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キリン/東本昌平

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著者: 東本昌平
巻数: 39巻

東本昌平の新刊
キリンの新刊

最新刊『キリン 39


出版社: 少年画報社
シリーズ: YKコミックス


キリンの既刊

名前発売年月
キリン 36 2009-01
キリン 37 2009-06
キリン 38 2010-03
キリン 39 2010-09

キリン』は、東本昌平によるバイク漫画。

概要

1987年より1990年まで、『ミスターバイクBG』(モーターマガジン社)にて「POINT OF NO RETURN!」編を連載。 『ヤングキング』(少年画報社)に連載を移し、「The Horizontal Grays」編をスタート。1998年より『ヤングキングキングダム』に連載を移し「RUN THE HAZARD」編を連載。2004年11月、『ヤングキングキングダム』の休刊に伴い、2005年より再度同社『ヤングキング』に舞台を移して連載を継続。

バイクに乗ること、スピードの彼方への焦がれに魂を燃やし続けるバイク乗りたちの群像劇は、バイクを愛する読者に強い影響を与え、「バイク乗りのバイブル」と呼ばれるに至った。東本昌平の代表作で、本作の特徴としては、後の作品にも見られる詩的に描かれているコマ・セリフ回しなどが挙げられる。特に「POINT OF NO RETURN!」編が全体を通してその傾向が強い。ジャンルはいわゆる「メカ物」ではなく、「バイク乗りの本質」をメインとしたものであり、これは全編に共通して言える事である(その為、登場する車種で特にこれといった一貫性はない)。

本作のタイトルでもあり、主人公の名前としても書かれている「キリン」とは、バイクを草食動物、車を肉食動物であると喩え、キリンは子供をライオンに奪われても、奪還しようともせずただ遠くから見守るだけというところから、「肉食動物」にも立ち向かっていける「草食動物」でありたいと願う、バイク乗りに対する考えである(「RUN THE HAZARD」編では速く走る存在という意味から霊獣麒麟とのダブルミーニングにもなっている)。つまり「キリン」とはバイク乗りを意味している。だが、キリンというあだ名をつけられているのは、「POINT OF NO RETURN!」編の主人公と「RUN THE HAZARD」編の主人公のみ(あだ名は同一であるがまったくの別人)。そういった意味がキリンという名に込められている為か、車との競争や車とバイクを比較するシーンが多い。ちなみに、本作で出ている「バトル」とは、端的に言うと「追いかけっこ」を意味している。

あらすじ

各シリーズを便宜上、第一部~第四部として記述する。

「POINT OF NO RETURN!」編(1 - 4巻)
GSX1100S「カタナ」を操り、自ら「デカ尻女」と名付けたポルシェ・911に再び挑戦する「キリン」と呼ばれる男のバトルを中心に描く。
都内から東名高速へと常軌を逸したバトルを繰り広げる二台に刺激され、途中参加する者たちの中に、第二部に登場するモヒとチョースケの姿もある。
「The Horizontal Grays」編(5 - 18巻)
峠の走り屋チーム「むてきんぐ」のリーダー格・不破マサキと、バイクチーム「バーンストーム・トゥルップス」のメンバーで、コーヒーショップ「ランブル」のマスターでもあるモヒを中心とした、さまざまなバイク乗りたちの交流を描く。途中と最後に「POINT OF NO RETURN!」編の主人公「キリン」と思しき人物が再登場する。
「The Horizontal Grays スペシャルエディション」(5巻冒頭)
第二部本編のパイロット版であり、登場人物名は一部重複しているが、本編とは別の世界観・時間軸のエピソードとなる(ただし「キリンは泣かない」のフレーズは登場する)。
主人公マサキが、公道ドラッグレースで命を落とした兄貴分のコージの敵討ちの為、彼の形見であるフルチューンのモンスター「カタナ」に乗り、宿敵「ピンク・コルベット」に湾岸線バトルを挑む短編。
「RUN THE HAZARD」編(19巻 - 35巻)
キリンのカタナを受け継いだ若き「キリン」の登場、悪逆の限りを尽しながら膨張してゆくバイクチーム「ガルーダ」との確執を描く長編。その争いはとどまることなく、モヒやバイクチーム「グリフォン」等さまざまなものを飲み込み、破滅へと向かう。
ストーリーは時系列シャッフルされている為、その舞台から便宜上「北海道編」「東京編」として記述する。冒頭の導入部分はガルーダ壊滅後の北海道が舞台(19-21巻)、ガルーダの全盛期からその崩壊を描く東京編(21-35巻)、最後にまた北海道でのエンディング(35巻)という構成になる。また途中で東京編よりさらに過去のエピソード「ゴンボイ」が挿入されている(25巻)。ちなみに第二部の初期には、東京編と北海道編のブランクは5年と明記されるが、シリーズ最終巻である35巻の展開上は、東京編の直後にガルーダ残党が北海道へ旅立っている。
なお、北海道編においてキリンが乗っているバイクは「カタナ」ではなく、GSX-R1100である。この作品において重要な意味を持つ「カタナ」から乗り換えた理由は明らかにされていないが、35巻でタンクローリーが爆発炎上した際、倒れたカタナを事故現場に放置して立ち去っており、現在所有していない可能性はある。
「ゴンボイ-Go on boy-」(25巻冒頭)
本編(東京編)から遡ること数年前(明確な記述は無い)、キリンと呼ばれる以前の主人公と、モヒカンのマスターの出会いを描く短編。
主人公はまだ少年の面影を残した十代であり、ターミネーターズ仕様のXR600に乗り、オン・オフ問わず単独で走っている。このエピソードでマスターが乗っているのは「カタナ」(第二部で「フジツボまぶし」と呼ばれて保管されていた初代キリンの乗機をレストアしたと思われる)。偶然知り合った二人の交流から、最後に「カタナ」を譲り受ける結末となっている。
「WONDER NET WANDER」編(36巻 - )
海岸沿いの町で琴吹の姓を持つ「キリン」とその父、祖父、親子三代と750SS(H2)「マッハ」を中心に描かれる物語。祖父から与えられた「マッハ」に乗り、様々な人と関わり合いながら「キリン」自らの将来を見つめていく。
「WONDER NET WANDER」編では「キリン」がGSX1100S「カタナ」に一度も乗らない。

登場人物

「POINT OF NO RETURN!」編

キリン
小さな広告代理店に勤める38歳の男性。
「デカ尻女」ことポルシェ911とのバトル中、生死の境を彷徨う重大な事故を起こし、妻と離婚。それから数年経ち、回復してからの平穏な毎日に何処か不満を感じながら暮らしていた。しかし一人の女性と取引先の橋本の所有する「デカ尻女」ポルシェ911に出会い、自分の中に眠っていた闘争心とこだわりに気付く。そしてキリンはこだわりの清算をする為に、事故を起こす前に乗っていた車種である「カタナ」を買い戻し、橋本に東京-浜松間での勝負を挑む。途中モヒ・チョウスケがバトルに追従する。バトル中にクラッチワイヤーが切れるアクシデントに見舞われ、目の前で殺人行為に近い出来事も起こるが走り続ける。由比に差し掛かったところで、ギヤ抜けを起こしバイクが操作不能となり、ガードレールを飛び越えてバイクごと海に落ちるも生還した。
「The Horizontal Grays」編でも、同一人物と思われる者がたびたび登場し、BMWのK100やK1200RSに乗っていた。
モヒ / マスター / 長尾泰三
「バーンストーム・トゥルップス」のオリジナルメンバー。モヒカンの髪型が特徴。唯一本編三部全てに登場。
バイク乗りが集まる喫茶店「ランブル」のマスター。「バーンストーム・トゥルップス」は、ドラッグレースで知り合ったナナハン乗り(CB750F)の男と、モヒ(RZ250改350ccエンジン)が意気投合し二人で結成したチームだが、そのナナハン乗りが桜の咲く結成翌日に事故死してしまったため、モヒがチームを引き継いだ。(「バーンストーム・トゥルップス」の実質的なリーダーは、モヒかと思われるが作中では明記されていない)。ちなみにマスターのモヒカン頭もそのナナハン乗りから受け継いだものと思われる。
「チャックチャックイエーガー」と唱えれば不安は解消すると冗談めかして喫茶店の近所の中学生にアドバイスしたり、火事の際は近所にふれて回るなど、外見はいかついバイク乗りだが普通の市民としての生活をおくっている。作中、実家に帰省し着流しを着るなど、バトルスーツからのイメージとは違う姿もある。
チョースケ / 渡辺長介
GPZ900R「ニンジャ」乗り。
男として円熟の域にあるキリンとの対比キャラクターとして、作品初期の段階ではキリンに対して何かとつっかかる青年。若いバイク乗りを体現したキャラクター。後には、若いマサキに対して自らの体験を語る・キリンの思いを語り継ぐキャラクターとなる。「バーンストーム・トゥルップス」のメンバー。キリンに憧れながら、自身のバイク乗りとしてのポリシーを作り上げてゆく。
2部「The Horizontal Grays」で、首都高でスカイラインGT-Rとバトル中、事故に遭いニンジャを失い自身も怪我で入院するが、完治しないまま退院し、当時最速のZZR1100でGT-Rに再戦するが、バトル中に大型トラックと接触し事故死。
橋本
不動産会社に勤める男性。キリンより一つ年下の37歳。
キリンと仕事の取引で知り合った事がきっかけで、浜松までのバトルを繰り広げることになる。筋金入りのポルシェパラノイアで、'73カレラRSとSタイプエンジンをTタイプボディに載せた'84 911を所有する。
穏やかで紳士的な人物だが、心の中ではバイク乗りに対して軽蔑の感情を抱いている。

「The Horizontal Grays」編

マサキ/不破雅樹
「The Horizontal Grays」編の主人公的な存在。レーシングチーム「むてきんぐ01」。「ランブル」に出入りする若者。RGV250γに乗っていたが、大型免許取得後マスターのGPZ900Rニンジャを譲ってもらい乗るようになる。スペシャルエディションでは浩司の妹と付き合っていて、ドラッグレースで死んだ浩司の仇を討つため、浩司の形見のモンスターカタナに乗りシボレーコルベットスティングレイとバトルする。バーンストームのメンバーではないが、13巻で峠を走っているときにバーンストームのジャケットを着ている姿がみられた。
サイコ/彩子
マサキの同級生。マサキのバイクにタンデムしたときの爽快感、開放感から普通自動二輪の免許取得を決意する。実際はマサキに気があったためと思われる。
愛車はZEPHYR(400cc)。チョースケと付き合う。
リュウジ/竜二
「むてきんぐ02」。愛車はNSR250R。
マサキと北海道ツーリングに行った際、ずっとバイクに乗り続けると約束するも、結局車に乗り換えてしまった。7巻表紙は彼。なぜか最初は名前が竜一だった。
ケンジ/本郷研二
「むてきんぐ03」。のり子と見に行った鈴鹿8耐でレース熱が高まり、ミニバイクレース、250ccレースへ参戦する。
その後5年落ちの250ccレーサーを購入し、レースの世界へ踏み入っていく。
のり子/土屋紀子
サイコがアルバイトをしていたハンバーガーショップでの同僚。ケンジと付き合う。
コージ/浩司
GSX1100Sカタナにこだわる男。マスター、チョースケとのバトルの後つるむようになる。2人から「思い込みだけならキリン並み」と言われる。その時に事故で壊れたカタナを自力で修理しさらに改造を増し、コンプリートモデルとして雑誌に紹介されるほどまでになった。バーンストームのメンバーではないが、死んだチョースケの弔いにバーンストームのメンバーが首都高へ集まった時に顔を出している。スペシャルエディションで、埠頭のドラッグレースでスティングレイとバトルし、海に落ちて死んだ。(本編とは関係ない)
ギントメ(銀留)
チョースケ死後にランブルに出入りするようになったZZR1100乗り。ドラッグレースでGSX-Rに勝つため70万かけてエンジンを改造したが、エンジンブローで一瞬でパーになってしまった。ランブルのバイトのあゆみちゃんに惚れていたが、マサキの彼女になってしまった。28巻表紙ではグリフォンのジャケットを着ている絵が描かれているが、本編ではグリフォン加入の情報は確認されていない。
ウィンディ・レディ
本名不明。本人が名乗っているわけでなく、目撃したバイク乗りの間での通称。
ピンクのホイールを装着したGSX750Sカタナ(リトラクタブルライト採用の後期型)に乗る女性ライダー。峠道や混んでる道路のすり抜けなどで神業のようなライディングを見せた。重量の大きいナナハンのカタナで、リアを滑らせながらコーナーを曲がるライディングを見せ、それを見た当時RGV250γ乗りだったマサキは大型二輪への限定解除を決意した。
太郎丸
マサキに地蔵峠で勝負を挑んだTZR250R。

「RUN THE HAZARD」編

キリン
二人目の若き「キリン」、チームグリフォンのゴストレイ、バイク便の不破マサキとは別人。最初のキリンが残した、青い「カタナ」に乗る(手に入れる前までは銀の外装だったもの)。北海道編での搭乗機は油冷のGSX-R1100。
マスターと出会った頃はXR600のターミネーターズ仕様に乗っていた。オフロードをものともせず、カタナで突っ走るモヒに影響され、後に「キリンのカタナ」を託される。バイクの腕だけでなく異種格闘の達人でもあり、喧嘩の腕も最強クラスに描かれているがモータースポーツ以外の争いは嫌う。
タンクローリー炎上時、寺崎に見せた涙や、巨大な権力・組織「ガルーダ」への抵抗などから、初代キリンの「キリンは泣かない」を覆したとも受け取れる。
カシラ
暴力をも厭わぬバイクチーム「ガルーダ」を率いる。愛車はZZR1100。
北海道遠征の際にはアップハンドルのハーレーに搭乗。
マスター
ガルーダの本拠地となっていたバー「ヴェルベットピーチセブン」のマスター。かなりの巨漢。現役メンバーではカシラに次ぐ最古参で、加藤と並ぶナンバー2的なポジション。若い頃に事故で片足を失い義足を付けている。愛車は77年式ハーレー。
盟友加藤のケアをする為にチーム脱退を宣言した直後、チーム幹部に不満を持っていたメンバー(蒲生慎亮を殺した人間と同一人物)に路地裏で襲われる。ナイフで滅多切りにされるが応戦、返り討ちを果たすものの、本人も搬送先の病院で死亡する。
加藤
ガルーダのナンバー2。現役メンバーではカシラ・マスターに次ぐ古参であり、加入前は初期のガルーダと敵対していたチームのリーダーだった。愛車はGPZ900R。
キリンとの格闘戦で完膚なきまでに敗北したショックでクスリにハマり、中毒症状を起こす(クスリはパブがバラ撒いたもの)。その後、敵対組織であった「グリフォン」幹部の協力により、厚生施設へ送られ回復した模様。
北海道遠征メンバーの一人。その際はチョッパーハンドルのハーレーに搭乗。
竿師 / 寺崎
ガルーダのメンバーで、新参ながら中心メンバーの一人。愛車はZ1000MKII。
ガルーダの全盛期に自ら売り込みに大阪から上京、カシラに認められてメンバー入りを果たした。関西弁を話し、愛嬌のある憎めない男。腕っ節も相当に強く、やや不利ながらもカトーと引き分けた。武闘派ではあるが抗争などにはあまり興味を示さず、純粋にバトルを求める一面を持つ。痩身ながら精力絶倫のタフガイで、後に特技を生かしてAV男優となる(竿師の渾名はそれに由来する)。両肩から胸にかけて刺青を入れており、胸の図柄はギャオスとガメラ。キリンを自分のライバルと目し、幾度と無く勝負を挑む。その走り屋としての闘争心は、ガルーダの無法ぶりに辟易するキリンにも伝わり、一定の共感を得る。
北海道遠征メンバーの一人。その際の愛車はNinja ZX-9R。走行中に鹿と衝突し投げ出され、心肺停止状態に陥るも意識は回復し快方に向かう。
ガモウ / 蒲生慎亮(がもうしんすけ)
ガルーダのメンバーで中心人物の一人。チームでは異例とも言える穏健派。記者会見でのスポークスマンを担当した事から「広報部長」の肩書きを与えられる。愛車はGPZ900R。
数年前、偶然出会ったチョースケの風貌や考えに影響を受け、「同じ目的、同じ匂いを持つ者達とただ走れればいい」という考えから、ガルーダに加わる。チョースケの名前や「バーンストーム・トゥルップス」のメンバーである事は知らず、単純に当時から有名であったガルーダに入ったと思われる。
初代キリンの影響を強く受けていたチョースケや、キリンのカタナを受け継いだ2代目キリンと接することによって、ガルーダのバイクチームとしての存在意義に疑問を覚え始める。結果的に、暴力的なメンバーの反感を買うことになり、大竹の指示により襲撃されメンバーにより刺殺される。
ガモウ / 蒲生啓亮(がもうけいすけ)
蒲生慎亮の弟。殺害された兄の仇を取るため、ガルーダ全盛時代の末期にメンバーとなる。愛車はZEPHYR。
チーム加入前はいわゆる「バイカー風スタイル」(黒い革ジャン・革パンの威圧的なファッション)に否定的であり、自身は50年代風のロカビリースタイルだった。
北海道遠征メンバーの一人。その際にはバイクではなくレガシー・ツーリングワゴンに搭乗。
ハチ
ガルーダメンバーで、やや格下の扱いながら中心人物の一人。肩書きは「若頭」(寺崎が指名を断った為に指名された。実際の権限は不明)。愛車はGPZ900R。
首に「⑧」(ビリヤードの8番球)のタトゥーがある。キリンを追跡中に白バイと衝突し、投げ出された後、後続車に左足を轢かれる。ガルーダのメンバーは黒尽くめのスタイルである事が多く、ほぼ例外なくヘルメットも黒一色だが、彼のヘルメットにはタトゥと同様に「⑧」のマークがある。
北海道遠征メンバーの一人。その際にはバイクに乗らず、蒲生のレガシーに同乗する。
カツミ
ガルーダメンバー。愛車はBuellライトニング。
北海道遠征メンバーの一人。その際はローハンドルのハーレーに搭乗。
ハッカイ / 河口
ガルーダの新人メンバー。愛車はV-MAX。
元々は松本の知人であり、強引かつなし崩し的に加入を果たす。以前から憧れていたようで、ガルーダに対する思い入れは強い。ハッカイとは大食漢で女好きであることから猪八戒にちなんでカシラにつけられた渾名だが、本人は気に入っていない様子。
北海道遠征メンバーの一人。その際の愛車はYZF-R1。
パブ / 大竹
ガルーダメンバー。享楽的かつ陰湿な性格でチームの好戦派を無軌道な蛮行に駆り立てる張本人。愛車はGPZ900R。
本業は麻薬の売人(の元締め)であり、ガルーダへの参加をその隠れ蓑にしている可能性がある。以前から警察にマークされていた事に加え、メンバー殺傷事件への関与にも捜査の手が伸びた事により、類が及ぶのを懸念した麻薬の卸し元であるヤクザに殺害された。
シャケゾウ
ガルーダメンバー。全盛期にはパブとつるんでおり好戦派を煽っていた。しかし麻薬の密売やメンバーの殺傷、内部抗争には関与していない様子。愛車はGPZ900R。
イットキ
ガルーダメンバー。主にチームメンバーのバイクの整備を担当しており、走り屋である描写は無い。松本の口車に乗り、部外者の彼にチームジャケットを騙し取られて苦労する。イットキのジャケットは松本が偽ガルーダとして騙る際に多用されるが、チーム加入後の河口=ハッカイに現場を見咎められ、無事に持ち主の元に戻った。
品原
ガルーダの新人メンバー。実はグリフォンのスパイであり、ガルーダの実情を探るべく潜入中。愛車はZZR1100。
松本善行(まつもとよしゆき)
ガルーダに取り入ろうと周辺をうろつく正体不明の男。貧相な小男で眼鏡とホクロが特徴。愛車はノーマルのニンジャ。
「ガルーダをドキュメンタリー映画の題材に」と業界人を装って接近するが、その事実は無いようで詐称である可能性が高い。裏ビデオの卸しや出会い系サイトを運営する怪しいプロダクションに出入りしているなど、本業は不明。ちなみにハッカイはその業者に出入りしていた関係での知り合いであり、また寺崎のAV男優業も松本の紹介。
ガルーダとグリフォンの確執に目をつけ、グリフォンのメンバーの立ち回り先でもあったランブルに放火し全焼させる。イットキからチームジャケットを騙し取り、行く先々でガルーダの正規メンバーを騙る。嘘で塗り固められた短絡的な幼稚な自己顕示欲に基づくものと思われる。
グリフォン・ゴースト
老舗バイクチーム「グリフォン」の元メンバー、本名は不明。愛車はGPZ900R。
チームの仲間が襲撃された事やランブルへ放火(の疑い)から、ガルーダを敵視して攻撃を仕掛ける。グリフォン幹部による敵対行動の禁止を無視した為、チームから脱退させられた。その後も迷彩柄の上着と鉄パイプをトレードマークに「グリフォン・ゴースト」と名乗り、ガルーダを執拗に襲撃、その怒りの矛先はデビルドッグスへも向けられる。
「デビルドッグス」
浜崎を拠点とするというバイクチーム。リーダーの九鳴(くぐなり)以下、ポチ、タカシの三名しかおらず、弱小ながらも悪名を轟かそうとの志は高い。。全員モヒカンカットで黒いニンジャに乗る。
当初はガルーダへ交友関係を申し込んだがあっさり断られ、また世間の注目を集めるガルーダへの嫉妬から、敵対組織として襲撃を繰り返す。崩壊しつつあるガルーダに対して、主にスクーター乗りの若者を配下につけて勢力を拡大していく。
プリン
風俗嬢。源氏名であるが自分でもプリンと名乗っている。九鳴が店長をやっている風俗店に所属しており、その関係でデビルドックスの面々とも交流がある他、客として接触したハッカイらガルーダのメンバーとも面識がある。
曰く「イイ男に目がない」そうで、キリンの噂を聞きつけて一方的な好意を寄せる。通勤用にフュージョンに乗っていたが、キリンを追う為にXL1200を入手。ちなみに無免許。ガルーダ崩壊と同時期、北へ向かったというキリンの噂を頼りに、前後して店を辞めて北海道ツーリングに出る。本人の弁によれば、行きのフェリーでキリンと同船していたとの事(真偽は不明)。
ムチャ
北海道編に登場。CRM250に乗るドレッドヘアの男。「猿沼野営場」で長期キャンプする若者の中ではリーダー格。
ジロウ
北海道編に登場。SR400に乗る金髪の若者。ムチャの弟分。
モヒ
北海道編に登場。猿沼でキャンプする若者の一人。バイクは不明だが壊れてしまったらしい。ランブルのマスターである「モヒ」とはまったく無関係の別人。

「WONDER NET WANDER」編

キリン/琴吹凛
三人目の若き「キリン」。これまでの「キリン」との関係は一切ない。搭乗機は750SS(H2)。
琴吹凛太郎
凛の父親、にして琴吹輪業の跡継ぎ。愛車はZ2。
若い頃、凛蔵をおちょくった際、凛蔵の乗る「マッハ」に時速200キロで追い駆け回され死ぬような思いをして以来「マッハ」を嫌っている。
琴吹凛蔵
凛の祖父にして琴吹輪業の創設者。
キリンに「マッハ」を与えたその人。若き頃は自作したコトブキ麒麟号をひっさげ、「コトブキ・モーター」をホンダに並ぶバイクメーカーにしようと躍起になったが失敗して、いちバイク屋に身を転じる。

「こっち側」と「向こう側」

作中では、「こっち側」とは現在バイクに乗っている者、「向こう側」とはバイクに乗っていない者を指す。過去にバイクに乗っていたが、何らかの事情でバイクから降りてしまった「向こう側」へ行ってしまった人に対しては特に冷たい対応をする人物が多い。高速PAなどでバイクについて話しかけられても無視か、暴言を吐くなどといった具合に、一般人からすると想定外の対応をする。 ただ、最終的には同じバイク好き仲間として、好意的な対応をする場合もある。

バイクを降りる理由としては、怪我や病気で乗れなくなった場合を除き、バイクへの興味が無くなったか、結婚などによる家庭の事情をあげる者が多い。バイクは自分の意思で乗ったり降りたりするもので、他人に影響されるべきではないという「こっち側」の最極端にいる人間からすれば、後者は特に受け入れがたいものであるようだ。

パロディ

ミスターバイクBG誌にてパロディ版が企画された。

  • 「キリン」に対し「ロバ」
  • 「ポイント オブ ノーリターン」に対し「ポイント オブ ノータリン」
  • 「GSX1100S」に対し「GSX250S」
  • 「CB1100R」に対して「CB250RSZ-R」
  • 「ポルシェ・911」に対し「フォルクスワーゲン・ビートル」
  • 目的地「浜名湖」に対し「保土ヶ谷PA」