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エニグマ/榊健滋

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著者: 榊健滋
巻数: 4巻

榊健滋の新刊
エニグマの新刊

最新刊『エニグマ 4


出版社: 集英社
シリーズ: ジャンプコミックス


エニグマの既刊

名前発売年月
エニグマ 3 2011-06
エニグマ 4 2011-08

ǝnígmǝ【エニグマ】』は、榊健滋による日本の漫画作品。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて、2010年41号より連載中。話数単位は「e○(エピソード、○には数字が入る)」。サブタイトルは英語を片仮名に直した物となっている。

あらすじ

高校生、灰葉スミオは近未来に起こる出来事を予知する能力「夢日記」を持つ少年。能力で人助けをする事以外は平凡な生活を送っていたある日、母親が「エニグマ」という謎の言葉を残して姿を消してしまう。夢日記に記された通り、現場に不可解な黒いシミを残して…。混乱のあまり病院で保護された後、ふと目覚めると、スミオは同じ高校の6人の生徒と共に真夜中の体育館に連れて来られていた。

そして「エニグマ」と名乗る謎の人物による説明を受け、運命のゲームe-testが始まった。

登場人物

登場人物の名前は男性キャラは片仮名、女性キャラは平仮名で表記されている。

第5回e-test参加者

灰葉スミオ(はいば スミオ)
  • 身長170cm、体重56kg
  • 誕生日:2月29日
  • 血液型:O型
  • 得意な教科:国語、理科、体育
  • 苦手な教科:英語、美術
  • 好きなもの:女の子、WWE観戦、マキシマムザホルモン、フラボア、メロンソーダ
  • 嫌いなもの:女の子に手を上げる男、蜘蛛
本作の主人公。1年A組。出席番号10番。緑色の天然パーマが特徴。都内の高校に通うごく普通の高校生。
正義感に溢れる半面で節操のない女性好きであり、女性と接すると誰彼構わずに「ケッコンしてくれ!」とプロポーズしている。何故か、幼馴染のしげるだけは口説いたことがない。
口癖は「メーデー(緊急事態)」と、語尾に「~のだっ」と付けて喋る事。「運命は自分で変えられる」をモットーとしている。
第5回e-testでは「全員で脱出する」ことを目標に、不安や疑心暗鬼に囚われる他の参加者を励まし、皆からの信頼を得る。能力の変化を一番に起こしたこと、何事にも怯まず果敢に挑戦するその姿は、エニグマに興味を抱かせている。
e-testでの報酬:
能力:夢日記
未来に起こる出来事を日記帳に書き記す能力。眠りに落ちた際、左手が勝手に動き出し、未来に起こる内容を絵日記として記す未来予知、自動書記の同時発動である。具体的な言葉ではないことが多く、キーワードとなる言葉が盛り込まれた稚拙な文章と幼児の描いたような絵が添えられる。尚、文章は全て平仮名で構成される。
対象者は自身と関わりがある者が主となっており、内容の多くは他人の不幸であるため、母親が失踪するまではその日記を頼りに先回りし、予防策を張って人助けをしていた。スミオ自身はその特殊なチカラ=「夢日記」を誉れとは思っていない。寧ろ「予知夢」を逆手にとって裏をかくことで、不幸な未来の筋書きを書き換えることに役立てたいと考えている。
クリスとの戦いの中、夢日記の能力が成長し、眠らずとも先の出来事および対象の『動き』を予知として書き記すことが出来るようになった。
来宮しげる(くるみや しげる)
ヒロイン。1年A組に所属するスミオの隣の席の女子。ストレートロングの美少女。スミオとは幼馴染みである。
真面目でしっかりした性格。風紀委員であり何かと規則にうるさい。スミオに好意を抱いているが、一見、奇行にも見えるスミオの奇想天外な行動にはいつも手を焼いている。
e-testでの報酬:不明
能力:不明
支倉モト(はせくら モト)
  • 身長164cm、体重52kg
  • 誕生日:11月10日
  • 血液型:A型
  • 得意な教科:国語、社会
  • 苦手な教科:英語、数学
  • 好きなもの:野球、健康、からあげ、耳掃除
  • 嫌いなもの:病気、けが、年上、雑な奴、花粉、観覧車、ヨーグルト
1年E組。出席番号は12番。左目に眼帯をした色黒の青年。野球部所属。臆病な性格。
本人曰く人生目標は「死ぬまで無事」。あがり症のためかカメラを向けると表情が強張り、写真写りは常に最悪。本人も気にしていたが、それをネタに先輩からからかわれた時、特殊な力が目覚めた。モト本人はこれを「呪い」と解釈している。尚、モトをからかっていた先輩も夕闇高校に進学している。
野球でのポジションはセカンド。打順は2番。
姉が二人いる。
e-testでの報酬:呪いを解く
能力:「呪い」
特定の対象物に対し「消えろ」と念じることで、僅かな間対象物を消す(透明にする)ことが出来る能力。実体までは消せないが、効果が発動している間は「影」に捕まらない。対象についてもかなり応用が利き、「写真に写る人物の一人」を消し、その人物の背後を見る、などという使い方も可能。
e-testが始まる前まではモト本人が「消えたい」と願ったときにしか発動しなかったため、モトは自分自身のみを消す能力だと勘違いしていた。
九条院ひいな(くじょういん ひいな)
  • 身長158cm、体重43kg
  • 誕生日:3月3日
  • 血液型:B型
  • 得意な教科:英語、音楽
  • 苦手な教科:体育
  • 好きなもの:ダイヤモンド、ピアノ、日本舞踊、ネイルアート、犬
  • 嫌いなもの:触られること、軽薄な人、汚いもの、きゅうり
2年C組。出席番号は21番。九条院財閥の娘。プライドが高く、他者と馴れ合うことを嫌う。
家庭でも学校でも上辺だけ取り繕って馴れ合っている人間関係を目にして失望、嫌気が差している。クラスでも親しくする友人はなく、孤立していた。しかし、本当は心から信じることの出来る人間関係の構築を求めている。ちなみに両親とも不仲である模様。
最初はスミオの事を「軽い人」と思っていたが、No.5のパスワード取得の際にスミオに助けられてからは信頼するようになる。
e-testでの報酬:
能力:第3の手
自由自在に動かしたり感知することの出来る透明な手。触れた場所にはくっきりと手形が残るが、数分で消える。「手」の腕力は7、8歳程度の児童の腕力と同じで、傷つくと本物の自分の手もダメージを受ける。
水沢アル(みずさわ アル)
2年H組。心優しく純粋な少年。e-test参加時は警察のマスコットキャラクター「ピットくん」の着ぐるみを着ている。当初は「着ぐるみを着たアルバイトの途中に攫われ、背中のチャックが壊れていて、脱ぐことができない」と言っていた。
この着ぐるみの姿は後述の能力を使って変身したアル自身である。過去に不慮の事故に遭い、身体の半分以上の機能を失った。入院中にピットくんに出会い、その時にスミオとも会っている。その後リハビリの一環で出かけた遠足で、乗っていたバスが崖から転落するという事故に遭い、その時一緒に乗っていた人々を助けるために才能に目覚めた。
このため、他人を助けたいという気持ちの大きさは人一倍強く、必要とあらば己の身を犠牲にしてでも守ろうとする。
クリスに襲われて頭を奪われ気絶してしまい、その後スミオが頭を持ってきたことで復活した。No.4のパスワード入手の際は、回転する歯車に自らの身体を巻き込ませて歯車の動きを抑え、スミオを助けた。バラバラになった身体はスミオ達に集められ、修復された後、再び復活した。
e-testでの報酬:健康な体
能力:人形化
「ピットくん」の着ぐるみに変身することが出来る。中身は空洞で、頭を一定以上胴体から遠ざけられると、意識を失ってしまう。逆に頭と胴体を近付けると、互いに引き合う仕組みになっている。
月が出ている夜ならば、通常の6倍の身体能力を発揮することができる。また、身体がバラバラに引き裂かれても、縫い合わせる事で復活出来る。
祀木ジロウ(まつりぎ ジロウ)
  • 身長178cm、体重54kg
  • 誕生日:5月1日
  • 血液型:A型
  • 得意な教科:数学、理科(物理)
  • 苦手な教科:家庭科(味オンチなため、レシピがないと料理が作れない)
  • 好きなもの:数学、難問、規律、家族、努力、犬(豆柴)
  • 嫌いなもの:自己中心的な行動、規律を乱すこと
3年B組。出席番号17番。冷静でクールな性格。生徒会長で校則に厳しく、7人のまとめ役を買って出る。自分のことよりも他者を第一に考え、自身を犠牲にすることも厭わない。
全国模試1位の秀才で、この世で決して「狂うことのない」数字を好む。医者の一家に生まれるが、人の生と死を賭けて戦っている家族の姿を見て自分も医者の道を志し、数字のように「狂わない」人の命を助ける信念を持っている。
過去にクリスと共に第2回e-testにエニグマによって参加させられたことがあり、唯一の脱出者にして初めてのe-test合格者となった。その際、「影」にクリスが連れ去られたのに気付けず、見捨ててしまったことを後悔している。
e.2に於いて、油断していた所を、「影」に連れて行かれてしまう。その後、意識の無いまま焼却炉に監禁されていた。スミオらの協力と自身の能力「三次減算」を使い、脱出に成功し、同時にパスワードを入手する。
「影」に捕まったことでその身体も「影」に侵食されつつある。自分の意思で御しきれなくなると、皮膚の色が黒くなり性格も一変する。焼却炉から救出された際に主催者が用意した「影」化を抑える薬を手に入れたが、自分は飲まずクリスに飲ませた。
e-testでの報酬:不明(第2回e-test時の報酬は「医者になる」)
能力:三次減算
己の触れた物体に数字が刻まれ、その数字を削ることで、物体を小さくすることができる。しかし、対象とすることが出来るのは物体のみで人には使えず、また、元のサイズに戻すこともできるが元のサイズ以上に大きくすることはできない。
崇藤タケマル(すどう タケマル)
3年G組。大柄でフードを被った不良。猜疑心が強く、謎の多いエニグマや集められた仲間に強い敵意・警戒心を抱く。
「理不尽なこと」を最も嫌っており、理不尽は必ず正されるという信念を持っている。これは幼い頃、義父によって数々の暴力を受けた経験からで才能でもある背中の古傷は、この義父によって付けられたもの。本人はこの過去を隠したがっていたが、古傷自体に能力が宿っていた事を知り、この能力を使って、自分にとっての「大切なもの」である弓河を助け出す事を誓う。
ジロウ救出の際は、スミオやモトら以上に自分たちを弄ぶエニグマへの敵意から、彼らに協力する。巨大な鉄のポールを一人で担ぎあげるなど、怪力の持ち主。
e-testでの報酬:弓河あみの救出
能力:「古傷」
背中にある古傷を覆う皮が剥がれ、物体に付着することで、その物体の「動く時間」を巻き戻すことが出来る。「皮」が付着した物体には巻き戻しを示すマークと「月」「日」「時」「分」が表示される。その物体が壁などにぶつかった際は停止することなく動き続ける。
この能力を使っている間は、傷口が開いて出血し続けてしまうため、長時間使い続けることは困難である。
栗須リョウ(くりす リョウ)
スミオの提案により途中参加。失踪者の項を参照。

失踪者

栗須リョウ(くりす リョウ)
  • 身長177cm、体重53kg
  • 誕生日:9月30日
  • 血液型:AB型
  • 得意な教科:全教科(特に英語)
  • 苦手な教科:なし
  • 好きなもの:十字架、人との交流、サプライズをすること、キッシュ
  • 嫌いなもの:「7つの大罪」、暗い場所
元2年C組。出席番号6番。夕闇高校第46代生徒会長。ジロウの先輩であり、「失踪者」である。彼の名前がe-testのパスワードになっていたが、どんな関係があるのかは不明。
イギリスからの帰国子女で敬虔なクリスチャンであり、常に十字架のネックレスを首から下げている。明るく勉学に優れ人望もあり、ジロウを始め皆から「完璧な人間」として見られていた。
ジロウと共に第2回e-testにエニグマによって参加させられたが、脱出間際に「影」に連れ去られ、失格となった。その際ジロウに裏切られた為に失格したと思っており、5回目のe-testでは他者を犠牲にしてでも自分が助かりたいと考えていた。尚、この性格は「影化」したために目覚めた人格であるとのこと。この時は基本的にスミオら他の参加者のことを信用していなかった。
e.10に於いて「自分が水沢アルだ」と主張し、事の顛末を全て告白する。彼らに協力する姿勢を見せるが、実際はスミオたちを利用し自分だけは確実に脱出しようと企んでいる。平面世界においてスミオと闘うが、外の世界と連携したスミオ達の前に敗北、参加者全員を「影」化させようとするが、ジロウにより薬を飲まされ「影」化を抑えられた。その後、ジロウの口から真実を聞かされ自分の非を認め、改めてスミオらに協力することになる。その後、エニグマからは自身が脱出できない事を告げられるが、スミオの機転により、参加者として途中復帰した。
尚、登場人物が全員名前で呼び合うのに対し、彼だけは「クリス」と呼ばれているが、アルからは「リョウくん」と呼ばれている。
e-testでの報酬:牧師になる
能力:FLAT(フラット)
絵や写真、文章等の平面世界に入り込み、そこに描かれているものを自由に使ったり、書き換えたりすることができる。
さらに、自分以外の人間を2人までなら平面世界に連れ込むことができ、クリスの許可なく平面世界から出ることはできない。平面世界にあるものを動かせるのはクリスのみであり、さらにものの形状も多少なり変えることができる。クリス以外の人間がものを動かそうとしてもびくともしない。
媒体となった写真などを燃やされたりすると、平面世界の中にもその影響が出る。ちなみに、クリスは平面世界の外の事象には干渉できない。
上杉ケンゴ、荒井ヨシオ、神谷みさき
ジロウとクリスと共に第2回e-testにエニグマによって参加させられた夕闇高校の生徒達。彼らも微弱ながらジロウ達と似たような能力を持っており、一時は協力して脱出しようとしたが、制限時間が迫る中、パスワードが2つしか見つからなかったため「このままでは自分は出られない」と考え、先に脱出しようとしたが3人とも「影」に連れ去られてしまう。ジロウによって影化が抑えられたクリスとは違い、完全に影化したと思われる。

7人の親族

灰葉ミナ(はいば ミナ)
スミオの母。勤務先のキャバクラではNo.1であると自負している。30代と思われるが若作りで20代半ばにしか見えない。その容姿から、特に客から言い寄られたり口説かれることも多いが、一途に夫を愛しており誘惑に負けることはない。3年前、突如夫が失踪。その後、女手一つでスミオを育て、夫の帰宅を信じて家を守っている。
「エニグマ」に関して何らかの情報を知っている模様。夫の失踪にも「エニグマ」が関与しているようなことを臭わせている。
「スミオの中には怪物が居る」との警告を残した後、出勤したキャバクラのエレベーター内から忽然と姿を消し、黒いシミだけが残されていた。e-testでのスミオの報酬が「親」となっており、身柄は「エニグマ」が預かっていると思われる。

夕闇高校関係者

数奇ケイ(すうき ケイ)
1年A組。スミオのクラスメイト。常にオカルトチックな衣装を着ている。一人称は「オイラ」。
都市伝説、民間伝承などの噂話を、自らのサイト上で考察、レポートすることを生きがいとするオカルトマニア。一人でいることが好きらしく、スミオもあまり会話をしたことが無い。過去に上級生の不良を呪い倒したことがあるらしい。
何者かの策略から、スミオとのみ連絡を取り合える携帯電話を渡されメッセンジャーとして、間接的に夕闇高校からe-testに関わることになる。
綺島ユウタ(きじま ユウタ)
2年H組の教師でアルの担任。国語教師で女子ソフトボール部の顧問でもある。少し抜けた所があり、よく転ぶが生徒からの人気はある。アルの母親と共にアルの心配をするが、何か狂気のようなものを秘めている。よく宿直しており、e-testに関わり学校に来たケイと鉢合わせになり1年A組の黒板に書かれたNo.6のパスワードのメモを消してしまう。保健室の教諭・弓河が目当てだとタケマルに思われていたが実際は彼の「才能」が目当てであり、夕闇高校に通う生徒達の才能に固執している。手のひらにエニグマらしきタトゥーがある
弓河あみ(ゆみかわあみ)
3年前の夕闇高校の養護教諭。タケマルの虐待事情を知る校内ただ一人の人間で、タケマルも彼女だけは信頼していた。下校中の夕闇高校の生徒を殺した殺人未遂の疑いで逮捕されているが、その時間にはタケマルと共に保健室に居たというアリバイがあった。が、なぜか綺島がその様子を見ていたという証言をした。このため、タケマルは綺島が彼女を陥れたと思い、綺島を敵視している。

用語

エニグマ
e-testの主催者。 e-test中も参加者を監視したり、理不尽な仕掛けとともにパスワードを隠したりしている。人間の頭蓋骨を、側頭部から見て各部をバラバラに繋ぎ合わせた姿をしている。通常は白い骨に目や口などの黒い穴があいている姿だが、感情が高ぶる等すると骨の色が徐々に変化し、色の構成が逆になる。
e-testを行う理由は参加者の能力を見極めるだけでなく、自分と会うのにふさわしい「強い人間」を求めているため。エニグマと会うためには参加者が全員でe-testをクリアしなければならないという。ただし、以前のe-testで失格者と見なされた人間は脱出する事は許されないが、現在の参加者の意思によっては危険なリスクを冒してまでももう一つのパスワードを用意してくれる事がある。
ユニークな才能
エニグマによって集められた人間が有する「特殊な能力」のこと。過去に何らかのきっかけで発現しており、自覚して能力を使う者や自覚しながらも能力に怯えている者がいる。それぞれの能力については、#第5回e-test参加者を参照。
影(シャドー)
人間一人を覆いつくすほどの黒い塊。e-testの最中、校内を巡回する。それらは元は人間で、e-testに於いて「影」に捕まった者、「失踪者」になった者であるとされる。
捕まった者は一瞬にして姿を消し、何処かへ連れ去られる。また捕まった人間は身体に「影」と同じ模様が現れ、やがてその者もまた「影」になってしまうとされる。「影化」すると本来の自分とはまったく異なる正反対の第二の人格が生まれ、この人格に負けた時完全な「影」となる。感染してしまった人間が善良で在ればある程「影」が濃くなると醜悪な人格を形成していく模様。
出現の際には、校内に不審者が侵入した時に流れる「タカハシさんがいらっしゃいました…」という符丁のアナウンスがかかる。
このアナウンスの回数は影の出現数と同じであり、アナウンスが二重に重なると影が2体出現する。
尚、影化を抑える薬が存在するが、服用しても効果があるのは1回だけらしい。
失踪者(しっそうしゃ)
過去にe-testで失格となり、その世界に閉じ込められた人間。失踪者は現実世界における存在そのものが抹消されるようであり、名簿などの記録も残らない。
東京都立夕闇高校(とうきょうとりつゆうやみこうこう)
スミオらが通う学校。No.6のパスワードのメモを探す際にe-testの舞台となっている夕闇高校と間接的に参加させられていた数奇の夕闇高校が別々に存在していることが語られた。

e-test

エニグマが行う適性査閲のこと。特殊な能力を持つ人間の本質を計るという。参加者の能力次第で合否が左右されることもある。
舞台は夕闇高校のようだが、スミオ達の暮らす夕闇市とは外見は一緒でも全く別の夕闇市の夕闇高校である。
本作で登場する問題用紙には「第5回目」とあり、テスト内容は以下の通り。参加人数は7名(後にクリスを入れて8名)。

  • 問題:「運命からの脱出」
    • 開始日時:9月19日午前0時
    • 成功条件:密室状態の校舎から、72時間以内に脱出する。
    • 報酬:各参加者の望み。
    • ルール1:出口は3号棟の屋上出口。
    • ルール2:脱出にはパスワードを入力する。ただし、一つのパスワードにつき一人しか通れない。
    • ルール3:校舎の廊下は「影(シャドー)」が巡回する。

パスワードの課題

No.1:「23時より食堂ホールで開始」/パスワード:HIJACK
内容:床の無いホールの中央にある台座まで行き、パスワードを取得すること。上下四方には無数の銛が仕込まれており、センサーが反応して射出される。
課題参加者:全員
No.2:「究極の2択」/パスワード:Q-510
内容:パスワードと祀木ジロウがそれぞれ入った二つの焼却炉がある。点火されるまでにどちらかを救うこと。尚、焼却炉を開ける鍵は一度しか使えない。
課題参加者:灰葉スミオ、支倉モト、崇藤タケマル
No.3:「写真に写る後列の右の生徒の左胸の名札」/パスワード:栗須リョウ
内容:集合写真で前の人間の頭で隠された生徒の名前を読むこと。
課題参加者:灰葉スミオ、来宮しげる、支倉モト
No.4:「死へ進む時計」/パスワード:classmate
内容:3つのステップを踏み、パスワードを手に入れること。スタート地点は屋上。
ステップ1:校庭にある光る時計の中にあるボタンを押す。ボタンを押せば、そこから手を抜くことが出来なくなる。制限時間は5分。
ステップ2:正面時計の文字盤の『6』を押す。屋上から時計まではガラスの階段があり、進むにつれて脆くなる。制限時間は4分。
ステップ3:時計の中に入り、歯車をかわしながら進んでボタンを押す。時間が経過すると歯車が迫ってくる仕組みになっている。制限時間は3分。
課題参加者:灰葉スミオ、支倉モト、水沢アル
No.5:「水の中にあるパズルに書かれた言葉」/パスワード:2月29日
内容:室内が水没する前に、水の中に散らばる18個のピースを集め、パズルを完成させること。
課題参加者:灰葉スミオ、来宮しげる、九条院ひいな
No.6:「旧校舎の怪談」/パスワード:A24
内容:旧校舎のどこかに存在する「歸らずの間」の巨大迷路で、出口にあるパスワードを手に入れること。開始時間は午後5時。
課題参加者:灰葉スミオ、九条院ひいな、崇藤タケマル
No.7:不明/パスワード:不明
内容:不明

ラジオドラマ(VOMIC)

ジャンプ専門情報番組「サキよみ ジャンBANG!」にて、2011年4月に放送中。2011年5月から集英社ヴォイスコミックステーションサイト「VOMIC」で配信される予定。

キャスト

  • 灰葉スミオ - 日野聡
  • 来宮しげる - ゆかな
  • 支倉モト - 市原将弘
  • 九条院ひいな - 田中真奈美
  • 祀木ジロウ - 室元気
  • 水沢アル - 田谷隼
  • 崇藤タケマル - 松丸幸太郎
  • 灰葉ミナ - 氷上恭子

単行本

榊健滋 『ǝnígmǝ【エニグマ】』 集英社〈ジャンプ・コミックス〉、既刊2巻(2011年3月4日現在)

  1. e-test 2010年12月29日発売 ISBN 978-4-08-870168-4
  2. アウト 2011年3月4日発売 ISBN 978-4-08-870196-7

外部リンク