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グリンゴ/手塚治虫
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著者: 手塚治虫
巻数: 2巻
最新刊『グリンゴ 2』
『グリンゴ』 () は、手塚治虫による日本の漫画作品。『ビッグコミック』(小学館)にて1987年8月10日号より1989年1月25日号まで連載された。1989年2月9日、作者の逝去により絶筆し、未完となった。
概要
主人公・日本 人(ひもと ひとし)を通して、高度経済成長期の商社に仕えるサラリーマンの姿、異国から見た日本人像を描き「日本人とは何か」を問うた社会派サスペンス漫画。
タイトルの「グリンゴ」にはスペイン語で「よそもの」という意味がある。もともとは北軍の軍服を指したグリーン・コートから転じたもので、北アメリカを指した蔑称である。
大人向けの漫画ということで、他の手塚作品と比べるとやや過激な描写も見られる。
2002年には田中圭一によるリメイク作品『グリンゴ2002』が『トラウママンガマガジン』(英知出版)創刊号に掲載された。
あらすじ
時は1982年。南米の商業都市カニヴァリアに主人公・日本 人は支社長として赴任してくる。会社への厚い忠誠心を持った日本であったが、ある日社内での政変によって恩人の専務が失脚、日本も僻地エセカルタに左遷される。自分を貶めた常務派やカニヴァリア副支社長の熊谷への恨みもあって、日本はこの南米の排日感情の強い発展途上国で一攫千金を目指し鉱山の開発に着手する。ゲリラの協力と稀な幸運でレアメタルの鉱脈を突き止めた日本であったが、その2年後の1984年、ついに政府軍がゲリラを鎮圧し、日本らは逃避行を強いられることになる。果たして日本らの運命は……?
主な登場人物
- 日本 人(ひもと ひとし)
- 主人公。江戸商事に勤める中肉中背・低身長の典型的な商社マン。南米の商業都市カニヴァリアに支社長として赴任してくる。趣味・特技は相撲で、アマチュア時代は真芽錦(まめにしき)という四股名であった。
- エレン
- 日本の妻。日本国籍を持つカナダ人(ケベック州出身)であるが、日本の心を持つ女性。茶道の心得もある。
- ルネ
- 日本とエレンの娘。歳は6歳。
- 鬼外 カズ(おにそと カズ)
- 江戸商事エセカルタ支社の社員。お抱え運転手として現地採用された。元はゲリラのメンバーだった。
- ホセ・ガルチア
- サンタルナ共和国革命軍(ゲリラ)のリーダー。
- 戸隠 美穂(とがくし みほ)
- ホセ・ガルチアの妻。自分の利益のためなら誰とでも寝る女。
- 近藤
- カニヴァリア・ジャーナルの記者。日本を追って取材してくる。学生時代は科学欄の記者を志していたらしい。
サブタイトル
- 序章『カニヴァリア』-1982年7月-
- 第1章『危険な賭け』
- 第2章『誘拐者の周辺』
- 第3章『エセカルタ』-1982年9月-
- 第4章『文化果つるところ』
- 第5章『モンテトンボ山』-1982年11月-
- 第6章『クラブ・エスメラルダ』
- 第7章『エセカルタ』-1984年1月-
- 第8章『逃避行』
- 第9章『プエルトネグロス村』
- 第10章『焼畑の村にて』
- 第11章『東京村』-1984年4月-
- 第12章『勝ち組』
- 第13章『奉納大相撲前夜』
モデル
- 作中で後天性免疫不全症候群(エイズ)について触れられている箇所があるが、手塚プロダクションは巻末で「この認識については現在の科学的知見とやや異なっている場合があります」とコメントしている。
- 公式サイトによると、作中で日本がゲリラに誘拐される事件は、1986年フィリピンで起きた三井物産マニラ支店長誘拐事件をモデルにしているという。ちなみにこの事件の被害者男性は、手塚治虫と同じ1989年2月9日に亡くなっている。
コミックス
- ビッグコミックス『グリンゴ』小学館 全3巻
- 手塚治虫漫画全集『グリンゴ』講談社 全3巻
- 小学館叢書『グリンゴ』小学館 全2巻
- 小学館文庫『グリンゴ』小学館 全2巻
関連項目
- 田中圭一 (漫画家)
外部リンク