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イレブン/高橋広

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著者: 高橋広
巻数: 7巻

高橋広の新刊
イレブンの新刊

最新刊『イレブン 7


出版社: 講談社
シリーズ: 講談社漫画文庫


イレブンの既刊

名前発売年月
イレブン 1 2003-07
イレブン 2 2003-08
イレブン 3 2003-09
イレブン 4 2003-10
イレブン 5 2003-11
イレブン 6 2003-12
イレブン 7 2004-01

イレブン』は、原作・七三太朗、作画・高橋広による日本の漫画作品。

概要

1985年から2000年まで『月刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載されたサッカー漫画。 元日本代表のサッカー選手・青葉洋介を父に持つ主人公・青葉茂の成長と活躍を描く物語。無名の存在の主人公が、惜しみない努力で周囲に認められ、新しいステージへ進んでいくといった内容であるが、中盤以降は必殺技の「ブレ球」(現在でいう「無回転シュート」と原理は同じ)を多用する傾向が強い。

『イレブン』という題名だが、作中においてそれに纏わるエピソードは特に無く、主人公の青葉の成長に主点を置かれている。作中でも青葉自身は背番号にはあまり拘る描写はない。

構成

高校編
県立武蔵台高校に入学した茂が、弱小高校であった武蔵台を率いて県大会に出場するまでを描いた。
世界ユース大会編
県大会での活躍が認められ、日本ユース代表の一員として世界ユース大会に出場した。
リオガルシアFC編
世界ユース大会で評価され、プロサッカー選手を養成するリオガルシアFCに派遣され、無事卒業するまで。
ナショナルカップ編
日本代表としてイングランドで開催された「ナショナルカップ」に出場した。
Jリーグ編
帰国後に「札幌ポラリス」に入団し、Jリーグで活躍する。
OA編
プロサッカー選手として実力を磨く為、アフリカのOAに加入。
ワールドカップ編
1998年のワールドカップ・フランス大会を舞台に、世界ユース大会やナショナルカップ時代の同僚と共に活躍する。

登場人物

高校編

県立武蔵台高校

部員が11名に満たない弱小高校であったが、青葉・谷の入学、後輩の明石・室田らの活躍で全国大会に出場する。

青葉茂(あおば しげる)
本作の主人公。青空中学校出身。元日本代表FWの父を持つ。父は幼少の頃、交通事故でブラジルにて死亡。父の遺言で高校からサッカーを始める(それまでは、陸上で身体能力を鍛えるように言われていた)。地区予選で強豪校を苦しめその実績でユースに選抜される(8試合16得点)。不器用だがその成長能力は凄まじく、ユース最終選抜にも残り韓国で行われたユース大会では、韓国、オランダに勝利し準々決勝でブラジル相手に奮戦し惜敗。
ユース終了後は一旦高校に戻るが親友の谷の勧めもあり、ブラジルのプロ養成機関「リオ・ガルシアFC」に挑む。ここでも成長能力が発揮され、遂に「生き残り戦」に勝利し卒業を決める。
リオガルシア後の進路に迷っていた青葉だが(元々プロ志望ではなかった)、戦友ジョゼの誘いにより米山監督率いる海外組の日本代表に参加。浦辺、沢野と再会する。実はこのチーム、ヨーロッパ主催の「ナショナルカップ(架空の大会、UEFA欧州選手権に相当すると思われる)」参加の為に結成されていた。一回戦はホスト国、イングランドと対戦。リネカー、ガスコイン等、実在選手と対戦する(連載時、単行本化にあたって改名された)。辛くもイングランドに勝利した日本は次戦でイタリアを迎える。バッジオ、バレージ、ゼンガ相手に奮戦する青葉達だが敗退する。帰国しJリーグに入団しようとする日本代表の面々だが、青葉は.....
実はイタリア戦において青葉は重傷を負わされていた。他のメンバーを尻目にリハビリに専念する。治療後、北海道の「ポラリスFC(架空チーム)」に入団する。鹿島アントラーズ戦でジーコと対戦し、その素質を見込まれ、OA(アフリカサッカー連合)に推薦される。
OAに行った青葉は、そこでかつてのユース時代の戦友 ケーナ(ブラジル)とキム(韓国)に再会する。OAはM1(正メンバー)とM2(準メンバー)に分けられており、青葉はM2としてケーナ達と共に見事M1に勝利する。
OAでM1に昇格した青葉は遠征試合を行い、そこで「南米オールスター」と対戦。そこで米山監督の息子、ハルオと対戦する。米山監督と青葉の父は元日本代表の盟友で、「ワールドカップ」優勝を誓い合っていた。それが自分たちの息子世代に成ろうとも.....
ハルオと共にワールドカップ日本代表招集の為、一旦帰国した青葉はジョゼ、浦辺、紅林と懐かしい面々と再会する。実在の中田英寿選手も加え、いよいよワールドカップに臨む。
アジア予選では緒戦の相手・中国の報道陣をシャットアウトした極秘練習に潜り込んでしまい出場が危ぶまれたり,ワールドカップ出場国予想の賭け(公認)で儲けを企むマフィアか国に,ドーピング検査で陽性が出る薬を混入されたりハプニングも多かったが、本大会出場を決める。
本大会グループリーグでの相手は因縁の、デルピエロ率いるイタリア....辛くも勝利し1位通過を決める日本。決勝トーナメントにおいてスペインなどを破り、大健闘の日本だがベスト4まで進み、3位決定戦に挑んだが敗退....結局、日本の最終成績は「4位」、優勝はブラジルだった。
帰国した青葉は欧州のオファーを蹴ってブラジルのチームに入る。彼曰く「僕の中では今でもブラジルがNo1なのです」との事。ジョゼ、ハルオも青葉と対戦する為にブラジルのチームに入団。共にブラジルに向かう.....「ワールドカップ優勝」に向けて青葉 茂の挑戦はまだまだ続く.....
谷一郎(たに いちろう)
前年度の全国大会優勝校である静岡・大室中学校出身(補欠)。青葉の親友で、帰国時などに必ず顔を出している。全国大会では青葉抜きでベスト4まで行った。Jリーグ編では浦和レッズファーム(2軍)所属
小宮朝子(こみや あさこ)
青葉の恋人(青葉談)。
明石(あかし)
糸川中学校出身。青葉の1年後輩。入学直後に青葉はユースに招集されたので殆ど一緒にプレーは出来なかったが、谷世代の主力選手となった。
室田(むろた)
糸川中学校出身。青葉の1年後輩。以下、「明石」と同文。

築紫高校

会津(あいづ)
センターフォワード。高校選抜メンバー。並外れた反射神経の持ち主で,背後からのボールすら一瞬見ただけでコントロール出来る。
岩城(いわき)
ゴールキーパー。高校選抜メンバー。

真誠館高校

西垣(にしがき)
キャプテンでゴールキーパー。チーム同様荒っぽい性格。
567(ごろっち)
背番号5、6、7のチームの攻守の主力選手。ラフプレーで苦しめる。審判の見ていないところで蹴る,スパイクの裏を見せたスライディング等のそれはラフプレーの域を超えている。

世界ユース大会編

日本代表

紅林(べにばやし)
フォワード。ユース代表のエース。一時、日本代表から外れるが、コロンビアで修行を積み、ディフェンダーにコンバートされる。
浦辺君夫(うらべ きみお)
フォワード。ブラジル留学帰りだが後にミッドフィールダー⇒ディフェンダーとなり紅林の控えとなる。Jリーグでは鹿島アントラーズ所属。マンチェスター・ユナイテッドに所属していた事もある。外伝で主役を務めたのは彼とジョゼだけ。
沢野太郎(さわの たろう)
ミッドフィールダー。青葉にとってはユース招集時から良き理解者だった。東北なまりあり。ACミランに所属していた(このときはDFにポジションチェンジしている)。Jリーグではアシストを買われ再びMFとして東京ヴェルディに所属。
米山亘監督(よねやま わたる かんとく)
日本ユース代表の監督で、元日本代表選手。茂の父とは親友であった。後にユース代表選手達を世界中に留学させ、彼らの帰国後は日本代表監督を務めた。

韓国代表

柳仁聖(ユウ インソン)
フォワード。 ユース時に青葉と対戦。キムとのコンビは絶妙。
金順天(キム スンチョン)
ミッドフィールダー。 韓国ユースのゲームメーカー。OA時において青葉と再会。同じアジア人として頑張る青葉を見て希望を持つ。

ブラジル代表

ホセ・ケーナ
フォワード。ユース時に青葉達「日本」と対戦し辛くも勝利する。サンパウロFC(二軍)でリオガルシアの青葉、ジョゼと対戦。 青葉の成長に目を見張る。 更にOAで青葉と再会し「偶にはお前と味方もいい」と青葉に期待する。 最終的にワールドカップで控えではあるが「ブラジル代表」までになる。
カリーニ
ウイングフォワード。浦辺の所属していたチームの選手。二軍の補欠だった浦辺がユース代表で驚く。
リベリーノ、カルロス
ブラジルユースの屈強なセンターバック。
ゴールキーパー
名称は不明だが日本戦まで無失点を誇る。青葉達を認め再戦を予見した。

リオガルシアFC編

ジョゼ佐藤(ジョゼさとう)
フォワード。利き足は左。日系ブラジル人。所謂、祖先は移民日本人で大家族であり、実質上家族を養っている。サントスFCに居たが伸び悩んでいた。「リオガルシア」で青葉と出会い、当初は実力不足の青葉に「なんで、こいつが?」と思っていたが、その恐るべき成長力を見せ付けられ良き理解者となる。日本に帰化し、日本代表として活躍する。Jリーグでも一時プレー(チームは横浜マリノス)。本作で青葉と「最も長く共にプレーした」選手。知的な風貌とは裏腹に空手の有段者で腕っ節も強い。外伝では主役を務めた。
ネルソン
フォワード。リオガルシアでの青葉の同僚。ファンキーな性格ではあるが、青葉の能力は認めている。セットプレーからのドライブシュートには定評がある。青葉のチームとは途中合流。ナショナルカップでは「イタリア代表」となり青葉と対戦した。
バルド
ディフェンス。当初はフォワードであり、青葉がフォワードで出場している事に不満を持っていた。しかし一緒にプレーしているうちに青葉を認める。このシリーズではしばしば、日本語で会話している青葉とジョゼに不満を持っていた。「生き残り戦」にも出場し最終的に一流プロへの道を手に入れた....その後は不明。
リベラ
青葉の組の主力選手。ポジションは恐らくウイングフォワード。コーナーのキッカー。最終戦までプレー。白人だが国籍は不明。
ランス監督
リオガルシアでの青葉の組を担当していた教官。当初、青葉を篩にかけて落そうとしていたが、その恐るべき成長力に目を付け、前例に無かったが会長に直談判し青葉の落第を取り消させた。最後まで青葉達に帯同し、彼らを見守っていた。
ボボー
サンパウロFC所属で現役のブラジルA代表。負傷の為サンパウロの一軍の遠征から外れていたがリオガルシア相手に劣勢だったサンパウロ二軍に見かねて出場。青葉がサッカー経験が浅い事を見抜き、「ボールとの一体感の不足」を指摘する。青葉が対戦相手の中で彼から得た物は計りしれない。
エジーニョ、ロメロ
「生き残り戦」の最終戦の北上チームの主力選手。青葉達、南下チームと対戦。エジーニョは長身で身体能力が高く、ロメロは小柄で俊敏。またロメロはOAに入ろうとしてあぶれ,そのままアフリカに留まりサッカーで稼ぎながら再挑戦を目指していた。

ナショナルカップ編

南雲(なぐも)
フォワード。大阪出身の無名選手であったが、青葉と共に代表に抜擢される。弾丸シュートが持ち味だが精度は悪い。青葉は「昔の自分」を見ている様で放っておけなく、彼の面倒を見る。イングランド戦で負傷した熊野に代わって出場。 その後は「札幌ポラリス」に入団。
熊野(くまの)
米山監督の秘蔵っ子でユベントスでプレーしていた。背面トラップが得意。
仲居(なかい)
ゴールキーパー。合宿食道で青葉と乱闘。
内海(うつみ)
浦辺と同じくイングランドに留学していた。
ミス・スーザン
イングランドのアシスタントデュレクター。日本の練習を偵察をするが「主力を温存しても勝てる」と判断した。プロリーグのスカウトマンでもあり、イングランド敗退後、青葉をスカウトする。青葉に「イタリア代表のデータビデオ」を貸し出す。
ゲーリー・リネカー(実在選手)
イングランド代表のセンターフォワードでメキシコワールドカップの得点王。危機に陥ったイングランドを見かねて出場。あっと言う間に得点した。この頃はまだプレミアリーグでプレー。後に名古屋グランパスエイトに移籍。
ポール・ガスコイン(実在選手)
ミッドフィールダー。イングランド代表のゲームメーカー。リネカーと共に投入。
ピーター・シルトン(実在選手)
ゴールキーパー。イングランド代表。リネカーと共に投入。青葉にオーバーヘッドとロングシュートを決められ2失点。
ロベルト・バッジオ(実在選手)
フォワード。イタリア代表の攻撃の軸で日本を苦しめた。
フランコ・バレージ(実在選手)
イタリア代表主将。彼のハードマークにより青葉は重傷を負う。リベロと言う特殊なポジションをこなす。
ワルター・ゼンガ(実在選手)
ゴールキーパー。イタリア代表。連載当時では「世界最高のキーパー」と言われていた。
アリゴ・サッキ(実在)
イタリア代表の監督。名将。青葉に脅威を感じバレージ達に潰すよう指示。

Jリーグ編

ジーコ(実在選手)
代表から退き、鹿島アントラーズでプレーしていたが、初対戦で青葉の伸び代を見抜き「OA」に推薦する。彼曰く「こう青葉に活躍されては我々助っ人(恐らく当時ではリネカー、リトバルスキーなど)が活躍出来ない」との事で、それだけ青葉を買っていた。

=== OA編===

ギンタ
エチオピア出身のOAジュニアに受験に来た少年。貧困で有る為ボールも買えず青葉にボールを貰い青葉のプレーを観て以後尊敬する様になる。後にエチオピア代表となり、ワールドカップで対戦した。
ムサビ
OAのM2の主力選手でフォワード。紅白戦で青葉と一戦交え青葉の実力を認める様になる。青葉達と共にAチームに勝利し、青葉、ケーナ、ガルシアと共にM2に昇格する。
ダル
OAのM2のゴールキーパー。優れた反射神経を持っているが、それでもM1、M2を行き来している(M1のキーパー・ポカラは「M2から這い上がれない」と呟いているが,その後ダルはM1に居続けた)。M1・M2対戦は彼の活躍もありM1に勝利し昇格を果たす。
ハルオ(米山晴夫)
「南米オールスター」としてOA所属の青葉と対戦。アルゼンチンでプレーしていた。日本代表監督、米山氏の息子。ワールドカップではジョゼを差し置いて青葉の一番のパートナーとなる。
カルロス・バルデラマ(実在選手)
「南米オールスター」としてハルオと共にOAチームと対戦。当初はOAを見縊っていた。本来なら紅林が出場するはずだったが,怪我のためバルデラマが代わりに出場。

ワールドカップ編

三浦知良(実在選手)
青葉達、海外組と双璧を成すJリーグ組のリーダー。日本代表招集時は対立していたがお互い認め合う事になる。アジア予選のみ登場で本戦からは登場せず。
中田英寿(実在選手)
青葉と共にワールドカップ本戦に出場。
アレッサンドロ・デル・ピエロ(実在選手)
イタリア代表の主力フォワード。グループリーグで日本と対戦。