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ツマヌダ格闘街/上山道郎

共有

著者: 上山道郎
巻数: 11巻

上山道郎の新刊
ツマヌダ格闘街の新刊

最新刊『ツマヌダ格闘街 11


出版社: 少年画報社
シリーズ: YKコミックス


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

E_Nomanoma ツマヌダ格闘街の新刊出るのもうちょい先かな〜、気になる〜
ueyamamichiro RT @Myoungking: 【月刊ヤングキング4月号】一昨日3/19(火)発売!! 上山道郎氏[ツマヌダ格闘街]は、主人公・古流柔術のミツルと空手家・鷹羽との決戦序盤。曾祖父ゆずり流派を、ロシア人の師匠ドラエより正式に継承する事を決意したミツル。その強い意志が試合を有 ...
ueyamamichiro RT @shosen_bt: [6F]いよいよ明日3月2日開催! 少年画報社ヤングキングコミックス 上山道郎先生「ツマヌダ格闘街」13巻発売記念サイン会 ごく僅かですが参加券ございます! ご希望のお客様はお急ぎを!!
ueyamamichiro RT @shosen_bt: [6F・7F]コミックベストテン続きです[9]機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト3巻[10]宇宙兄弟20巻 今回のオススメは、青年コミック担当Kの勝手な悲願達成!3月2日サイン会も開催の上山道郎先生「ツマヌダ格闘街13巻」です!
ikamiki RT @shosen_bt: [6F・7F]先週のコミックベストテンです[1]ツマヌダ格闘街13巻[2]テラフォーマーズ4巻[3]マギ16巻[4]七つの大罪1巻[5]月とにほんご[6]PEACE MAKER10巻[7]キングダム29巻[8]モンスター娘のいる日常2巻

ツマヌダ格闘街の既刊

名前発売年月
ツマヌダ格闘街 5 2009-02
ツマヌダ格闘街 6 2009-08
ツマヌダ格闘街 7 2010-02
ツマヌダ格闘街 8 2010-08
ツマヌダ格闘街 9 2011-01
ツマヌダ格闘街 10 2011-07
ツマヌダ格闘街 11 2012-02

ツマヌダ格闘街』(ツマヌダファイトタウン)は、上山道郎による日本の漫画作品。ストリートファイトが地域振興策として制度化された街を舞台に、格闘技初心者の主人公が謎のメイドの助けを借りて強さを身につけていく格闘漫画。

あらすじ

プロのイラストレーターになるため上京してきたばかりの八重樫ミツルは、格安アパートがあると聞いて訪れた妻沼田市でメイドのドラエと出会う。妻沼田市は街全体を挙げて格闘技を盛り上げようとしており、登録選手であれば街中でのストリートファイトも合法とされている。ミツルの素質を見抜いたドラエは彼に選手登録をさせて、アドバイスを通じて格闘家として育てていく。

特徴

『ヤングキング』2006年21号(2006年10月07日発売)から連載開始。作者にとっては初の青年誌での連載になる。主人公が様々な経緯から格闘家・武術家として戦う羽目になるのを、時にはユーモアを交え、時にはシリアスに描く。2009年5月30日から『ヤングキングアワーズ』に掲載紙を移籍した。

ドラエが語る人体の仕組に基づいた理論的な動き、伝統武術に根差した技、果ては相手の心理の裏をかく作戦に至るまで、様々な薀蓄を背景にミツルが特訓を受けるのが特徴。技や体の動きについては別枠で詳しく説明されており、日常生活への応用方法なども書かれている。

ルール化されているとは言えあくまでストリートファイトであり、試合の舞台は街中である。対戦相手も純粋なスポーツマン・格闘家の枠からはみ出した個性的な選手が多い。

ドラエが技術を説明する際に、筋肉の動きが見えやすいようにすぐ下着姿になるシーンなどが多分に存在するが、あくまでも健康的な描写である。

ヒロインのドラエとラミィは連載開始数年前から作者のサイトで描かれていたマスコットキャラである。作者本人の趣味嗜好もあって藤子不二雄作品へのオマージュ的デザインのキャラクターが多い。

登場人物

メインキャラクター

八重樫 ミツル(やえがし ミツル)
本作の主人公。イラストレーター志望の19歳(初期は18歳だったが作中で誕生日を迎えている)。鹿児島県から上京してきた。身長168cm、体重58→60→62kg。容姿は「一見ひ弱なオタク少年」であり、妻沼田市に来る以前は運動は苦手で格闘技の経験も皆無だったが、ドラエと出会ったことで彼の人生は大きく変わる事になった。
性格は優しく控えめで争いを好まないが、誠実で内には強い意志と正義感を持っており、自らやると決めたことには一途になる努力家でもある。邪な面の無い好人物ゆえに女性からも好感を持たれることが少なくないが、シャイな性格ゆえあまり積極的ではない。
幼い頃からTVアニメを見ながら絵を描いていたせいか、近視ながら動体視力や瞬間視に優れていて観察力も高く、また素人ゆえの素直さでドラエの教えを吸収し着実に実力を伸ばしている。方向音痴らしい。
ドラエ・タチバナ=ドリャーエフ
ミツルが妻沼田市で出会ったメイド。年齢不詳(20歳ほど)でロシア出身、身長165cm、体重54kgでバストはGカップらしい。素性や目的の細かい部分は未だ謎に包まれているが、日本人の祖父、橘 明道(たちばな あきみち)から古流武術「明道流柔術」を受け継いだ達人であり、底知れない技量と知識を基に、ミツルを少しずつ武術家として育てていく。時折見せる武術の実力はジロー・クインシー・雛子・ミツルの4人を同時に相手にしても全く問題にせず、更にその中でわざとジローに胸へ掌打を打たせるよう仕向けるなど登場人物の中でも特に抜きん出ている。北国育ちだったため泳げなかったが、裕子の指導で泳ぎもすぐに覚えている。
御名本家でメイドとしての専門教育を受けているため家事の能力も優秀であり、日常生活でもミツルを的確にサポートする。その勤勉な日常生活は同居しているミツルたちが誰もドラエの睡眠を見たことが無いほどである。
普段は優しく穏やかで常に落ち着いており、何事にも物怖じしないが、照れ屋で涙もろい一面もある。一方で、武術指導や絵のモデルとしてミツルの目前で下着姿などを見せることに抵抗がなく、突然脱ぐ事に慌てるミツルに対して逆に不思議がる等、やや常識や男女の性差についての意識が欠けている面も見られる。これは、故郷の森の中で祖父と2人で暮らしていたことが理由らしい。
明道流柔術をミツルに継がせる事を目的と話しているが、元々祖父は流派を名乗っておらず「明道流」はドラエ自身が名付けて体系化した要素が強いため、稽古方法には八卦掌の動きを取り入れるなど流派に大きなこだわりは無い。また、他流派との交流は祖父の遺志でもある。
青と白を基調にしたカラーリングのメイド服を着ている。髪は水色のセミショートヘア、瞳は赤。エプロンドレスに半円形のポケットがある。首元には首輪と鈴ではなく、赤いリボンと金色のブローチを着ける。
八重樫 ラミィ(やえがし ラミィ)
ミツルの義理の妹。18歳(ミツルより半年若い)。身長159cm。実母とは事故で死別。本名はカーペンター・八重樫・空美(そらみ)・ラミィ。
ミツルがストリートファイトに身を投じていることを知り、連れ戻すために鹿児島の実家から上京したが、ミツルの決意やドラエの実力を実際に見て渋々ながら認める。その後すぐに再上京してミツルやドラエと同居を開始。サバサバした性格からか一転して兄を積極的にサポートするようになり、チームの記録係などを務めている。試合に際してはディーヴァ(チームのマスコットガール)として、ドラエお手製のドラミカラーのメイド服(ポケットはチェック模様)を着る。
放送大学で外国語を学んでおり、学生身分ということでミツルと違い親からの仕送りを貰っている。
女性陣のなかでは比較的常識人。胸のサイズについてコンプレックスが有る模様。軽い近視でたまに眼鏡をかけるときもある。
金髪碧眼、ロングヘアに赤いリボンが特徴。
ジロー・王(ジロー・わん)
本名・王 次郎(おう じろう)。陳式太極拳の修練者。身長171cm、体重59kg。18歳。日本生まれ(本名の名字の「王」の読みが“わん”ではなく“おう”になっている)。太極拳の達人である台湾人の父と日本人の母の間に生まれ、物心つく前から太極拳を父に教え込まれた天才拳士。ミツルに初黒星をつけ、以後ミツルのライバルにして友人となった。女性的な顔立ちの美少年で、その容姿から女性ファンが多いため外出する際は変装するようクインシーから言いつけられている。
太極拳に対しては真剣且つ熱い意志を秘めているが、普段の性格は非常に温厚かつ無口で家族も彼が激しい感情を表したところを見たことが無い。服装には無頓着で服を自ら選んで買った経験は無いとのこと、クインシーに小さい頃からお下がりの服を着せられていたこともあって、メイド姿などの女装には慣れており板についている。但し、慣れているというだけで好きな訳ではない。趣味は読書と模型作りで手先も器用。本人の弁によれば方向音痴とのこと。
1本アホ毛が特徴。
クインシー・王(クインシー・わん)
本名・王 宮世(ワン グンシー)。「クインシー(Quincy)」は通称、ラミィからは「クーちゃん」と呼ばれる。ジローの姉でチーム監督。身長166cm、バスト99cm。26歳。台湾生まれ(名字の「王」の読みが弟とは違い“わん”)。ストレートな黒髪を長く伸ばした巨乳美人。自身も太極拳の達人である。意志が強く、陽気で大雑把な性格で言動にも遠慮が無いが、自信家ゆえに付け入られる隙も多い。一方で可愛い物好きで子どもに優しく、誰とでもすぐ打ち解けられる愛嬌のある面も見せる。大食家で酒豪。整理整頓と犬が苦手。
父親である王英才を不当に追放した本家に対して、父の実力と正統性を証明するため、ジローを連れてツマヌダに来た。
頭頂のアホ毛5本(上3本・下2本)が特徴。

メインキャラ達の家族・血縁者

チャーリー・カーペンター・八重樫(チャーリー・カーペンター・やえがし)
ミツルの継父で、ラミィの実父。45歳。身長190cm、体重120kg。鹿児島県在住。イギリス人で18歳の時に日本に留学し、大学の相撲部に入ったことがきっかけで日本文化に魅入られ、現在は日本文化を紹介する文筆家として祖国の新聞・雑誌に連載を持っており、論文も発表している。本気モードの時は和服を着る。ラミィの実母である前妻を飛行機事故で亡くし、その事故の遺族会で珠子と出会い再婚。
イラストレーターを目指すために上京したはずのミツルがツマヌダでストリートファイトをしていることを知り、珠子と共に彼らのもとを訪れた。ミツルの覚悟を試すために相撲で勝負を挑み、覚悟の程を見届けた後はツマヌダでの試合を認め、ドラエに彼のことを頼み鹿児島へ帰郷した。
自身も日本に留学する際に父親から反対され、その事で逆に決意を固めた過去がある。
八重樫 珠子(やえがし たまこ)
ミツルの実母で、ラミィの継母。44歳。地元地域新聞の編集者。ミツルの実父である前夫を飛行機事故で亡くしている。現在の夫であるチャーリーと違い格闘技とは縁の無い人生だったが、些細な事では動じない芯の強さを持つ。ミツルの一度決めた事は最後までやり通す粘り強さはこの母譲り。ミツルがストリートファイトをする事については最終的に認め、夫同様に応援する覚悟でいる。
王 雛子(おう ひなこ)
ジローの双子の姉で、クインシーの妹。通称ピーたん。18歳。身長158cm、体重47kg。姉弟と同じく太極拳の修練者。日本生まれ。横浜中華街で店を営む両親と共に生活している。将来は料理人を目指しており、調理師専門学校に通っている。
1本アホ毛とリボンが特徴。
王 英才(ワン インツァイ / おう えいさい)
ジロー達三姉弟の父。風貌は一見何処にでも居そうな普通の中年男性で、争いを好まない温和な性格だが、自分より二回りは大きな体格のプロレスラーを数mも吹っ飛ばす強力な発勁と、攻撃を捌かれた側がどの方向に「化」されたのかすら分からない程に高度な化勁を併せ持つ太極拳の達人。
台湾で実戦太極拳の雄と言われた達人・王 樹才(ワン シュウツァイ)の四男。末っ子ながら兄弟の中では最も優れた才能と実力を持っていたが、父の樹才が後継者を決める前に事故死したのを発端に、その強さを妬んでいた3人の兄達によって台湾から追放された。優しい性格から家族間で傷付け合う事は避け、妻・明子(あきこ)が日本人ということから日本に移り住み、現在は横浜中華街で店を経営して生計を立てている。日本に来てからは家族以外の前で太極拳を披露する事も無くなったが、その実力はなお健在。中華まんが美味く店の看板商品。
ジロー達がツマヌダで闘う事については内心複雑だが、今のところは温かく見守っている。
橘 明道(たちばな あきみち)
今は亡きドラエの祖父。柔術の達人であり、雪深いシベリアの森の奥で幼きドラエと2人で過ごし、柔術を伝授した人物。「何事も力づくでは駄目だ」という考えを持っていた。若い頃は武者修行の為に様々な土地を渡り歩いていた。その際、沖縄で若き日の朝倉藤十朗と対戦し、軽く退けている。

ツマヌダ格闘街関係者

御名本 裕子(みなもと ゆうこ)
ツマヌダ格闘街運営委員会 (TFTC) 専務理事で格闘街の運営に采配を振っている。御名本家の次女で末っ子の36歳(夫の正一は婿養子である)。経営才覚に優れ、大学在学中に仲間と起業したWDN(ワルキューレ・ドット・ネット)の社長で、同社を10年足らずで国内有数のIT企業に成長させた実績を持つ。格闘技未経験者ながら格闘家を見る目は確かでミツルとジローを将来のスター選手として見込んでいる。高校時代は水泳部に所属しており、全国大会に出場した経験もある。現在は趣味でヨガを嗜んでいる。
綿密な計画を立てた上で大胆に行動することをモットーにしており、決断を下すのは迅速かつ直感的。
ミツルとジローが同居しているという話に食いついたところから、ボーイズラブ好きと見受けられる。ルックス的にはジローよりもミツルの方が好みらしい。
御名本 柚香(みなもと ゆずか)
御名本裕子の娘。11歳。名門校、富士光学園妻沼田校小等部の6年生。幼いながらも礼儀正しくしっかりした少女。将来は医師志望。
ミツルのファンで、母の提案した無謀な試合を警告するため、かつサインをもらうために現れた。運動は苦手だが、ミツルの指導で改善しつつある。
御名本 弘志郎(みなもと こうしろう)
裕子の父親。抜群の商才で富を成し、政財界に大きな人脈と影響力を持つ企業家。83歳。現在は事業は子供達に譲って鎌倉に隠居しているが、裕子がツマヌダ格闘街を発足させる際には法的整備や各種関係者間の調整等で弘志郎の力を借りており、また弘志郎本人も居合や合気道を嗜む武道家で、ツマヌダにも別宅を持っているなど、なお少なからぬ関わりがある。またブルツネシアでの事業活動が縁で王家とも親しく、カインの日本での後見人を引き受けている。
若い頃、満州での従軍中に橘明道に命を救われたことから大きな恩義と感銘を受けており、以後も交友を持ち続け、明道が亡くなる前にドラエを託された間柄でもある。このためドラエも自分の孫同様に可愛がっており、彼女を幸せにできる男性を捜すことを自らの余生の責務と考えている。
中島 明日香(なかじま あすか)
御名本裕子の秘書。裕子の無茶な言動に振り回されている模様。
羽鳥 賢蔵(はとり けんぞう)
妻沼田市治安維持部隊監督責任者。52歳。身長174cm、体重68kg。十方流兵法忍術の16代目宗家であり、忍者として武術だけでなく情報の収集や分析、心理戦にも長けている。10年ほど前のシベリアで10歳頃のドラエと祖父の明道に出会い、それ以来明道流との交流を持っている。カイン王子とも知り合いで忍術指導をしている。
羽鳥 心(はとり しん)
妻沼田市治安維持部隊隊員。富士光学園高等部在籍の17歳。身長155cm、体重44kg。賢蔵の娘で小さい頃から父に十方流兵法忍術を教わっている。正義感は強いが短気な面があり、それが原因で無用の争いを起こすこともある。本気で闘う際は片手に合金製のトンファーを持つ。
自信家で負けん気の強い性格だが、ドラエと手合わせした結果、素直にその技量を認め指導を受けるようになった。それ以降はドラエを魂(こころ)の師匠と慕い、ミツルのことを兄弟子にあたるという理由から「にいさん」と呼ぶなど体育会系的なノリがある。従姉妹の鈴女、真理との3人で、美少女忍者部隊「コギャルンジャー」を結成している。
羽鳥 鈴女(はとり すずめ)
心の父方の従姉妹で妻沼田市治安維持部隊の隊員。16歳。身長160cm、体重48kg。十方流の使い手で、心と共にドラエの武術指導を受けている。弓や手裏剣のようなテクニックを要するものが得意。
性格はしっかり者かつ慎重派で心と真理を含めた3人の中ではまとめ役。読書家でもある。スレンダーな体型で、バストサイズにややコンプレックスあり。
獅子尾 真理(ししお まり)
心の母方の従姉妹で妻沼田市治安維持部隊の隊員。17歳。身長163cm、体重52kg。十方流の使い手で、心と共にドラエの武術指導を受けている。パワー面に秀でており、重量のある槍や剣を自在に使いこなす。
女子高生らしく、甘い物が大好きでおでんも好物。天真爛漫で、細かい事は気にしない性格。バストはFカップ。
浦光 摩緒(うらみつ まお)
妻沼田市治安維持部隊作戦本部司令官。22歳。身長156cm、体重49kg。眼鏡をかけ、黒を基調としたゴスロリ・パンク系のファッションに身を包んだネガティブなイメージを漂わせる女性。十方流忍術において心、鈴女、真理たちの先輩であり、実動部隊である彼女達に指令を出す上司的な立場にある。十方流を学んではいるが体術は苦手。
浦光家自体が戦闘よりも情報の収集や管理といった諜報分野に長けた家系で、その中でも100年に1人の才能と言われている。その知識量は該博にして観察眼は非常に鋭い。生来の知りたがり屋な性格も相まってか、あらゆるIT機器も使いこなして綿密な調査活動を行う。また、ハッキングの技術も高く、大学卒業時には国内外複数の情報機関からスカウトされた能力の持ち主。そのため彼女を怒らせると、後で知られたくない秘密をバラされたりするなどの報復が有り得るので非常に恐れられている。その能力の高さなどから畏敬の念を込めて「魔王」と呼ばれている。ただし彼女自身は冷静かつ客観的な観察を信条としており、情や分別がないわけではない。言葉に頻繁に「 - デス」と入るのが特徴的(“DEATH”とかかっている)。情報を扱う仕事柄外出の機会が少なく、生活リズムも不規則になりがちなため健康には気をつけている。スタイルは結構良い。
現在はミツル、ジロー、鷹羽の今後に注目しつつ、ミツルをツマヌダでデビューしてから半年でエキスパートリーグへ昇格させたドラエを自分が全力で調べる甲斐のある人物としており、その素性を調査中。

ツマヌダストリートファイター達とその関係者

チェ・ヒンメ
ツマヌダ格闘街の選手。韓国人アクション映画スターで、映画の撮影も兼ねてツマヌダを訪れていた。格闘スタイルはテコンドーで、オリンピック強化選手に選ばれた経歴を持つ。ミツルとの試合に負けて以来再戦を望んでいたが、映画の撮影終了直前にジローに惨敗してしまい、再戦はかなわないまま韓国へ帰国。子供の頃は肥満児で運動音痴だったが、テレビで見たアクションスターに憧れてテコンドーを始めた。
西崎 健(にしざき けん)
ツマヌダ格闘街の選手。元アニメーターのイラストレーターで、格闘スタイルはキックボクシング。184cmの長身からくるリーチを活かしたローキックを主体に闘う。ミツルの画業における憧れの人であり、試合後は月に何日かアシスタント的な仕事をさせて貰うなど、格闘と絵の両面からのアドバイザー的存在となっている様子。妻の名前は香奈子。お腹はまだ目立たないが第一子を懐妊している。膝の故障と、生まれてくる子供に危険な所は見せたくない理由から、ミツルとの再戦を最後にストリートファイトは引退して趣味にとどめることにした。
風間 鋭士(かざま えいじ)
ツマヌダ格闘街の選手。19歳。身長169cm、体重74kg。剛毅の双子の兄。本業は裕子が支援しているプロレス団体に所属するプロレスラー(マスクマン)であり、格闘スタイルもプロレス。ツマヌダでファイトをしているのはプロレスラー修行の一環。リングネームは暴風仮面(ハリケーンマスク)2号。プロレスラーとしては小兵だが、その分身軽で反射神経や瞬発力に優れる。その敏捷性を活かした空中殺法を得意とする技巧派。弟・剛毅とタッグを組み、ミツル&ジローとのタッグと戦った。性格は陽気な楽天家。細かい事に拘らないお調子者。
風間 剛毅(かざま ごうき)
ツマヌダ格闘街の選手。19歳。身長191cm、体重101kg。鋭士の双子の弟。本業は裕子が支援しているプロレス団体に所属するプロレスラー(マスクマン)であり、格闘スタイルもプロレス。ツマヌダでファイトをしているのはプロレスラー修行の一環。リングネームは暴風仮面(ハリケーンマスク)1号。兄よりもプロレスラーらしい体格で資質に恵まれているという周囲の判断から、弟だが「1号」を名乗っている。実際パワー面に秀でており、プロレスラーとしては正統派と言える。パンチ一発でガードの上からミツルを吹っ飛ばしたり、2号(鋭士)が空中殺法を繰り出す際に高く投げ上げたりしている。性格はお調子者の兄とは対照的に勤勉で実直。慎重に行動する物静かな理論派。
パトリック・ディロン
ツマヌダ格闘街EXリーグの選手。26歳。身長180cm、体重78kg。ボクシングと柔道をミックスした「ディロン流格闘術」を使う。ミツルのEXリーグ昇格後第一戦の対戦相手。ボクシングと柔道を共に高いレベルで習得し、戦術、戦略共に弁えたプロ選手である。
実は妻沼田駅前で英語学校「PD英語スクール」を経営する社長でもある。
幸田武尊(こうだ たける)
ツマヌダ格闘街EXリーグの選手。22歳。フルコン系空手歴4年の経験者だが偶然を装ったり、小細工仕掛けを使うダーティ・ファイトで知られている。
ロビー・ウラタム
ツマヌダ格闘街EXリーグの選手。23歳。身長182cm、体重70kg。アフリカ・ナイジェリア出身。スポーツ万能で、格闘の他にもバスケットボールや陸上競技でも活躍している。日本語はかなり流暢だが、都合が悪くなると判らない振りをする所がある。
鷹羽 和義(たかば かずよし)
ツマヌダ格闘街の選手。19歳。身長171cm、体重61kg。阿弥と偶然出会ったことがきっかけで伝統派空手・衛府流に入門し、ツマヌダに来てわずか1ヶ月余りでルーキーリーグからエキスパートリーグへの昇格試験を受けられるだけの勝ち星を重ねている。しかし、空手を始めて1年しか経っていないのでまだ白帯。特に目立つような体格ではないが、闘いの際に見せるパワーと一撃必殺の威力は驚異的。スポーツ万能型というよりは、地味な練習を何度も反復できる根気強さを持つ努力型。
ただ強いだけではなく頭脳明晰でもあり、難関の国立大に合格している(現在は空手に専念する為に休学中)。性格は素朴で、一般人とは少々物事の価値観が異なる天然系。自分が強くなって強敵を倒し続ける事よりも、空手という武術そのものを深く理解する事を追求している。
朝倉 阿弥(あさくら あみ)
衛府流空手道創始者・朝倉藤十朗の孫娘。18歳。鷹羽と同じく衛府流を学んでおり、鷹羽の先輩的な立場。熟練度はかなり高く、気丈で正義感が強いが少々そそっかしいところがある。集中力に優れており、それが研ぎ澄まされた時には対戦相手の動きの軌跡が光って見え、相手の動きをある程度先読みできる。空手家だが下は袴を着用している。これは袴姿の方が可愛く見えるからと、衛府流は蹴り技をあまり使わない流派であるから。母方の祖父がフランス人という日仏クォーターであり、その血筋の影響で髪が赤い。
朝倉 宝鈷(あさくら ほうこ)
阿弥の妹。10歳。まだ子供だが礼儀正しく家事が得意で、姉よりもしっかり者。愛称は「ポコたん」。姉と同じく赤髪。空手も学んではいるが普通に甘い物やオシャレが好きな女の子。
朝倉 藤十朗(あさくら とうじゅうろう)
阿弥達の父方の祖父で衛府流空手道の師範であり創始者。見た目は小柄な好々爺だが、自分よりはるかに大柄な外国人空手家を軽くあしらい、ドラエの真正面に居ながら虚を突ける程の達人で、阿弥と同じ様に相手の動きを先読みできる。若い頃にドラエの祖父である橘 明道と対戦して軽くあしらわれたが、その際に「何事も力尽くでは駄目だ」という教えを受けた。
カイン・ブルツ・トゥーラッド
東南アジアの産油国・ブルツネシア王国の第三王子。19歳。身長183cm、体重70kg。自他共に認める日本オタクで、日本文化や武道に強い興味を持っており、日本留学に来た折にツマヌダで選手デビューもしている(一応、大学に籍がある)。子供の頃から文武両道の英才教育を受けており、スマートな長身を活かしたリーチの長さと素早い身のこなしで繰り出す軍隊式格闘術は遠近両方の攻守に長けており、対戦したミツルを限界ギリギリまで追い詰めた。ミツルと戦い破れてからは彼を武術の師と慕うようになる。さらにツマヌダの有望な新人選手たちを知るため、独自のトーナメント戦「王子杯(プリンスカップ)」を開催する。
アジア有数の産油国の王子だけに1億ドルを超える個人資産を持つ御曹司だが、本人は殆ど金に執着しておらず、箱入りで育てない国王の教育方針ゆえか嫌味のない明朗快活な性格。明るすぎて傍から見れば能天気な男に感じられるが、王族だけあって祖国への愛国心はとても強く、真面目な面も持つ。日本に留学してストリートファイターとして選手登録したのも、日本の文化や「武」の精神を学び、やがてはそれらをブルツネシア王国の更なる発展に活かそうと考えているから。ミツルとの戦いを通じてドラエの並外れた実力にも触れ、将来は彼女を妃に迎えたいと思う程に惚れ込んでいる。
ローズ・ナイト
24歳。身長166cm。
カミーラ・クック
21歳。身長163cm。
ヴィオレッタ・フォルテ
19歳。身長162cm。
カイン王子に仕える女従者。3人とも王子への忠誠心は強く、王子の補佐役だけでなく何かあった際の身辺警護も務める。戦う時は警棒を武器としている。3人とも異なる国の出身で、ブルツネシア王家が運営する職業訓練学校(無償)を優秀な成績で卒業したエリートメイドである。
ローズは3人のリーダー格でスケジュール等の総合管理を行う、眼鏡をかけており涙もろい。カミーラは料理が得意で明るいムードメーカー、ヴィオレッタは機械に強く、情報管理を担当する。三人の中では腕っ節は一番。

その他の人物

二十市 衛門(はたいち ひろと)
鹿児島県の指宿に住む、ミツルの親戚の男子高校生。17歳。基本的におとなしいミツルとは違い、血気盛んな性格で地元では喧嘩三昧。ミツルからは「ヒロト」ではなく「エモン」と呼ばれている。
問 雅(ただす みやび)
衛門とつるんでいる女子高生。17歳。小柄でミニスカートとニーハイソックスを履いている。特技はバレエで地元では「キックの雅」と呼ばれている。
五音 佑(ごおん たすく)
衛門とつるんでいるメガネをかけた女子高生。17歳。長身で昔のスケバンのようなロングスカートを履いている。特技はボクシングで地元では「パンチの佑」と呼ばれている。
九条 玉藻(くじょう たまも)
御名本家に代々仕える使用人で、鎌倉の弘志郎邸でメイドを務めている。優美かつ聡明な女性で、ドラエが日本に来てから約1年にわたってメイドとしての技術を学んだ師匠でもある(ドラエは現在も「先生」と呼んでいる)。実は既婚者。
細山 香苗(ほそやま かなえ)
TV中継されるエキスパートリーグ以上のストリートファイトにおける実況を務める女性。
淀端 博士(よどはし ひろし)
格闘技評論家。TV中継されるエキスパートリーグ以上のストリートファイトにおける解説者を務める。

用語

妻沼田市(つまぬだし)
千葉県北西部の東京湾に面した都市。「格闘特区」と称し、地域の活性化のためにストリートファイトの合法化、リーグ運営を行なう。選手向けの賃貸物件に補助金を出しており、選手として登録すれば例えば1万円程度の家賃で2LDKのマンションに入居できる。どこでも試合が成立するよう市内各所にレフェリーとスタッフが配置され、試合の模様はインターネットで配信される。広告と有料放送による収入が運営資金となる。
モデルとなった津田沼は市ではなく習志野市と船橋市に跨る地域名。作者にとっては「住み慣れた街」とのこと単行本1巻カバー折り返し及び193ページより

ルール
基本ルールは噛み付き・サミング・金的攻撃・寝技・ダウンした相手への攻撃が禁止行為の立ち技系総合格闘技。選手は規定のオープンフィンガーグローブ着用が義務付けられる。ルーキーリーグではヘッドギア・マウスピース・ノーファールカップが着用可能で最初の3試合では義務。それ以外の防具及び同様の効果がある物(スパイクシューズや革靴、金属板入りの安全靴など)の着用は許可されないが、基本的に服装は自由。ギブアップまたは10カウントで勝敗が決する。また双方の合意のもと、特殊な勝利条件を設定した「一撃決着」(ショウダウン)という試合形式がある。
ルーキーリーグ
18歳以上の男子が登録できる。ファイトマネーは出ないアマチュアリーグ。
エキスパートリーグ
ルーキーリーグで20勝以上した上でテストに合格すると参加できる。ファイトマネーが発生するプロリーグ。
登録選手は新人選手なら登録日から、参加選手なら最後の試合から1ヶ月以内に試合を行わなければペナルティが課せられる。
他団体で一定以上の成績を残している選手の場合はルーキーリーグを経ずに参加が認められる場合もある。
チャンピオンズリーグ
エキスパートリーグの中でも優秀な選手だけが参加できる。全登録選手の中でここに入れるのは1%に満たず、ファイトマネーも高額な物となる。
明道流柔術(めいどうりゅうじゅうじゅつ)
ドラエが亡き祖父、橘 明道から教わり修練を積んだ架空の武術。明道は生涯特定の流派を名乗らなかった為、死後にドラエがその名前を取って明道流と名乗るようになった。
ブルツネシア王国(ブルツネシアおうこく)
(作中の)東南アジアに存在する王制国家で、石油輸出で潤っている産油国。どれだけ潤っているかと言うと、国民から税金を取っていない上、医療費や教育費まで無料にしている程。しかし現国王は、あくまで石油で得られている富だと理解しており、将来石油が枯渇しても困らぬ様に人材育成に力を入れているようで、跡継ぎである子供達に積極的に外国で見聞を広めさせる教育方針を採用している。第三王子のカインの言葉使いから、公用語の1つに英語があると思われる。

単行本

  • 1巻 ISBN 978-4-7859-2756-1 2007年4月15日発行(2007年3月9日発売)
  • 2巻 ISBN 978-4-7859-2839-1 2007年10月1日発行(2007年8月27日発売)
  • 3巻 ISBN 978-4-7859-2911-4 2008年3月15日発行(2008年2月8日発売)
  • 4巻 ISBN 978-4-7859-3005-9 2008年8月21日発行(2008年8月7日発売)
  • 5巻 ISBN 978-4-7859-3103-2 2009年2月23日発行(2009年2月9日発売)
    • 5巻発売時には津田沼地域にある書店で津田沼書店街(ツダヌマブックタウン)フェアが行われ、単行本を購入すると各キャラクターの書き下ろしペーパーが付いてきた。以降、新刊が発売される度に津田沼地域の書店で購入すると書き下ろしペーパーが付いてくるようになっている。
  • 6巻 ISBN 978-4-7859-3206-0 2009年8月24日発行(2009年8月10日発売)
  • 7巻 ISBN 978-4-7859-3313-5 2010年2月22日発行(2010年2月8日発売)
  • 8巻 ISBN 978-4-7859-3441-5 2010年8月23日発行(2010年8月9日発売)

脚注

外部リンク