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コンシェルジュ/いしぜきひでゆき 藤栄道彦

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著者: いしぜきひでゆき 藤栄道彦
巻数: 全21巻

いしぜきひでゆきの新刊
藤栄道彦の新刊
コンシェルジュの新刊

最新刊『コンシェルジュ 21


出版社: 新潮社
シリーズ: バンチコミックス


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

nnm_mks RT @utataane: ル◯ルナ的機能が実装されたとして、セイくんはどんな様子で読み上げてくれるのか、おじさんはそれが見てみたい。>RT 毎回照れながら言うのか、案外しれ~っと読み上げそうでもある(コンシェルジュの神なので)。二日目とかすごい心配してくれそう。お腹あった
tantoto86 ご応募いただいた希望テーマに沿って専任のコンシェルジュが、旅行の移動からホテルの手配までを完全サポートします。またご当選グループの皆様には、旅の写真をまとめたオリジナルフォトブックもプレゼントします。
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コンシェルジュ』 (Concierge) は、原作:いしぜきひでゆき、画:藤栄道彦による日本の漫画作品。新潮社の『週刊コミックバンチ』に2003年11月14日号から2010年39号の最終号まで連載された。『コミックバンチ』連載分掲載の単行本は2010年10月現在、20巻まで刊行中。

ホテルの役職の一つで、門番や世話役などのサービス業でもあるコンシェルジュを主人公とした漫画で、ホテルの宿泊客やスタッフが巻き起こす様々な問題や頼み事を丁寧に解決していく。

2010年10月25日創刊の『月刊コミックゼノン』において、続編として『コンシェルジュ プラチナム』が連載開始

あらすじ

就職氷河期を乗り越えてクインシーホテル・トーキョーに就職した川口涼子が配属された部署は、コンシェルジュ。それまで名前を聞いたこともない職種だった。道案内からチケットの手配、時には悩み事の相談まで何でもそつなくこなすチーフ・コンシェルジュの最上拝は、お客様の悩みや要望を、まるで魔法を使ったかのように解決していく。

18巻より、クインシーホテルと業務提携したアメリカのサンライズヒル・グループのホテル、サンライズヒル・ニューヨークが舞台となる。川口涼子が1年間の研修としてサンライズヒル・ニューヨークへ出向している。

登場人物

クインシーホテル・トーキョー所属

コンシェルジュ部門

川口涼子(かわぐち りょうこ)
明確ではないものの、本作品の主人公格。就職氷河期を乗り越えてクインシーホテルに就職。当時まだ世間に浸透していなかった「コンシェルジュ」部門に配属された。人懐っこくいつも明るい性格、前向きな姿勢で仕事に取り組み、失敗や試行錯誤を繰り返しながら成長していった。物語初期は狂言回し的な役割が強かったが、コンシェルジュとして成長した最近では最上の手を借りず積極的に仕事に関わる事が多くなり、最上に「時には自分を凌ぐ仕事をやってのける」と評されるまでになる。最上の「魔法の手帳」を見習い「涼子ファイル」を作成、情報収集中。やりがいのある仕事であるが、安月給で貯金がなかなか貯まらないのが悩みのひとつ。実家に両親と高校生の弟の達也、中学生の妹の涼香と住んでいる。接客やホテルの同僚の前では謙虚な姿勢で接する反面、弟に対しては内弁慶的に強気であり、乱暴な扱いをする事もある。達也にアームロックをかけた際には目撃していた司馬に「かけ慣れている…」と唖然とされたほど。常連客の女優、藤原貴梨花とは今や親友と呼べる仲であり、プライベートでも一緒に食事に出かけたりする。また、その潔い気風の良さや親身に相談に乗ってくれる性格を「理想の彼氏」としている(同性愛などの意図では無い)。
時に迷い、悩みながらも、ひとつひとつの事柄に真摯に向き合い、成功や失敗をも経験=財産とし、次のステップのために顔を上げて前に進もうと模索する姿勢を、少女期(少年期)から大人へ成長していく姿に重ね、それを判りやすくデフォルメしたものが、未だ幼さを残した童顔と少女のような髪型、対して成熟した女性の象徴のような豊かな胸で表現し、両面を併せ持つ「少女の面影を残した成人女性」を漫画的に表現したものが現在の涼子の姿である、と作者は語っている。表紙などでコスプレをすることも多い。神奈川県出身。
18巻より、サンライズヒル・ニューヨークへの1年間の研修のため渡米。以降、渡米した川口涼子を主として物語は描かれる。サンライズヒル・ニューヨークでの最初の職務はベルマン。
最上曰く、クインシーホテルのコンシェルジュ・スタッフが持つ、特筆に値する「特性」の全てを持ちうる力量や可能性が涼子にはある、と賛辞され、今後の道標として欲しい旨を評されている。
最上拝(もがみ はい)
本作品の主人公格の中心人物。クインシーホテルのチーフコンシェルジュ。ニューヨークの一流ホテルに勤務していた経験を持ち、クインシーホテルの前オーナーに乞われて転職してきた。「常にお客様の立場に立って考える」が信条。物腰の柔らかい態度や口調、客からの要望には的確な仕事で応える手腕から、グレート・ハイの異名を持ち、クインシーホテルのコンシェルジュで唯一「Les Clefs d'Or(レ・クレドール)」のバッジを付けている。一方、インターネットや携帯電話など最新の機器を扱うのが苦手で、「魔法の手帳」と呼ばれる独自にサービスに役立つ情報を網羅した手帳を駆使している。
連載当初、普段は抜けているが、いざというとき魔法の手帳をこれ見よがしに胸の内ポケットから取り出しては難題を解決するヒーローのような描かれ方であったが、涼子の成長とコンシェルジュの部門の拡充により自ら動く描写は減り、一歩引いてアドバイスを与え見守り、出来事をまとめ考察を述べる立場となっている。
私生活では、妻・久美子と愛娘・優菜がアメリカ同時多発テロ事件でニューヨーク世界貿易センタービルの崩落に巻き込まれるという悲劇に遭遇している。久美子は日本で弔うことができたが、優菜は髪の毛以外その姿が発見されず「(遺体不明のまま)死亡」との扱いにされていた。不本意ではあるが、当時の混乱や実際に遺体が発見されないまま死亡と認定された件が多々あった故に、最上もそのように受け止めざるを得なく、傷心の日々を過ごしてきた。しかし、優菜が生存し、アメリカのある施設で保護されていることが最終話で判明。10年ぶりに愛娘をその胸に抱きしめることが出来た。
東京都出身。
鬼塚小姫 (おにづか さき)
第12話から登場。クインシーホテルオーナー松岡の銀行員時代の大先輩の娘で元部下。その縁で中途採用によりクインシーホテルに入社し、コンシェルジュ部門に配属される。17ヶ国語を話せる語学能力を活かした通訳・翻訳、税理士や行政書士など多数の資格を有し、その知識を活かした事務仕事は的確かつ迅速。調理師や毒物劇物取扱責任者 の資格まで持ち合わせる(芸術的な面については知識はあるが、特に絵の才能に関して言えば皆無に近い。ただし本人にその自覚はない)。基本的にマニュアル人間で感情の起伏が乏しく同僚や客との人間関係を構築するのが苦手であり、無意識に心に壁を作ってしまう。しかし転職当時の機械的なまでに融通の利かなかった固い性格も、毎回変化に富んだ仕事の依頼や、人情味あふれる仲間とのやりとりの中で、感受性や思慮深さを学び取りつつある。常連客・有明光成のことが気にかかり、彼の前では笑顔を見せるなど感情素直に表に出すことが増えてきた。後期、それとなく好意を意思表示して以来、何かと有明の行動を把握したがり時に鬼の形相で詰め寄る描写もある。福島県出身。最上からは、特に「知性」に関して抜きん出ていると評されている。
司馬一道(しば かずみち)
第12話から登場。当初はポーターを務めていたが、第22話よりベルマンに、その後コンシェルジュ部門増員に伴い異動してきた。大柄で筋肉質な体格、自動車を移動させるほどの怪力の持ち主。ポーター時代はレッカー車が必要と思われる場面などで重宝されていた。空手五段・柔道四段・プロボクシングのライセンスなどの有資格者でもあり、暴漢を度々撃退している。客への言葉遣いや仕事ぶりは我流で、お世辞にもシティホテル勤務に相応しい振る舞いとは言えない。しかし、殆どの常連客の顔と名前を憶えているという一面も持ち、気さくで人懐っこい性格から、特に年配の常連客から好意的に見られている。接客は苦手意識もなくこなしているが、予約確認や顧客情報確認などの機械操作は苦手である。特撮ヒーローが好きで特撮系のオマージュ的な台詞を言ったり特撮ヒーローのコスプレをしたりと、客への対応で度々役立たせている。昔、北海道で遭遇した熊を倒したことがあり、その土地では顔の知れた「熊殺し」の異名を持つ。実家は寿司屋で弟が継いでいる。寿司職人であり、武術の達人でもあった父親は息子に「課題」を残したまま、その後、日を置かずに亡くなっている。埼玉県出身。最上は「情熱」を持って仕事に当たっている司馬の姿勢を高く評価している。
惣田純菜(そうだ じゅんな)
第30話から登場。元バンケット(宴会)部門の配膳係。当初配膳係をアイディアの入り込む余地が無く、個人の資質は関係のない単調でつまらない仕事と考えていた。バンケット部縮小の懸念があった折にコンシェルジュ部門の知恵から人員を削減することなく、且つ、客と直接接点を得られる新たな仕事を与えられるようになった。以来、仕事にやりがいを見出していった。後にコンシェルジュ部門増員の際、抜擢され異動を命ぜられた。美食家を自負し、食べ歩きが趣味。クインシーホテル内は勿論、数多くの飲食店に足を運んで常に新しい情報を客に提供出来るようにしている。また容姿と物腰から男性客から声を掛けられることも多いが、あしらい方がうまく、かわし方にもソツがない。少々贅沢なブランド物などを好む傾向も見受けられる。嘘泣きが得意でお化けが大の苦手。姉御肌でバンケット時代はまとめ役であった。コンシェルジュ部門に移ってからは金城の指導を率先して行っている。最上からは「優雅」を演出し、提供するに長けた存在であると評されている。
金城麗美(かねしろ れみ)
第43話から登場。元は営繕(設備メンテナンス)部門所属。とある件で松岡オーナーの目に留まり、そのままコンシェルジュ部門に異動する。営繕部門時代についた手の傷を隠す為、白い手袋をしている。手先が器用で機械や技術的な知識技能に優れている。しかし、対人・接客となると、極端な照れ屋である上に口ベタで無愛想なことが災いして、誤解されやすい。接客を主体とした部署に配属され、本人の苦手意識や接客能力の低さを危惧されたが、徐々に成長してきている。金城を指名する常連客・満田との漫才のようなやりとりが時折描かれる。沖縄県出身。最上は彼女の「知恵」と「機転」を今後も期待している。
及川みさお(おいかわ みさお)
第20話から登場。コンシェルジュ部門のサブチーフ。登場時の所属はフロント部門チーフ。以前より問題にされていた採算度外視のコンシェルジュ部門の経費を押さえる為、第42話よりコンシェルジュ部門サブチーフに抜擢された。徹底した管理主義者で仕事に関しては非常に厳しい面を見せる一方、悩んだり行き詰っている人間に端的なアドバイスをしたり、叱咤激励をするなど面倒見の良い一面もある。一般的に「負け犬」、「アラフォー」と呼ばれる年代。前髪も含めてアップにし、頭後部でシニヨンにまとめた髪型にしている。これは顔のシワやたるみを気にしているために、引っ張ることでたるみなどが目立たなくなる効果を期待して…のようだ(しかし同年代から見れば容姿はかなり若くスタイルも良い)。また、シニヨンに、フリルの付いた大きめのリボンを使用しているのは、厳しいキャリアウーマンの表情と、実は可愛らしい物を好む及川の少女趣味との対比を分かりやすく表したため。

レストラン部門

黒田(くろだ)
第5話から登場。レストラン部門マネージャー。ギャルソンを勤める。客が恥をかかないよう機転を利かせたり、うるさい注文を上手くさばくことにも長けたベテラン。
水上孝(みなかみ たかし)
第12話から登場。クインシーホテル館内フレンチレストランに勤務。ストーブ前(ソーシエ)を担当。実家は箱根で料亭をしている。
伊吹(いぶき)
第97話に登場。パティシエ。涼子曰く「うちで一番の武闘派」。部下達を「野郎ども」と呼び、声をかけられた「野郎ども」の返事は「へい!合点だ」と時代劇のようなやり取りをして独特な雰囲気を作っている。無骨なように見えるが、作る菓子は繊細である。また、ホテルが企画した子供向けのお菓子教室でも先生として指導に当たり、なかなかの評判を得ている。

管理部門

松岡俊一郎(まつおか しゅんいちろう)
クインシーホテル・トーキョーの2代目オーナー兼社長。大の阪神タイガースファン。元銀行員であり、合理的な経営を信条とする。当初は先代オーナーが導入したコンシェルジュの存在を快く思っていなかったが、「現場を知らなければ批判も説得力を持たない」と、最上達に混じって制服を着用し「見習いコンシェルジュ」を体験。想像以上に難儀な仕事を体験して以来、考え方に変化が見られ、徐々に好意的に見るようになる。現在では頼りにしている発言も多く聞かれるようになる。しかし、サービスのためと称し、採算度外視の経費や先行投資の費用、更に労力などに関してやや無頓着なコンシェルジュ部門に苦言を呈する場面も多い。これは経営者としての責任や立場から過度なサービスや赤字を見過ごすわけにはいかないため(初期の頃から最上ほか登場人物らから「経営者としては非常に有能で正しい」と評価されている)。常に経営に関しては冷静な判断と先行きを見越して行動している(バリアフリーの客室導入など)。特に2007年以降の都心部のホテル開業ラッシュにより飽和状態を懸念し、価格を引き下げることで生き残りを賭けた他のホテルを良しとせず、クインシーホテルでは安易な値下げをしないと勝気な発言もしている。良い商品(部屋・サービス・食事・バンケットなど)や、独創性のある企画を提示・提供し、それに見合う料金が支払われるべきだ、との考えが根底にある。充分な利益が確保出来なければ、客にも十分なサービスを提供出来なくなる懸念を声にしたこともある。スキッパー(無銭宿泊者)が出た際には「手痛いが、これもひとつの経験となり、従業員には勉強になったはず」との意見に対して、「スタッフの労働に見合う対価が支払われないことはあってはならない。何故ならそれは真面目に労働を提供したことに対する賛辞を形として表したものだからだ」と烈火の如く怒った事がある。趣味は野球観戦とジャズ鑑賞。
京本(きょうもと)
社長秘書。俊一郎のサポートとして行動を共にしている。
笠井信男(かさい のぶお)
クインシーホテルの支配人。当初は松岡の腰巾着のような言動とギャグメーカーとしての役割が多く、コンシェルジュ部門にも懸念を見せていた描写が多く見られた。現在は全体の良き理解者として物語に加わっている。まるで帽子のごとく着脱に長けたかつらを愛用している。なお、あまり描写はされてはいないがプロレスファンである。

その他

谷真奈美(たに まなみ)
第2話から登場。総務担当。涼子と仲がいい同僚。絵を描くことが上手く「涼子ファイル」の似顔絵を描いたほか、趣味で同人誌も作っている。ただしその内容はやおいである。「総務名物 四次元引出し(本人談)」と名付けた彼女の机には、ありとあらゆる物が物理的に無理だと思われる量で詰め込まれている。字が汚い。自分でも読めないくらい汚い。
国広伊代(くにひろ いよ)
第2話から登場。広報担当。涼子と仲がいい同僚。外国からの宿泊客には通訳も担当する。自動車の運転が苦手らしい。また霊感も強いようである。
芳野祐香(よしの ゆうか)
第4話から登場。フロント担当。
石和(いさわ)
第16話から登場。バンケット担当の「メガネのメイド」。
加賀谷俊一(かがや しゅんいち)
比較的初期の段階から登場していたフロント担当の男性。うっかりミスや不用意な言動が多い。
若宮士郎(わかみや しろう)
第52話から登場。警備員。元俳優。アクションドラマを中心に活動しており、子供向けのヒーロー番組にも数多く出演していた。15年前に自宅火災で顔に大きな傷を負う。仕事も家族も離れていき、心にも大きな傷を負った。役者も引退。当座を凌げるだけのアルバイトを繰り返しては生活を繋ぐ空虚な日々を過ごしていた。最上の仕事ぶりを目の当たりにし、言葉を交わた際、自らの仕事に対する誇りを呈される。更に「子供の頃からの憧れの人」と大感激する司馬の姿に「自分は誰かの心に残る仕事をしていたのだ」と改めて気付かされ、心の中の何かが動き始めた。当初、短期バイトとして採用されたが現在の雇用形態は不明である。剣道二段、空手三段の腕前を持つ。その経歴はある俳優2人のそれを混ぜたもので、警備員の同僚にもその関係の俳優をモデルにした者が多い。
中島(なかじま)
ラウンジのバーテンダー。酒やその背景の知識が豊富。
芝田(しばた)
ルームサービスのスタッフ。
川口達也(かわぐち たつや)
涼子の弟。高校生。第55話から登場。学校が長期休業の土日にシフトに入るベルボーイとしてアルバイト採用された。涼子より頭ひとつ分背が高い。谷や国広が騒ぐ美少年だが、涼子からの扱いは荒い。ボクシングをやっており、アマチュアボクシングではインターハイで優勝したこともある。階級はウェルター級。最近、惣田純菜に「文鳥のヒナ」の如く手懐けられている節がある。

クインシーホテル常連客

藤原 貴梨花(ふじわら きりか)
実力派女優。最上のニューヨーク時代からの顧客の一人。最上がクインシーホテルへ移籍したと聞きつけ顔を出し、その際に涼子も気に入り常連客になった。スタジオ撮影用の露出過多な衣装や際どい水着姿のまま一般客の前に現れるなど、端麗な容姿とは裏腹に自由奔放かつ豪気な性格。気性も激しく学生時代から現在に至るまで、数々の武勇伝を持つ。また、桁外れな大食漢でもあり、アメリカへ進出した際には、演技だけでなく食べる姿も評価されたほどだが、全く太らない体質で抜群のプロポーションを維持している為、涼子を始めとする女性陣からは羨望の的。酔っ払うと脱ぐ癖がある。涼子と同年齢であり、共に認める親友となった。涼子がクインシーホテルに5,000万円の損害を与えそうになった時に、住宅や自動車などの個人資産を担保に入れて用立てたこともあった(実際には必要は無く、新たな武勇伝となった)。初登場時は、周囲が求める「演技力は後回し。番組に華を添える存在であれば良い、若手女優・藤原貴梨花」と、女優として本気で勝負・表現したいが押し殺さざるを得ない立場の、まだまだ力の無い自分との間でジレンマに苦しみ、悩みを抱えていた。クインシーホテル内で、最上が画策して解決させた「ある事件」に立ち会った折に何かが吹っ切れた。以来、堂々と自分の仕事の幅を拡げるべく、積極的に色々なことにチャレンジしている(アメリカへの進出もその一つであった)。現在ではやや過剰なほど自分を信じ、大層な自信を持って仕事に当たっている。その言動に批判する人間も多いが、横槍の言葉などは一蹴にしてしまうほど、前に前に突き進み、実績を積み上げて有無を言わせなくしてしまうパワフルさがある。車をアメ車から国産車(レクサス・SC)に買い換えた。千葉県出身。誕生日は3月3日。
有明 光成(ありあけ みつなり)
漫画家。複数のジャンルで4本の連載を抱え、月に平均200ページを執筆する売れっ子。自宅マンションの工事の際にクインシーホテルの一室を仕事場としたことから、半常連客になりつつある(工事は終了するが、飼い猫を問題視され追い出されて以来、引き続きクインシーホテルを仕事場にしている)。容姿がやや不気味で偏屈、毒舌なところもあるが、バイキングではシェフ達の想いを無駄にしないよう残されやすいものを主に食べるなど、人の良さも見せる。その一方で、大学教授だった父に漫画家を仕事として認めてもらえず、デビューから10年近く売れなかったなどの怒りが執筆活動のエネルギーとなっているところがある。最上たちを基にした“こんしぇるじゅ”の連載も開始した。色恋沙汰は自分には縁がないとしており、目下、仕事に情熱の全てを注いでいる。しかし、小姫と徐々に接近しそうな兆しも見せている。現在33歳。
高岡清張(たかおか せいちょう)
小説家。第19話から登場。クインシーホテルにはカンヅメ作業のために宿泊に来る。有明が登場してからはあまり登場することは無くなったが、小姫がコンシェルジュとしてやっていける自信をつけるきっかけを与えた人物である。
満田(みつた)
関西弁でコミカルに話す常連客の一人。男性。コンシェルジュデスクにやってきて、アクシデントの解決などを求めてくる。彼の応対は常に金城が担当している。普段から口数の少ない金城がさらに言葉を話さずにボディランゲージで応対している。
このやり取りは物語とは一切関係無い箸休め的なもの。満田が言っている「言葉通りのもの」に対し、的外れな応対をする金城に思いっきりノリツッコミする様が背景等によく描かれている(例えば「お着物」と「置物」、「締めて」と「閉めて」など)。
マッシュルームカットに大きなメガネ、取って着けたような鼻に白いスーツを愛用する容姿。加えて片言っぽい日本語で関西弁。モデルはMr. BATERだと思われるが、第55話で「ガイジンの家に呼ばれた際に手ぶらで行くと日本人はケチだと思われる」旨の発言をしており、オクラホマ州出身の外国人であるBATERとは違い日本人のようである。
初登場時から名前が不明だったが、第90話で涼子の口から苗字が判明した。また、彼の相手を常に金城が務めているのは、彼からの指名であることも判明している。

クインシーホテル・神戸所属

コンシェルジュ部門

大関みやこ(おおぜき みやこ)
第58話から登場。クインシーホテル・神戸、広報部所属(初登場時)。元旅行会社社員で観光案内を得意としている。コンシェルジュ部門新設にあたって引き抜かれた。涼子が神戸に長期出張になった折、一緒に業務に携わった。「自分達の有益重視・合理性」を優先し、労力を出来るだけ最小限に抑えて接客していた。クインシーホテル・トーキョー流の「お客様の声を聞くこと」から始め、客の要望や立場、都合を優先して考える接客方針を神戸でも実践するべきだ、と声にする涼子に釈然としない様子であったが、客の心を捉える結果を出す仕事を着実にこなしていく涼子の影響を受け始める。

管理部門

松岡俊和(まつおか としかず)
クインシーホテル・神戸のオーナー兼社長。クインシーホテル・トーキョー社長である俊一郎の叔父にあたる。神戸にもコンシェルジュ部門を新設するため、俊一郎に応援を要請したことで涼子が派遣された。俊一郎同様、熱烈な阪神タイガースファン。俊一郎と情報交換の場を設けると、ホテル経営のことよりもタイガースの話題の方が「本題」となる。

ホテルグランシェル所属

水無月慶(みなづき けい)
最上が帝都ホテルでの新人時代に、共にベルマンに就いていた同輩。ホテルグランシェル・ロサンジェルスにてチーフコンシェルジュを担当後、ホテルグランシェル・トーキョーへ異動(第24話から)。ホテル荒らし・コールガールなど、ホテルにとっての招かれざる客をいち早く察知し、「水無月がいれば警備員は要らない」と言われるほどの洞察力・観察力を持つ。常に持ち歩く「悪魔の電話(イビルホン)」は政界から暗黒街まで繋がるとさえ言われ恐れられている。その人脈やコネを用いて、客の如何なる要求も叶える。手段を選ばない仕事ぶりゆえ、温厚な最上が珍しく毛嫌いする人物だが、問題客について互いのホテルへ警戒を促したり、一緒に酒を飲みに行くなど、特別に深刻な敵対関係ではなく、最上の水無月に対する悪口の言いっぷりから、悪友と呼んだ方が近い。「黒」「悪」というイメージは確かにあるものの、本人は「この仕事(ホテルでの仕事)は、やりがい、だからな」などと呟く場面もあり、コンシェルジュの仕事に誇りを持っていることを示唆している。仕事に当たる際、「インパクト」を重視するような発言を度々しており、客に強く印象付ける内容を多くこなしている。アメリカの裏社会の情報網から、最上の娘・優菜が生存している可能性があると嗅ぎ付け、資料や写真を提供した。独身。ニューヨーク出身。
早見大悟(はやみ だいご)
第54話から登場。ホテルグランシェルトーキョーのコンシェルジュ。水無月の仕事ぶりに納得いかない部分もあるが、見習うべき点もあると考えている。
結城みこ(ゆうき みこ)
第54話から登場。ホテルグランシェルトーキョーのコンシェルジュで、総支配人の娘。自称みこりん星出身。いわゆる天然なキャラクターではあるが、時折洞察力に優れた発言をすることもある。
モルガン
ホテルグランシェルニューヨークのゼネラルマネージャー。グラウンド・ゼロを訪れた最上をコンシェルジュ部門の主任に誘うが、現場を好む最上はこれを辞退した。

ホテル・グロリア・トーキョー所属

マーク・ローゼンバーク
超高級ホテル「ホテル・グロリア・トーキョー」の総支配人。何かとクインシーホテルをライバル視しているところがある。
朝霧花織(あさぎり かおり)
『グロリアの宝石』と称されるコンシェルジュ。11巻より、ホテル・グロリア・トーキョーに配属され登場する。帰国子女であり、日本国外での生活が長いことから、日本語の言い回しが怪しくなることがある(ローゼンバークに指摘されることもある程度)。台詞の語尾がカタカナで表現されている。
コンシェルジュとしての考え方、サービス方針には、最上や水無月とは異なるものがある。しかし、その実力は2人に決して劣るものではなく、最上や水無月に一目置かせるほどである。
フランスに滞在していた若い頃、自分を過小評価し、自らを傷つけるような空虚な生活をしていた時期がある。ある時「人は学び、学ぶことで成長すれば人生を変えることが出来る」と一念発起し、自らを変えるべく勉強に励んだ。そしてコンシェルジュの職に就き、賞賛を得るまでになった。
虚しさや悲しい思いを多く経験していることで、他人の痛みにも敏感である。また、全ての存在は何れは死に向かい「無に還るもの」であると同等に「非常に尊いもの」として、常に愛を持って接することを心掛けている。左手には女神を模した大振りの指輪を嵌めている。
涼子と接点が多く、涼子の実力あるいは将来性を認めるような発言を繰り返している。女性ならではの繊細な視点や企画力、愛を根底に置いた考えや対応は、涼子に少なからず影響を与えた。

帝都ホテル所属

小野寺(おのでら)
帝都ホテル総支配人。最上や水無月の大先輩にあたり、大きな影響を与えた人物。

ホテルサンライズヒル・ニューヨーク所属

スコット・ヘイスバート
ホテルサンライズヒル・ニューヨークの総支配人。愛煙家でいたるところに葉巻を隠しており、秘書に取り上げられても次から次へと取り出す。
ガストナー
“泳いでメキシコへ行くんだ”の言葉を最後に行方不明のサンライズヒル社員寮管理人。本編には名前のみの登場。
ドロシー
サンライズヒル社員寮で働くメイド姿の女性。トランシルヴァニア出身。管理人のガストナーが二年前から音信不通のため、実質彼女が寮を管理している。
涼子は気付いていないが、明らかに人間ではない描写が多い(影が無い、鏡や写真に映らない、にんにくが苦手、瞬間移動、踏み台やはしごを使わずに高い所に昇る等)。涼子に「笑顔」を乞われた際に初めて表情を変えた。どうやら「左右に大きな八重歯」があるらしい。
ダニエル・ダグラス
ホテルサンライズヒル・ニューヨークのチーフコンシェルジュ。
シンディ・アレン
ホテルサンライズヒル・ニューヨークのウェイトレス。
強烈なブルックリン訛りの持ち主で、本人の性格もあってかなり柄が悪い。
かつては客のために働いていたが、厨房からも客からもチップ目当てで働いていると思われ、やる気をなくしていた。涼子の誠意のある仕事ぶりを見て、考え方に変化が見られるようになった。
チャールズ
ホテルサンライズヒル・ニューヨークのコンシェルジュ。
アビゲイル
ホテルサンライズヒル・ニューヨークのコンシェルジュ。女性。

ホテルサンライズヒル・ニューヨーク常連客

ハロルド
複数の名と職業を演じる詐欺師。特徴的な笑い方をする。

その他

川口涼香(かわぐち すずか)
涼子の妹で中学生。本編では川口家の描写が少なく出番は少ないが、単行本内のオマケ4コマではよく登場する。
最上優菜(もがみ ゆな)
最上の一人娘。母親と一緒に9・11テロに巻き込まれて死亡したと思われていた少女。母親とはぐれ、一人で混乱の中を彷徨った。救出の手が伸べられたが、当時4、5歳と幼かったことなどから自分の身元を上手く説明することが出来ず、最上とも連絡が途絶えたのだった。ある施設で保護され「エミー」と仮の名前を与えられて成長した。事件から10年の月日が流れたある日、水無月が裏社会の商品としてリストアップされた少女の写真を見て、最上(もしくはその妻)に似ていると直感が働き、その情報を提供した。写真を見た最上は愛娘だと確信し、急遽アメリカへ。10年ぶりに「優菜」と自分を呼ぶ男性の声に幼い日の記憶が甦り、「パパ」と再会を果たした。

その他

  • 2006年9月に掲載された第48 - 49話「野菜戦争」では、実際の残留農薬等に関するポジティブリスト制度を基に農薬問題に踏み込んだ内容のエピソードが描かれ、この話が収録された単行本8巻では前述の残留農薬等に関するポジティブリスト制度の他、実際に行われている政府の取り組みなどを紹介し作中の内容を解説、補填した「野菜戦争-終戦記念コラム」と題した巻末コラムが特別収録されている。
  • コンシェルジュ部門の女性は皆、メイド服(バンケットの制服)姿を作中で披露している。元々バンケット所属だった純菜以外は客へ飲食物を振舞う際に着用したものがほとんどであるが、みさおだけは着てみたかったから着ただけであり、その際は本文に注意書きがされた。
  • 45話に出てきた言葉のトリックを利用したセリフが、単行本8巻の初版では担当編集の勘違いで修正され内容と矛盾してしまった。この為、単行本9巻では誤植のお詫びが掲載され、重版では修正された

脚注

出典