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ディスコミュニケーション : 精霊編/植芝理一

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著者: 植芝理一
巻数: 3巻

植芝理一の新刊
ディスコミュニケーション : 精霊編の新刊

最新刊『ディスコミュニケーション : 精霊編 3


出版社: 講談社
シリーズ: アフタヌーンKC


ディスコミュニケーション : 精霊編の既刊

名前発売年月
ディスコミュニケーション : 精霊編 1 1999-12
ディスコミュニケーション : 精霊編 2 2000-05
ディスコミュニケーション : 精霊編 3 2000-11

ディスコミュニケーション』(DISCOMMUNICATION)は、植芝理一による日本の青年漫画。『月刊アフタヌーン』(講談社)にて1992年2月号~2000年11月号まで連載。全13巻。他に『ディスコミュニケーション 学園編』が全1巻、『ディスコミュニケーション 精霊編』が全3巻出ている。

概要

不思議な少年松笛と彼に恋をした少女戸川が織り成す摩訶不思議恋愛漫画。通称『ディスコミ』。テーマは恋愛だがそれに民俗学や神道、心理学などを絡めた独特の漫画作品。

全体として初期エピソード群、冥界編、学園編、内宇宙編、精霊編で構成される。『夢使い』は精霊編の設定を使用しているがパラレルワールドでの話なので直接の続編ではない。物語の舞台は神奈川県であるが、内容に直接関係することはない。

タイトルの直訳は「相互不理解」であるが、なぜこのタイトルなのか作者にもわからないらしい。作品内では特撮、漫画、映画、アニメ、小説などから数々のパロディが見られる。

季節が循環しても登場人物の学年が進級することのないタイプの作品である。

あらすじ

ある日突然に戸川は同級生の松笛を好きになり告白。2人は付き合うようになるが松笛は戸川に奇妙な注文をしてくる。戸川はそんな不思議な松笛の注文を受け入れつつ、何故自分は彼を好きになったのかその答えを探そうとする…。

主な登場人物

戸川安里香(とがわ ありか)
南高校2年(17)。7月17日生まれ。血液型O型。中学時代に男性経験あり。とある放課後、一人教室で外を眺めていた松笛を見て唐突に彼のことが好きになり、「どうして私は松笛くんのことを好きになったんだろう」という謎を解くために彼と付き合う。基本的には松笛の奇妙な注文にも嫌な顔ひとつせずに受け入れるが、度の過ぎた注文には渋る事も。いたってまともな性格の持ち主であるものの、その芯は強く時に無謀とも思える行動をとる事もある。眼鏡が特徴。父親の目は松笛と同じく黒目が無い。また、妹の知恵香に名前を呼び捨てにされる事を気にしている。
松笛篁臣(まつぶえ たかおみ)
南高校2年(?)。素性、家族構成などが全く不明の謎の少年。人並みはずれた霊力や知識を備えている。町はずれの廃ビル(初期の解説によると森の中に存在する)に一人で住む。学校にはあまり出席しない。戸川安里香に対し襟足を剃る、涙を飲むといった奇妙な注文をすることがあり、いつも狐のお面を頭に被っている。過去に色々因縁があり、それによって事件に巻き込まれることも多い。冥界の主によると異世界の存在らしいが、具体的な正体・素性については作品の最後まで明かされないままである。ロボットアニメ、特撮、YMOマニアで作者を大きく投影したキャラクターでもある。学園編ではスネオをかたどったグッズを多数所持していた。名前の「たか」の字は、正しくは竹カンムリに「サンズイに星」だが、作者がつくった“私造字”なので辞書には載っていない。白目が特徴。
ハマノ
松笛たちのクラスメートで野球部所属。学園編では松笛たちと一緒に事件に首を突っ込む。演劇部の神無月とは恋人同士である。驚くとウサギ化する。
香坂彰治(こうさか しょうじ)
修英館学院高校2年。戸川の中学時代の元彼氏。通称:コウサカ。親が総合病院の経営者で金持ち。別れた後も戸川のことが気になっている。戸川の初体験相手。
戸川知恵香(とがわ ちえか)
中学生で、戸川安里香の妹。姉とは正反対の性格で何人もの男と付き合う。身長も姉より高く、戸川家の母は知恵香が姉で、安理香を妹と考える方がしっくりいくようである。
ニワトリ
第7話で松笛の引き出しから飛び出して来て以来、神出鬼没に現れるようになる。松笛の影の存在である。
聖歓喜天の像(せいかんぎてんのぞう)
通称:歓喜天。人物ではないが、本編で幾度となく顔を見せる重要な役割を持った密教の神様の像。

冥界編での主な登場人物

刺客の男女
狐の御面をかぶった謎の男女2人組。なぜか松笛を「この世界に存在してはならない人間」として、呪術で命を奪おうとしている。そのための力を召喚する性的秘法を深夜行っているところを戸川に目撃される。作中で名前が明かされることは無い。松笛にとって近しい人間?であることが示唆されている。松笛抹殺に失敗し夜明けとともに消え去る。
大学生の戸川(だいがくせいのとがわ)
早背田大学文学部1年(19)。冥界の主の作り出した、松笛の存在しない世界における戸川。本来の世界の戸川の記憶は持っていないが、本来の戸川と松笛を夢に見る。もう一人の松笛と偶然出会い好きになっていく。本来の世界の夢に関して何も気にしていなかったが、悩むもう一人の松笛を見て冥界に行く。在学時は夢分析同好会所属、会計担当。5年後同じ世界の松笛と結婚する。
大学生の松笛(だいがくせいのまつぶえ)
早背田大学法学部2年。もう一人の戸川が出会ったもう一人の松笛。夢で見た本来の世界の松笛の記憶から歓喜天のオブジェを作る。戸川に告白し付き合う。夢の中で本来の松笛や戸川の影に会い悩むが、夢の謎を見届けるために冥界に行くことを決意、本来の戸川を救う。大学卒業後は漫画雑誌『アクタヌーン』(株式会社講弾社)の編集者となった。担当漫画家は植千葉(作者)。同じ世界の戸川と結婚する。在学時は夢分析同好会に所属。
戸川の影(とがわのかげ)
第12話で戸川が産んだ卵。本来の戸川やもう一人の松笛をサポートする。冥界の主との戦いで消滅したが、後に復活する。
副部長(ふくぶちょう)
女性。夢分析同好会の副部長。喫煙者。後に部長と結婚し一児を儲ける。
部長(ぶちょう)
男性。夢分析同好会の部長。作中ではあまり出てこない。

学園編での主な登場人物

神無月(かんなづき)
学園編にて登場。演劇部所属。男だが演劇部員によって女装させられついには男の子を好きになってしまう。最初は松笛に惚れていたが、野球部時代同じ部員であったハマノに告白され恋人同士になる。他の男子生徒が惚れるほどの美しい顔つきである。
北枕夜宵(きたまくら やよい)
南高校演劇部部長、2年D組。普段から変わった舞台服を着用している。神無月に女装をさせた張本人。学園編で登場。北高校の茶柱彩女(ちゃばしら あやめ)をライバル視している。

精霊編での主な登場人物

三島塔子(みしま とうこ)
高校1年(16)。三島燐子の姉。
第5話で初登場し松笛に告白しようとするが戸川に邪魔される。その後何年か登場しなかったが、精霊編で日曜星の夢使いとして再登場する(設定は多少異なるが同一人物である)。
世捨て人でお酒好き。亡き三島宙明の長女(実は血の繋がりを持たない義理の娘。義父は初恋相手でもある)で、おもちゃ屋「童遊斎」店主であり、二代目童遊斎でもある。
左目の中に精霊、円目王つぶらめのおう、1500年前の御先祖様)が住んでいる。
頭には松笛にもらった(と言うより燐子が奪って彼女に渡った)狐のお面をつけている。三島宙明が亡くなってから右目でしか泣けなくなった。
三島燐子(みしま りんこ)
自称:超(スーパー)小学生(9)。三島塔子の妹で火曜星の夢使い。彼氏でもあるの精霊を使った幻影術を得意とする。容姿がドキンちゃんに似ている。
祖父は東都大学教授の三島信夫(みしま のぶお)。童遊斎の三島宙明の次女。祖父母の家に住んでいる。
三島宙明(みしま ひろあき)
初代、童遊斎(わらべゆうさい)。三島燐子、三島塔子の父親。おもちゃ好きが高じておもちゃ屋を経営する。
塔子が中学のときにすでに亡くなっていて、妻も本編では登場せずそれに関しての言及もない。
橘一(たちばな はじめ)
金曜星の夢使い。12歳以下の少女にしか興味がないいわゆるロリコン。ディスコミ第79話にも同姓同名のアイドル俳優(やはりロリコン)が登場するが別人である。
ハイテクとレトロを融合させたという電脳紙芝居屋をしている。プロの情報屋でもあり、塔子に必要な情報を集めていた。
吉本麗珠(よしもと つぐみ)
片思いの相手を当てたり、夢を現実にする能力を持っており、小学校では生徒会長を勤め、生き神のように扱われる。
ある事が原因で半年もの間眠っていた。(名前の由来は吉本ばななの小説「TUGUMI」から)。
朱氏玲介(あかし れいすけ)
美術教師で、精霊編の重要人物。双子の妹に加東恭子がいる。趣味は少女の人形制作。過去に松笛と会っている。
加東恭子(かとう きょうこ)
美術教師で、幼い時に別れた朱氏玲介の双子の妹。交通事故で亡くなっている。

ディスコミュニケーション

初期エピソード群

戸川と松笛の出会いから、松笛を通して戸川が出遭う不思議な体験を描く。なお第1話から第11話までを括る公式な名称はなく便宜的にこう呼ばれているだけである。導入編と呼ぶ場合もある。第1話「ディスコミュニケーション」から、第11話「ほしのおうじさまII」まで。単行本1~2巻に収録。

冥界編

初期エピソード群の後に始まる、冥界と夢の世界を舞台とした内容。冥界に落ちた戸川と松笛が見る、もうひとつの2人の物語。第12話「ぷりしら」から、第43話「わたしはどうしてまつぶえくんをすきになったんだろう?」まで。単行本2~8巻に収録。

学園編

主人公とその周辺に起こる出来事を高校生活を中心に描いている。冥界編のシリアスな雰囲気とは打って変わり、ギャグや作者の嗜好が顕著に表れた作風が特徴的である。第44話「男の子で遊ぼうI」から、第67話「夢の扉II」まで。単行本8~11巻に収録。

内宇宙編

単行本「ディスコミュニケーション 学園編」の続編に当たる。初期の頃の作風に戻りながらも、戸川と松笛の2人が狂言回し的な立ち位置となるエピソードが多い。第68話「光るゴミ」から、第84話「桜に願いを」まで。単行本11~13巻に収録(単行本には第81話「いつまでも」までしか収録されていない、詳しくは下記の「単行本未収録作品」を参照)。

ディスコミュニケーション 学園編

通常の単行本には収録されなかった学園編の第53話~第55話「ウナギとウメボシが人間を天国に近づける日」I~III、第56話~第58話「墜落する夢はしばらく見ない」I~IIIを収録。これらのエピソードが収録されなかった理由は公式には「あまりにも反響が大きすぎて」ということになっている。

ディスコミュニケーション 精霊編

単行本6巻ですでに作者から予告されていたが、連載開始はそれから3年経った1999年7月号から。精霊編では戸川と松笛は脇役的な存在となり、半年間眠ったままだった少女を巡って「どうして人は誰かを好きになるのか」というディスコミ連載当初からのテーマに三島塔子・燐子姉妹が挑む話になっている。また精霊編の続編ともいえるのが『ディスコミ』連載後に『月刊アフタヌーン』で連載された『夢使い』であり、一部キャラクターの設定を引き継いでいる。(設定を引き継いでいるだけで直接の続編ではない)。

単行本未収録作品

第82話「眠り姫」、第83話「芝田教授の家庭の事情」、第84話「桜に願いを」が単行本未収録である(おそらく本のページ数の都合と思われる)。これらは現在単行本化の目処は立っていない。

CDドラマ

『ワカラナイカラ好キニナル』
一話完結方式、全8話。

  • 松笛篁臣:結城比呂
  • 戸川安里香:林原めぐみ
  • 三島塔子:今井由香
  • コウサカ:井上和彦
  • ハマノ:石野竜三
  • 戸川知恵香:平松晶子


第1話「恋は永遠のなぞ?」
第2話「私のコトをスキ?」
第3話「女の願いはキス?」
第4話「彼女は私のテキ?」
第5話「彼の趣味はヘン?」
第6話「鏡合わせのアイ?」
第7話「二人で見るユメ?」
第8話「恋の季節のナツ?」

関連書籍

  • ディスコミュニケーション1 ISBN 4063210278
  • ディスコミュニケーション2 ISBN 4063210324
  • ディスコミュニケーション3 ISBN 4063210456
  • ディスコミュニケーション4 ISBN 4063210464
  • ディスコミュニケーション5 ISBN 4063210537
  • ディスコミュニケーション6 ISBN 4063210545
  • ディスコミュニケーション7 ISBN 4063210561
  • ディスコミュニケーション8 ISBN 4063210588
  • ディスコミュニケーション9 ISBN 4063210634
  • ディスコミュニケーション10 ISBN 4063210707
  • ディスコミュニケーション11 ISBN 4063210758
  • ディスコミュニケーション12 ISBN 406321088X
  • ディスコミュニケーション13 ISBN 4063210979
  • ディスコミュニケーション精霊編 1 ISBN 4063211096
  • ディスコミュニケーション精霊編 2 ISBN 4063211126
  • ディスコミュニケーション精霊編 3 ISBN 4063211193
  • ディスコミュニケーション学園編 ISBN 4063141934
  • CD ディスコミュニケーション ISBN 4063389006

関連項目

  • 歓喜天
  • 民俗学
  • 神道
  • YMO

ko:가면속의 수수께끼