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デビルマン/永井豪 蛭田充

共有

著者: 永井豪 蛭田充
巻数: 2巻

永井豪の新刊
蛭田充の新刊
デビルマンの新刊

最新刊『デビルマン 第2巻


出版社: 大都社
シリーズ: STコミックス


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

kahukani_ RT @numagasa: 学研の学習漫画『絶滅動物のひみつ』、擬人化されたオオウミガラスが侵略者の人間に襲われて火あぶりにされたりしてデビルマンの牧村家襲撃みたいな絵面になってるし、「お前の心の中に…」とかちょっとイイ話になりかけても別に何の救いもなく終わるので、ミヒャエル・…
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MiramiLastier RT @Zelgameth1: ペニーワイズ…子供をマニアックな沼に引きずりこむおじさん デビルマン…推しのvtuberやアイドルのここすきポイントを教えてくれるお兄さん ハム太郎…飼い主の悲痛な叫びを全て受け止め全肯定してくれる喋るハムスター ヒトラー閣下…事あるごとに…
kakutama_Sury RT @Zelgameth1: ペニーワイズ…子供をマニアックな沼に引きずりこむおじさん デビルマン…推しのvtuberやアイドルのここすきポイントを教えてくれるお兄さん ハム太郎…飼い主の悲痛な叫びを全て受け止め全肯定してくれる喋るハムスター ヒトラー閣下…事あるごとに…
az22223 RT @Zelgameth1: ペニーワイズ…子供をマニアックな沼に引きずりこむおじさん デビルマン…推しのvtuberやアイドルのここすきポイントを教えてくれるお兄さん ハム太郎…飼い主の悲痛な叫びを全て受け止め全肯定してくれる喋るハムスター ヒトラー閣下…事あるごとに…

デビルマンの既刊

名前発売年月
デビルマン 第1巻 1998-08
デビルマン 第2巻 1998-08

デビルマン は、永井豪により1972年から1973年にかけて製作された日本の漫画作品、およびこれと同時期に制作 ・放送されたTVアニメ。

本項では漫画とTVアニメ終了後に製作された他媒体作品についても解説する。

__TOC__

概要

変身ヒーローもの企画として、永井豪が自作品『魔王ダンテ』(「ぼくらマガジン」連載)をベースに「悪魔をヒーローとした作品」として基本設定を行い、漫画版は永井豪が執筆し、『週刊少年マガジン』の1972年25号(6月11日号)から1973年27号(6月24日号)にかけて全53話で連載された。同時期に、NETテレビではテレビアニメ版で脚本担当の辻真先がオリジナルストーリーを構成した。

両作には「漫画作品のアニメ化」もしくは「アニメ作品のコミカライズ」といった関係ではなく、永井自身が指摘しているような「同一の基本設定を使用して描かれた2つの作品」という関係に近いこのあたりの事情については永井の自伝漫画である『激マン!』にて詳しく描かれている。。漫画版のテーマは「ホラー」であり『激マン!』デビルマン編第1話(単行本第1巻収録)、古典的なホラーからモダンホラーまで、様々な要素が見られる。また連載当時、購読者層がTVよりも高く大学生までだったこと、永井自身の描きたいテーマを深めたいという希望を編集部と同意したことなどから、連載を経るごとに黙示録的な大河要素のある構成へと変遷していった。これに対し、アニメ版はTV視聴者を対象に漫画より幅広い年齢層の視聴者に向けて、原則一話完結のヒーローものの体裁を取っている。

漫画版

漫画版ストーリー

不動明は居候先の牧村家の娘・美樹と仲良く学校に通う大人しい少年であったが、ある日、親友の飛鳥了から、他の生物との合体能力を持った地球の先住人類「デーモン(悪魔)」が二百万年の眠りから目覚めて復活し、地球を人類から奪い返そうとしていることと、デーモンの研究をしていた了の父が、デーモンと合体して心を支配される前に自殺したことを知らされ、デーモンの超能力を取り入れてデーモンと戦う話を持ちかけられる。しかし、デーモンと合体してその力を得るには、理性を捨て本能のみで動いている時に憑依させ、かつ、デーモンの意思を正義の心で抑え込まなければならなかった。デーモンに襲われた恐怖で理性を失った明はデーモンの一人であるアモンに憑依され、悪魔の力と人間の心を持つデビルマンとなることに成功する。

デーモンたちは、デビルマンとなった明を倒すために次々と刺客を送ってくるが、明はそれらを倒していく。やがてデーモンは人類すべてに宣戦布告し、総攻撃を仕掛けてくる。デーモンによる無差別合体という自爆攻撃に人類がパニック状態となる中、明は了の制止を振り払い、単身でデーモンとの戦いに赴くものの、力尽き倒れる。とどめを刺されようとした時、デーモンの神である大魔神サタンの「デビルマンを殺すな」という意思がデーモン達に伝えられ、明は解放される。

一人の力では戦えないと悟った明は、無差別合体で死なずにデビルマン化した者たちを集めてデビルマン軍団を組織しようと考える。しかし「悪魔の正体は現代生活に不満を持つ人間である」と高名な科学者が発表したため、悪魔狩りの名の下、罪のない人々が政府により殺戮されていく事態となる。一方、自分の恐れた通りに事が進みすぎることに違和感を持った了は、事の発端を再確認するために自宅に戻るが、そこで了の父がデーモンの研究をしていなかったことと、飛鳥了なる少年はすでに交通事故で死んでいたことを知る。衝撃の事実に混乱している中、家に侵入してきたデーモンの一人のサイコジェニーに「お迎えに参りました」と言われる。

数日後、デーモンがもう襲ってこないことに気づきかけていた人間の恐怖心を煽るため、了はテレビで、明がデーモンと合体した瞬間の映像を公開して「無数の悪魔が人間になりすましているので、殺せ」と人々を扇動する。正体がばれて牧村の家を出ざるを得なくなった明は裏切った了を問い詰めるが、了が「明とデーモンを合体させたのは、人類を守らせるためでなく、次のデーモンの時代に共に生きたかったためだ」と答えたので、明は了が大魔神サタンであることを悟る。

悪魔特捜隊による拷問で牧村夫妻は惨殺され、美樹も暴徒と化した町の住人たちに惨殺される。最後の希望だった恋人も奪われて人間に失望した明はデビルマン軍団を率い、地上の覇権を賭け、サタン率いるデーモン軍団との決戦を決意する。サタンもまた、明との決戦は避けられないことを分かっていた。サタンは自らの記憶を消し、人間になりきることによって人間の弱点をつかみ、デーモンたちに作戦立案の材料を与えていたのだ。ただひとつの誤算は両性具有のサタンが明を愛した結果、デーモンの敵となるデビルマンが誕生してしまったことだった。

20年ののち、人類は滅亡し、デビルマン軍団とデーモン軍団との最終決戦・アーマゲドンが始まる。

やがて戦いは終わり、半身を失った明に『激マン!』デビルマン編6巻あとがきにより、永井が「遺体」としている。サタンは語る。かつて地球を支配していたデーモンは創造主たる神に滅ぼされようとしたが、それに反発したサタンがデーモン側について戦って勝ち、次の神との戦いのために永い眠りについたこと。目覚めたときに人類が地球を荒らしていたので許せず、「それを滅ぼそう」と決めたこと。しかしそれは、神が行おうとした愚行と同じことでしかなかったことだと。話を終えたサタンは明に謝罪するが、明はすでに息を引き取っていた。明を喪ったサタンが静かに涙を流していたそのとき、「天使の軍団」がそこに迫っていた。

登場人物

作中で名前が登場しなかった人物は、『永井豪ワールド 悪魔事典』(1991年、バンダイ)に準拠する。

『豪華愛蔵版 デビルマン』全五巻(1987年9月 - 12月、講談社)については、「愛蔵版」と表記する。

主要人物

不動明(ふどう あきら)
本作の主人公。人間の心に悪魔の力と姿を持つデビルマン。合体したデーモン、勇者アモンが強い能力を持っていたことにより、並みの悪魔以上の能力を得ることになった。
デビルマンとなり得る資質「善良で純粋な心」を持ち正義を愛する若者。元来は小学生時代「東小のサイレン」と呼ばれた泣き虫で臆病な性格であったが、デビルマンになった事で精神に影響を受け、好戦的な性格に変わった。
両親が海外勤務中(OVAでは消息不明、小説版では死去、『DEVILMAN crybaby』では原作同様に海外勤務)につき、牧村家に居候している。
スポーツより、図書館で本を読んでいる方が性に合っている。
後半は組織的な攻撃を仕掛けてくるようになったデーモンに対抗するため、世界中からデビルマンを集めてデビルマン軍団を結成する。
飛鳥了(あすか りょう)
明の親友。日本人の父と白人の母の間に産まれた。考古学者であった父の研究を引き継ぎ、デーモンの存在を知る。そして、デーモンとの戦いに備え、最も信頼できる人間・不動明とデーモンの合体の準備を整えた。
序盤にて明とデーモンの戦いに巻き込まれ重傷を負い死亡したかに思えたが、実は生存しておりテレパシー能力らしきものが使えるようになる。
後半はデーモンとの戦力差を実感し、人類を犠牲にしてでも明だけ生き残るよう方針転換する。徐々にこれまでの事件が自分の考え通りに展開していたことに疑問を抱くようになる。テレビアニメ版では、飛鳥了に容姿が似ている「氷村厳(ヒムラー)(声 - 井上真樹夫)」というキャラクターが登場した。

牧村家

牧村美樹(まきむら みき)
牧村家の長女。同居人の明とは友達以上恋人未満の関係。明が気弱だった頃は良く言えば砕けた態度、悪く言えば見下した態度を取っており、幼少期の失態をからかったり、ドス六に対して無用な喧嘩を展開し、及び腰な明を侮蔑する。
明が(デビルマンになったため)好戦的になり、喧嘩にて力量を示してからは、好意的に振舞う。
後半、明が生物学的には人間でないことを知り驚愕するが、その心は人間・不動明のままだと受け入れる。だが悪魔に恐怖した暴徒により惨殺され、五体をばらばらにされてしまう。
OVAや小説版では、明がデビルマンになる前から彼の美点に眼を向けており、「不動明の腕っ節ではなく、人間性に惹かれている」ことが強調されている。
牧村健作(まきむら けんさく)
美樹の弟。愛称は「タレちゃん」。その理由は怖い目に遭うと失禁、すなわちおしっこを「タレ」てしまうから。美樹と同じく暴徒に惨殺される。
小説版では太朗(たろう)という名前で登場し、小学5年生であることが描写されている。
『DEVILMAN crybaby』では太郎(たろう)という名前で登場。明のアカウントを使用してサバトの映像を観るなどのデーモンへの憧れから最終的にデーモンに取り憑かれてしまい、食欲を抑えられず亜樹子を食べてしまった所をノエルと共に悪魔特捜隊に銃殺される。
牧村夫妻
明の父・礼次郎、妻・須弥子とは親友同士。両親が海外出張中の明を実の息子のように世話している。時代ゆえか、デビルマン化した明がケンカを半ば趣味としていても大して動じず、「ケンカは若いうちにたっぷりやっても良い。大人になればしたくても出来なくなる」と述べる。
明が生物学的には人間でないことが暴露されたため、悪魔特捜隊から逃がすが、その腹いせに本部に連行されて苛酷な拷問を受け死亡する。
漫画版では言及されなかったが、小説版では夫の名前は耕三(こうぞう)、妻の名前は亜樹子(あきこ)となっている。
『DEVILMAN crybaby』では夫の名前はノエル、妻の名前は亜樹子(あきこ)となっている。

デビルマン軍団と協力者たち

政(木刀政)
明に喧嘩を売った不良グループ(本人たちはプロレス野球部と名乗る)のリーダー。木刀が得物。
明に叩きのめされた挙句に、デーモンに操られていたのを助けられ、以降、人間のままグループ全員で、明とデビルマン軍団に協力する。牧村家が近隣の住民に襲撃された際に1人居合わせ、美樹と健作を守って奮戦したが、惨殺されて五体をバラバラにされた。
ドス六
不良グループの一員。ドスが得物。序盤にて明と美樹に因縁をつけるが、1度目は銃を所持していた了に、2度目はデビルマンになったばかりの明に叩きのめされる。
中盤、仲間たちともども明に叩きのめされた挙句に、デーモンに操られていたのを助けられる。以降、人間のまま、牧村家の警護やデビルマン軍団の調査活動に協力する。
漫画版『AMON デビルマン黙示録』では、不動明について、戦闘能力もそうだが、恐ろしいデーモンと身一つで戦ってきた意志の強さに敬服している。アモンに逆に肉体を乗っ取られた不動明の意識を目覚めさせるために、失敗した時はメリケン錠に後を託し、自身に同意してくれた三人のデビルマンと合体を行う。結果成功し不動明を目覚めさせるためにアモンに特攻する。
メリケン錠
不良グループの一員。得物はメリケンサック。当初は茶髪だったが、再登場した時は黒髪になっていた。
カミソリ鉄
不良グループの一員。剃刀が得物。グループ内では一番大柄。
漫画版『AMON デビルマン黙示録』では、悪魔特捜隊との戦いで死亡する。
チェーン万次郎
不良グループの一員。チェーンが得物。グループ内で只一人、明るい色のコートを着ている。
漫画版『AMON デビルマン黙示録』では、悪魔特捜隊との戦いで死亡する。
見張り
デビルマン軍団本部の入り口をマシンガン片手に見張っている。明やドス六と同じ学生服を着ているが、不良グループの一員かは不明。また人間かデビルマンかも不明。
床屋をテーマにした合言葉で、本部への出入りをチェックする。
ミーコ(実写版での本名は川本巳依子)
一見大人しい少女だが、万引きの腕は天下一品。デーモンに合体され、デビルマンと化したと知らずに自分の醜い姿に苦悩する。『永井豪ワールド 悪魔事典』によるとデビルマンとしての名前は「トゥルグ」という。
デーモンの総攻撃後は悪魔研究所に収容され、実験材料にされたところを明に救出される。
胴体部分は奇怪な血管のような物に覆われ、胸部と腹部に大きな穴があり、そこから濃硫酸を多く含む液体を噴出させる。また下腹部には赤外線視力のある二つの目を備える。
漫画版『AMON デビルマン黙示録』では、デビルマンになる前からドス六と知り合いだった。
小説版の人間社会崩壊後の世界ではデビルマン軍団を華やかなドレス姿で慰問するなどアイドル的存在にもなったようだ。
OVA版『AMON デビルマン黙示録』では、ユミ(OVA版オリジナルキャラクター)と共に「不動明の側近」として描かれている。
『DEVILMAN crybaby』では不動明や牧村美樹と同じく陸上部に所属。物語途中で出会った青年、ククンと共にサバトに参加し、デビルマン化する。
プフール
人間体型の犬といった姿の女性デビルマン。聖書に詳しく、サタンに関する情報を明に伝えた。永井豪ワールド 悪魔事典』によると犬らしく優れた嗅覚と持久力を備え、発達した犬歯での咬みつきで戦う。
作中には名前は出てこないが、小説版では「泉まさみ」という名前で登場し、かつて中学校の教師だった、という背景も示されている。
デスプロー
頭部に節足動物の足を生やし、身体を甲殻で覆った青年デビルマン。『週刊少年マガジン』連載時は単なるモブキャラに過ぎなかったが、『永井豪ワールド 悪魔事典』(1991年、バンダイ)で名前と変身後の姿が描かれた。また、漫画版『AMON デビルマン黙示録』ではデビルマン軍団の幹部として登場し、アモン討伐の指揮をとる。
ボンズ・オブ・ヒンズー
デビルマンとなった僧侶の一団。厳しい戒律で精神を鍛えてきたため、デーモンの合体を受けた時、寺院にいたすべての僧がデビルマンとなった。
強力なテレパシーを有しており、世界中の同志を集め「デビルマン軍団」をそろえようと名乗り出ててきた。
作中では6人の僧侶が登場したが、彼らは全僧侶の代表団に過ぎない(小説版では、約3千人の集団として描写されている)。

デーモン

アモン
明と合体したデーモン。「地獄の野獣」「勇者」の異名を持つデーモン屈指の戦士だった。
『週刊少年マガジン』連載時には名前のみの登場だったが、「愛蔵版」第二巻の加筆にてシルエットが登場した。また、小説版や『AMON デビルマン黙示録』では1キャラクターとして登場している。
イルーゲ
明と了に最初に襲い掛かったデーモン。人間の女性をベースに、腕に翼を、下腹部に爬虫類の頭部が付随している。
爬虫類頭の口から超音波を発して明たちを足止めする。
テキスク
明と了に襲い掛かったデーモン。人間の女性をベースに、頭から4本、両肩・両腕から1本ずつ、胸部から2本、都合10本の蛸足を生やしている。また、下腹部には大きな単眼が付随している。
3名の同胞と共に明と了を奇襲するが、2人が地下室に逃げ込んだため、追跡を断念する。
ウェルバス
了が地下室に招いた女性と合体したデーモン。左眼にあたる部分からの触手が特徴。デビルマン明が最初に倒すデーモンとなる。
シレーヌ
デビルマン明への最初の刺客。美女をベースに、頭に巨大かつ美しい羽根を、手足に強力なカギ爪を持つ。セイレーンがモチーフ。
部下たちを倒した明の隙をつき、捕縛する。そのまま大魔王ゼノンのもとに連行しようとするが、飛鳥了の横槍で失敗し、地上で明と死闘を繰り広げた末に重傷を負う。その時加勢としてカイムらが出現、決死の合体によりカイムの角で明を貫くが、とどめを刺す直前に勝利を確信した微笑を浮かべたままこときれる。
「愛蔵版」ではアモンに憧れを寄せる場面が追加されており、それゆえにアモンの身体を乗っ取った明を激しく憎んでいることが強調されている。
なお、辻真先の小説に当てた永井豪の解説では、シレーヌの名前とイメージは辻がアニメ用に作ったもので、そこから永井がキャラクターデザインをし、このキャラクターを気に入った永井が漫画に逆輸入した事が明かされている。
ゲルマー
シレーヌの部下。節足動物の手足とナメクジのような下半身が特徴。水と同化する能力や、体内の水を飲んだ者の意識を乗っ取る能力を持つ。
アグウェル
シレーヌの部下。不定形で地面や壁に同化する能力を持つ。
『永井豪ワールド 悪魔事典』(1991年、バンダイ)によると、元は一種のエネルギー体だったらしい。
カイム
シレーヌの救援に現れたデーモン。彼女の勝利のためにその身を捧げた。
四足歩行型で、サイの身体をベースに、肩から強大な角を生やしている。
イーダー
人間社会に潜んでいるデーモン。額に一本角を、両肩部分に大きな眼を生やしている。
人間の肉が好物で、たびたび人間を襲っていたが、隠蔽には気を配らなかった。そのため、飛鳥了に正体を見破られ、殺害される。
「愛蔵版」では、イーダーが登場する場面はことごとくカットされている。
魔将軍ザン
ゼノン配下の百の魔将軍の1人。百の悪魔から成るザン魔団の将。胸に四つの眼と大きな口を持っているのが特徴。
変身能力に秀でており、初登場時は糸に変身し、体内から蜘蛛の群れを操って明たちに挑戦した。膠着状態になるや、蜘蛛の体内から脱出し、デーモンの姿になって明たちを威圧した後に姿を消す(「愛蔵版」では、蜘蛛を操っていたのはラズバというデーモンに改められた)。
2度目は、部下に「デビルマン明を殺傷するな」というサタンの意志を伝えた。テレビアニメではザンニンというデーモンが登場している。
ラズバ
「愛蔵版」の加筆にのみ登場するデーモン。魔将軍ザンが学校を襲撃するエピソードは、このラズバの仕業として描かれる。
ジンメン
ザンの部下で亀の姿をしたデーモン。人間を好んで食べ、喰った相手の顔と意識が甲羅に浮かび上がる。その特性を生かし、デビルマン明の親友であるサッちゃんの顔と意識を人質とする。
「自分は人間達が牛や豚を食べるのと同じように人間を食っただけ」などとうそぶいたり、甲羅の人面を誤射したデビルマンに「おまえは人間を殺したんだ」と非難するなどして心理的な揺さぶりをかけた。
『DEVILMAN crybaby』では明の父がデーモン化したという設定で登場。共に海外から帰国した明の母を他の乗客と共に捕食し、顔と意識を甲羅に浮かび上がらせ、明を瀕死寸前にまで追い詰めるも了の横槍により失敗する。
リィビィ
ザン魔団の一員と思われるデーモン。全身を木の葉で覆っている。
多くの戦友を殺めたデビルマン明を激しく憎んでおり、「デビルマン明を殺すな」という上意を伝えに来た魔将軍ザンに抗弁する。「魔王ゼノンに逆らってでもデビルマンを殺す」とまで言い放つが、大魔神サタンの意思だと知らされ、やむなく承諾する。
メドック
小型のデーモンで、ソビエト連邦首相に寄生する。超大国首相の立場を悪用し、デーモン総攻撃に乗じて核戦争勃発を目論む。
マストゥフ
ソビエト連邦首相秘書の身体を乗っ取った双頭のデーモン。二人分の脳細胞を持つためか、知力に優れている。
ロスシード
牧村家を襲撃したデーモン。下半身に頭部があり、両肩の間には窪みが存在し、分身である蛇が待機している。
牧村父とドス六、メリケン錠に迎撃される。
サイコジェニー
巨大な頭部を持ち強力な精神攻撃を行うデーモン。大魔神サタンの側近でもある。
悪魔王(大魔王)ゼノン
デーモン族を統率する魔王。力強い角と蹄を有している。4つの顔が特徴で、正面に角を生やした狼の顔、左肩に人間の美女の顔、右肩に角を生やした人間の男の顔、腹部に大きな耳を付けた獣の顔が、付随している。
テレパシー能力を活用し、人類に宣戦布告を行う。
大魔神サタン
12枚の翼を持つ美しい姿の堕天使。かつて「神」の片腕として共に地球に飛来したが、神がデーモンを嫌悪し滅ぼそうとしたことに反発し、デーモンと共に神と戦った。神の力の前になすすべもなく滅亡しかかっていたデーモンにとっては救世主であり、デーモンが神とあがめる存在。
男女の特性を併せ持つ両性生物である。人間の弱点を探るために、交通事故で死んだ飛鳥了になりすました。

その他の登場人物

サッちゃん
明が引っ越す前の隣家に住んでいた少女。牧村邸のチャイムに背丈が届かない。明からは「親友」と呼ばれているが、彼女自身は「明お兄ちゃんの恋人」を自称しており、新幹線に乗って牧村邸まで会いに来た。明が喧嘩に強くなる(デビルマンになる)前から惚れており、その仲の良さには美樹も嫉妬するほどだった。
帰りの新幹線を悪魔ジンメンに襲撃され、彼女もジンメンに捕食されてしまう。
ススムくん
健作(タレちゃん)の友だち。最近、母親から虐待を受けるようになり、家に帰りたがらなかったが、父親が帰ってくると聞いて帰宅する。しかし、待ち受けていたものは……。
名前は、作者の「ススムちゃん大ショック」から。
雷沼教授
ノーベル生物学賞を受賞した教授。北海道の生物化学研究所にて、収容したデーモンやデビルマン、怪物化して死亡した人間の遺体を用いて、悪魔の正体について研究する。
デーモンの合体能力を知らないことと、地球上の知的生物は人間のみだという先入観が災いし、「悪魔の正体は、現代社会に不満を持ち体細胞を変化させた人間」だと誤って結論付けてしまう。
同時に、政府に対し「現代社会に不満を持つ人間」をも対象にした新しい「悪魔対策」を要請。彼の研究発表により、人間による「人間狩り」を引き起こす事になってしまう。
サタンの「親たち」に当たる存在。作中には姿が登場しない。太古、サタンを含めた多数の天使を率いて地球に飛来し、生命を創造した。地球生物から派生したデーモンを失敗作として地球ごと滅ぼそうとしたが、サタンの反感を買い、地球から追い返される。

用語

デーモン(悪魔)
人類出現以前、先史時代に地球を支配していた知的生物。闘争本能と殺戮本能を満足させる事が生き甲斐であるとされ、恐竜などの当時の生物やデーモン同士で弱肉強食の殺し合いを展開していた。
デーモンの能力で特筆すべきは合体能力である。これは他の生物・無生物と合体する事でその能力を獲得することができるというもので、元々は人間と同じような姿だったデーモンは合体を繰り返す事で異様な姿と数々の超能力を持つ超生物へと変化していった。また細胞の配列を変化させる変身能力も備えており、現代では人間に擬態して人間社会に潜伏する者もいた。男女の性も存在するが、生殖については不明。
なおデーモン同士や人間と合体した際は、より強い意志を持つ者の意識が肉体を支配する事となる。また人間との合体には後述のように難しい条件が存在する。
氷河期の到来によって氷の中に閉じこめられ、一部の個体は氷河期の終わりと共に復活して世界各地に悪魔・怪物の伝承を生む事となった。大部分は極地にて現代まで眠りについていたが復活、地球の覇者の座を奪回すべく人類滅亡を図る。現代においては大魔王ゼノンおよび百の魔将軍の下に組織化されており、デーモン全体の勝利のために多くの個体の死をもいとわない攻撃を行うまでになっている。ただし、関連作品では、アモンが「ゼノンに従わない戦士」として描かれたり、それに匹敵する戦士が「王」を名乗っていたりと、完全に統一された勢力、という訳ではないらしい。
なお劇中にて、デーモンは本来人類の天敵であり、デーモンが氷に閉じこめられたために人類が自然の摂理を越えて繁殖し、地球環境を破壊するまでになった事が示されている。
デビルマン(悪魔人間)
人間がデーモンと戦う唯一の手段として、デーモンと合体してその能力を獲得し、かつ人間としての意志を失わなかった者を指す。
人間とデーモンの合体は、通常は人間の持つ理性(本能を否定して人間らしく生きようとする心理)に対してデーモン側が拒絶反応を示すため困難であり、明も合体のため麻薬などで理性を失おうとしたが失敗、直後に他のデーモンに襲われた恐怖で理性を失った際に合体を果たした。また合体しても意志の弱い人間ではたちまち精神も支配されて「人間の知識を持つデーモン」になってしまうため、デビルマンになるには強い意志と善良な心でデーモンの意思を抑え込まなければならない。それでも合体したデーモンの精神の影響は避けられず、合体後の明は以前とは打って変わって好戦的な性格となり、また次第に合体したデーモン(アモン)の過去の記憶も獲得していった。デーモンの変身能力により、普段は元の人間の姿を取る事ができる。また、不動明のように、デビルマンになった者の眼の下には、蝙蝠模様のクマができる。
やがてデーモン達が人類を恐怖に陥れるために実行した「無差別合体」(通常は理性に対する拒絶反応により怪物化して死亡する)により、偶然前述の条件がそろった事でデビルマンとなった者が世界中に出現、明はデーモンに対抗すべく彼らを集めてデビルマン軍団を結成した。
原作漫画では不動明を総大将とし、プフールが側近、ボンズ・オブ・ヒンズーが連絡役を務めているが、指揮系統は明確に描かれていない。
小説版では、統率力にたけた山野博士(戦闘能力は低い部類)が組織全体のリーダーを務め、古参かつ組織随一の戦闘員である不動明が戦闘指揮をとる。他にも、全国の支部や、人間によるシンパ団体が存在している。
OVA版『AMON デビルマン黙示録』では、人間社会にて存在を認識されているが、「デーモンと対立する悪魔」として嫌悪の対象にされている。
悪魔特捜隊
人間社会に潜むデーモンを一掃するために日本政府が発足させた警察隊。正式名称は「悪魔特別捜査隊」で、「特捜隊」「悪特隊」とも呼ばれる。
脳波探知装置、X線透写装置、血液分析装置などを備えた特捜自動車デーモンハンターカーで各地を巡回する。
隊はデーモンを探り出す捜査班と、デーモンを抹殺する攻撃班で編成されている。攻撃班は細菌銃、熱線銃などの攻撃武器と、脳波妨害ヘルメット、耐熱耐火服を用いてデーモンと戦う。
デーモンを狩り出すことが目的だが、人間社会からデーモンが引き揚げた状態では、デビルマン(生物学的にはデーモンと大差ない)、および誤認された人間のみが網に掛かることとなる。そのため、デビルマン軍団から見れば「敵(デーモン)の敵」にすぎず、「味方」とは認識されていない。
不動明を取り逃がした腹いせに牧村夫妻を連行し、拷問にかけて殺害した。夫妻以外にも誤認逮捕された人間への拷問にかけていた。更には「悪魔を殺していない、殺したのは人間ばかりだった。好きでやったのではなく、上からの命令でやっただけだ(だから自分達の命は助けて)」と言ったため、堪忍袋の緒が切れた不動明に焼き殺される。それ以後の動向は明言されていない。
小説版では、対デーモン戦への利用としてデビルマン軍団が人間(および、その科学力)を利用した旨が記されているが、かつての悪魔特捜隊以上に苛烈な仕打ちを行っており、デビルマンにならなかった人類は結果として滅亡している。
漫画版『AMON デビルマン黙示録』では、新たに本部を再建しドス六とメリケン錠を捕縛するが、結局はアモンに滅ぼされる。なお、バチカンに総本部が存在する「欧州の悪魔特捜隊」も登場しているが、ドス六たちを収監した「日本の悪魔特捜隊」との関連は不明。

製作

本作はテレビアニメと連動した企画であったため、テレビアニメの終了に伴い、漫画では「闇の蜘蛛」編が終わった辺りで、掲載誌側の強い意向により、連載期間を残り2ヵ月半と制限されてしまった。一方、永井はもう2-3年をかけ、デーモン軍団の決戦・最終戦争までを描ききりたかった『激マン!』デビルマン編第27話(単行本第4巻収録)。このため「アニメが終わったからこそ本当のデビルマンが描ける」などと掲載誌側を説得しようとするが、それは叶わなかった『激マン!』デビルマン編第25および26話(単行本第3巻収録)。このため本作に全力を傾けるため少年チャンピオンに連載していた『あばしり一家』を終了させ、さらに物語をなんとか終結に持っていくため、展開をかなり駆け足とせざるを得なくなった『激マン!』デビルマン編第27話(単行本第4巻収録)

その後掲載誌との交渉は重ねられ、増ページのほか『激マン!』デビルマン編第33話(単行本第4巻収録)、はじめ2ヵ月の延長『激マン!』デビルマン編第36話(単行本第5巻収録)、のちに「過激・残虐な描写を一部自粛する」ことを条件に、2回の延長が行われたと永井は語っている『激マン!』デビルマン編第51話(単行本第6巻収録) 同書で言及されているだけで10回、約200ページの延長を認められている。

またページ数の都合から、日本の強さを象徴する(後述)主人公「デビルマン」の最後のヒーローらしい大活躍が削られ『激マン!』デビルマン編第35話(単行本第4巻収録)、ヒロインの美樹の護衛の活躍も描写しきれない事などから、話を収束させるために美樹を殺すと言う選択に至ったと言う『激マン!』デビルマン編第51話(単行本第6巻収録) なおこの時点で、ストーリー進行は最終刊となる単行本第5巻のp.100前後に至っている。なお第5巻で物語が終了するのは211ページである。『激マン!』6巻で語られているように、本作は永井にとって非常に力を要し、疲れる作品であったという。またサタンの正体が了であることは、連載の終盤まで決まっていなかった『激マン!』デビルマン編第45話(単行本第5巻収録)

なお最終回についても全てを描ききれた訳でなく、『激マン!』最終巻あとがきでの永井の回想によれば、最終ページのあと、天使の軍団の光の玉に明の遺体とサタンも消滅させられ、さらに『創世記』に曰く所の「光あれ」と逆の行為が行われ、光さえもなくなってしまった闇の中で聖書が閉じられる、といったイメージが持たれていたと言う。だが永井は2014年現在、当時描いた最終回に納得しており、この最終回案はそれ以上のものにはならないと語る。よって『激マン!』執筆時に最終回後の加筆を行うと言う案も打診されたのであるが、永井はこれを行わなかったただし「愛が成就した明と了を、天使が祝福にきたのですね」と言う永井の全く意図しない内容のファンレターが送られてきたこともあったという。

連載開始当時の永井はギャグ漫画で人気を博していたが、本来はストーリー漫画、特にSF志望であり、ギャグ漫画家となったのはなりゆきであった『激マン!』デビルマン編第1話(単行本第1巻収録)。1971年、『魔王ダンテ』でストーリー漫画の連載の機会を得たがこれは掲載誌が廃刊となってしまう。デビルマンは同作をベースとしたものであり、週刊少年マガジンでの『オモライくん』の連載を終了させ、捲土重来を期した作品である『激マン!』デビルマン編第5話(単行本第1巻収録) 永井自身は初の本格ストーリー漫画と言う認識だったらしい(第4話)。。連載開始当初永井は本作も含め当時4本の週刊連載を抱えていたが、ストーリー漫画はギャグ漫画の倍くらいの時間がかかることから『激マン!』デビルマン編第9話(単行本第2巻収録)週刊連載を徐々に減らし、本作の終盤には週刊連載は本作と『マジンガーZ』のみとした『激マン!』デビルマン編第5話(単行本第1巻収録)

なお本作は解る人だけ解れば良いと言う「裏設定」が存在している。「デビルマン」は日本がまた戦争に巻き込まれた時に、日本を守る為に徴兵され出征していく若者の姿であり、また日本の軍事力の象徴でもある。よってデビルマンとデーモンとの戦いは日本と他国との戦争を暗示しているものである『激マン!』デビルマン編第15話(単行本第2巻収録)、第27話(単行本第4巻収録)。そして一般市民の犠牲者はテロによる犠牲者である『激マン!』デビルマン編第18話(単行本第3巻収録)。またデビルマン軍団対デーモン軍団による最終戦争、世界大戦も無意味なものである。所詮は創造主の掌の上でのできごとであり、全てを無に帰す事の出来る創造主の前では勝者などおらず、全て無と帰するだけなのである『激マン!』デビルマン編第54話(単行本第6巻収録)

またデビルマンとシレーヌとの戦いにて、永井は「少年誌初のセックスシーン」にチャレンジしたく、「人間同士ではなく悪魔同士だ」と、デビルマンにシレーヌをレイプさせようとしたが「これにはあくまで「少年」誌である」などと、掲載誌側からストップがかかってしまったと言う。『激マン!』デビルマン編第19話、20話(単行本第3巻収録)

影響

この強烈なストーリーは当時の読者のみならず、後世の作家にも影響を与えている。例えば『新世紀エヴァンゲリオン』での庵野秀明はデビルマンからの影響をインタビュー『スキゾ・エヴァンゲリオン』(ISBN 4-87233-315-2) で語っており、『甦るデビルマン』では大槻ケンヂらがデビルマンから受けた影響を語っている。

永井自身も『デビルマン』の印象は非常に強かったようであり、その後の作品群にはデビルマンが直接・間接に影響しているものが多々見受けられる。『デビルマン』執筆終了直後、に連載を開始した『バイオレンスジャック』がその長大な物語のラストにて永井自身も含め誰も思いもしない「実は『デビルマン』の続編であった」ことに帰着された。

さらに『デビルマンレディー』(以降『レディー』と表記)が執筆された。こちらも当初は続編とは言明されてはいなかったが、物語の中盤からデビルマン不動明が登場している。作中にて、正編の後日談であり、デビルマン軍団とデーモン軍団の最終戦争後、神々によって再生された世界であることが明かされている。

その後、永井豪原作の『AMON デビルマン黙示録』(マガジンZ:講談社)が、衣谷遊の作画で発表され、ビデオアニメ化されている。

また、『デビルマン』に対するトリビュートコミックとして、多くの漫画家による『ネオデビルマン』も発表された(1996年 - 1999年、コミックガンマ:竹書房?モーニング新マグナム増刊:講談社)。

単行本

バリエーション

本作は初単行本化の際に加筆修正が行われている。その後も新装丁での刊行に合わせて加筆修正されており、講談社が刊行したものだけでも合計4つのバージョンが存在する(コンビニ販売用廉価コミック版などは除く)。

加筆を繰り返した理由について、永井は連載当時の制作事情を挙げている。多忙だった上にベテランのアシスタントが独立したため、若いスタッフに頼らざるを得ず、出来上がりに不満があったものの、直す時間がなかったため、そのまま発表せざるを得ず、無念の思いがあったという『改訂版デビルマン 1』(2012年4月6日第1刷発行、講談社)P326-327

  • 初出
    • 『少年マガジン』に連載された、最初に世に出た版。
    • 2018年に全3巻で永井の画業50年記念の一環として、扉絵や各回の一部で用いられた「4色2色カラーページ」など、連載当時の状態を出来るだけ再現(復刻)した版が『デビルマン-THE FIRST-』と題し小学館から刊行予定(講談社でないのは『ビッグコミック』で『デビルマンサーガ』を連載している事から)。
  • 講談社コミックス版
    • 『デビルマン』全5巻+『新デビルマン』全1巻。
    • 初の単行本化。連載時は次回予告だったコマの描き直しや扉絵のカットなどが行われている。初出版からどこが改訂されたかは、1999年に刊行されたムック本『デビルマン解体新書』(ISBN 978-4063300703)に詳しく記載されている。のちにこれを完全復刻した版や文庫版、3巻にまとめたワイド版も刊行された。
    • 愛蔵版
      • 『新デビルマン』を本編に組み込み再構成、再度加筆修正したもの。全5巻。
    • 改訂版
      • 2012年、連載40周年を迎えるにあたって更に加筆修正したもの。愛蔵版を基に、絵の修正を行っている。全4巻。
  • 小学館 ビッグ コミックス〔スペシャル〕画業50周年愛蔵版
    • 2017年から2018年にかけて、永井の画業およびビッグコミックスが揃って半世紀になるのを記念したもの。全5巻。出版日は先の『THE FIRST』よりも早いので、こちらが初めて講談社以外で刊行された版ということになる。
      カバー絵は全巻描きおろされ、裏表紙を全部横に並べると「デビルマン軍団」が一堂に揃うという趣向。

テレビアニメ版

NETでの放送について。

  • 放送期間:1972年(昭和47年)7月8日から1973年(昭和48年)3月31日
  • 放送回数:全39話(初放映では38話まで、再放送で39話を放送)
  • 放送時間:毎週土曜日20時30分 - 20時56分(1972年10月以降は20時55分まで)
  • 放送局:NET系列

NETでの放送時間が26分であるため、放送時間が26分(キー局バージョン)用と30分(ローカル局バージョン)用が作られた。

  • NETとの同時ネット局では、マイクロ回線送り出しの関係上キー局バージョンで放送し、NETと同様に残りの4分間をスポットニュースやミニ番組などに充てていた。ただし、再放送ではローカル局バージョンで放送した例もある(腸捻転解消後の朝日放送や系列外局を含む)。
  • オープニングはローカル局バージョンの方が時間が長い。
  • 本編の時間は同じ。
  • 次回予告はローカル局バージョンの方が時間が長い。
  • エンディングはローカル局バージョンにしかない。

テレビアニメ版ストーリー

ヒマラヤの氷の中にいたデーモン族が復活。魔王ゼノンの命令で人間界を滅ぼす為に不動明の体を乗っ取った悪魔・デビルマン(普段は高校生・不動明の姿をしている)。牧村の娘・美樹を愛したことで、美樹を守る為にデーモン族と戦うことを決意する。

デビルマンの超能力および格闘術

デビルマンの容姿は生物として描かれた漫画版よりも整ったフォルムでデザインされ、ベルトやショートパンツ状の衣服を配して、変身ヒーローらしさを強調している。 等身大から約30m放映当時の「テレビマガジン」より。までの巨大化が可能で、基本的には相手の妖獣に合わせたサイズで応戦している。

デビルチョップ
手刀による打撃。主に妖獣への先制攻撃に使用される。
デビルキック
跳び蹴り。威力はデビルチョップ以上だが隙が大きいために、かわされる事も多い。
デビルアイ
目からサーチライトのような光を発して相手を探索する。第37話などでは透視能力も見せている。
デビルイヤー
人間以上の聴力を持つ。第17話では不動明の姿でも使用。
デビルウイング
背中から出す飛行用の翼。その縁は強力な切断力を持つ。全身を覆い敵の攻撃を防ぐ事も可能。もがれても再生可能。
デビルカッター
腹部のベルトのバックルから連発される、三日月型のカッター。切断能力も高いが無固形型や再生能力がある妖獣には効かない場合もある。
デビルアロー
頭部の角から発射して相手を粉砕する超音波。劇中では音波と言うより稲妻のように表現されている。『マジンガーZ対デビルマン』では機械獣の装甲を破壊する威力を披露している。
デビルビーム
デビルマンの全身から発射される強力な熱光線。両手を交差させエネルギーを蓄積し解除後に凄まじい熱線を放つ。映像上は電撃のように描かれることもある。決まり手として多くの妖獣を葬った。

登場人物

主要人物
不動明
声 - 田中亮一
牧村美樹2016年10月29日現在、東映アニメーションのHPでは「美樹」ではなく「ミキ」。 
声 - 坂井すみ江
漫画版と比べても変更が少ない。
牧村家
牧村健作(タレちゃん)
声 - 山本圭子
ミキの弟で失禁癖がある小学生。その事から「タレちゃん」と呼ばれるが本人は嫌がっていた。明を実の兄のように慕っている。
牧村耕作
声 - 鈴木泰明 / 北川国彦(第9話)
ミキとタレちゃんの父。考古学者で不動明の父の友人でもあった縁で不動明(デビルマン)を引き取った。
牧村夫人
声 - 佐久間夏生 / 吉田理保子(第34話)
耕作夫人でミキ達の母。明に対しても分け隔て無く接し、将来は明とミキが結婚することを望んでいる。
名門学園(なかどがくえん)
明たちが通う学校。小学部から高等部まで一つの敷地にあり、ポチ校長が総括責任者を務めている。
私立学校のはずであるが、劇中では小学生と高校生が混在している以外普通の学校との差異は見られず、地域の子どもたちが通っている。
アルフォンヌ先生(アルフォンヌ・ルイ・シュタインベック三世)
声 - 永井一郎
明とミキが通う高等部の教員。その素行にはかなり問題があり、ミキに言い寄ったり、既婚者でありながらアベックに嫉妬したりグラマラスな女性に目を奪われたり、電話ボックスをトイレ代わりにしたりと、気の向くままに行動している。しかしどことなく憎めない人物で、明を手のかかる不良生徒として扱いながら、割と親しく接している。コメディリリーフとしての出番は多く、専用BGMまで製作された。彼の意図なき行為が妖獣の撃破に貢献した事もある。
オンボロなアパートが住居。第10話では妻子が登場。
『マジンガーZ対デビルマン』にポチ校長と共に再登場している。
ポチ校長
声 - 八奈見乗児 / 田の中勇(第8話)
名門学園の校長。小柄で威厳は全くないがアルフォンヌの相方的存在で共にコメディリリーフであった。口癖は「せっかん、せっかん」。アルフォンヌとポチは、永井豪の初期ギャグマンガのヒット作『キッカイくん』のレギュラーキャラクターを設定変更して援用している。
轟紀世彦
声 - 北川国彦 / 大竹宏(第34話) / 山田俊司(第38話)
用務員。学園内の人物としては、やや常識がある人。容姿は『キッカイくん』における主人公の祖父・摩訶フユカイのものを流用している。
東大寺入郎
声 - 山田俊司
明のクラスメート。当初は名も無き眼鏡を掛けたガリ勉タイプであったが後半からはレギュラーとして定着する。暴力は嫌いで当初は明と衝突していた。チャコとは幼稚園からの幼馴染で相思相愛。
千夜子
声 - 坪井章子
ミキのクラスメート。名前は「チヤコ」だが、「チャコ」と呼ばれる。自宅は喫茶店「チャコ」。
桃山ミヨ(ミヨちゃん)
声 - 野村道子
タレちゃんのガールフレンドで少々ませている。牧村家の人々同様、妖獣の被害にあう事も多い。自宅では祖母がタバコ屋を営んでいる。
氷村巌/妖獣ヒムラー
声 - 井上真樹夫
漫画版の飛鳥了に酷似したキャラクター。名門学園への転入生で、何かにつけて不動明に挑発的な態度を取る。明と同様にオートバイを所持している。
その正体は妖獣ヒムラーで、明の監視と妖獣たちの援護が任務であった。明の関係者を利用する事も度々あったが最期は妖獣ヒムラーとして魔将軍ザンニンと共にデビルマンに敗れた。飛鳥了とは異なり、幹部クラスでもない一妖獣で、正体は猫に似た頭部と蝙蝠型の身体を持つ。
ミルク先生
健作のクラスを受け持つ女性教師。グラマーで美人。女子レスリングの元全日本チャンピオンである。第4話と第10話などで登場。
デーモン
魔王ゼノン
声 - 柴田秀勝
デーモン族の長。本作に関してはサタンは未登場で彼が最高権力者となっている。普段は蝙蝠のようなシルエットで登場するが、第10話では頭部に3面、胸部と腹部に2面、頭部に2本の角を持ち、全身を毛に覆われた正体を現した。
魔将軍ザンニン
声 - 増岡弘 /