の武力を次々に撃破し、僅か2年で南北アメリカ大陸を制圧。文明誕生より1万年…。人類は初めて自らより強力な「種」と対峙していた。

―アメリカ合衆国が世界地図から消えたその年…―

日本政府は対シャヘルの為の特殊装備を有する日本「軍」を再編。ほぼ1世紀ぶりに海外派兵を前提とした兵力を保有する事となった。その要となったのが強化手術によって諸神経の高速化を図った兵士を、外骨格兵装に搭乗させる機甲歩兵部隊…通称「侍」部隊である。

侍を育成、運用する首相直属の統括局は「侍所」と呼ばれ、僅か数年で世界一級の兵士達を輩出。侍は各国のベースキャンプに派遣され、対シャヘルの戦闘において目覚しい戦果を上げた。

同時期。シャヘルに対抗すべく新生国際連合は太平洋上と大西洋上に人工島を築き、シャヘルの南北アメリカ大陸からの流出を封じる事に成功。しかしアメリカ大陸奪還は失敗し、多大な犠牲を払う事となった。

人類とシャヘルは大海を挟んで睨み合い、侵略と防衛を繰り返す長期戦に突入…。世界各国は莫大な資金を投じて軍備を強化し始める。

最早「暴力」を除いて、事態の解決を図れるものはなくなっていた…。

キャラクター

主要人物

塚原武道(つかはら たけみち)
本作の主人公。16歳。階級は一等侍士。一番隊前衛組・コールサインはR17。
天体観測が趣味の夢見がちな少年。愛称は「たけちー」。
全くの素人でありながら、何故か養成校も出ずいきなりエリート部隊である機甲歩兵大隊特殊実験部隊に配属される。入隊前の能力評価はE。
体力は並みの高校生以下であり、当初は訓練に全くついていく事ができなかったが、すぐに異常とも思えるほどの(あたかも個体レベルで進化するシャヘルのような)成長を見せ、数か月で他の隊員と遜色ないほどにまでになる。
特技は剣道。その腕前は段持ちで、「侍」最強の伊藤と相討ちに成る程の能力を持っている。また、宇宙開発事業への近道である情報部を目指しているため、理系科目なら一流大学を目指せるほどの学力がある。
入隊前に何らかの施設(軍病院とされている)に3年以上いた、入隊前に高レベルの強化手術を済ませている、など、過去には謎の部分が多く、その存在は「K計画」に関わる可能性があるとされている。
第三世代外骨格の生産プラントを占拠したシャヘル(ミスラ)との戦いを経て、北米に派兵された際、孤立した九十九を助けるために独断で追跡、救出の時間を稼ぐため、たった一人で押し寄せるシャヘルに立ち向かい、「3分で400匹斬り」及び「特別な個体(セレブレート)撃破」を果たす。
2070年に発生するとされている、史上最大のある天体現象を心待ちにしている。
食事のペースや寝付くまでが早い(乃木がその早さに呆れていた)。好物は苺オレ(その為懲罰に一定期間苺オレ抜きを言い渡されたことがある)。
日本で初めて起こったシャヘル被害の唯一の生き残りで、その後始の弟である万とは入院した病院で会う。
第一部終了後のキューバ奪還戦の際は偵察任務でイースター島に配備されていた。その後、第79機甲歩兵隊に転属し乃木の部下として、補給部隊の護衛を主にする雑用係この場合の雑用係とは囚人兵を中心とした偵察部隊などの危険度の高い任務の事。 をやっていたが、華表島の防衛戦後に祢々切に第一級国家反逆罪で連行され、祢々切に参加せざるを得ない状況になる。
九十九五六八(つくも いろは)
本作のヒロイン。16歳。階級は一等侍士(第2部開始時は特務一尉)。一番隊前衛組・コールサインはR18。
幼少の頃からSAS訓練を受けていた経歴があり、歩兵の能力は強化手術を受けていない状態で他の隊員を圧倒するほど。入隊時の評価は特Aランク。強化手術は入隊後に受けた。
出身地は青森県。ただし、日常会話は関西弁に似た方言で喋る。
神永功は実の父親だが、ある理由のため、現在は彼に憎悪を抱いている。しかし、それは愛情の裏返しで、本当はかなりのファザコンらしい。
同期という事もあってか、武道とよくコンビを組む。当初は素人同然だった彼にきつく当たることも多かったが、決して嫌っていたわけではなく、不慣れな戦場で怯えていた時に活を入れるなど、しばしば彼を気遣う行動を取る。ただし、彼に負けるのは納得がいかないらしく、彼に剣道で負けた際には何十回もリターンマッチを申し込んでいる。第2部では彼に特別な感情があるらしく、奈々に妬いているシーンが散見される。
気が強く、優れた身体能力を有すが、飛行機恐怖症という意外な弱点がある(そのため懲罰に降下訓練を言い渡されたことがある)。
キューバ奪還戦の際、負傷して右目を失う。その際の功績を認められ、皇室より検非違使の判官に任命される。眼帯をしていることもあり、二つ名は独眼竜。

侍所(さむらいどころ)

旧アメリカ合衆国における「シャヘル発生」の後、2045年に発足した。機甲歩兵を中核として陸・海・空全ての兵力を一つの命令系統で統一した対シャヘルに特化した軍組織。およそ1700名の機甲歩兵『侍』を擁し、武道たちが配属された「特殊実験部隊」は第二世代EMESとその為の装備開発の為に編成された。

一番隊

全部隊長伊藤が率いる部隊。隊長のカラーは赤でコールサインはR(レッド)11 - 18。

長所と短所を併せ持つ癖のある面々が揃っており、「お荷物部隊」として認識されているが、乃木曰く「いい部隊」になるらしい。

伊藤始(いとう はじめ)
19歳。階級は一等侍尉・コールサインはR11。一番隊の隊長と部隊全体の前線指揮を担当する。
普段は微笑みを絶やさない好青年だが、生え抜きの一期生の中でも圧倒的な戦闘能力を誇り、硫黄島における遭遇戦では「5分間で200匹」と言うスコアを挙げた侍No.1と目されるエリート機甲歩兵である。
祖父はシャヘルを作り出した6人の遺伝子学者の一人である農業学者・伊藤千秋。伊藤千秋は多くの新技術を生み出したが、シャヘル発生の原因を作ったとして、孫の始も世界中の人間から理不尽な逆恨みを受けている。
趣味は料理。特にお菓子作りが好きだが、異常なほどの甘党であるため、普通の料理は非常に美味であるものの、デザートは実際に口にした隊員達から「甘いを通り越して苦い」「致死量」という感想を得ている。
兵士として優秀でいようとするあまり、人としての欠落が増えていき、そこを円や優作、乃木に危ぶまれていた。武道に万の最後を聞き、彼が幸せだったと安堵し、涙を見せて人間らしさを取り戻そうとしていた。
しかし、ミスラの襲撃に際し、迎撃してこれを撃退するが、武道を助けようと外骨格から降りたところを死んだふりをしたミスラに貫かれ、脳の情報を引き抜かれ、瀕死の状態の所を乃木に撃たれ、死亡する。
楠木鉄也(くすのき てつや)
14歳。階級は二等侍尉。一番隊後衛組で、一番隊副官・コールサインはR12。父親は陸軍将補で、息子が侍所にいることを良く思っていない。
最年少の侍で幹部候補生のエリート。
生真面目で大人しい性格のため、女性隊員からは階級が下の者からも「てっちゃん」の愛称で呼ばれ愛玩されているが、趣味の釣りの事になると傲岸不遜な性格に変貌する。
始の死後、隊長となる。始と言う絶対的存在をなくし、バラバラになりそうな一番隊で苦労している。しかし自分が隊長であるという責任感を自覚し、陸軍に連れて行こうとする父に対しその覚悟を見せる。
第2部開始時は陸軍に所属している模様。
千葉進太郎(ちば しんたろう)
17歳。階級は一等侍曹。一番隊前衛組・コールサインはR16。
お調子者でお気楽な性格。よく余計な事を言っては美雪から暴行を受けている。
実家は寿司屋。北米派兵前の休暇で帰宅した際に、(自分に気付かずに話す)両親の会話を聞き、死地に赴く「侍」を続けるか、店の跡継ぎになるか迷っている。
侍最強である始に直接工兵としての能力を買われ、スカウトされて一番隊に入隊したことを誇りにしている。
第2部開始時はセントヘレナ演習基地で工兵の教官を務めている。講義は分かりやすく、新兵からの評判も良いらしい。KVB-Sの実用化のために本国に呼び戻される(その際、口実として秘蔵のコレクションを売却される)。
若山美雪(わかやま みゆき)
17歳。階級は三等侍尉。一番隊前衛組・コールサインはR15。
進太郎の幼馴染であり、いつも彼に殴る蹴るの暴力を振るう。純粋に彼をサンドバッグだと思っているのか、特別な感情の裏返しなのかは不明。
実家は航空会社の経営をしており、(経営者として仕方のない事だと承知してはいるが)利益優先の父親や祖父の姿を見て、余りいい感情を持っていない。
第二部では祢々切こと、検非違使の次官。実戦部隊側の副長を勤める。
丹波庵(たんば いおり)
20歳。階級は二等侍曹。一番隊通信兵・コールサインはR14。
通称「いおりん」。高レベルの強化手術と特殊な神経改造を受けており、そのせいか、実年齢より幼くミステリアスな容姿をしている。いわゆる「不思議少女」。口調は常に敬語。不思議系な言動のため、神永一佐に「木星帰り」と呼ばれることも。
その能力を使って武道と五六八をからかうのが趣味。また、よく軍のコンピュータをハッキングし、様々な機密情報を得ている。K計画に興味を持ち、その鍵と思われる武道に興味を抱いている。
第2部開始時は海軍でオペレーターを務めながら、乃木とも組んで「何か」を探している。
長篠優作(ながしの ゆうさく)
19歳。階級は三等侍尉。一番隊後衛組・コールサインはR13。
瓶底眼鏡をかけており、近視らしいが、狙撃の腕は確からしい。鷹の目(ホークアイ)という目に特殊な手術をしており、時間制限(本人曰く2分も使えない)はあるものの、発動すると常人では考えられない程の連射性と的確性を兼ね揃えた射撃能力を持つことが出来る。
始の親友であり、入隊前から祖父達の繋がりで彼とは旧知だった。始に背中を任され、何があっても彼を守ると決めていた。彼の死後、何も出来なかったことや汚れ役を乃木にやらせたことを詫びている。また始の死後の円の状態も危ぶんでいてフォローをしている。
第二部ではキューバ奪還戦の最中、神永と共に行方を晦ましていたが、極秘裏に乃木と接触する。

二番隊

黒沢が率いる男性のみで構成された部隊。隊長のカラーは緑(コールサインはG(グリーン)21 - )。前衛能力に優れている。

黒沢信祟(くろさわ のぶたか)
20歳。階級は一等侍尉。二番隊隊長。
侍所一のインテリで戦略通。
巨体で筋肉質、眉毛がなく髪は短く刈り込んだ金髪という威圧的な容貌に反して、口調は丁寧で物腰は柔らかい。剣道の腕前も伊藤と同じくらいの能力があることが石川や神永の会話から伺える。アマクニや発砲許可が出ていない状態で市外を襲ったミスラの分身個体を高速道路の風速チェック用の鯉のぼりで押さえ込める程。柔軟で機転を利かせる頭脳を持ち武勇、知謀とも優秀で始に次ぐ侍。
始の死後、三佐に昇進して部隊全体の指揮を任されることになる。その時、鉄也に始に嫉妬の感情を持っていて彼が嫌いだったと語り、それと同時に始の背負っていたプレッシャーを感じ、彼の凄さを知った。

三番隊

円谷が率いる部隊。隊長のカラーはピンク(コールサインはP(ピンク)31 - )。二番隊とは対称的に女性のみで構成され、後衛能力に優れた狙撃手が4人いるが、護衛役の前衛が一人足りない。実験部隊解散後、九十九が所属していた。

円谷円(つぶらや まどか)
19歳。階級は一等侍尉。三番隊隊長。狙撃手としても優れている。
おっとりした性格で、別名「菩薩の円」。ただし、怒らせると非常に怖い。その際に繰り出される拳骨は、脳髄がバラバラにされるほどの威力があるらしい(実際、始の死後にロッカーに八つ当たりした際は扉がひん曲がるほどボコボコにしていた)。
始とは恋愛関係にある。この恋愛について、実家からは反対されている模様。士官学校時代は武道と五六八と同じような関係で彼の事を気味悪がっていた。
事あるごとに五六八を自分の隊に誘っている(あまつさえ、武道に女装を勧めた事も…)。
始の死後、髪を切り、彼と同じ「優秀な兵士」となりかけている。
キューバ奪還戦で消息を絶っており、現在進行中の作戦がどちらに転ぼうと死ぬ事になると乃木の口から語られている。
那須茜(なす あかね)・那須梓(なす あずさ)
三番隊後衛組。髪を頭の右側で束ねて語尾に「ござる」を付けるのが姉の茜、左側で束ねて語尾が「ナリ」なのが妹の梓。
優れたスナイパーであるが、体格が小柄なため、新型のK-51型アサルトスーツが完成するまで旧型外骨格の使用ができなかった。
沙由、恵、比奈、京
三番隊隊員。うち一人が4人目の狙撃手、他の隊と違い、三番隊は狙撃手を前衛がフォローする。

四番隊

真田が率いる部隊。隊長のカラーは黄色(コールサインはY(イエロー)41 - )。志願兵から才能を見出された人間で構成されている。

真田正直(さなだ まさなお)
18歳。階級は一等侍尉。四番隊隊長。
通信、指揮、前衛、後衛、と何でもこなすオールラウンダー。
実家はカメラ屋で、部隊内でも営業活動を行っている。
第二部では、セントヘレナ演習基地に駐屯する隊の隊長を務めている。

五番隊

乃木が率いる部隊。隊長のカラーは青(コールサインはB(ブルー)51 - )。隊員は死刑囚で構成され、荒くれ者が多いので、神永曰く「乃木でないとまとめられてない」らしい。部隊としての能力は高く、偵察のスカウトを任命されている。

乃木玄之丞(のぎ げんのじょう)
21歳。階級は一等侍尉。五番隊隊長。
死刑囚で構成された五番隊を束ね、自身も過去に8人も殺した経歴がある。
容姿、性格は凶悪であるが、何故か犬に好かれ、劣等生の武道には好意的である。
始の祖父に関係なく、彼個人に憎悪の感情を抱いている。
タイトルである「志」の意味を武道に説いた人物で、自身の外骨格にペイントしている。
第2部ではユーリとも仲良くなっている。楠の影響で釣りを始めた模様。また軍需産業会を始めとした各組織に部下を潜り込ませており、何らかの調査を続けている。
名前の由来は、旧日本陸軍大将乃木希典。
梅津誠(うめづ まこと)
19歳。階級は三等侍尉で、五番隊狙撃手(コールサインはB53で五番隊の三番手だった)。硫黄島遭遇戦において、シャヘル狙撃ユニットの攻撃を受け負傷、身動きが取れなくなった所を襲われ、戦死した。
遭遇戦その物が機密扱いになった為、訓練中の事故と公表された。2048年に現金輸送車を襲撃、4人を殺害した為、40ポイントの死刑宣告を受けていた。

司令官

神永功(かみなが いさお)
48歳。階級は一等侍佐。機甲歩兵大隊の指揮官。
元米陸軍グリーンベレー大尉。沖縄生まれの日系アメリカ人だったが、日本に本格的軍事SOG(特殊作戦部隊)を築くために侍所に引き抜かれて帰化した経歴がある。
第6次中東戦争とトゥルカナ紛争で名誉勲章を受章している。
外見は豪放磊落で、米陸軍時代には軍規破りの常習であったが、必ず結果を出す事で有名であった。自分の趣味で隊と隊長機を色で塗り分けたり、御茶目な面もある。
作者の読切漫画「PRIMARY COMMAND~最優先命令~(本作品の単行本4巻に収録)」は彼の過去の物語である。
キューバ奪還戦の際に、行方不明となっている。
石川昇(いしかわ のぼる)
日本防衛軍DFS(特殊部隊指揮官)で、元警視庁対テロ特殊作戦局長。
剣道の達人で、武道の父親が警察時代の時から面識があり、武道についての秘密を知っている節がある。
大和将軍(やまとしょうぐん)
侍の総指揮官で「K計画」の秘密を知る人物。機密保持のため、侍の自爆機能を躊躇なく使った冷徹な人物。

侍所所属

林田(はやしだ)
侍お抱えの医師で生物研究者。階級は二佐。一般治療の他に、侍の強化手術なども行なう。オカマ口調で話す男性だが、妻子持ちで、総理とも話が合う。
武道や万が入院していた病院でも務めていたため、「K計画」の一端を知っている人物。
山浦清(やまうら きよし)
侍所の技術主任で階級は一佐。ノーベル賞も受賞している優秀な人物であるが、年のため少々ボケ気味なところがある。
岡崎(おかざき)
山浦教授の補佐をし、侍の武器や技術、強化手術、シャレムのメンテナンスを行う。技術開発に力を入れており、趣味にしている部分がある。幹部会に参加する程「K計画」や侍の機密を知っている。
藤原、小笠原(ふじわら、おがさわら)
アラスカ・クロンダイク基地に所属する侍で。伊藤たちと同じ一期生だが、強化レベルはそう高くない。「一般的な侍」として登場する事が多い。藤原は円谷に片思い中だが、見事に玉砕した。
逸見 遥(いつみ はるか)
二等侍曹。藤原たちの後輩で美雪、進太郎の同期。2051年8月21日、クロンダイク基地を襲撃したシャヘルとの戦闘の際、負傷兵に気を取られた瞬間、狙撃ユニットのレールガンの直撃を受けて戦死した。

侍の協力者達

春日総理(かすがそうり)
日本の内閣総理大臣。外務大臣の経歴を持ち、そのツテで石川から紹介された神永を「侍」の養成指揮官として任命する。国益と外交を最優先に考える政治家であるが、子供の育成など未来に目を向けることができる人物。
自称・お金と権力が目当てで政治をやっている悪党だが、前作のあるキャラクターに容姿、性格が酷似している。
アイリーン=ウォン
年齢不詳の女性。イギリス軍SAS所属の大尉。五六八の師匠。
実験部隊の育成のため、神永が呼び寄せたエリート軍人。模擬戦で強化手術を受けた一番隊隊員を一人で倒した女傑。タブーである年齢のことに触れた人間は、問答無用で叩きのめす。
「PRIMARY COMMAND~最優先命令~」では、神永に保護される少女として登場している。
セルゲイ=ファルクラム
ロシア軍の有名な技術者で、アイリーンの夫。「シャレム」のメンテナンスに招聘される。アイリーン同様「PRIMARY COMMAND~最優先命令~」で神永に保護された子供に、彼らしき人物がいる。
シャレム
日本が所有するハイオラクルシステム。自身の意志を持つ世界初のコンピュータで、人間よりはるかに高い知能を持つ。そのため日本の最高機密扱いである。侍所や「K計画」の発案者。
神永とも昔から面識がある。恐らく、「PRIMARY COMMAND~最優先命令~」で登場した量子コンピュータ「レワノフ」をベースにしたものと思われる。

日本国軍

北条局長(ほうじょうきょくちょう)
日本軍情報部所属。機密の多い侍所を不審に思い、独自のルートによる諜報活動で、侍所と情報提供の交渉をして、シャレムや「K計画」の挙動を探る。
楠木将軍(くすのきしょうぐん)
陸軍将軍。鉄也の父。侍所を快く思っておらず、鉄也を陸軍へ引き戻そうとする。
門脇京介(かどわき きょうすけ)
特務監察部所属で、検非違使次官。武道に第3世代EMES強奪事件の尋問を行い、祢々切に所属させる。
滝川奈々(たきがわ なな)
情報部所属。自称"情報部の看板娘"。監察部から来た祢々切の情報エージェント。かつて軍の募集ポスターの写真になったことがある。
武道に惚れて猛烈なアタックをしており、五六八をやきもきさせている。

その他の人物

伊藤万(いとう よろず)
始の弟。故人。武道が入院中に知り合い、友人となる。幼い頃から病気を抱えており、手術が失敗して亡くなった。
しかし、国内の侍研究所に遺体が置かれていたという謎があり、彼の本当の死因は不明である。
ユーリ=ファルクラム
アイリーンとセルゲイの子供。神永一家と親交が深く、五六八の事を「ころたん」と呼び、懐いて可愛がられている。
第2部では乃木とも仲良くなっている。

Unknown

ヤザタ
「マスターマインド」と呼ばれる、シャヘルのリーダー格らしい存在。外見はDNAの二重螺旋構造に似た姿をしている。
「侍」の存在が単なる人類の技術的進歩では説明が付かない点を疑問視し、セレブレートコマンダーとの合議の結果「人類以上の知能を持つ存在」がいると結論付ける。
スラオシャ
「セレブレートコマンダー」と呼ばれるシャヘル。
マンスラ
「セレブレートコマンダー」と呼ばれるシャヘル。
ラーマン
「セレブレートコマンダー」と呼ばれるシャヘル。
アラスカで交戦中のためヤザタの招集には応じず。
ウルスラグナ
「セレブレートコマンダー」と呼ばれるシャヘル。
口調、会話の内容、物事の判断基準が他のセレブレートコマンダーと比較して非常に好戦的。
ミスラ
「セレブレートコマンダー」と呼ばれるシャヘル。
ヤザタの命により、敵情判断のため、硫黄島に強行偵察をかける。
その際、無数のシャヘルを屠り、シャヘルの体液を全身に浴びた始の機体を見て「美しい…」と発言し、その後消息を絶つ。
その後、海岸に打ち上げられたミスラが回収され、研究所で解剖されていたが、実は死んだフリをしていただけで、目覚めたミスラが研究所の人々を殺害。研究所を占領した。万の遺体を吸収し、言語能力を手に入れ、始の経験を得るため、彼の脳を吸収する所を乃木に撃たれ、黒沢にアマクニで解体されたが…。
ちなみに、この行為はシャヘルの意思決定に反した完全な独断だったため、一時的ながらシャヘルの進攻にストップをかける切っ掛けとなった。

外骨格兵装

全長2.5m程の対シャヘル用戦闘兵器。機甲歩兵「侍」と有機電極によって神経接続する事で稼働する。動力源として原子分解システム式ジェネレーターが使用されている。

その仕組みは「ボイドフィールド」と呼ばれる力場を作り出し、ある原子を任意の質量に分解した際に発生するエネルギーを電力に変換する。媒介として長さ15cm/直径2cmの炭素棒を利用している。

K-45型『オールドアイアン』
従来型の外骨格の名称で、一般の侍が乗るのがこれである。量産を優先した結果、搭乗者の極端な体格差には対応できなかった。
K-51型『タイガーピアース(第二世代)』
新開発された実験部隊の新型外骨格。「オールドアイアン」から徹底的に軽量化をし金属部分が全体の12%となり、新型のジェネレーターによって丸二週間(約340時間)無補給で活動可能。
また、神経伝達なども高速化されており、搭乗者の運動神経がそのまま反映されるため「優秀な歩兵=優秀な機甲」となる。
ピーキーな操作性から、実験部隊用の初期型は隊長機でも乗り手に合わせてカスタマイズ(調整)されているが、武道の機体は基本的に手は加えられていない。
『ハコトラ』
タイガーピアースの量産モデル。「軍用強化外骨格(Empwer Military Exo Skeleton)」を略してEMESと呼称され、侍所のみならず陸海空の三軍や海外にも輸出される。強化レベル1でも使用可能。
『鯰尾(キャットフィッシュテイル)』
検非違使で使用される『ハコトラ』のカスタムモデル。
第三世代(仮称)
K計画の第3段階における「数」での問題を解決することを目的に、開発された外骨格。
一騎当千をも可能にしてしまう。
当初伊藤専用機として1機が完成していたが、伊藤が死亡したため、はがくれ級"あつた"と共に本州某所で保管される予定であったが、搬送途中に強奪され、1ヶ月後にキューバに巣食うシャヘルの6割を殲滅させている(キューバ奪還戦はこれに便乗して行なわれた)。その際の戦闘があまりにも人間離れしていたため、各軍隊で噂となっている。

外骨格用装備

KAR-51ライフル
第二世代外骨格の標準装備とも言える大経口のライフル。実装されているのは70mmHESH弾。
70mmと大型のため、初速も遅く、精度も落ちる。有効射程は500mほど。
HESH弾(ヘッシュだん)
KAR-51ライフルに実装されている弾。
着弾と同時に弾頭が潰れ、第1段階の爆発が起きる。この爆発が一点に集中し、穴を開ける。第2段階の爆発で外殻を剥離させ、内部を破壊する、という2段構造になっている。
KHM-1ハンドガン
KES-Tソニックブーム
音により相手の動きを止める武器。塚原がミスラに対し放ったが、音を増幅し反されたため、耳を封じられた。
KER-6狙撃システム
歩兵としては初の電磁レールガン。セラミックでコーティングされた弾を秒速10kmで撃ち出す。
火薬による反動が無いため、連射時における精度に優れているが、電力の消費が激しい。
KVB-51アマクニ
P7の国家機密の剣型の武器。触れたものを原子レベルで分解する、斬れないものは無いという剣。
「ボイドフィールド」と呼ばれる仕組みを作成し、あらゆる原子を任意の質量に分解する。このシステムは外骨格のジェネレーターにも使用されている。
その時、重い物質を分解するほど大きなエネルギーが生じ、誤って重い金属などを斬ってしまうと、熱や爆風で自滅しかねない。そのため、一佐以上の上官から許可コードが出ない限り、ロックして使えなくなっている。また、金属が近づくと自動的に使えなくするセンサーが内蔵されている。
KVB-52
伊藤や武道の意見を参考に大型化した新型。旧型には無かった『刃』があり、ボイドフィールド無しでも斬撃可能。大型化した事でセンサー精度も向上しており、分解する元素を限定する事も可能。名前が判明していないが、おそらくは改修型の呼称から『ヤスツナ』だと思われる。
KVB-52改 クニツナ
対シャヘル用だった原型モデルと違い、対物攻撃力を上げた物。チタニウム処理した玉鋼の本三枚鍛え。
KVBS-52
第三世代外骨格と並行し、開発・試作された新兵器で、「ボイドフィールドによる広範囲攻撃」平たく言えば「アマクニ爆弾」である。形状及び重量の関係上、機甲歩兵が敵地まで運び込む必要があるが、作動条件の設定次第で半径10mから10kmまでの敵を殲滅可能。
艦船
はがくれ
機甲歩兵大隊の母艦として建造された「はがくれ級戦艦」の一番艦。K-51型通信統合システムの中枢を為し、半径4000km以内の部隊全ての情報管理が可能。
艦自体も最新技術の粋を集められ、重力制御による潜航が可能で速力50ノット、あらゆるシステムも自動化され、運航に必要な人員はたったの31人。
あつた
はがくれ級六番艦。K-52型通信システムを搭載した第三世代EMES用母艦で、伊藤始一等侍尉用に製作された試作外骨格と共に何者かに強奪される。
ふたら
はがくれ級七番艦。

用語

筋肉付加・神経組織の未発達な10代中盤から後半の少年少女に、肉体的・神経的な強化改造を施し、約2.5メートルの強化骨格を纏い、戦場に趣く対シャヘル機甲歩兵部隊。日本刀の帯刀が許された「日本軍」であり、れっきとした国家公務員の役職名である。侍には外骨格兵装の扱いのほか、作戦指揮、部隊運用、状況判断、背嚢を担いで10キロマラソンが出来る程度の「基礎」体力、射撃・格闘などの戦闘技能、ゲリラ的知識・応用力などのシャヘルに対抗するための高度な各種特殊部隊的技能が求められる。外骨格兵装での戦闘時は基本的に前衛・後衛に分担し、高機動でシャヘルを撹乱しながら瞬時に入れ替わる俊敏さが要求される。
明らかなオーバーテクノロジーのものだが、その技術の出自、生産方法とも明らかにされていない。
K計画
シャヘルに対抗するために考えられた7段階の作戦。P7の国家機密である。
フェイズ1は対シャヘルの軍を作り、シャヘルに対抗するノウハウを築くこと。(侍部隊)
フェイズ2は更に強力な装備と原子分解システムの実用化。(タイガーピアースとアマクニ)
フェイズ3は第2段階までを足がかりとした「数」の問題の解決が主な目的。そのため、第3世代の外骨格が作られた。この段階で戦争を終結できなかった場合、人類は一気に窮地に立たされるようである。
フェイズ4はKVBSによる広範囲攻撃。使用すると周囲の物質も分解してしまう為、地球その物のバランスを崩す恐れがある。
フェイズ7まであるようだが、現時点では不明。ただフェイズ7を発動して勝ったとしても、人類にとって戦争に勝ったとは言えないようである。
シャヘル生物群(シャヘルスウォーム)
発展性成長遺伝子から誕生した有史以来初の「人類の天敵」。
ウイルスサイズから恐竜より巨大な物まで、様々な形態を持つ活動生命体「合成生物(キマイラ)」と、それらを生む有機構造体「巣(ネスト)」から成る。
発展性成長遺伝子
カンブリア紀の地層から発掘された微生物より検出された遺伝子。
捕食した他の生物の遺伝子情報を、自らの遺伝子に取り込むことができる。
本作品中ではこれにより、いわゆるカンブリア爆発が起こり、その時点では取り込む遺伝情報を取捨選択する事ができなかったため、収束したとされている。
研究により、遺伝子の優性的形質のみを選別する機能を与えられたため、個体レベルで進化することが可能なシャヘルが誕生し、さらに研究者の一人がヒト遺伝子を与えた事により、シャヘルはヒトと同等の知能を得ることとなった。

脚注

外部リンク