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テラオ/近藤るるる

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著者: 近藤るるる
巻数: 2巻

近藤るるるの新刊
テラオの新刊

最新刊『テラオ 2



テラオの既刊

名前発売年月
テラオ 1 2009-11
テラオ 2 2010-03

テラオ(Next Generation Machine TERA-O)』は、近藤るるるによる日本の漫画作品。『ファミ通』(エンターブレイン)にて2009年2月6・13日合併号から連載中。

同雑誌で連載されていた『たかまれ!タカマル』に過去作品の人物が登場したのと同じく、こちらにも『たかまれ!タカマル』からの人物が引き続き登場している。

作中には、ゲームソフトに絡んだネタ(小ネタも含む)が随所に見られる。元になった小ネタは、コミックスの巻末に作者の解説(思い入れも兼ねる)付で掲載されている。

あらすじ

ゲーム好きの小学校教師石原 駈は、ある日突然転勤を命じられる。そこは小笠浦諸島トーサン島。本島から離れたことで発売日にゲームも買えず、おまけに持っていたゲーム機は初日に子供たちに壊されてしまう。

それでも心機一転、教師生活を頑張ることを決め、学校へと向かうが、そこには謎のロボットテラオがいた…。

登場人物

主要人物

石原 駈(いしはら かける)
主人公。24歳。幼少の頃からのゲーム好きで、人生の節目でもゲームを手放すことがなかったほど。そのため、ゲームを触れない状態になると若干の虚無感と狼狽具合が酷くなるなど、精神状態が安定しなくなる。2D格闘ゲームの神様ヌメハラを尊敬しており、パスケースに彼の写真を忍ばせている。
モンスターペアレントの訴えによって、小笠浦諸島トーサン島にある小笠浦小学校の鯨浜分校へと左遷させられることになり、さらに着任初日に所有するゲーム機全てを生徒たちが原因の事故で破壊されてしまう。しかし、自分の不幸を嘆きはしたが、原因となった生徒たちを恨むことは一切しておらず、教師としての心の広さを見せる。
高校時代はS.M.L(『たかまれ!タカマル』参照)に入部したくて、彼らの所属する学校に転校を考えたほど。かつ、営業の仕事に来る女生徒(蓮沼莉子)を一度見てみたくて本屋に張っていたこともあった。
莉子とは、成り行きテラオが起動させたゲームソフトで2週間停滞した台風のせいで、鯨浜とを繋ぐ道路ががけ崩れで塞がったため。で10日間同棲している。また当初、兄の瞬を彼氏と勘違いしている。
テラオ
小学校に通う謎のロボット。作品のタイトルにもなっている。外国人ばかりで構成されている、海軍特殊作戦部隊(SEAL)からは「オリジナル」と呼ばれている。
頭部が柔らかい。そのため、通常の攻撃(銃撃)では弾を弾き返してしまう。
子供達に人気で生徒のように扱われている。何かの次世代機で、セガのロゴらしきものが身体の中央部にあるが、そこはテープで隠してある。ゲームソフト(対象ハードは問わない)を眉間の隙間に差し込むと、現実世界でそのゲームを遊ぶことができる機能があるらしい。そのためか、ゲーム好きの石原から過剰なまでに目をかけられている。
空を飛ぶことができる第7話にて。ものの、顔の顎のラインにあたる部分からジェット噴射を出し、自らを回転させながら飛ぶ原理のものなので、物を運ぶのにはあまり適していない内地で買ったケーキを持って来ているが、見るも無残な状態になっていた
無免許で交通事故を起こしたとして、逮捕拘留歴がある巡査部長の北野の誤解によるもの
何を原動力として動いているのかは明らかにされていないが、グラスに注がれている液体をストローに挿して飲む姿は確認されている第11および12話にて。
嵐野 太壱(あらしの たいち)
背中に銛を背負った褐色肌の元気な少年。10歳。トーサン島分校の小学生。『たかまれ!タカマル』の最終回で顔を出したことがある。父親の漁の手伝いをしている関係で、普段から銛を持ち歩いている。泳ぐ際に水着を着用していないため、駈からたしなめられている。勇人とは特に仲がいい。
パトリシア・セーボレー
トーサン島分校の小学生。駈の下宿先の金髪の女の子。ニューヨーク出身のアメリカ人。3年前にこの島へやって来ている。子供ながら兵器の扱いに秀でており(家の地下に武器庫がある)、武器を扱う際には性格が変わる。駈が自分のことを好きなのではないかとやきもきしているものの、兄弟みたいな関係と割り切っている節も見られる。
コミックス2巻巻末にあるギャラリーによれば、初期設定では「写真家の娘」になっていた。
モアナ・ペペイア
トーサン島分校の小学生。ハワイの先住民を先祖に持つ欧米系島民の子孫。褐色肌の女の子。
内気でおとなしいが、怪力であり、目的のためには手段を選ばず、暴走することがある。駈とテラオがただならぬ関係にあると思い込み、2人の仲を裂こうとするために、駈と莉子をくっつけようとする。しかし、いずれも失敗に終わったため、ついにはテラオを殺そうと画策し始める。
コミックス2巻巻末にあるギャラリーによれば、初期設定では「雑貨屋の娘」になっていた。
小花 勇人(おばな はやと)
トーサン島分校の小学生。太壱達の同級生。ウィロウという犬を飼っている。島では珍しい電子機器を持っていて詳しいため、TERA-O-Eの修理ができた。
蓮沼 莉子(はすぬま りこ)
『たかまれ!タカマル』から引き続き登場。26歳。トーサン島の研修医。島の人たちには美人先生と呼ばれて慕われている。普段は髪をゴムでまとめているが、外すと、長髪のストレートヘアーになる。ブラコンであることは変わってなく、このことで軽蔑されると思い、駈に兄がいることを言い出せなかった。いわゆるツンデレのきらいがある。普段自炊をしていないのか料理はあまり得意ではない。
兄の瞬と共に代々駐在医に与えられる丘の上の洋風の家米軍占領時代に建てられたもの。に住んでいる。
駈とは第一印象が悪かったため、いけ好かないと思っていたが、後に彼の本質を知ることになり、誤解が解けることになった。それ以降は何かと駈を意識した行動を取るようになる。付きあってはいないと常に言うものの、島民からは仲のよいカップルに見られることもしばしば。

トーサン島(鯨浜)の人々

嵐野 壱朗(あらしの いちろう)
嵐野太壱の父。小笠浦漁協所属の漁師。左目を「小笠浦デビル」と呼ばれる全長8メートルのカジキに突かれ失明しており、常に眼帯をしている。それ以来、「小笠浦デビル」を倒すことが彼の生涯の目標になっている。いわゆるかかあ天下で、いつも妻の尻に敷かれている。
嵐野 由加里(あらしの ゆかり)
嵐野太壱の母。29歳。普段は陸で夫の手伝いをしている。夫である嵐野壱朗とは、高校生の頃に結婚の約束をしていた。
アリカ・ペペイア
モアナ・ペペイアの父。ハワイの先住民を先祖に持つ欧米系島民の子孫。民芸品で生計を立てている。ウクレレの演奏はプロ級。
マナカ・ペペイア
モアナ・ペペイアの母。ハワイの先住民を先祖に持つ欧米系島民の子孫。小笠浦の人達にフラダンスを教えるほどの名人。
マイク・セーボレー
パトリシア・セーボレーの父。38歳。元アメリカ海軍大尉で、SEAL所属のブライアンやジェーンの上司でもあったらしい。「アフガンの砂塵の死神」と呼ばれていた。5年前に退役。3年前に祖父が住んでいた小笠浦に移住している。
現在はフリーのフォトグラファ2巻巻末にある設定イラストを見ると、パトリシアが「写真家の娘」となっていることから、その名残と考えられる。。趣味は料理。『せぼりはほり』というタイトルで、小笠浦諸島のことや日常生活の出来事などをブログで綴っている携帯サイト『ファミ通DX』で購読可能。。敬虔なクリスチャン。
妻のレイチェルとは戦地での取材で出会っていて、「嫌な女」というのが第一印象だったらしい。今は妻を溺愛し、再会できる日を心待ちにしている。
レイチェル・セーボレー
パトリシア・セーボレーの母。新聞記者の仕事でニューヨークに残っているため父と娘とは別居中。本編では未登場なものの、写真やマイクの過去を振り返る時にしばしば登場する。
夫のマイクいわく「自分に正直な性格」で「葉に衣着せぬ物言いをする」とのこと。
小花 健人(おばな けんと)
小花勇人の父。学会内では著名な植物学者で10年前に小笠浦に移住。屈強揃いの村人には珍しく、知的な雰囲気を醸し出している。妻と共に内地と小笠浦を往復する日々を送っている。
小花 瞳(おばな ひとみ)瞳の名は、第29話で出てくる健人が妻宛てにしたためた手紙の中で明らかになる。
小花勇人の母。海洋生物学者兼小笠浦海洋生物センターの客員研究員。海洋生物学者としてはサンゴの研究がメインだが、クジラやイルカの生態にも精通している。海洋研究センターではアオウミガメの保全に尽力している。夫と共に内地と小笠浦を往復している。

トーサン島の人々

蓮沼 瞬(はすぬま しゅん)
蓮沼莉子の兄で、外科医。『たかまれ!タカマル』から引き続き登場。小笠浦ではハンサム先生と呼ばれ慕われている。
莉子と共に駐在医に与えられる家に住んでいるが、学会や調査などで常に内地や海外などへ出かけている。
駈を「いい加減でだらしのない男」とみなして莉子から遠ざけようとしている(しかし、実際は瞬自身の誤解によるものである)。
成田 清六郎(なりた せいろくろう)
蓮沼莉子の勤めるトーサン島診療所にいる看護士。甚だしい勘違いで同僚の加奈を引かせていたが、遂には殴られるようにもなった。
加奈(かな)
蓮沼莉子の勤めるトーサン島診療所にいる看護士。名字は不明。莉子に憧れている。清六郎の甚だしい勘違いに当初は引いていたが、遂には殴り倒すほどに。
嶋田 英子(しまだ えいこ)
小笠浦小学校の校長。 水谷紗弥の父親の元上司(主任)と思われる描写がある。
丸 優奈(まる ゆうな)
小笠浦小学校の新米教師。大食漢。駈とは同世代の教師ということもあり励みにしているが、恋愛感情までに至っているのかは不明。
田元 一(たもと はじめ)
小笠浦村の村長。元力士で、三役まで昇進したことがある。普段は優しい人物だが、やや自己中心的な言動が目立つ。
山口 真魚(やまぐち まお)・奈美(なみ)・真美(まみ)
小笠浦村役場に勤める3人姉妹。真魚は長女、奈美は次女、真美は三女。
バラ美(バラみ)
小笠浦のちょっと不思議な占い師。
辺川一等海佐(べがわいっとうかいさ)
海上自衛隊、横須賀地方隊トーサン島基地分遣隊所属。
石森(いしもり)
小笠浦神社の神主。
北野(きたの)
小笠浦警察署の巡査部長。
オガサウラ シニガミノツメ
頭胴長250〜280cm、体重330〜380kg。
鋭い角・牙・爪を持ち、草食動物などを捕食する。米軍統括下時代、絶滅したとされている。獰猛。

海軍特殊作戦部隊(SEAL)

TERA-O-E(テラ・オ・イー)
謎のロボット。SEALが製作したらしく、彼らからは「イーグルアイ」、モアナからは「イーくん」と呼ばれている。
テラオに似ているが、身体の色が黒く、全体的に直線的なフォルムで、胸にはマイクロソフトのものらしきロゴが書かれており、その部分はやはりガムテープで隠されている。顔の部分には、ガトリング砲などの武器が組み込まれている。通常の攻撃なら、体が硬いのであまり受け付けない(ただし、噴射口など装甲の弱いところがあり、そこが弱点ともいえる)。
テラオを破壊しようと攻撃するが、石原達に返り討ちに遭う。身体の各所を破損した後はモアナに匿われ、修復後ブライアン・ジェーンと合流しようとするも失敗。海上に没し機能停止してしまう。引き上げられた後はTERA-Oの研究機関に一旦引き取られる。なお、TERA-Oシリーズは互いを干渉しないという紳士協約があるらしい。
ブライアン / ジェーン
SEALに所属しているエージェント。ブライアンはスキンヘッドの黒人男性。ジェーンは巨乳のメガネをかけた白人女性。ブライアンがボスのため、ジェーンは部下にあたるものの、ジェーンが主導権を握って行動することが多い。
オリジナルと呼ばれるテラオを拉致したものの、駈やセーボレー親子などの妨害で手放すことに。また本来の目的であるイーグルアイ(TERA-O-E)の救出も果たすことができなかった。なお、2人共かつてマイクの部下だった。

その他

水谷 紗弥(みずたに さや)
石原駈が小笠浦に転任する前の学校の教え子で、転勤の原因を作った張本人。そのことを後ろめたく思っていたため、父親が仕事でトーサン島に向かうのを知り、同行。携帯電話が手放せない現代っ子だったが、トーサン島の自然の中で過ごす内に、朗らかな性格に成長した。以後父親が小笠浦に向かう際には同行するようになる。太壱を小間使いのように扱う。

単行本

  • 第1巻 ISBN 978-4-04-726086-3 2009年11月6日発行
  • 第2巻 ISBN 978-4-04-726321-5 2010年3月9日発行
  • 第3巻 ISBN 978-4-04-726624-7 2010年7月7日発行

脚注

関連項目

  • たかまれ!タカマル
  • ファミ通