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ツーリング・エクスプレス/河惣益巳

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著者: 河惣益巳
巻数: 28巻

河惣益巳の新刊
ツーリング・エクスプレスの新刊

最新刊『ツーリング・エクスプレス 第28巻


出版社: 白泉社
シリーズ: 花とゆめコミックス


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

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ツーリング・エクスプレス』は、河惣益巳による少女漫画。1981年『花とゆめ』別冊夏の号(白泉社)にアテナ大賞受賞作品として掲載された。

1999年別冊8月号に掲載されたものが最終回となっているが、その後も「特別編」「Euro編」として新作が発表されている。

概要

国際刑事警察機構 (ICPO) の新米刑事シャルルと超一流の殺し屋ディーンの恋物語を軸としているが、『ゴルゴ13』のように政治経済文化社会問題を巧みにとりいれたハードボイルド作品となった。現在では「ジェニー・シリーズ」との相互乗り入れにより、複数の主人公の生涯を描く大規模な大河ドラマとして発展を続けている。初・中期は大がかりな陰謀や犯罪を設定した長編エピソードも数多く描かれ、ストーリー構成の巧みさで高い評価を受けた。

サブタイトルに「〜エクスプレス」とつけているものが多い。また、エクスプレスはしばしば「EXP.」と略表記される。

登場人物

人物名の横の声優名はドラマCDでのもの。

ティリエ家とその親族

シャルル・オージェ
声 - 石田彰
本シリーズの主人公。金髪金瞳の女性と見まごうばかりの美貌の男性。服装は男性のものを着用するが、稀にディーンによって女装させられることも。弁護士のジョルジュ・オージェとその妻イレーヌが実の父母であるが、幼い頃に死別、父の親友だったティリエ夫妻に引き取られる。
養母フランソワーズ・ティリエとも程なく死別し、多忙の養父エドアールのそばにいたいがために警察官を志す。飛び級して15歳でソルボンヌ大学を卒業、10ヶ国語をマスターし、弁護士資格も取得したため警察学校卒業後すぐにICPOに配属される。多くの事件の捜査を通じ、警察官として成長していくが、最低限必要と思われる射撃や格闘術等はそれほど成長しなかった(エド曰く、警察学校時代の実技の成績は「ひでぇもんだ」)。
国際的な殺し屋ディーン・リーガルと知り合い、以後数々のICPOの捜査で顔を合わせる内に親しい関係になる。初恋の女性との恋愛が後味の悪いものであり(最初は理由も知らされず一方的に棄てられた。後に復縁しかけるがディーンの妨害で再び絶縁)、女性との恋愛についての描写はほとんどない(ただし本人曰く童貞ではない)。ディーンとは後に恋人関係になり、それを理由に警察を辞職する。
現在はディーンの仕事柄2人で世界中を旅しているが、主に欧州にいる。殺し屋稼業の手伝いは全くしていない。美貌と人懐こい性格でどんな人間の警戒心も解くことができるが、警察官としての経験からそれなりの洞察力を持ち、用心深い一面もある。ICPOの捜査やディーンとの関係を通して、ヨーロッパの表社会・裏社会双方に幅広い人脈を持つようになる。
ディーン・リーガル
声 - 小杉十郎太
本名アンドリュー・カーディフ。銀髪・長身痩躯な超一流の殺し屋。廃絶したスコットランド貴族カーディフ家の最後の生き残り。幼少時に、当時超一流の殺し屋だった伯父ランバート(ランディ)に誘拐され、自身の跡を継げるほどの殺し屋としての英才教育を受ける。バイセクシャル。
作者が本シリーズを最初に書いた時の主人公だが、商業作品とするためには不向きな内容となってしまったため、シャルル・オージェを主人公とした作品に変更したとされる"ディーンの誕生が、すべてのはじまりだった" p.80「河惣益巳キャラクターブック」 1985年、白泉社 ISBN 4-592-73058-5 絶版
通常ならば不可能としか思えない超遠距離の狙撃や雑踏の中での針による殺害等、あらゆる暗殺術に通じている。また白兵戦闘の能力も極めて高く、青龍刀一本で少なくとも8名の(槍や刀、ヌンチャクなどで)武装した敵と対峙し、一方的な殺戮を繰り広げたこともある単行本3巻。彼に(本気で)狙われて生き残った者はいないとされ、同じく極めて高い個人戦闘能力を持つエドアール・ティリエにさえ、「ディーンに狙われたら何をしても無駄だ」と言わしめたほどである。各国の政界・財界・軍部・裏社会は、彼をその能力の飛び抜けた高さから必要悪として認識している。
殺し屋稼業をこなしていく内に、恋愛に関して非常に淡白、かつ刹那的になる。数々の(美しい)女性・男性と関係を持ったが、シャルルと出会い、数々の事件で顔を合わせていく内に彼に惹かれていく。シャルルの影響は非常に大きく、次第に殺し屋になり立ての頃の情に篤い面を取り戻していった殺し屋の修業時代にはフランソワーズとの面識もあり、彼女の依頼を受けてエドの為に殺しをしたこともある。シャルルと駆け落ちした後は、シャルルが殺し屋稼業を嫌っていることから殺害をなるべく最小にしようと心がけている。
あるエピソード中、従姉であり(アンドリューとしての彼の)許嫁だったノルウェーの貴族の娘セルマ・マグダレナ・フォン・ネールエイとの間に一児をもうけるも、今のところ本人はそれを知らないらしい。シャルルの独白という形で語られたが、それが後の回想なのか否かは今は不明である。スペインでマリア・ブランカに自分の子供が欲しいと言われた時、「子供が生まれたら知らせろ、俺がこの手で殺してやる!」と言い放った事がある。
リュシオン・フォーレル(リュシー)
シャルルの実母イレーヌの弟で、シャルルの叔父。幼くして両親と死別、姉イレーヌに育てられたが彼女とも10代半ばにして死別。ティリエ夫妻を後見に学業に励み、フリーのジャーナリストになる。同性愛者。
ジャーナリストとしての才能は一流で、欧州各国の高級紙に記事が掲載されるほど。書きたいことがあれば、たとえそれが戦場であろうとも躊躇しない。それゆえにトラブルに巻き込まれることも多い。
多数の恋愛遍歴を持ち、一時はディーンと肉体関係もあった(当時ディーンがシャルルを自身の恋人にすることを逡巡しており、それを察したリュシーが迫った形)。本編では脇役クラスのキャラであったが、本編完結後の「特別編」では、現在の恋人(結婚式も挙げた事実上の「夫」)ウスーリとのエピソードが数多く描かれ、主人公格に出世した。
学生時代、日常的に寮から抜け出して夜遊び(取材)に勤しんでいたこともあり、潜入や脱出のスキルは素人にしてはかなりのものである。
エドアール・ティリエ(エド)
フランス・パリ市警の敏腕警部にして、出向したICPOの捜査官であった人物。事故死した親友の忘れ形見であるシャルルを養子としている。ICPOではシャルルの上司として、数々の事件の捜査に携わる。オリンピック代表に選ばれるほどの射撃(拳銃)の名手(オリンピック出場は仕事の都合で辞退した)であり、また柔道他数々の格闘術に精通している。世界各国の警察に幅広い人脈と高い人望を持ち、同業者からはエドアールに手を出すことはタブー視されている。とはいえ本人は非常に情に厚く、強い正義感を備えた男気のある人物であり、シャルルにもその性格が一部受け継がれている。
シャルルに惹かれるディーンを毛嫌いし、駆け落ちしたシャルルとディーンを引き離すために警察を退職して、ICPO時代に培った人脈と情報網を駆使して彼らを追い回すが、最終的には和解した。
資産家・劇作家であった妻フランソワーズからマンションや著作権、別荘、有価証券など莫大な資産を相続し、サン・ルイ島という超高級住宅地で暮らしている(リゾート地として有名なカプリ島に別荘を持っているという描写あり)。フランソワーズとの若き日の恋物語を描くエピソードは多い。
フランソワーズ・ティリエ(フラン)
旧姓はレジャン。女優・劇作家・実業家。母親とは早くに生き別れ、父親はアル中という家庭で育つ。ノルマンディー地方の貴族と再婚していた母親から、その死後に莫大な遺産を継承し、大富豪となるも夭折(死の経緯は未だ描かれていない)。
若き日のディーンに「絶世の美女」と称される。劇作家を志し、親友である俳優のクレマンドと劇団「ラ・ブリリアント」を旗揚げ。美貌と演技力で舞台女優として活躍しつつ、後に念願の劇作家として大成功を収める。自分にも他人にも厳しいが、面倒見が良く、多くの芸術家のタマゴ達に助言をした。
クレマンドを筆頭に求婚者が絶えなかったが、ある時、求婚者の一人とのトラブルから発展した殺人事件を捜査したエドに惚れ込み、電撃結婚。後に幼いシャルルを引き取って育てることになる。「酒はうわばみ、タバコはヘビー、家事は全くダメ」「ともあれ我々には最高の女だったな」とエドとクレマンドは回想している。
エドは知らないが、過去にディーンに殺人を依頼したことがある。母の再婚相手の親族が、フランソワーズの夫となったエドに遺産を渡すまいとして彼の暗殺を企んだため、不本意ながら最初で最後の殺人依頼をしたのだった。
ウスーリ・イェルマーク
元ソ連軍兵士。
ソ連崩壊後は傭兵として義兄のアレウト・シェリホフと共に「アリョーシャ」に雇われるも、アリョーシャの死で再び失職。ユーゴ内戦に参加している時に偶然ファラとリュシーを発見し、組織としての「アリョーシャ」を手にするためにシャルルとリュシーを誘拐、「アリョーシャ」のデータベースを預かっていたエドを脅迫する。ディーンとエドによってシャルルとリュシオンが奪還された後、エドの斡旋で警備会社に就職し、プロのボディガードとなる。パリでボディガードをしている時にリュシーと再会。恋仲となり、ウジェーヌらの応援もあってついにリュシオンを「妻」とする。

「アリョーシャ」関係者

アリョーシャ
帝政ロシアの元貴族で、ソ連で結成された世界的マフィア「アリョーシャ」の総帥。齢100歳を越えているはずである。ディーンの殺し屋教育に携わったことからディーンを実子のように思い、組織を通して様々なバックアップを行なう。またディーンの殺し屋稼業の窓口でもあった。ジェニーに対しても頻繁に依頼人との仲介役を務めている。
事件を通してシャルルに関わる内にディーンとの関係を心配する(ディーンが腑抜けになることを恐れた)。ディーンに自らの組織を継承させようとするも失敗。ディーンとシャルルの行く末を案じながら息を引き取った。
グラナダ在住の占い師シーラ・ゼナを妻としたが、彼女との間にできた息子・孫娘はすでに亡く、「サンタ・マリア エクスプレス」ではシーラ自身も殺害される。さらに曾孫のシドがシャルルを殺そうとし、その妹マリアがシャルルをかばって死亡、シドは発狂してしまった。
ネフェル・ファラ・フォークス(ファラ)
精神科医かつ心理学者(心理学と精神医学は別の研究分野であり、両分野で専門家となる者は極めてまれである)で、特に心理学の分野では目覚ましい業績を持つ。エジプト生まれの褐色の肌の美女。イギリス人との結婚により英国人となった。
夫婦でパレスチナ難民キャンプで活動していたが、イスラエル空軍の誤爆により夫を失う。その後アリョーシャに拾われて裏世界の住人となる。「アリョーシャ」の幹部であり、ディーンとも男女の関係であった。外科や内科など一般的な医療行為も全てこなせるらしく、身辺に危険が迫ると紛争地域の赤十字などにボランティアの医師として潜り込んでほとぼりを冷ましている。
アリョーシャの最期を看取った唯一の人物。事情を知らずに恩人アリョーシャの弔いの邪魔をしたエドの殺害を、シャルルの目の前でディーンに依頼したこともあったが、ディーンは受理せず、エドも謝罪したため和解した。
現在は心理学の研究者としてカタギの生活に戻りつつある模様だが、ディーンら裏世界の住人達との付き合いも続いている。博士号を持っているようだが、メディカル・ドクターのみを保持している者は普通は博士と呼ばれないので、おそらくメディカル・ドクターに加えて心理学でPh.Dを取得していると思われる。
アブデュル・ハミト
イスタンブル在住の美貌の実業家。オスマン帝国の皇帝の血を引いている。裏社会の大物の一人でもあり、アリョーシャ没後には彼の組織の中近東部分を継承した。ディーンやジェニーが中近東で動く際には仲介役や情報収集、武器提供などで協力することも多い。初登場時には生まれた時からの婚約者がいたが、殺されている。ディーンがシャルルと駆け落ちする前は、ディーンと体の関係を持ったこともあった。
初出は「ツーリング・エクスプレス」だが、「ジェニー・シリーズ」でもフューチャー拉致事件の際にヘルドゥシャ・アシュハの居場所を割り出すなど目覚ましい働きをした。

フランソワーズの友人達

クレマンド・ファロア(クレマン)
舞台俳優で劇団「ラ・ブリリアント」主宰。フランソワーズの最も熱心な求婚者であり、フランの信奉者(ファン)達の中心的な存在。
フランがエドと結婚してからも「エドと離婚して自分と結婚しよう」と発言して「絶交されたい?」とフランに怒られた。フランの死後は恋敵であったエドの親友となり、フランの遺児となったシャルルを実子のように可愛がっている。
セヴィラ・グルドー
婦人服の服飾デザイナーで、自らのブランド「セヴィラ」を経営する。フランがエドと結婚する際のローブ・ド・マリエをデザイン・製作し(友人達曰く「泣きながらマリエ作ってる。完成する頃には倒れるかもな」。実際、フランの結婚式当日には姿がなかった)、それをきっかけに世に知られるようになった。
ベルトラン・イゼール
フランソワーズの肖像画以外は抽象画を描く画家。フランの信奉者達は、彼の描いたフランの大きな肖像画を持っていることが多い。
アルノー
一流ヘア&メイクアップアーティスト。
ザビエ
売れっ子の作家。

フィッシュガード家関係者

エリザベス・ローズ・フィッシュガード
愛称リーズ。英国フィッシュガード財団の総帥。元英国空軍のパイロットでアリサという一人娘がいる。パリのサン=ルイ島に別宅があり、その隣人がエド。夫と死に別れた後、英国海軍士官ダグラス・ブルーと再婚。ゾフィーの初恋の相手。
  • 本来は「マリン・ブルー・マリン」シリーズの脇役であるが、「ツーリング・エクスプレス」シリーズ後期から頻繁に登場。本編完結前後に娘のアリサとゾフィーが急接近したこともあり、特別編からは準レギュラーとなっている。
ダグラス・ブルー・ジェニングス
「マリン・ブルー・マリン」シリーズの脇役として登場。同性愛者。強烈な個性が評価されたのか、「ツーリング・エクスプレス」本編登場を果たす。
エドを暗殺しようとするが失敗、後にエドと親しくなる。想いを寄せていたウィル(ウィリアム・メイフィールド)が結婚した際にヤケ酒を煽り、勢いでリーズ(エリザベス)と同衾し、後に夫となる。
アリサ・フィッシュガード
エリザベスが前の夫との間にもうけた娘。ゾフィーの想い人。

リーツェンベルガー家関係者

ゾフィー・クリスティーネ・フォン・リーツェンベルガー
愛称「クリス」。ヨハンとカトリーヌの長男ドイツの名門リーツェンベルガー侯爵家の嫡男だが、当主の座を狙う大叔父に暗殺される可能性があったため、女性として育てられる(「ゾフィー」も「クリスティーネ」も女性の名前)。祖父は金髪碧眼のアーリア系だが、祖母が日本人(京都の老舗呉服屋の娘)であるため、父同様漆黒の髪を持つ。現在妹が3人、弟が2人いる。祖母は後に死去。フランス人である母が(性別以外は)シャルルに瓜二つなため、最初はシャルルを母と勘違いし、実母と再会してからもシャルルをムッター(お母さん)と呼ぶ。
父方の祖父(先代リーツェンベルガー侯爵)から経営者としての英才教育を受けており、先代が死去した後は科学者である父に代わってリーツェンベルガー財団の実質的な経営に当たっている。
初期の長編エピソード「ロマンティック・エクスプレス」で初登場(当時5歳)、強烈な個性でその後もシリーズの常連となる。ディーンさえ苦手意識を持つほどで(ディーン曰く「俺を脅迫して真実味があるのはお前(ゾフィー)ぐらいだ」)、作者をしてシリーズ最強のキャラではないかとまで言わしめた。
後継者争いが解決しても女装癖はしばらく続いたが、フィッシュガード財団総帥エリザベスの一人娘アリサを好きになったことで、女装はしないことを決意する。
サヨコ(小夜子)・フォン・リーツェンベルガー
クリスの祖母であり育ての親。現リーツェンベルガー侯爵ヨハンの母。「ロマンティック・エクスプレス」の後に、亡くなる。日本人で京都の呉服屋・檜屋を営む檜本家の娘。実家は現在、彼女の甥・真左志が継いでいる。
ヨハン・リヒャルト・フォン・リーツェンベルガー侯爵
ゾフィーの父親で現在のリーツェンベルガー家の当主。学究肌の人物で、リーツェンベルガー家とその企業グループの経営はゾフィーに一任し、化学者として研究に専念している。
カトリーヌ・ブルージェ・フォン・リーツェンベルガー
ヨハンの妻。フランスの化学者アンリ・ブルージェ博士の娘で、シャルルに瓜二つの容貌を持つ。
ヴィルヘルミネ・アウグステ・フォン・リーツェンベルガー
愛称「ミーネ」。ヨハンとカトリーヌの長女。ディーンを愛しているためシャルルとディーンのカップルに強いこだわりを見せる。
ルカス・マクシミリアン・フォン・リーツェンベルガー
愛称「マックス」。ヨハンとカトリーヌの次男。
マレーネ・ドロテア・フォン・リーツェンベルガー
愛称「マリー」。ヨハンとカトリーヌの次女。シャルルが出産に立ち会った。
アンナ・ヒルディガルド・フォン・リーツェンベルガー
愛称「ヒルダ」。ヨハンとカトリーヌの三女。
フランツ・レオポルド・フォン・リーツェンベルガー
愛称「レオ」。ヨハンとカトリーヌの三男。

その他裏社会の住人達

アーネスト・グレイン
英国情報部の士官。階級は中佐。弾道学の権威として知られ、情報部で長らくカウンターテロ活動に従事する。
ディーンとは旧知の仲であるが、状況によっては敵になることも多く、煮え湯を飲まされることも多かった。ディーンをイギリス専属の殺し屋にするための「首輪」としてディーンの正体を暴こうとし、アリョーシャの仕組んだ事故により死んだと見せかけて地下に潜った。ディーンの素性を調査し、それを盾に飼い犬になれと迫るが、ディーンに暗殺される。初出は「魔法使いのローマンス」(ツーリングEXP.シリーズではない)。
ランディ
本名ランバート・カーディフ。ディーン・リーガルの登場以前に名を馳せた、超一級の殺し屋。ディーンを後継者として育てた。
スコットランドの貴族カーディフ家の当主だったが、第二次大戦を機に偽装事故で地下に潜り、一匹狼の殺し屋となる。腹違いの弟でカーディフ家を継いだもう一人のランバートの息子アンドリューを誘拐し、ディーン・リーガルとして育てる。後にディーンに殺され、その事実を彼がシャルルへの愛の証として告げた。しかし、ディーンがランディを殺すエピソードはまだ描かれていない。
李艾芃(リー・アイファン)
ディーンが本気で愛した唯一の女性。香港の有力マフィアの娘で、父親の死後その利権を引継ぐ。殺し屋としてのディーン・リーガルを育てる手伝いをした美女。ディーンの初体験の相手。
香港大学の教授との間に息子センショウをもうけているが、一緒に暮らせない寂しさからセンショウを実家に置いてランディと駆け落ちし、ヨーロッパの山奥で当時子供だったディーンに中国語や格闘技、漢方薬、女性との性交他諸々の知識を教えた。ランディが自分を愛しておらず、ディーンの教育をさせたかっただけだと気付いて香港へ帰る。
戻った後は、マフィアの仕事に従事するものの気が進まず、「身勝手に置き去りにした」とセンショウに恨まれていた。香港に拉致されたシャルルを追ってきたディーンに、夫や息子と共に亡命する手助けをするよう懇願するが、ディーンは最終的に艾芃と夫を撃ち殺し、真相を知ったセンショウを刺し殺した。

別シリーズからのゲスト

ユージェニー・ヴィクトリア・スミス
「ジェニー・シリーズ」の主人公だが、「ツーリング・エクスプレス」シリーズにも頻繁に登場する(ディーンとリュシーは「ジェニーシリーズ」に依頼人として登場している)。アメリカの軍閥系大富豪、スミス家の末娘。ピアニストとしての才能を持ち、16歳の誕生日に恋人と婚約・プロデビューする予定であったが、父親ナシオナル・アラルコンの「裏切り」によりピアノも想い人も自殺の機会も取り上げられ、「戦死」するためにアメリカ陸軍に入隊。陸戦指揮官として天賦の才を持っているとされ、分隊規模から中隊規模までの部隊を指揮して華々しい戦果を挙げる。アメリカ軍での最終階級は少佐。部下の士気の維持と戦闘の流れを読むカンに優れ、特に退却戦やカウンターテロ戦闘、ゲリラ戦での指揮を得意とする。
ある事情で大金が必要となり、傭兵稼業に手を染める。アリョーシャの口利きでディーンと仕事をすることも多かった。シャルルやリュシーとも親しい。
現在はイングランドのアルドバラ公爵家当主。予備役として英国に軍籍があり、階級は大佐。ヴァイオリニストであった夫(故人)との間に2人の息子がいる。なお夫はパリの墓地に葬られており、フランソワーズの命日に墓参に来ていたシャルルと知り合った。現在、王太子の息子であるアーサー王子(エリザベス女王の孫息子)の子を妊娠中である。
ウジェーヌ・サンマール
短編「モンストゥール・サクレ2」で初登場。独特のキャラクターが買われて本編に登場し、常連キャラの仲間入りを果たす。
モンマルトルの娼館で生まれた私生児で、現在は娼婦や男娼の仲介屋。またモンマルトルの裏世界の顔役でもあり、リュシーとは飲み仲間、またエドアールとも顔見知りである。
モンマルトルに迷い込んだ田舎者のアンちゃんをからかうのが趣味であるが、実は田舎者が変な方向に道を踏み外さないように見守る心優しい男でもある。「モンストゥール・サクレ2」でもノルマンディー出身の警察官ビュルダンと美貌の男娼オリアンの恋の成就に一役買っている。なおビュルダンとオリアンは「ネフェルティティ・エクスプレス(特別編6)にてゲスト出演済み。ウスーリの兄貴分を自任しており、二人の恋の成就(と結婚)にも一役買った。
リュシーの浮気が過ぎた時にはウスーリによるお仕置きの手伝いをすることもある。

「完結」

本シリーズはディーンとエドアールの和解が為った時点で「完結」となっているが、もともとの物語のプロット(「刑事と凶悪犯の恋愛」)を考えると、若干不自然なタイミングである。本来ならばシャルルが警察に辞表を出して駆け落ちをした時点で、そもそもの物語は完結が可能なはずである。これは作者によれば、もともとこのシリーズはライフワークとして描き続けていく予定ではあるが、どこかで区切りをつけておきたいという希望もあったので、その為(だけ)にあのタイミングで「完結」となったとのことである。

単行本

  • 本編:「花とゆめコミックス」全28巻、「白泉社文庫版」全14巻にてそれぞれ刊行。
  • 特別編:「花とゆめコミックス」既刊7巻まで(2010年3月現在)
  • Euro編:まだどのレーベルでも単行本化はされていない