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サイボーグ009/石ノ森章太郎

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著者: 石ノ森章太郎
巻数: 28巻

石ノ森章太郎の新刊
サイボーグ009の新刊

最新刊『サイボーグ009 28



twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

BugsGroove RT @ozasikigodzilla: いや、いくら流行ってだからって、サイボーグ009 のカバーイラストを横溝正史の人に描かせるのはどうかと思ってたんだが…。 https://t.co/Jc7Ieh2OLc
96uniuni RT @ninikatu: 竹宮惠子先生が描いた「サイボーグ009」とか「鉄腕アトム」とか「サスケ」「紫電改のタカ」等々… 1979年駸々堂書店発行『Passé Composé 過去完了形』より(対談の扉部分です) #竹宮惠子 #竹宮恵子 #HBD https://t.co
nagareyamanred RT @gsouko1east: 【コミックコーナー】 本日は 「サイボーグ009」「仮面ライダー」「秘密戦隊ゴレンジャー」など世代を超えて愛される数々の名作を生み出した萬画家・石ノ森章太郎先生の誕生日です! どれも大好きな作品ばかり…! 本当にありがとうございます…!…
hagetarasan 石ノ森章太郎 サイボーグ009 直筆サイン色紙 肉筆 [画像大] http://t.co/IB2cFQIhAB
ohaziki 西原理恵子の人生画力対決ライブ~萩尾望都SPECIAL サイボーグ009&ジルベール&キャプテン翼編 - Togetterまとめ http://t.co/xuWSyXiNaU

サイボーグ009』(サイボーグ ゼロゼロナイン)は、石ノ森章太郎による日本のSF漫画、およびそれを基にしたSFアニメ、及び主人公のコードネームである。

概要

『仮面ライダー』と並ぶ石ノ森の代表作。それぞれ特殊能力を持つ9人のサイボーグ戦士の活躍や日常を描く長・中・短編の作品群からなる。ただし完結編にあたるシリーズの完成前に作者が死去したため、作者自身による漫画作品は未完に終わっている(後述)。石ノ森自身この作品に対する思い入れは相当強く完結編の作中で言及されているが、本作は作者が001より全てを伝えられ、それをコミカライズしている事になっている。作者と作品とが不可分の物になっている証拠である。、仮面ライダーシリーズなどでは作画を他人に任せたことが多いのに対し、映画『サイボーグ009超銀河伝説』のコミカライズ作品にシュガー佐藤や桜多吾作などの作画があるもの、本作は雑誌掲載作品のほとんどを自分で描いた。

石ノ森作品に多く見られる「力を授けた者(=親・同族)を裏切り、その野望に対し唯一対抗し得る存在として孤独な戦いを続ける」というテーマを持つ。1960年代の米ソ東西冷戦が背景になり、ベトナム戦争を舞台にするなど反戦色のあるテーマが色濃く出ているのが特徴。それらと並び、世界各地の神話や古代文明に題材をとったシリーズ、人種問題や異文化同士の軋轢、文明社会の抱える問題について考えさせられるエピソードも多い。主人公達が出会った人々の内面の葛藤や、人間と機械の狭間での悩みなどもテーマとして取り上げられるが、基本的には石ノ森作品に共通する、正義を守るヒーローの姿に哲学的な重みを持たせたシリーズである。9人という人数設定は、野球の“ナイン”から構想を得たもので、制作ノートからは、それぞれ該当のポジションを当てキャラクター像を練っていたことがわかる。

なお、時代や社会の変化、掲載誌やメディアの事情、石ノ森自身の構想の変更などによって、設定について多くの揺らぎが存在している。

連載誌

1964年7月19日の『週刊少年キング』にて連載開始。その後、『週刊少年マガジン』、『月刊少年ジャンプ』、『COM』、『週刊少年サンデー』、『マンガ少年』、『少年ビッグコミック』、『SFアニメディア』など、複数の出版社、複数の雑誌で連載された。

ストーリー

主人公・島村ジョーは、ある日謎の男達に捕らえられ、サイボーグに改造された。世界の影で暗躍する死の商人「黒い幽霊団(ブラックゴースト)」が、画期的な新商品・サイボーグ兵士の試作品にするため、偶然ジョーを選んだのだ。しかし、彼以前に改造されていた8名のサイボーグや、自分達を改造したギルモア博士から事情を教えられ、ジョーは彼らと共にブラックゴーストを脱走する。ブラックゴーストを阻止できるのは、彼らと同じ力を持つサイボーグ戦士達しかいない。人の心を持ちながらヒトでも機械でもない存在となった悲しみを胸に、サイボーグ戦士達はブラックゴーストの野望を打ち砕くために戦い続ける。

主な登場人物

ここでは漫画版およびアニメ版の設定について記述する。完結編における設定については別項を参照のこと。

ゼロゼロナンバーサイボーグ

ブラックゴーストによって改造されたサイボーグの内、「00」のコードナンバーを割り振られた試作体の総称。作中では、主人公側である001から009までの9名のサイボーグの総称として用いられる場合も多く、当記事においても特記のない限り「001から009までの9名の総称」として扱う。なお001=イワンは「改造人間」ではあるものの、厳密にはサイボーグではない。

有事には全員が特殊戦闘服とマフラーを身につけて行動、素顔は晒したままで、仮面の類は着用しない。服の色については服の配色の項を参照のこと。標準装備の武器としてスーパーガンを携帯する。

001=イワンを除く8名は、改造手術により頭髪や皮膚、筋肉や骨、心肺・消化器官などが全て人工のものに置き換えられており、頭脳だけ生身のままで、補助用の人工脳が備わっている。動力は小型原子炉。人工皮膚と筋肉は非常に強靭な素材で、通常の小銃弾程度は跳ね返せるものの、原作で003=フランソワーズと006=張々湖が包丁で負傷している場面がある。真空や水中での行動にも耐えられる。またメンバー間のみで通じるトランシーバー機能(脳波通信回路)が装備されている。改造された時点で老化は止まっており、20年以上経っても外見年齢は改造時点のままである。

009=島村ジョー(しまむら ジョー)
本作の主人公。18歳。5月16日生まれ。日本人の母と外国人の父との間に生まれたハーフ。古い版の単行本では一部「村松ジョー」「ジョウ」と表記されている。作中ではカタカナ表記だが、一部では「丈」と言う漢字表記も見られる。ゼロゼロナンバーのリーダー的存在。
愁いを帯びた甘いマスクの持ち主。栗色の髪(おそらくは父親の遺伝)1979年のアニメ版では金色、瞳は黒~茶色、右目(場面によっては左目)が前髪で隠れているのが特徴。
1966-1968年版のアニメ(以下「旧昭和版アニメ」)では、一人だけ配色の異なる戦闘服を着ている。
先に改造されていた7人の技術を結集した完成体で、汎用性に優れ、基礎能力は他のメンバーより高く改造箇所も004と肩を並べるほど多く見かけに反して生身の部分が少ない。最大の特徴は002=ジェットのものを更に改良した「加速装置」で、奥歯に仕込まれたスイッチで操作する。多段式により加速度は可変で、最大加速マッハ5(平成版アニメ)で行動できる。加速度を使い分けることで敵を翻弄することも可能。加速中は、持ち物や着用している衣服などが燃える、周囲の物体に無暗に触れることができない、周囲の音も聞こえない、連続使用には限界がありメンテナンス時に不具合を起こす可能性があるなど、いくつか留意すべき点もある。
行動速度の相違を利用し、敵地への潜入、生身の軍人や逃亡を図る敵の科学者、強盗犯人など武器を持った一般人の無力化、精神・電磁波攻撃の回避など、様々な局面で活躍する。生身の人間を抱えたままの加速は不可能とされているが、006=張々湖の為に甲殻類を市場から加速状態で運んだこともある。後発のサイボーグにはより高性能な加速装置が搭載されたため、加速度が追い付かず苦戦を強いられることも多い。
また、人類の技術によるものならば、自動車や船、飛行機などのような乗り物も即時に操れる才能(詳細は不明だが、改造能力の一種であるとされる)を持つ。
『GOD'S WAR編』では、「意識加速」と呼ばれる能力を体得、自由自在の速度で加速することが可能となり、この能力を応用して敵を自身の加速空間に誘い込み、瞬時に衝撃を与え粉砕できるようになった。
孤児院で育つが、ハーフの孤児を理由に差別や偏見を受けたため、グレて罪を犯し少年鑑別所に送致された。しかし集団脱走したところをブラックゴーストに拉致され、本人が気を失っている間に改造された。
朝日ソノラマ版では1966年の劇場版1作目の設定にあわせ「オートレーサーであった島村ジョーはレースの途中で運悪く事故を起こし重傷を負う。すぐさま駆けつけた救急車は、何故か病院へ向かわずに海へ真っ逆様に飛び込んでしまう。その救急車は実はダミーで、実は世界的な犯罪組織『ブラックゴースト団』の水陸両用の自動車であった」と記述されている。
1979年版のアニメ(以下「新昭和版アニメ」)では、友人・ジローを助けるために誤って不良に怪我を負わせ、送られた少年院でもハーフを理由に蔑まれて1人で脱走したところをブラックゴーストに拉致された。
2001年版のアニメ(以下「平成版アニメ」)では不良の設定が無くなり、孤児として教会で育ち、育ての親である神父を殺害した犯人に間違えられて警察に追われていたところをブラックゴーストに拉致された。
普段はギルモア博士の助手をしたり、「ハリケーン・ジョー」の通称で四輪レーサーをしていたりする。『時空間漂流民編』では出版社に出入りする姿も見られる。
荒れた過去を持つものの、平時においては穏やかで優しく、戦闘時においては真摯かつ勇敢な性格であり、みんなを勇気づける。しかし、その情け深さゆえに、戦いの場においても事情のある相手に説得を試みるなど、時として優柔不断になりがちな面も併せ持つ。こうした精神面の脆さを他のメンバーに指摘されることも多い。また仲間を巻き込みたくない思いから単独で行動することも少なくないが、その度メンバーから「自分達は9人で1人」と諭されている。
その容姿と性格から、出会った女性達を惹き付けることも多い。003=フランソワーズとは相思相愛の仲だが、サイボーグで気心の知れた彼女より女性ゲストを優先し、彼女を怒らせ悲しませることもしばしば。新昭和版アニメでは、マユミというファンでもありかつてのガールフレンドだった女性や、荒れていた時代のジョーを支えていたユリという女性も登場する。
彼のみ唯一母親の姿が明らかになっている。
001=イワン・ウイスキー
0歳。誕生日不明。ロシア人。あだ名は「電子頭脳」。脳改造によって成人の10倍の脳の働きをもつようになった結果、エスパー能力を身につけた人間の赤ん坊。メンバーの窮地を救う「切り札」的存在。

目元を覆った短髪の赤ん坊。ほぼ常時おしゃぶりをくわえている。能力を発揮している最中は、頭髪で隠れている目が光り、一時期目が描かれていた時もある。

テレキネシス、テレパシー、テレポート、サイコメトリー、予知夢、自然治癒力など様々な超能力を持つ。その能力は必ずしも万能ではなく、初期は意志を持つ者に対してテレキネシスやテレポートを使えないと言う制約もあり、仲間を助ける際は気絶するのを待っていたり、自身の能力で仮死状態にしていた。ほぼ的中する良からぬ予知夢を見た際は、激しい夜泣きとともに、ポルターガイストを引き起こす。他にも、彼らが解決しようと試みている事件に関し、重大なニュースが放映されていると、即座にみんなに知らせ警告を促す場面が見られる。脳の全領域を酷使しているため、その疲労は常人以上らしく、1か月が1日に相当し15日間眠っては15日間起き続けるという特異な生活リズムを持ち、ほとんど成長していない。しかしゼロゼロナンバーが窮地に立たされた際、切望の念に触発されて目を覚まし仲間を救う場面もある。また能力を酷使した後も疲れるためか眠ってしまう。
脳改造の結果、非常に高いIQを得ており、幅広い知識を常々吸収している。
なお、改造されたのは脳だけであり、その他の身体能力は人間の赤ん坊そのままである。他者との意思疎通は基本的に、脳内へのテレパシーで行っている。
完結編〜Conclusion God's War〜序章~のラスト「宇宙の産声」では、自身の意識を自在に幽体離脱させる能力を得て、また、従来は不可能だった、意識のある者をテレポートさせることも可能になった。
生まれてまもなく、科学者である父=ガモ・ウイスキーの実験により脳改造を施された。脳の容量を増やした訳ではなく、人間の日常生活において通常使用されることのない、俗に「ナイトヘッド」と呼ばれる脳の領域を刺激し覚醒させたもの。
平成版アニメでは、脳死状態で生まれた息子を蘇らせる為の研究がエスカレートした結果となっている。
普段はギルモア博士と同居し、普通(?)の赤ん坊として過ごしている。そのため緊急時のメンバー招集は彼が担当することが多い。
理知的で人類愛に溢れる性格だが、常に冷静沈着で正確な判断を下し、ゼロゼロナンバーの参謀役を担う。時に世界のために非情とも言える冷徹さを見せるが、原作では狸寝入りを決め込んだりするなど人間臭い一面も見せている。また自らを改造した行方不明の父に対しては複雑な感情を抱いている。
短編では001がメインの話も多い。
002=ジェット・リンク
18歳(旧設定22歳)。2月2日生まれ。シチリア系アメリカ人。
赤系統の髪の毛で長髪。目の色はグレイで、鳥の嘴のような高く大きな鼻(夢の中に鳥人の女性が登場した事から何らかの関係はありそうだが詳細は不明)が特徴。
両脚にジェットブースターを内蔵、マッハ5での飛行能力を持つ。このため全身が兵器である004=ハインリヒを中心に他の仲間を抱えて飛行・戦闘する場面も多い。高速飛行のためボディの軽量化が図られており、強度の面を多少犠牲にしている。
また009=ジョー以外で唯一加速装置を持つが、その性能は009=ジョーに及ばない平成版アニメでは009=ジョーの7割程度と設定
最初期に改造されたため、ゼロゼロナンバーの中では「旧式」のサイボーグ。飛行すると目立つこと、空中偵察が主な任務であること、ボディの強度が比較的低いこと、また彼自身が本来喧嘩早く好戦的な気性のため、ゼロゼロナンバーの中で最も負傷率が高い。第2期『地下帝国ヨミ編』終盤でボディが大破したため、第3期『怪物島編』以降は大幅に改良を施された新型ボディを使用している。
不良時代にストリートファイトに明け暮れていたため、彼なりの喧嘩拳法を身に着けており、肉弾戦でも精兵相手に善戦を演じることが多い。
『GOD'S WAR編』の終盤、目にも留まらぬ速度で飛行することが可能となったことで、よりアクロバティックな空中戦を披露している。
元はニューヨークの下町ブロンクスに住むストリートギャングのリーダーだったが、対立するグループのリーダーをナイフで刺し、逃走していたところをブラックゴーストに拉致され改造された。イタリア系アメリカ人ギャングの設定ゆえに原作序盤において『ウエスト・サイド物語』を連想させる踊りを披露していた。
平成版アニメでは、相手を刺す前にパトカーのサイレンを聞いて逃げたところを拉致された設定になっている。なお、公式サイトに記載されている改造経緯は企画時のもので、実際の作品とは全く異なる。
普段は北米で四輪レーサーやアメリカンフットボール選手をやっている。またボランティアで不良少年の更生に携わっていたこともある。『イシュタルの竜編』では探偵を名乗っていた。『劇場版』ではなぜか闘牛士をする姿が登場、平成版アニメでは特定の職業についている描写は無かった。
私服時もソール下面に穴が開いた靴を履いている。
不良時代の攻撃性は影を潜め、仲間を大事にする明るい伊達男・頼れる兄貴分的存在になっていった。その反面、プライベートでは冷淡で暗い言動が見られる部分もある。実は博打好きで、新昭和版アニメ第36話では周囲の騒動をよそにポーカーに熱中していた。
『地下帝国ヨミ編』終盤のセリフから無神論者と思われ、『天使編』でソドムとゴモラやノアの洪水を例に挙げて「神は必要とあらば限りなく残酷になる」と無神論者の理由らしきことを語っている。平成版アニメでは序盤で自ら「神を信じていない」と明言している。
反面、超常・怪奇現象の発生に対しては「保守的な科学者みたいな」懐疑的な態度は取らず、率先して謎の解明に取り組む姿勢も見られた。
ギターやハーモニカなどの楽器を少々嗜む場面も見受けられ、原作では仲間の前で弾き語りも披露した。
女性ゲストと恋に落ちることも多い。新昭和版アニメではナタリーという恋人がいた。
平成版アニメでは、仲間を大事にする面は変わっていないものの、原作や新旧昭和版アニメよりも感情的で短気な性格に変更されている。またスタッフによれば、003=フランソワーズに淡い想いを寄せている設定。
003=フランソワーズ・アルヌール
メインヒロインでサイボーグ戦士の紅一点。19歳(旧設定16歳)。1月24日生まれ。フランス人。作品時期により「フランソワーズ」「アルヌール」「フランソワ」と呼び名は様々。ただし、「フランソワ」は男性名なので、誤用と思われる。
金髪蒼眼(原作初期や68年版のアニメなどでは茶色で瞳の色も旧作では異なる)の美少女で、(赤い)ヘアバンドが特徴。その美貌から、有名カメラマンにモデルとしてスカウトされるなど、彼女の美しさに関するエピソードも多い。
レーダー・センサー能力を保有し、4キロ四方の索敵ができる聴覚・50kmを有効範囲に収める遠視力(透視能力も付随)を強化されている。これらの能力で索敵や脳波通信により戦闘中のナビゲーションを行ない、戦闘をサポートする。偵察のため、他のゼロゼロナンバーと前線に立つことも多い。
001=イワンを除いたゼロゼロナンバー中もっとも改造箇所が少なく(ただしナイフで刺されても死なない点などを踏まえるとある程度は改造されている)、生殖能力も有している。パワーも他のゼロゼロナンバーよりは劣っているが、それでも生身の人間と比べると怪力と呼べるレベルであり、大柄な人間程度の重さの物体なら片手で楽々と振り回すことができる。また、護身術も身につけておりネオブラックゴーストの工作員と渡り合う場面もある。ミュートス・サイボーグ編では、生身の恐竜なら倒せる、と述べている。
平成版アニメでは、翻訳能力も他のゼロゼロナンバーより高い設定。
『GOD'S WAR編』では、極めて断片的かつ不定期だが、近い将来のビジョンを予見できる能力を与えられた。またしばしば彼女の透視能力を阻む妨害電波などの工作にあっていたが、終章では能力が向上し、それらの問題を克服したようだ。
元はプリマバレリーナを目指す普通の少女だったが、偶然ブラックゴースト団に目をつけられて誘拐された後、改造された。他のゼロゼロナンバーは様々な事情を抱えていたが、彼女だけは誘拐される際「年頃の少女が不意にいなくなることは良くあること」と言われている。
平成版アニメではブラックゴースト団に「バレエ団に入れる」と騙されて連れて行かれた。
普段はバレリーナとして舞台に立ったり、ギルモア博士の下で001=イワンの世話をしている。原作や平成版アニメでは、ウェイトレスとして006=張々湖の「中華飯店 張々湖」の手伝いもこなしている。
心優しく争いを嫌う性格ゆえに、平和を乱す者と戦わねばならないことに苦しむ。また、超視聴覚能力により彼女にとって見聞きしたくないような出来事までも感知せざるを得ないこと、事件を通じて数々の悲劇を目の当たりにしながらも一部の敵も含めて全ての人々を救うことのできない現状に強い悲しみや憤りを感じており、それが彼女の心に影を落とす要因ともなっている。子供好きで、事件を通じて知り合った少年少女の面倒を見ることも多い。
原作では009=ジョーと心を通わせ、自然と相思相愛の仲となる。最初に公開されたプロフィールでは兄に似た雰囲気を持つジョーに惹かれたと書かれている。平成版アニメでは今ひとつ関係の進展は見られなかった。
新旧昭和版アニメでは、可憐で母性を感じさせるタイプのヒロインに描かれていた。
平成版アニメでは、心優しさはそのままに、より行動的で男とも対等に渡り合っていく強い心の持ち主としての描写がなされていた。009=ジョーとの関係も、漫画や昭和アニメ版のような親密さよりは、互いを意識していくまでの心理描写や、その曲折が強調されている。また原作発表時期とアニメ化された平成時代に40年もの開きがあるため、001=イワン・002=ジェット・004=ハインリヒとともに数十年前の東西冷戦時代にブラックゴーストに改造され、冷凍睡眠で眠っていた「第1世代サイボーグ」という設定になっており、若いままのその姿と兄ジャンを思わせる老人が対比的に描かれている。バレエに目覚めたのは1948年に公開された映画『赤い靴』を見たことがきっかけである。学生時代、電子工学を習得していたという設定と、機械のプログラムやシステムの構造を、手で触れるだけで解析するプローブ・システムを搭載しているという設定が付与され、ドルフィン号の扱いなどメカニックにも強い人物となった。
名前の由来は「フレンチ・カンカン」「学生たちの道」などで知られるフランスの女優・フランソワーズ・アルヌール。
004=アルベルト・ハインリヒ
30歳(旧設定28歳)。9月19日生まれ。ドイツ人。あだ名は「死神」。全身武器の戦闘用サイボーグで、チームの“主砲”とも呼べる存在。原作では何故か彼のみ「ハインリヒ」と姓で呼ばれる。
髪の毛の色がいわゆる銀色で初期でショートカットか坊ちゃん狩り、後期ではボブ、カラマツと頻繁に髪型が変わっている。瞳は描かれず(石ノ森章太郎の『メカ目』と呼ばれる独特の描き方で、サイボーグになってからこのような目になったのではない。いわば極端な三白眼)、目の色はごく薄い水色。
右手(劇場版第1作では両手)の指はマシンガン(6ミリ=.24口径)、左手は指がダーツ型手裏剣、側面はレーザーナイフ、眼球は狙撃能力を強化した照準眼、大腿部にマイクロミサイルを装備(アニメ第1作では両の二の腕にも)、果ては体内にヒロシマ型原爆まで組み込まれている。戦闘時は最前線で戦うことを主とするが、001=イワンの「睡眠」時には彼に代わりチームの参謀役としても活躍する。
『GOD'S WAR編』では、右手のマシンガンの弾丸が光線状の誘導弾に変化しており、5本の指から放たれる砲火を自在に操り、確実に標的を破壊できるようになった。
冷戦時代に旧東ドイツから恋人ヒルダを連れ出す為にベルリンの壁を越えようとするが失敗。銃撃によりヒルダを失い、自らも重傷を負って昏倒した所をブラックゴーストに連れ去られて改造された。
重傷で生身の体のほとんどが使い物にならなくなっていたと言う理由で、身体機能の大部分が機械化。生身の部分は生命維持のための最低限度のものしか残っていない。この時サイボーグ製造チームは、人体のどこまでを機械化することが可能なのかという、改造技術の限界に挑んだとされる。さらに、設計コンセプト上、単体で一個中隊に匹敵しうるだけの戦力として位置づけられていた。
普段はドイツで長距離トラックの運転手をしている(『超銀河伝説』ではスキーヤー)。金属部が剥き出しのマシンガンアームを人目から隠すため、服装は基本的に長袖で、常に手袋を着用(後にカモフラージュ用の人工皮膚を付与され、半袖のシャツ姿で旅行をするシーンも見られる)。
虚無的でニヒルで皮肉屋、時にタカ派的な言動をとりがちだが、本質的には非常に優しい性格で、一度信頼した相手には助力を惜しまない部分もある。メンバーの中で最も改造箇所が多いため、肉体に対する思いも殊の外深く、己の体を含めコンピュータ制御など機械仕掛けのものを忌み嫌う傾向がある。その一方で、自身の機械の体に対し愛着があるとも告白、「肉体は精神の入れ物に過ぎない」との発言もあり、自分がサイボーグであることに関しアンビバレンスな感情を抱いていることも自覚している。リーダーである009=ジョーの精神面の甘さを危惧しての助言や進言をする場面も多く、それゆえの憎まれ役を買って出ることもしばしばである。しかし同じくペシミストの007=グレートとは馬が合うのか、皮肉な言葉のやり取りをしシニカルな談笑をすることも。インテリであるという性格付けをされており、美術評論家と付き合いがある(『アフロディーテ編』)ことや、かつて高名な作曲家からピアノの指導を受けていた過去(『雪割草交響曲』)もある。
『地下帝国ヨミ編』『時空間漂流民編』で女性ゲストと心通わせるエピソードも見られるが、いずれも悲劇に終わっている。
平成版アニメでは002=ジェットが好戦的な性格を強調されていた分、004=ハインリヒは逆に原作より温厚で分別ある性格に修正されている。
そのキャラクター性から9人の中でも特にピックアップされて扱われることが多く、『超銀河伝説』では009=ジョーに次いで物語の大きなウエイトを占める。このほか、石ノ森の全く別の作品にも、戦闘の名手・皮肉屋・瞳の無い眼といった同様の造形のキャラが、『佐武と市捕物控』、『マンガ日本の歴史』など度々登場している。旧西ベルリン市長・ハインリッヒ・アルベルツ(ドイツ社会民主党,1966年-1969年)が名前の由来か。
005=ジェロニモ・ジュニア(平成アニメ版のみ、G・ジュニア)
27歳(旧設定31歳)。12月25日生まれ。アメリカ・インディアン構想の段階ではオーストラリアのアボリジニとされていた。あだ名は「アイアンマン」。「ジュニア」が姓なのか、他にファミリーネームが存在しているのかは不明。
褐色の肌、非常に大柄で、髪型はいわゆるモヒカン、顔には入れ墨と思われる赤い線がある。また、普段はスカーフや長袖を着こんでいるため人目に曝されることはないが、全身におびただしい数の経緯不明の傷跡が残っている。
平成版アニメでは現実には珍しいことではないが「アパッチ族の英雄と同じ名を持つ彼が、モヒカン族に象徴されるヘアスタイルをしているのはおかしいのではないか」との理由で呼び名が変更された。
砲弾にも耐える強固な装甲皮膚と、超高出力エンジンと最新式の人工心臓による100万馬力(後に1000万馬力に改造)の怪力を持つ。サイボーグの発揮しうる馬力を極限まで高めることが目的とされている。そのため、岩石を投げつけたり、戦車の大砲部分をへし曲げたり、ミサイル弾を拳で打ち落とすなど、素手を最大の武器とした戦闘が目立つ。他のゼロゼロナンバーに比べると効率的な戦闘スタイルとは言いがたいが、仲間を庇い被弾したり、落下物を食いとどめたり、障害物を除去するなどの、防御や破壊工作にはうってつけの存在。スーパーガンも装備しているが、滅多に使用しない。
またサイボーグとしての能力とは別に、元々シャーマンのように自然の声を感じ取ることが出来、動物や精霊と会話を交わしたりすることができる。
『GOD'S WAR編』ではさらに力が増し、地表を突くことで、地割れを起こし一度に多くの敵を亀裂に陥れ倒している。
インディアンとして差別迫害を受けて定職にもつけず、また仲間達が民族のプライドを捨てて見世物じみた仕事についていることに怒り失望していた時に、ブラックゴーストに「仕事がある」とサイボーグ手術されることを隠されスカウトされ改造手術を受けた。
平成版アニメでは差別的な描写への配慮から、ブラックゴーストに丸め込まれた雇い主に仕事を解雇させられてしまい、ブラックゴーストに連れて行かれる設定になっている他、原作にもあるインディアン

のリザベーション(インディアン居留地)問題を暗に示すなど、時事に沿った脚色がなされている。

普段はアメリカで、その怪力を生かせる高層ビル建築現場などの作業員として働いている。原作や昭和版アニメでは、メンバーの再招集がかかるまでアメリカ南西部の牧場でカウボーイの仕事を行っている姿が描かれている。
無口で心穏やかな平和主義者だが、口にする言葉は大抵は重く、哲学的である。また、大地の精霊らと語らうため、大自然の中で精神の統一を試みることを好む。自然に逆らうことなく共生するという、部族の伝統的な価値観や世界観を何より大事にしており、サバイバル術にも長けている。言葉に出すことは滅多にないが、仲間に対する心遣いは篤く深い、頼れる存在である。しかしその一方で、朴訥ながら芯の強い彼の性格が利用されてしまう話も稀に見られる。
原作や新旧昭和版アニメでは、当時のインディアン描写としてはステレオタイプの、助詞の抜けた「片言」で会話している。平成版アニメではこれが改められ、より理知的な印象の人物となった。
006=張々湖(ちゃん ちゃんこ)
42歳(旧設定30代後半)。2月29日生まれ。中国人(原作及び平成版アニメでは広東省出身)。あだ名は「もぐら」。どんな時でもマイペースなムードメーカー、ギャグメーカー。
背が低く丸々した体型。小さな目と丸い大きな鼻、端が丸まった八の字髭が特徴。
体内に高圧縮エネルギー炉を内蔵し、高熱火炎(もしくは熱線)を口から放射する能力を持つ。地面をも溶かせ、地中行動も可能。この能力に応じて、肉体も耐熱性に優れている。度々緊急時の回避に役立っており、退路を作る以外にも抜け穴を再び溶接し隠蔽するなどの機転も見せている。ちなみに、なぜか鼻の部分は取り外しが可能で、他の仲間に鼻を握られたり押されたりして無理やり火炎を噴射させられる描写もある。火炎放射の能力を、料理や喫煙など日常生活においてもフル活用している。
いざという時は、体型に似合わない機敏な動きや中国拳法の技を見せ敵を翻弄するトリックスターでもある。
サイボーグとしての能力なのか元来備わっているものなのかは不明だが、嗅覚も鋭く、料理に盛られた毒を感知して仲間を救ったこともある。
特技はいわゆる中華料理全般。ゼロゼロナンバーは普通の人間と同じ食事を摂取するため、作戦行動中もあらゆる手段でゼロゼロナンバーの食事面に気を配っている。日常時な差し入れや、外出時の弁当を持参する場面が多い。
『GOD'S WAR編』では、火炎放射が尾を曳く龍の形となり、火力や飛距離が大幅に増した。これにより、対象物の周囲を囲みこみ範囲を狭めてから焼き払うなど、より変化自在な戦闘が可能となった。
元は貧乏な農民で、干ばつの為原作発表時には大躍進政策で実際に飢饉が起こっていた、生活苦にあえいで首吊り自殺をしようとした所をブラックゴーストに見つかり、楽な暮らしが出来ると騙されて改造された。
平成版アニメでは「中国の改革開放政策に乗って多角経営を行い、失敗したレストラン経営者」と設定されており、上海にいる場面も数回登場した。
普段は日本で中華料理店「中華飯店 張々湖」のオーナーシェフを務める。当初は1人で経営していたが、その時の店舗は第2期『地下帝国ヨミ編』序盤で従業員に権利ごと譲渡し、後に007=グレートとの共同経営による新たな店舗を経営している。行動時には「資金提供する」という台詞も多く、店の経営は順調な様子でゼロゼロナンバーの活動資金源になっていると思われる。
のんびりした食いしん坊で、着地に失敗しすっ転げたり、尻餅をつく場面が多くズッコケキャラの印象が強い。煙管をふかす場面もしばしば見られる。
その大らかさから「張大人(ちゃん・たいじん)」と呼ばれることもあり、どんな時にもマイペースぶりと独特な口調は変わらない。原作や昭和版アニメでは関西弁的な言葉遣いで語尾に「〜アルヨ」「ヨロシ」などをつける、協和語の変形とも思える当時の中国人描写にありがちな口調だったが、平成版アニメでは同じく関西弁を思わせるものの妙な訛りのある独特な口調に変更されている。また、従来の差別的とも取られがちな口調を改める際に、張々湖役の声優茶風林は中国語を学び、独自のイントネーションを掴むのに役立てたという。
陽気な性格のせいか、はたまた人生経験の深さからか、もはやこれまでという所で拉致された為なのか、他のゼロゼロナンバーに比べサイボーグ化された悲劇を嘆く場面は少ない。原作では、事件への感想などで漢詩や故事を引用している場面がたびたび登場する。
007=グレート・ブリテン
45歳(旧設定40代後半)。4月1日生まれ。その名のとおりイギリス人(リバプール出身)。あだ名は「カメレオン」。新昭和版アニメでは「ブリテン」と姓で呼ばれる。海外で放映された平成版アニメの英語吹き替え版では、“G.B.”(ジービー)と変更されている。
禿げ頭で矢印鼻のひょうきんな男。
でべそに仕込まれたスイッチを押すことで、自身の細胞の分子配列を変化させることができる。この機能により、他人はもちろん、消費財以外のあらゆるものに変身可能。部分的な変身もでき、また変身したモノの能力も再現できる。特に、鳥に変身して空から偵察・尾行する場面が多い。家より巨大な巨人や小石などにも変身できるが、質量の変化については不明。細胞の分子配列変化を応用し透明人間の如く周囲の景色に完全に溶け込むこともできる。当初は戦闘服が能力に対応していなかったため、変身時には戦闘服を脱ぐ必要があった。後に戦闘服が能力に対応し、ベルトのバックル部を押すことで戦闘服を着たまま変身できるようになる。
作戦行動時には、これらの変身能力と演技力で相手を翻弄する。特に諜報活動を得意とし、潜入調査から調略まで自在にこなす。原作でのネオ・ブラックゴースト総統との戦いでは、変身能力に加えて鏡を利用したトリックで総統を葬り去るという大殊勲を打ち立てた。
汎用性に優れ、あらゆる状況下において万能な活躍を見せるが、両手の自由を奪われるなど、でべそのスイッチを押せない状況に追いやられると、苦戦を強いられることになる。
年寄り扱いされるのを嫌い、子供に改造してもらったこともある。旧昭和版アニメでは子供として登場し、その時期に描かれた原作では視聴者の混乱を回避するため、常に子供の姿に変身している設定になっている。
『GOD's WAR編』では、相手の体に乗り移り操る能力を得た。
元は超一流の舞台俳優だったが、酒で身を持ち崩して役者としても駄目になり、浮浪者同然になっていた所をブラックゴーストに目をつけられて拉致され、改造された。
新昭和版アニメでは、舞台のオーディションに落選して自信を喪失した際、役者のライバルでもある親友・ブラウンと山登りに行った時にブラウンが事故で転落、グレートが故意に落としたと誤解され周囲から白い目で見られるようになり、酒浸りになった。また、同じく役者仲間のランドルフの出演する舞台で、彼の代役をこなした事も。
平成版アニメでは、役者としての栄達と引き換えに、最大の理解者でもあった恋人のソフィーを捨てた過去があり、その負い目から酒に逃げるようになった。
旧昭和版アニメでは9歳のロンドン出身のわんぱく孤児で、ギルモア博士に拾われた後、改造手術を受けて変身能力を得る。心に念じるだけで変身することができ、その変身能力を生かし事件解決の足がかりを作ったりなどの大活躍をして、009=ジョーや003=フランソワーズと共に主役級のキャラクターとして描かれていた。
普段はイギリスで舞台に立ち「芸」として変身能力を披露したり、日本で006=張々湖が経営する「中華飯店 張々湖」の共同オーナーとして働いたり(006=張々湖からは使用人扱いされている)している。
一般人相手にサイボーグ能力を人助けの手段、あるいは舞台での早変わり芸として披露することが最も多く、そのときは「変装」と偽っている。
ゼロゼロナンバーのムードメーカーで、006=張々湖と共に場を和ませるギャグメーカー。緊迫した状況下で連発される彼の変身能力を交えたボケは仲間に受け流されることも少なくない。最も感情を豊かに表すが、本来の性格はペシミストで、シェイクスピア劇のような台詞回しを好んで使い、厭世的な句を吟じ事件に対し痛切な批判をする一方で、好んで道化を演じている節もある。普段、賑やかにおどけていることが多いだけに、時折見せるシリアスな一面はより一層強い印象を残す。作中、自分の腹がたるんでいるのを気にするシーンがいくつか見られる。
006=張々湖とは良いコンビで互いを「人生の友」と認める仲。
一方でチームワークを何よりも大切にする面もあり、004=ハインリヒが002=ジェットと仲違いをし出て行った際には自ら002=ジェットに変装し、004=ハインリヒが戻ってくるよう取り繕った。
自分の能力を使えば誰にでも変身する事が出来る為、原作ではその能力を使い美男子に変身し、女性を口説いた事が一度だけあるが、良心の呵責に苛まれたまま、真実を話せずにその女性は病で亡くなってしまう。それ以降、能力を自分の私利私欲の為には使わないと決めている。
「007」が「諜報活動」に優れた「イギリス人」と言う設定はジェームズ・ボンドのオマージュ。
008=ピュンマ
22歳(旧設定21歳)。8月20日生まれ。アフリカ出身(旧設定ではケニア出身。黒人奴隷描写への配慮からアフリカの某国出身と変更)。平成版アニメでは架空の「ムアンバ共和国」出身。あだ名は「人魚(マーメイド)」男性の人魚は「マーマン」だが、当時の石ノ森は知らなかったと思われるまたは「半魚人」。姓の有無は明らかになっていない。
丸顔で坊主頭、半目気味の黒人青年。キャラクターデザインは二種あり、原作ではネグロイド系人種の特徴を極端にデフォルメした、当時ありがちだった「マンガ的な」デザイン。アニメ版のみの新デザインは、石ノ森の画風を踏襲した、より「リアルな」デザインとなっている。
アニメでも初期は原作準拠のデザインだったが、劇場版『超銀河伝説』制作の際、脚本協力のジェフ・シーガルの「アメリカ輸出の時に人種差別と取られる」というアドバイスにより、新デザインに変更された。
後に第2期『地底帝国ヨミ編』で重傷を負い、修復の際に首から下の全身を銀色のうろこ状の肌に改造された。当初はあまりに人間とかけ離れた自分の姿にショックを受けて落ち込むものの、機械的な体の004=ハインリヒに励まされ、銀の肌の体を受け入れた。
ギルモア博士はこの時「(当時の社会では激しい人種差別を受ける)黒い肌よりも良いのではないかと考えて」改造した趣旨の発言をしており、肌の色の対する偏見を003=フランソワーズから激しく非難されている。新旧昭和版アニメではこのエピソードについて触れていない。平成版アニメではギルモア博士が「今後の戦闘で死んで欲しくない一心で能力強化のため銀色の身体にした」と説明、003=フランソワーズの非難の言葉も、科学者の驕りを戒めるものに変わっている。
原作では、後のエピソードで黒い肌に戻っていることが確認できる。
深海活動用に改造されたため、両足の裏に噴射口が備えてあり、激流を噴射して水の中で素早く活動できる推進能力や人工のえら、深海の水圧をはじめとする高重圧環境に耐える皮膚と内臓を持つ旧昭和版アニメでは戦闘時に水を吐く描写もあったなど、水中活動だけなら他の全員を凌駕する。また体内の酸素ボンベも高性能で、宇宙などの真空中でも他のゼロゼロナンバーよりはるかに長時間活動可能。
地上での戦闘能力は基礎能力しかないため、005=ジェロニモと共に、ギルモア博士やゲストキャラの護衛に回ることも多い。作中では戦闘艇に居残り、戦闘艇の武装で他のゼロゼロナンバーを援護する場面もたびたび見られる。
『神々との戦い編』では子どもを作れないという発言があり、その身体のために悲劇を生んでしまったことが語られる。
『GOD'S WAR編』では、より高圧力下における戦闘に特化し、水中戦においては、周囲の水圧を操ることで、触れることなく敵の体を破裂させるという大技を身につけた。
原作初期の設定ではアフリカ原住民の酋長の家系に生まれた青年で、人身売買組織の奴隷狩りに遭い逃亡中にブラックゴーストに助けられ、そのまま拉致されて改造された。
この設定は現在では問題視されるため、平成版アニメでは原作にあった祖国の解放運動に身を投じたゲリラの闘士とされ、罠で自らの部隊が全滅した上に、ブラックゴーストに不意打ちを受けて攫われ改造された、と変更されている。このためゼロゼロナンバーで唯一、改造前から実戦経験を持つ“戦闘のプロ”となり劇中では、ゼロゼロナンバーの戦闘艦・ドルフィン号のメインパイロットおよび戦術要員として活躍する場面も多い。
非戦闘時は祖国で独立運動のリーダーとしてゲリラ戦に従事したり、パークレンジャー(公園管理官)や密漁管理官などとして働いたりしている。平成版アニメでは、食糧や医薬品を貧困地域に運搬するボランティア活動に従事している姿も見られた。
大卒の学歴を持つため教養も高く、大陸の貧困や偏見・迷信を解消しようと努め、アフリカの自然を守ろうと考えている真面目な青年。

ゼロゼロナンバーの関係者

アイザック・ギルモア博士
63歳。1月25日生まれ。ユダヤ系ロシア人(新昭和版アニメではアメリカ国籍)。大きな四角い鼻が特徴。科学者で昭和版アニメではナチス傘下の研究機関、平成版ではソ連科学アカデミーに在籍後、ブラックゴーストの研究員となる。ゼロゼロナンバーを改造したが、ブラックゴーストに造反し彼らとともに脱走、行動を共にするようになる。ゼロゼロナンバーの良き理解者でもある。ゼロゼロナンバーと共有する時間が増えるに伴い、感情を示す場面も多くなっていった。ブラックゴーストの科学者として自分がしてきたことを後悔している。しかし、自分にとっては子供のような彼らを戦いで死なせたくない意識から、ゼロゼロナンバーをパワーアップのために改造することには躊躇がない。
専門は生体工学

だが、ゼロゼロナンバーの戦闘艇も製作しているため機械工学全般に造詣が深いと思われる。またゼロゼロナンバーの修理や改造を001=イワンの手を借りつつも常に一人でこなしており、技術者としても高い技術の持ち主であることが伺える。

普段は日本の「ギルモア研究所」に、001=イワン、003=フランソワーズ、009=ジョーと共に住み話によって009=ジョーや003=フランソワーズは別居していたり、メンバー全員と暮らしたりしていることもある、ゼロゼロナンバーの予備パーツや戦闘艇などを製作している様子。
平成版アニメでは、冷戦期からなる長期的なスパンで行われたサイボーグ化計画において、その初期段階から設計や立案の面で参加して最終的には責任者のポストに就任した。しかし、第2期サイボーグ計画(005〜)以降は組織への疑問や良心の呵責に駆られ、改造手術の執刀医を降板していた。
コズミ博士(声:平成版アニメ・滝口順平)
日本の科学者でハーバード大の頃からのギルモア博士の友人。幽霊島を脱出してきたゼロゼロナンバーを匿うことになる。その際、自宅の地下室を提供している。
生化学の世界的権威で薬品関係の研究を行なっているらしく、その成果を狙う組織に狙われることもあった。ブラックゴースト側のゼロゼロナンバーに拉致されてしまい、そこから救出された後、ブラックゴーストとの決着に向けて旅立っていくゼロゼロナンバーを見送ることになる。囲碁が趣味。
ガモ・ウィスキー博士(声:新昭和版アニメ・大竹宏→渡部猛、平成版アニメ・加藤精三)
001=イワンの実父で彼を改造した張本人。イワンの改造直後にその行為を非難する妻エリカを殺害し、ブラックゴーストにスカウトされた。
原作では序盤に登場したのみだが、新昭和版アニメではネオ・ブラックゴーストの首領3兄弟やオーディンを改造し、更にガンダールを産み出した狂気の科学者として登場し、イワンは父との対決に心を痛めることになる。平成版アニメでも同様なイワンとの対峙が描かれており、強力な超能力を持つミュータント・サイボーグを製造してゼロゼロナンバーと戦わせた。基本的に自らの研究にしか興味を持たず、研究の為ならどれほど残忍で悪辣な実験でも平然とやってのける。名前の由来は、理論物理学者のジョージ・ガモフからか。
ジャン(声:平成版アニメ・神奈延年)
003=フランソワーズの兄。原作ではフランス空軍のパイロット。かなり腕の立つ軍人で、妹を誘拐したブラックゴースト工作員相手に追撃戦を演じるも、飛行機の燃料切れで振り切られてしまう。『時空間漂流民編』で再登場しており、その時点では009=ジョーとも面識ができている。
平成版アニメではフランソワーズが冷凍睡眠に入れられた為、タイムラグが生じて再会できなかった。
ヒルダ(声:新昭和版アニメ・川島千代子、平成版アニメ・小池亜希子)
004=ハインリヒの婚約者。ハインリヒと共に西ベルリンに亡命しようとしたことが発覚し、東ドイツ兵に射殺された。アニメのほとんどで髪型はショートカットだが、『超銀河伝説』のみポニーテールになっている。
ピュンマの家族
両親と妹の所在が確認されており、いずれも『黄金のライオン編』で殺された。

ブラックゴースト(黒い幽霊団)

『誕生編』『地下帝国ヨミ編』及び平成版アニメに登場。ゼロゼロナンバーの生みの親にして最大の敵。
世界に死と戦争を撒き散らし、利益を得る「死の商人」。兵器製造企業や銀行家など戦争によって利益を得る組織や団体が資金を出し合って設立した世界規模の秘密組織。
軍需産業を営みながら、民族運動や反政府運動を影から操り、世界情勢をも操作している、そのため、非合法組織だが冷戦下にある各国(の上層部)からはその存在を黙認されている。
冷戦の水面下で世界征服の野望を抱く第三勢力でもある。最終目的は、彼らの開発した商品(サイボーグ)により人類の滅亡(核戦争)を回避した形でアメリカ合衆国とソビエト連邦の全面戦争を引き起こし、両国が弱体化し国際的指導力を失った際に台頭、世界を管理・支配することである。
その技術力はサイボーグ開発やロボット技術の軍事転用、レーザー兵器の製造、量産など、すでに両大国を上回っている。その内情は、まさに民間軍事会社であり、紛争中の国家とその反対勢力の双方に兵器や戦闘要員を投入し、利益を上げている。指揮系統は国家の有する軍部のそれとさほど変わらないと思われ、その内部には、世界中からスカウトした科学者や技術者達からなる研究組織が存在しているが、組織内部の詳細については謎の点が多い。
拠点は世界各地に存在し、組織全体の本拠地は地下帝国ヨミである。
彼らを倒しても別の者達が新たに争いを引き起こし、さらに再編成されてネオ・ブラックゴースト(新・黒い幽霊団)となる。ブラックゴーストの真の正体は、決して消えることのない人間の欲望そのものである。
ネオ・ブラックゴーストの行方を追跡していれば「神々との戦い」が早まっていたというナレーションが『黄金の三角地帯編』に登場するが、その描写が『天使編』あるいは『神々との闘い編』とどのような繋がりを持つかは明らかにされていない。

首領、幹部

スカール / 髑髏仮面(旧昭和版アニメ)(声:平成版アニメ・若本規夫)
『誕生編』『地下帝国ヨミ編』に登場。ブラックゴーストの最高幹部の1人で表向きの首領。髑髏を連想させる黒いヘルメットとマントを身につけた怪人物。成層圏などを舞台とした来たる宇宙戦争などに向け「未来戦計画」を提唱、サイボーグ開発を実行した。ゼロゼロナンバーの成果を活かしたと思われる完成されたサイボーグであり、加速装置を内蔵している。いつ頃サイボーグ化したかは不明だが、原作では時期ごとにヘルメットの形状が大きく変化することから『誕生編』から『地下帝国ヨミ編』に至るまでの期間に少なくとも3回の改造手術を受けていると思われる。脳細胞を含む大部分の体内組織を大幅に改造しており、着脱可能な腕にヤリ、腹部に砲口を内蔵し、口からは溶解液(旧昭和版では毒ガス)を吐き、脳は胴体に内蔵されている。この身体構造により頭部を破壊されても009を圧倒した。
平成版アニメでは複数の爪牙を展開し、プラズマボールを発生させ009を攻撃している。
総統の体である魔神像内部に009=ジョーが入り込んだ際、009=ジョーと戦うが、内部を破壊しすぎたため総統に処刑された。
旧昭和版アニメでは死の商人集団「幽霊同盟(ゴーストどうめい)」の盟主。
バン・ボグート / キング伯爵(旧昭和版アニメ)(声:平成版アニメ・石塚運昇)
『地下帝国ヨミ編』に登場。ブラックゴーストの最高幹部で、表の顔は日本企業「三友工学」の社長。ゼロゼロナンバー抹殺のため、自らサイボーグとしての正体を明らかにして襲い掛かってくる。地下帝国ヨミでは総統(魔人像)の忠実な下僕としてプワ=ワーク人達を支配していた。加速装置に加え、伸縮が効く腕、周囲の風景と同化する迷彩服、眼窩には熱線を発射する機械の眼球を装備し、スーパーガンの熱線を受けてもそのエネルギーを吸収し、放出する能力を持つ。009とは幾度も戦い、いずれも一対一では歯が立たなかったほどの実力の持ち主である。最終決戦における激闘の末、加速装置の音を区別した004の手で倒される。
旧昭和版アニメでは全世界の独裁を目論む幽霊同盟の一員として登場。
平成版アニメでは地下帝国ヨミの実質的な指導者として描かれている他、原作では不明確だっ