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バクマン。/小畑健 大場つぐみ 大場つぐみ小畑健 ...

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著者: 小畑健 大場つぐみ 大場つぐみ小畑健 大場つぐみ、小畑健
巻数: 全20巻

小畑健の新刊
大場つぐみの新刊
大場つぐみ小畑健の新刊
大場つぐみ、小畑健の新刊
バクマン。の新刊

最新刊『バクマン。 20


出版社: 集英社
シリーズ: ジャンプコミックス


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

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バクマン。』は、原作・大場つぐみ、作画・小畑健による日本の漫画作品。2008年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載中

概要

『週刊少年ジャンプ』(以下『WJ』)2008年37・38合併号より連載を開始。大場・小畑タッグでの作品は前作『DEATH NOTE』から2年ぶりとなる。漫画家を目指す少年を主人公としており、連載開始号の巻末コメントで大場は「比較的地味な内容になると思う」としている。タイトルは小畑の発案で、「漫画の『マン』を入れたかった」とのこと『QuickJapan』81号掲載のインタビューより。。話数の単位は「○ページ」。サブタイトルは「○○と○○」。

リアル志向
本作では多くの漫画関係の固有名詞が実名で使われている。まず、作中で主人公達が漫画を持ち込む雑誌は連載誌である「集英社の『週刊少年ジャンプ』「7ページ 笑顔と赤面症」『1巻』202 - 203頁。アニメ版においては『少年ジャック』という架空の雑誌となっているが、表紙・裏表紙は実際のジャンプとほぼ(名前以外)同様の物となっている。また、社名も集英社ではなく遊英社である。」であり、『WJ』掲載作品は『ドラゴンボール』「1ページ 夢と現実」『1巻』62頁。・『ONE PIECE』等と多くの作品が登場している。こうした実名は集英社関係に留まらず、『あしたのジョー』(『週刊少年マガジン』講談社)「3ページ ペンとネーム」『1巻』107頁。といった他社の作品も登場している。また、『WJ』で活躍経歴のある漫画家たちの名前も登場する。『WJ』特有のシステムであるアンケート至上主義、専属契約制度についても詳しく説明されており、現実の『WJ』に忠実に沿っている。
登場する編集者の人名も、服部哲(服部ジャン=バティスト哲)、雄二郎(服部雄二郎)、キム(金成圭)、相田(相田聡一)、中野(中野博之)、吉田(吉田幸司)、大西(大西恒平)、そして副編集長の矢作(矢作康介)と瓶子(瓶子吉久)および編集長の佐々木(佐々木尚)と、現実の『WJ』編集部の編集者をモデルにしていることがうかがえる。ちなみに現実の編集者・服部雄二郎も作中の雄二郎と同じアフロヘアー『週刊少年ジャンプ』2008年50号の久保帯人による巻末コメント『よろしく服部さん!(アフロ)』集英社2010年度定期採用HP『2005年入社先輩紹介ページ』麻生周一『ぼくのわたしの勇者学: どきどきクラスチェンジ!』ジャンプ・コミックス、2008年第1刷発行、194頁参照である。
メディアミックス
2010年10月より、NHK教育テレビジョンにてテレビアニメが放送されている。
『マンガ・エロティクスF』及び古屋兎丸とのコラボレーション『マンガ・エロティクスF』vol.54、太田出版、登場人物の描いた漫画を小畑健がポスターとして『赤マルジャンプ』に掲載するなど、『WJ』の中ではかなり異例の作品となっている。
その他
単行本第1巻は、15万部以上を売上げ、オリコンチャート初登場4位を記録した。
宝島社「このマンガがすごい! 2010」オトコ編1位作品。2010年度マンガ大賞では3位にランクインした。
2009年4月17日放送の『サキよみ ジャンBANG!』で特集として取り上げられ、実際の編集部や編集者が放映された。

あらすじ

舞台は埼玉県谷草市、中学3年生の真城最高(サイコー)は、高い画力がありながらも将来に夢を持たず、ただ流されて普通に生きていくだけの退屈な日々を送っていた。そんな最高の叔父は、かつて週刊少年ジャンプに連載し、その作品がアニメ化もされた漫画家川口たろうであったが、連載打ち切りとなり、その後の過労により亡くなった過去があった。

ある日、些細な出来事をきっかけに、秀才のクラスメイトで原作家志望の高木秋人(シュージン)に、「俺と組んで漫画家にならないか」と誘われる。はじめは一緒に漫画を描くことを拒絶していたが、声優を目指している片思いのクラスメイト亜豆美保と、「アニメ化したら結婚する」と約束したことから、漫画家への道を志すことになる。

二人三脚で苦労しながら完成した初めての作品を、偵察がてら乗り込んだジャンプ編集部に持ち込みをした二人は、敏腕の編集者 服部哲と出会い、漫画家としての資質を認められる。そんな二人の前に、同年代で型破りの天才プロ漫画家「新妻エイジ」が現れ、互いにライバルとして切磋琢磨することになるのであった。

登場人物

主人公

主人公である2人は、「亜城木夢叶(あしろぎ むと)」のペンネームで漫画家として活動している。命名は香耶で、「豆と真と高える」という意味が込められている。福田真太が(自称)リーダーを務める福田組の一員でもある。

真城最高(ましろ もりたか)
本作の主人公。漫画の絵を担当。通称サイコー。初登場時の年齢は、中学3年生の14歳。初連載開始時には高校2年生。小柄で、藍色がかった髪をしている。
画力はかなりのものであり、かつては叔父の信弘に憧れて漫画家を目指したこともあったが、小6の時に信弘が亡くなって以来、その夢も捨てていた。だが中学にて、シュージンから「一緒に漫画を描いてくれ」と誘われ、初めは渋っていたものの、亜豆とアニメ化に成功したら結婚するという約束をして真剣に漫画家への道を歩み始めることになる。
恋愛に関しては、携帯小説などの恋愛描写には冷ややかな反応を示す反面、自身はシュージンが引くほどのロマンチストである。
亜豆との約束を早く果たそうと作品の連載化を焦っている節があり、結果 「疑探偵TRAP」の連載中に過労で倒れ入院している。それでも「治療に専念すべき」という周囲の忠告を無視しようとする強情な面があるため、編集部ではトラブルメーカーと思う者もいる。
作画に関してはやや劇画チックな作品を描くのが得意である。その反面、ストーリーを考えるのは苦手でシュージンとのコンビが一度決裂した際には1か月で1つのネームを完成させることも出来なかった。
高木秋人(たかぎ あきと)
もう1人の主人公で、サイコーのクラスメイト。通称シュージン。長身茶髪で黒縁眼鏡をかけている。初登場時の年齢はサイコーと同じく14歳で、初連載開始時には高校2年。音楽好きでヘッドフォンを付けている事が多い。
学校トップの成績を誇るが、漫画家になりたいという夢を持っていて、中学時代にサイコーの絵に惚れ込み、漫画家の道に誘った。
ストーリー及びネームを担当している。反面、作画はド下手なため、本番ネーム等はサイコーに清書を頼んでいる。
少年漫画の王道(ドラゴンボールやONE PIECEのようなバトル中心の作品)から外れたタイプの作品(本作では自虐を込めて“邪道”と呼称)に特に力を発揮する。実際に「この世は金と知恵」は編集部およびエイジからも高い評価を受ける。
2回目の連載作品となるギャグ漫画『走れ大発タント』をサイコーと連載するようになり、高校時代から付き合っていた見吉と結婚した。2人は岩瀬や蒼樹との接触からその仲が拗れそうになったこともあるなど紆余曲折があったが、「次に連載(『走れ大発タント』)が決まったら結婚する」という条件の下、別れずに済んだ。尚この一件で、亜豆と見吉、蒼樹の間に友情が生まれている。

ヒロイン

亜豆美保(あずき みほ)
サイコーの中学時代のクラスメイトで、彼が想いを寄せる小柄な少女。彼女自身も小4の時にサイコーが描いた絵が展示されているのを見た時から彼のことが好きだった。ルックスの良さはシュージンも認めている。非常に恥ずかしがり屋だが、声優志望で、レッスンに通っているプロダクションからは筋が良いとも言われているらしい。美奈という妹がいる。
サイコーとシュージンが描いた漫画がアニメ化したらその声優をし、サイコーと結婚するという約束をする。当初は夢がかなうまで2人の接触は避け、メールで励まし合うだけの関係で通すという条件を付けたが、過労で倒れた時は見舞いに来るなど、積極的にサイコーと接していくようになる。
中学卒業後に八王子市に移った後デビューし、深夜枠のアニメでレギュラーも取れるようになり、順調に声優としての道を歩んでいる。現在は自力でいくつものオーディションを受け続け、端役ながらも声優の仕事は与えられている。
見吉香耶→高木香耶(みよし/たかぎ かや)
サイコーたちの同級生で、亜豆の親友。シュージンに携帯小説の代筆を依頼するなど、少々突飛で短絡的な面もあるが、作中最も等身大のキャラクター。空手とボクシングをしており、運動神経は抜群だが小柄。シュージンに好意を抱いており、強引にシュージンと付き合い始める。
少々短気かつ押しの強い性格であるが、親友の亜豆やサイコーとシュージンを想う気持ちは本物で、サイコーからは「基本いい奴」と言われ、サイコーたちの仕事場にも出入りすることを認められている。
亜城木夢叶を漫画家として成功させることを自分の夢と決め、2人のアシスタントのような形で、炊事や資料整理などに協力する姿勢を見せるようになり、2人が本格的に連載を持った後も、ベタ塗りや雑用などでアシスタント陣に参加している。
仕事部屋を掃除している時に、岩瀬がシュージンにあてた手紙を発見し、さらにシュージンが黙って蒼樹と意見交換をしていた事が原因で彼とのすれ違いが生じるが、彼のプロポーズに同意し和解、「タント」の連載決定を期に結婚する。

漫画家・アシスタント

新妻エイジ(にいづま えいじ)
福田組の一員。『WJ』で10年に1人の逸材と言われている、新鋭の天才漫画家。青森県出身。初登場時は高校1年で、サイコー達より1年上。黒のスウェットに羽ぼうきを何枚も背中に刺した格好が特徴。
6歳の時からペンを握っているためその実力は相当なもので、デビュー前から毎月作品の投稿を行っていた。対人関係にほとんど無思慮、終始「漫画を描く」という世界に浸っている、いわゆる“変人”であり、擬音化された効果音を口走りながら漫画を描く癖がある。
初登場時に連載のために上京する条件として、「自分が『ジャンプ』で一番人気の作家になったら、自分の嫌いな漫画をひとつ終わらせる権限」を『WJ』の編集長に要求する。編集者にも年下の新人である亜城木に対しても丁寧な敬語で接しており、やや慇懃無礼のきらいもあった。担当編集者にJR吉祥寺駅南口に程近いマンションを借りてもらい、執筆を行っている。かなりの速筆であり、ネームは一日、原稿は二日で仕上がるらしい。
自分の作るキャラは考えなくても勝手に動くという「計算しないで描く」タイプの漫画家である。しかし、それゆえに「読者をどんな方法で楽しませるか」などといった計算面での技術は彼の唯一の弱点でもあった。それを福田に指摘されてからは、ネーム作りや担当編集者との打ち合わせも真面目にするようになったという。また、金未来杯で発表された作品の人気順位を正確に当てるなど、他人の漫画を見る目もしっかりしている。
亜城木の作品を「自分には思い付かない」などと高く評価している。年下の2人を「亜城木先生」と丁寧に呼ぶが、しかしながら、漫画家同士の友情と仕事は別物とはっきり割り切っていて、仕事の上においてはあくまでもクールでシビアである。「+NATURAL」の連載開始を福田達に問い詰められた際には「文句は勝ってから言え」と言わんばかりの態度をとった。
福田真太(ふくだ しんた)
福田組の(自称)リーダー。銀色の長髪で、部屋の中でもニット帽をかぶっている青年。広島県出身。初登場時の年齢は19歳。長身である。
高校を出た後、漫画家になる夢を抱いて上京し、夢を実現させるかフリーターで終わるかの「一か八か」の追い込まれた生活環境の中で、アルバイトを掛け持ちしながら『WJ』での連載を目指していたらしい。生活費のためにエイジのアシスタントを長く続けていたこともあり、個性の強い新妻と付き合うことのできる数少ない人物。
短気で怒りっぽく編集者からは生意気な性格と見られているが、面倒見のいい性分のためか、サイコーと新妻からは深く慕われ、蒼樹の面倒もよく見ている。
自分と新妻と亜城木(サイコー&シュージン)および後述の中井巧朗(のちに蒼樹紅と平丸一也も)を合わせて、“福田組”と称し、彼自身はそのリーダーを自負している。「TRAP」休載の際は編集長の一方的な主張に腹を立て、自身が先頭に立って福田組や平丸と一緒に連載をボイコットしたり、性格や価値観がほとんど合わない蒼樹にも漫画表現のアドバイスをするなど度量も大きい。
得意な作風は、過激な描写が多いバイオレンス系のバトル物で、「少年漫画はもっと不健全な作品がいっぱいあってもいい」「PTAを敵に回すくらいの方が面白い」などといった自論を主張している。画力は特別に高い方ではないが、彼の荒々しいストーリーには適している画風らしい。ちなみに、萌え系が好きという意外な一面があり、彼が『ジャンプ』で一番好きな作品は「To LOVEる -とらぶる-」で、「男の漫画だ」と語っている。
中井巧朗(なかい たくろう)
福田組の一員。新妻エイジのアシスタントをしながら連載を目指していた、遅咲きの新人漫画家。秋田県出身。初登場時の年齢は33歳で、初連載開始時は35歳。無精ヒゲの生えた小太りの小柄の男性。
12年にも渡って数多くの漫画家のアシスタントを続けるベテラン。背景画や効果線などを描く技術は一流で、画力・器用さには定評があるが、反面、オリジナルのストーリーやキャラクターを作ることは苦手で、自作のネームも編集部からはまともに見てもらえず、連載を取る夢はほとんど絶望視されていた。しかし亜城木や新妻、福田らと会ったことで刺激を受け、再び連載を目指す。その後蒼樹と組んで初めて連載漫画を持つことになる。
蒼樹に対しては打ち合わせでの初対面時から熱を上げ、彼女に身を挺したアプローチをかけるが、連載終了と共に振られてしまい重度の鬱状態に陥った。しかし目移りしやすく、後に高浜のアシスタント仲間となった加藤に一目惚れし、熱をあげるようになる。
そのせいで再連載の目標を放り投げ、『若葉の頃』連載にあたってのコンビ再結成を提案した蒼樹に対し横柄な態度を取った。その結果、年下好きの加藤に振られた上、蒼樹にも愛想を尽かされた事で自分の言動に自己嫌悪した挙句、高浜の連載終了決定を期にアシスタントも無責任に放り出し漫画家を断念、農家を営む実家を継ぐため故郷へ帰った。
蒼樹紅(あおき こう)
福田組の一員。『WJ』には珍しい女性作家。本名は青木優梨子(あおき ゆりこ)。初登場時の年齢は20歳。 泣きぼくろが特徴の美人で、サイコー曰く「岩瀬(後述)に少し似ている」。東応大学作品世界における日本の最難関大学。同作者の前作品『DEATH NOTE』でも同名の大学が登場している。に進学しており、大学院に進みながら漫画を描いている。漫画家の道が駄目だった時のために、教員免許も取得している。その容姿から男性にアプローチをかけられる事が多いが、恋愛経験は全く無いとの事。
以前は『マーガレット』で少女漫画の読切を執筆していたが「この手のファンタジーなら少年誌でやった方が良い」という編集部の誘いを受け『WJ』に移籍することにした。しかし、画風は少年漫画向きではなかったため、原作者に方向転換し、 大学2年の時にストーリーキングのネーム部門で準キングに入賞している。
性格は生真面目で他人に心を開くのが苦手な故、クールでプライドが高いと見られる事もある(本人も自覚している)。“福田組”、特に福田に対しては抵抗感を持っていたが、彼らとの出会いを通し徐々に内面に変化が現れ始めた。普段は知的な物腰だが、少し天然ボケな一面も目立ち始めている。
シュージンとは『青葉の頃』のストーリーにおける「男性の気持ち」を聞く相談相手で、中井との決別による男性不信のなかでも唯一信頼できる男性として何度か電話をするうちに徐々に惹かれていくも、香耶の存在を知っていたため恋愛感情は自制していた。また福田とも同作のパンチラシーンのアドバイスを受けている。また関係が壊れたとは言え『hideout door』を共に手掛けた中井は、彼女が『ジャンプ』で活動を継続するきっかけを作った人物である。
かつては漫画に対してサイコー達と全く反対の価値観を持ち、亜城木や福田の作品は「少年誌向けではない」と嫌う一方、サイコー達の好みではない間界野昂次の作品を讃美していた。
『hideout door』終了後は、中井とのコンビを解消、少女漫画誌に戻ろうとしていたが、山久に半ば強引に引き止められる形で、少年漫画を一人で描くようになる。
平丸一也(ひらまる かずや)
福田組の一員。『WJ』班長の吉田が担当している異色の新人。極端につり上がった鋭い目をしている、黒い長髪の男性。初登場時の年齢は26歳。世の中に対して屁理屈ともいえるアンチテーゼ的な持論を持っていて、新妻にさえ「変わってて面白い」と言われるほどの変わり者。
元は漫画とは無縁のサラリーマンだった。スクリーントーンも知らないなど、漫画に関する知識は皆無だったにもかかわらず、全くの独力で漫画を描き始め、1ヵ月後に初投稿した「ラッコ11号」がいきなり月例賞(トレジャー)の佳作に入賞、さらに連載に繋げるなど、驚異的な才能を持った天才と言える。
単に嫌いな会社勤めから逃れる手段として漫画を描く道を選んだだけのことで、本人はできることなら働かずに暮らしたいと考えている模様。連載開始後も、予想以上にハードな漫画家生活が嫌になり、仕事場からの逃亡や失踪を繰り返すが、担当の吉田には監視付きで仕事をさせられている。女性に対してはかなりの奥手である。
高浜昇陽(たかはま しょうよう)
港浦が担当している漫画家。初登場時の年齢は19歳。
「TRAP」連載に当たり、港浦の紹介で亜城木夢叶のアシスタントをすることになる。価値観の異なる人には基本的に心を開かず、初登場時は終始無言だった。その反面、信頼した人間には敬意を払うようで高校へ行きながら連載を持っていたサイコー達のことを尊敬していると語り、彼も年下のサイコー達に敬語を使っている。
ウォルト・ディズニーのファンで、彼自身もディズニーのような漫画家になるのが夢だった。強引なところがある港浦のことは基本的にあまり信用しておらず、サイコー達にも港浦をなるべく信用しないようにと助言をしている。初連載だった「B.B.ケンイチ」の連載が終了した後は、港浦に対する不満から、佐々木に対して担当替えの抗議も行なったほどだった。
「タント」連載で再び亜城木のアシスタントを務めるが、編集部との合意の上で打ち切りになった後は、自分も新作を描く意欲を見せる。
静河流(しずか りゅう)
亜城木夢叶が「未来時計」を月例賞に投稿した同じ回に月例賞に投稿してきた新人漫画家。初登場時の年齢は18歳で、サイコー達と同い年。黒髪に黒縁の眼鏡をかけた寡黙な青年。
新妻や平丸に劣らぬ変人で、中2の時から常にカーテンを閉めている自室に引きこもり、ゲームに没頭している。新妻曰く「自己投影型」の作家であり、自分を認めてもらいたいという願望が強く、成功すると調子に乗るタイプ。その反面失敗したり、他人の言葉で傷ついたりすると極度に落ち込んでしまうという非常に繊細な一面も持っている。特に「引きこもり」等の言葉には過剰に反応し、ものすごい形相で相手を睨みつける。ゲームで培われた攻略精神は漫画にも生かされており、担当の助言は素直に受け入れ、作風を素早く適応させようとする。
「人の死」をテーマとするダークな作風が得意なため、才能はあるが『WJ』で連載するには危険過ぎると編集部から敬遠されている。そのため、『月例賞』では応募作が誌面やHPに掲載できない内容だったことから、回避策として特別賞「新妻エイジ賞」を受賞している。
極度の人間嫌いで、初めは担当編集者の山久とも滅多に会おうとせず、インターネットのチャットを通して会話をし、ネームもファックスで送っていた。山久自身も当初はこの方法を貫いて行くことを決めていたが、「True Human」が連載会議で落選した際音信不通になったため、山久が静河の自宅を訪れ、ゲームをやりながら交流を深めていくという手法に切り替えている。その介あってか、山久には素直な気持ちを打ち明けられるようになり、漫画家としての人生を歩み始めることになる。
岩瀬愛子(いわせ あいこ)
サイコー達の中学時代の同級生。シュージンと学年トップを争うほどの優等生だった。美人だが自分の才能を鼻にかけている雰囲気もあり、他の同級生たちからは敬遠されていた。後に東応大学に進学し、秋名愛子(あきな あいこ)というペンネームで小説を書いており、『小説すばる新人賞』を受賞して出版業界の注目を集めつつある。
シュージンに好意を抱いていたらしく、中1の時にシュージンに握手を求めて、シュージンがこれに応じたため、それ以来、自分の告白が受け入れられたものと勝手に思い込んでいた。結局その恋は叶わぬものとなったが、大学に進学した今も彼に対して一途な思いを抱いている。
蒼樹とは同じ大学の先輩と後輩の関係にあたる。大学に進学してからもプライドの高さは変わらず、蒼樹からも敬遠されている様子。新妻からは「2年前(初めて会った頃)の蒼樹さんそっくり」と笑われることもあったのだが、その一方で「自分でやると決めたことは必ずやり通すタイプ」とも評価されている。
自分の本の売り上げが「TRAP」の単行本に遠く及ばないことを知ってもなお、漫画家は小説家よりも劣った職業であると一方的に決め付けているが、シュージンの気を引くため、あえて漫画原作に挑戦する姿勢も示している。
初代担当は亜城木夢叶と同じく服部哲。ネームは書けないためストーリーを手掛けることになったが、その実力と挑戦する意気込みは服部を唸らせた。初めて少年誌向けに書いた原作「+NATURAL」を、新妻がネームにして編集会議に出され、連載権を獲得した。
シュージンが香耶と結婚した後は、担当の服部に対して打ち合わせの度にアプローチをかけている。
間界野昂次(まかいの こうじ)
金未来杯にエントリーしていた新人漫画家。初登場時の年齢は29歳。KOOGY(コージィー)という芸名でミュージシャンをしているが、漫画で連載デビューするために活動休止を宣言した。
歌手だけでなく俳優業でも成功しており、あらゆる面で自らのカリスマ性を発揮したいと考えている野心家。漫画家としての成功は、自分の名声を高めるための一つのプロセスとしてしか考えておらず、亜城木や新妻・福田らのように本気で取り組んでいる様子はない。
マスコミの力を利用して自分の漫画家デビューを大々的に宣伝し、金未来杯ではKOOGYファンからの投票を大量に集めようと画策していたが、実際の読者投票の結果は惨敗であった。しかし『ジャンプSQ』編集長の茨木のお膳立てで『ジャンプSQ』にて「カラフジカル」の連載を開始することになる。
石沢秀光(いしざわ ひでみつ)
サイコー達の中学時代の同級生。当時、他の同級生たちから絵が上手いと評判だったが、その実体は学校の女子を萌え絵のように描いて人気取りをしていただけであり、その上批評家気取りで他人の漫画をけなすため、シュージンは彼を忌避していた。サイコーとシュージンの合作「1億分の」を批判した為、2人とは因縁の関係にある。
その後、サイコー達と同じ八名大学に入学しており、しかも「キャラキラコミック」という漫画雑誌で4コマギャグ漫画を連載していた。蒼樹のアシスタントを務める話も出ていたが、彼女に対して自身の欲望を丸出しにしたことで再び敬遠され、さらに福田が名乗りを上げたことで白紙になった。
小河(おがわ)
亜城木夢叶の2代目担当編集者・港浦が連れて来た、ベテランのアシスタント。初登場時の年齢は31歳。
漫画家の夢を諦めて久しいプロの専業アシスタント(プロアシ)で、チーフとして他のアシスタント達を仕切り、指導も行う。落ち着いた雰囲気の男性だが、仕事には神経質で、仕事に差し支えるような雰囲気を嫌い、自分が仕事をしやすい環境を常に整えている。実は妻子持ちであり、生活費のために他の漫画家のアシスタントも掛け持ちしているとのこと。
かつて漫画専門学校にいた時、ストーリーを作る才能がないと言われて、漫画家の夢には見切りを付け、アシスタント業専門に徹することにしたらしい。そのため「絵は見られても漫画を見る目はない」と自嘲しているが、亜城木夢叶の「疑探偵TRAP」についてはすぐに打ち切られそうだと予想していた。
加藤奈津実(かとう なつみ)
小河・高浜と共に港浦が連れて来た、亜城木夢叶のアシスタント。眼鏡をかけた三つ編みの女性で、初登場時でのアシスタント歴は2年。
住所がサイコー達の仕事場から近いため、「泊まりがいらない」との理由で港浦が連れて来た。アシスタントとしては、特に可も不可もない様子。「TRAP」の打ち切りに伴い、約1年でサイコーのアシスタントを解雇となった。その後、高浜の連載が決まってからは、彼の仕事場のアシスタントになった。実はサイコーよりもずっと年上ながら、サイコーのことを「可愛い」と言い興味を持っていたが、亜豆の存在を知ると素直に身を引いた。後に中井と親密になるも、あくまでアシスタントとして尊敬していただけであり、彼に告白めいた発言をされて以降はさりげなく拒絶する姿勢を見せた。なお、男性は年下が好み。
高浜の連載終了後は、蒼樹のアシスタントとなり、その経験からチーフを任されている。
安岡(やすおか)
福田真太のアシスタント。モヒカン刈りのヘアスタイルが特徴。福田の「自分の下手な絵にアシは何人もいらない」という理由で、福田のアシスタントは彼1人しかいない。そのため、毎週の忙しさに頭を悩ませている。金銭的な報酬にはうるさい一面もあるが、友人にもアイデア出しに協力してもらっているなどやる気は十分にあり、福田とも対等に語り合える間柄になっている。
折原一力(おりはら いちりき)
「走れ!大発タント」期からの亜城木夢叶のアシスタント。手塚賞で佳作をとっており、絵はうまい。よく喋る職場のムードメーカー的存在。

週刊少年ジャンプ編集部

服部哲(はっとり あきら)
『週刊少年ジャンプ(WJ)』の編集者の一人で、亜城木夢叶、秋名愛子の初代担当編集者。2班所属『WJ』の編集部は3つの班に分かれており、3人の副編集長がそれぞれの班をまとめている。。初登場時の年齢は28歳。
「漫画をヒットさせるかさせないかは博打」という考えを持っており、サイコーからは「当たり」の編集者として見られている。亜城木の才能には期待を寄せており、非常に熱心な指導を行っている。2人には経験も必要と考えているが、2人の漫画への情熱、努力ぶりに舌を巻くこともある。
亜城木をよく理解しており、最終的に2人の高校在学中での連載を編集長らに認めさせることに成功した。
2人の連載が決まった時、すでに「ONE PIECE」を含めて2本の連載の担当を任されており1人の編集者が同時に3本もの連載を担当することはできない為、担当中の2連載を中途半端な形で他人へ引き継がせるわけにもいかないという理由で、担当を自分の後輩である港浦に引き継いだ。彼らの作品には口出ししないことを心に決めているが、時おり二人や港浦を諭したり、陰ながら気にかけている様子がうかがえる。
「+NATURAL」の担当として岩瀬や新妻と接するうちに、自分に好意を寄せる岩瀬に対し苦手意識を覚えてしまった。そのためか、亜城木夢叶が「完全犯罪クラブ」を連載することになったのを機に、港浦と交代する形で再び彼らの担当になった。
名前のモデルは、実際の『WJ』編集者・服部ジャン=バティスト哲。顔のモデルは、同じく実際の『WJ』編集者・齊藤優『サキよみ ジャンBANG!』2009年4月17日放送分にて判明。。ちなみに、実際の服部も「ONE PIECE」を担当している『週刊少年ジャンプ』2008年32号、尾田栄一郎の巻末コメント『サキよみ ジャンBANG!』2009年12月4日放送分の「ONE PIECE」特集より。NHK番組「めざせ!会社の星」2010年11月14日放送分より。番組アーカイブページ
港浦吾郎(みうら ごろう)
『WJ』の編集者の一人。服部と同じく2班所属。初登場時の年齢は23歳で入社2年目。服部の後を引き継いで亜城木夢叶の2代目担当および高浜昇陽の担当編集者でもある。
まだ若いながらも口が達者で、サイコー達が考えるよりも先に色々な話をテキパキと進めてくれるが、時折配慮に欠ける言動もある。
経験が少なく未熟であることは本人も自覚しているが、亜城木夢叶にも積極的なアドバイスを行っており、時に感情的になることもある。「疑探偵TRAP」に関して、前担当の服部哲が真面目に念入りな構成を考えていたのに対し、彼はストーリーにもう少し遊びがあってもいいと意見をしている。個人的には“笑い”が多い作品を好み、担当している漫画家にも自分の好きな“笑い”の要素を強引にすすめようとする傾向が見られる。港浦自身としては、自分の担当する連載がなかなか成功しないため、亜城木の次回の連載を何とか成功させて自分の立場を上げなければならないという焦りを持っている。「完全犯罪クラブ」の連載が決まり喜んでいたが、担当替えのときに亜城木夢叶の担当から外れる。
服部雄二郎(はっとり ゆうじろう)
『WJ』の編集者の一人で、新妻エイジと福田真太の担当編集者。中野の班に所属している。初登場時の年齢は26歳。サイコー達の担当であった服部哲とは同姓で、編集部では「雄二郎」と呼ばれている。
新妻エイジを始め福田組を中心に担当しており、彼らの突拍子もない要求に頭を悩ませている。ちなみに新妻の担当になったのは、彼が投稿してきた作品をたまたま最初に手に取ったという偶然から。新妻の常人離れした漫画の才能には全幅の信頼を置きながらも、亜城木夢叶という新たな才能の出現には少なからず脅威を感じていたが、現在では亜城木の不調を気遣っている様子がある。ちなみに、新妻と亜城木が『WJ』編集部で初顔合わせをした時、服部哲はタメ口で雄二郎と会話をしていたが、その後、新妻が本誌で連載を開始してからは雄二郎に敬語を使うようになった(実際の『WJ』編集部でも雄二郎の方が先輩であるただし顔のモデルの齊藤とは同期。コミックス3巻P108にある大場のネームによれば「(実際の)上下関係はわからないから雄二郎が上として会話させている」との事)。
名前のモデルは実際の『WJ』編集者・服部雄二郎で、髪型も実際の雄二郎と同じくアフロヘアーである。
山久雅和(やまひさ まさかず)
『WJ』編集者の一人。港浦よりも1年後輩で、吉田の班に所属している。初登場時の年齢は23歳。蒼樹紅の2代目担当編集者で、静河流の担当編集者でもある。自分の欲望に忠実な性格の持ち主で、目的のためには手段を選ばない強引な所がある。蒼樹の担当も彼自身が強く希望したものである。また、編集長からも警戒されている静河流の担当を自ら希望するなど、チャレンジ精神が旺盛な 所もある。作家へのアドバイスは的確で、シュージンからは「やり手の編集者」と評されている。
静河を引き篭もりから脱却させるために無理に接せず、一緒にゲームをするなどして徐々に心を開かせ、また焦らずに自分からネームを見せてくれるまで粘り強く待ち、その結果静河が自分からネームを見せた際には涙を流しながら「必ず君を売れっ子漫画家にしてやる」と心の中で約束している。
相田聡一(あいだ そういち)
『WJ』の編集者の一人で、服部や港浦が所属している2班の班長。中井巧朗と蒼樹紅の初代担当編集者。初登場時の年齢は34歳。モデルは実際の『WJ』元班長・現『WJ』副編集長の相田聡一。ちなみに、実際の相田は本作の初代担当編集者であった。
普段は辛口らしいが、亜城木夢叶の「この世は金と知恵」には高評価をしており、特にサイコーの画力を気に入っている様子。彼らの作品の出来の良さに驚嘆することも多く、一時期は蒼樹の「hideout door」の作画をサイコーに頼もうとしていたこともあった。蒼樹・中井コンビの担当をしていた時には、中井には信頼を置いていた一方で、蒼樹のプライドの高さに手を焼いていた。同時に若手の熱意や努力を積極的に評価する度量も持っている。なお、彼は“お笑い”が好きであり、自らもギャグ系の連載である「ボボボーボ・ボーボボ」「家庭教師ヒットマンREBORN!」を立ち上げてヒットさせた実績があるためか、港浦が自分の担当作家たちに“お笑い”の要素を強く求めている点についても肯定的な意見を示している。
吉田幸司(よしだ こうじ)
『WJ』の編集者の一人で、山久が所属している班の班長。平丸一也の担当編集者。初登場時の年齢は31歳。左右に分けているロン毛が特徴。モデルは実際の『WJ』班長・吉田幸司。ちなみに、実際の吉田は原作・作画の大場・小畑の前作である「DEATH NOTE」を担当していた集英社採用サイト内『DEATH NOTE』担当編集者への公開質問状
逃亡癖のある平丸を捕まえては、色々な手段を使って平丸を手なずけ、彼のモチベーションを上げている。平丸からは他人行儀に「吉田氏」と呼ばれ恐れられている。亜城木夢叶の直接の担当班ではないものの、個人的には亜城木のことをかなり気に入っている様子。最近では平丸が蒼樹に熱をあげていることを利用し、「今週の蒼樹紅」という名目で班員の山久から引き出した蒼樹の情報を教えることを条件に漫画を描かせている。
キム・ソンギュ
『WJ』編集者の一人。2班所属。モデルは実際の『WJ』編集者・金成圭。おかっぱ頭と細目が特徴。
服部哲や雄二郎に敬語を使っている様子から、編集者としては彼らの後輩と思われる。
中路(なかじ)
『WJ』編集者の一人。山久と同じく吉田の班に所属している。モデルは実際の『WJ』編集者・中路靖二郎。
間界野昂次の担当編集者
『WJ』編集者の一人だが、名前は不明。山久と同じく吉田の班に所属している。他の編集者たちと比べて非常に気が弱く、担当する作家たちのわがままにいつも振り回されていて、編集部内でも影の薄い存在である。
小池(こいけ)
『WJ』編集者の一人。名前のみ登場。モデルは実際の『WJ』編集者・小池均。
中野(なかの)
『WJ』の編集者の一人で、服部雄二郎が所属している班の班長。モデルは実際の『WJ』班長・中野博之。
大西(おおにし)
『WJ』の編集者の一人で、地位は班長。モデルは実際の『WJ』班長・大西恒平。『WJ』編集部の班の数は3つと説明されているにもかかわらず、班長が大西も含めて4人も存在している理由は不明である(作中では相田班・吉田班・中野班が紹介されているが、大西班の紹介はない)。
瓶子(へいし)
『WJ』の編集者の一人で、地位は副編集長。新妻エイジが問題行動を起こした際に服部雄二郎が電話で相談をした副編集長が瓶子だったことから、彼は雄二郎が所属する班の副編集長と推測できるが、後にサイコー達が「走れ!大発タント」の連載をやめたいと言い出した際に港浦が相談をした副編集長もやはり瓶子であった(前記の通り雄二郎と港浦は所属する班が違う)。初登場時の年齢は41歳。モデルは実際の元『WJ』副編集長・現『ジャンプSQ.』副編集長の瓶子吉久。
個人的には新妻エイジよりも亜城木夢叶の方が好みであると評価しており、亜城木の2代目担当者である港浦に対しても、亜城木の将来のためにはあまり突拍子もないことをさせるべきではないと忠告をしている。
矢作(やはぎ)
『WJ』の編集者の一人で、地位は副編集長。モデルは実際の『WJ』副編集長・矢作康介。
作中未登場で、名前のみ出てくる(連載会議の場には瓶子の他に2人の副編集長が出席しているが、どちらが矢作であるかは不明)。服部哲によると、相田班長や瓶子副編集長と同様、亜城木の「この世は金と知恵」を高評価していたらしい。
佐々木尚(ささき ひさし)
『WJ』の編集長。モデルは実際の『WJ』第9代編集長・佐々木尚。初登場時の年齢は46歳。
「面白い漫画であれば連載されるのは当たり前」と公言している、通称"面白さ絶対主義"の持ち主。非常に度量が大きく、連載会議においては、候補作品の本数や作者の経歴等に関係なく、たとえ初投稿者の作品であっても、自分が面白いと判断した作品に対しては「あり(新連載の候補にしてもよい)」の判定を下している。しかしその反面、いったん発言したことは原則として撤回しない主義のため、編集部の中にも彼の強硬な方針に不満を持つ者は少なくないようである。サイコーが過労により倒れた時は一方的に休載を迫り、一時期ジャンプ編集部で物議をかもしたこともある。
川口たろうこと真城信弘が「超ヒーロー伝説」を連載していた当時の担当編集者だった。その後、彼は副編集長を務めていた時、信弘に「戦力外通告」を言い渡しており、それは彼にとっても嫌な思い出になっているらしい。川口たろうの葬儀にも参列していた。サイコー達の投稿時代、『WJ』の専属契約制度について説明をすると同時に、人気が落ちれば容赦なく切り捨てられる漫画家の厳しい実情についてもサイコー達に詳しく教えて聞かせた。サイコーが信弘の甥であることは知っているが、そのことでサイコーを特別扱いはせず、あくまでも将来性のある新人として期待するに留まっている様子である。

集英社の関係者

鳥嶋(とりしま)
『WJ』の出版元である集英社の取締役で、佐々木編集長の上司。モデルは実際の集英社取締役で(「Dr.スランプ」の登場人物、Dr.マシリトのモデルとしても有名な)『WJ』第6代編集長の鳥嶋和彦。
「超ヒーロー伝説」連載当時は『WJ』の編集長だった。同作には、彼をモデルにした「取締マン(とりしまん)」というキャラが登場しており、当時の川口たろうは新年会の場で鳥嶋に「俺を勝手に出しやがって」と首を絞められたらしいが、それは当人たちにとって一種のスキンシップであり、当時の川口に対する彼なりの愛情表現であったとも言える。
それだけに、彼の甥であるサイコーと対面した時には、川口の死について「惜しいことをした」「残念でならない」などと感慨深げに語り、サイコー達の初連載にも格別の期待を寄せて、「可能性は0じゃないと考えるより、可能性は無限にあると考える」「実現したらいいと考えているのではなく、行動し実現させる」という応援の言葉をサイコー達に送った(本人曰く「どこかの映画で言ってた」らしい)。
茨木(いばらき)
『ジャンプSQ.』の編集長。モデルは実際の『ジャンプスクエア』編集長で『WJ』第8代編集長の茨木政彦。
『WJ』の作家を積極的に『ジャンプSQ.』へ勧誘しており、間界野昂次を『ジャンプSQ.』に引き入れた。同時に蒼樹にも声をかけていたが、彼女が中井とコンビを再結成したことで、事実上間界野のみを引き入れたことになる。
谷中(たになか)
『小説すばる』の編集者。『WJ』編集部の服部哲とは一緒に研修を受けた同期の間柄で、岩瀬愛子が漫画の原作をやりたいと言ってきたため、服部を紹介した。

その他の人物

真城信弘(ましろ のぶひろ)
サイコーの叔父(サイコーの父の弟)で、漫画家。ペンネームは川口たろう。故人。享年39。
中学生の時に一目惚れした美雪と結婚したくて、少しでも彼女と釣り合う人間になりたいと考え、漫画家になる道を選んだ。その関係はサイコーと亜豆に似たようなものだったが、彼が漫画家として有名になる前に彼女は別の男性と結婚してしまった。
代表作は、アニメ化もされた『超ヒーロー伝説』。しかし、その後はヒット作が出ず、7年間で連載を2作発表したもののすぐに打ち切りとなり、編集部からも戦力外通告(事実上の解雇)を言い渡されていた。
自分を「漫画家」とは言わずあくまで「博打打ち」と名乗り、サイコーの絵の腕を認めながらも決して「漫画家になれ」とは言わなかった。ちなみに彼は「天才じゃない漫画家の三大原則」として「うぬぼれ」「努力」「運」を挙げている。谷草のマンションの一室に仕事場を持っていた(現在は亜城木夢叶が使用)。仕事場中にヤニの臭いが染み付いている程のヘビースモーカーだった。
甥のサイコーとは異なり、画力は自他共に認めるほど低かったが、彼が描いていたのはギャグ系の漫画だったため、レベルの低い画力でも何とか通用していた模様(ただし、これは謙遜と作品にあわせた画風による誤解で、実際は画力が高かったと同級生は語っている)。『WJ』のアンケートハガキの人気順位では、2位から20位までの順位を全て取ったことがあるが、1位だけは1度も取ることができず、彼はそのことが最後まで心残りだった様子である。
かつて彼の担当だった佐々木編集長の話によると、戦力外通告を言い渡された後も、『WJ』の編集部に、ネームではなく原稿を持ち込んで来ていたらしい。しかし最後に原稿を持ち込んだ5日後、過労のためサイコーが小学6年生の時に他界した。サイコーは「叔父さんは自殺したのではないか」と思っていたが、3年ぶりに信弘の仕事場を訪れ、彼の凄まじい仕事ぶりの跡を目の当たりにしてからは、その考えを改めた。
彼の『超ヒーロー伝説』には、ガモウひろしの「とっても!ラッキーマン」と同様に色々なヒーローが登場するバトルヒーローギャグ漫画で、類似した名前(男のロ・マン→漢の浪マン)や姿のキャラが登場していたり、人気作となりアニメ化もされたが終了後に発表した2つの連載はいずれもすぐに打ち切られるなどの共通点から、ガモウが彼のモデルとも推測できるが、現時点では公式発表はない。
真城昌弘(ましろ まさひろ)
真城信弘の兄で、サイコーの父。弟の信弘よりも2学年上で、中学時代には柔道部の主将だったという。漫画家になった弟の信弘が苦労の末に早世してしまったので、息子のサイコーが信弘と同じ漫画家になることには反対するかと思われていたが、意外にもサイコーの夢に反対だった妻を説得し、サイコーを応援してくれている。彼自身、「あしたのジョー」などの漫画のファンで、漫画家としての信弘を誰よりもよく理解していた。本人は作中に未登場だが、電話を通してサイコーに励ましの言葉を与えた。
真城二三男(ましろ ふみお)
真城昌弘と信弘の父親で、サイコーの祖父。サイコーが漫画家になる夢を家族に打ち明けた時、信弘が使っていたマンションの仕事部屋の鍵をサイコーに与えた。いつかサイコーが信弘の遺志を継いで漫画家の道を目指すことを、以前から予想していた節がある。
真城加代子(ましろ かよこ)
サイコーの母。現実的な考えの持ち主で、息子のサイコーが漫画家になることには反対していたが、夫と義父(サイコーの父と祖父)に説得され、サイコーの夢を渋々認めた。しかし、高校へ行きながらの連載に伴う過労が原因でサイコーが倒れ、長期入院となったのを機に、漫画をやめさせたいと編集長に訴えていたが、漫画に対するサイコーの執念に根負けし、説得を諦めた様子。
亜豆美雪(あずき みゆき)
亜豆美保の母親。旧姓は「春野」で、信弘の初恋の相手。初登場時の年齢は42歳。容貌は娘の美保によく似ており、髪型は縦ロール。
信弘の『超ヒーロー伝説』がヒットする前に別の男性と結婚してしまったものの、実際には信弘とは両想いで、手紙で彼を応援し続けていた。かつて信弘と手紙の交換をしていただけで、心が信弘から離れてしまったことを後悔しているらしく、そのためか、『超ヒーロー伝説』のアニメだけは娘と毎週観ていた。美保には自分と同じ後悔をしてもらいたくないと忠告している。
見吉香耶の父
いかつい顔つきで厳格な印象を与えるが、気前がよくさっぱりした気質の男性。谷草で不動産屋を経営しており、柔道経験者で道場も開いている。真城信弘の同級生で、つまり昌弘の後輩にあたる人物。信弘同様に美雪のことが好きだったが、その気持ちを告白したが振られる。学生時代は「ヨッシー」と呼ばれていた。サイコーとシュージンの漫画家としての覚悟を聞き、シュージンと香耶の結婚を認める。河合その子の大ファンである。

劇中劇

作内に登場した、主な漫画作品を記す。

亜城木夢叶の作品

ふたつの地球
サイコーとシュージンの処女作。もともとのタイトルは「Wアース二つの地球」だったが、シュージンの冗談だったためタイトルから外された。近未来を題材にしたSF系の漫画で、実験の為にコピーされた「二つ目の地球」の人間と、「真実の地球」の人間が戦うという内容。
本来は予行演習代わりに他誌に持ち込む予定だった「ダメ原稿」の候補であったが、サイコーの説得により、本命原稿としてブラッシュアップされた。
ストーリーがノベル調であること、絵がデッサン風であることから、あまりいい評価は得られなかった。これは、サイコーとシュージンがお互いの担当(絵とネーム)に関して口出ししないと最初に決めていたためでもある。担当編集者の服部哲いわく、「漫画としてはダメだけど、よくできている作品」。月例賞(トレジャー)に出されたが、最終選考の1歩手前で落選した。
1億分の
2番目の作品。シュージンが何日も徹夜で考えた多くのネーム案の中から選ばれた。人間がコンピューターで順位付けされる一種のディストピアを舞台とする。
ストーリー、絵柄とも前作「ふたつの地球」より評価が上がり、手塚賞最終選考まで残ったが賞獲得はならなかった。『WJ』連載陣の漫画家の評価は良かったが、編集部の「ジャンプらしくない」という意見で切り捨てられたらしい。もっとも、服部いわく、この評価で賞を取れなかったのは異例だという。
この世は金と知恵
3番目の作品で、やはり近未来を題材にしたSF系の漫画。『赤マルジャンプ』での初の掲載作品となった。この作品から『亜城木夢叶』のペンネームを使うことになる。
人間の脳内情報を携帯端末で売買できる未来世界を舞台とし、文字通り「金と知恵」で頂点を目指す青年・ミストを描いたピカレスクサスペンスで、前作「一億分の」から派生した「コンピューターによる順位付け」の要素も組み入れられている。
少年誌向けではなく、サイコーとシュージンが言うには「少し感じの悪い作品」。しかし、服部はこのストーリーを絶賛し、また新妻や福田からも「面白い」と好評価を貰った。2人はこの作品で読者アンケート1位を目指していたが、集計アンケートのおよそ半分の票をさらって1位となった新妻エイジの作品に敗れ、3位。これを機にサイコーは『WJ』の王道であるアクション・バトルものを手掛けていこうと決める。しかし速報結果では1位をマークした実績があり、それに限っては唯一新妻の作品より上を行った作品であるといえる。
エンジェルデイズ
仮タイトル「私の天使(エンジェル)」
(名前が出ている中では)4番目の作品。金未来杯に投稿した。
王道のバトル物として初めて服部にOKを出された作品。しかし、編集部からは「邪道で行くべき」「教科書通りになっているのが惜しい」などの意見が出て、最終的にはエントリーされず、赤マルに載せられることもなかった。編集部としては、2人が漫画家としてもっと成長してから載せるべきだと判断しての不採用であったことが後に判明する。この作品で、少なくとも2人が編集部全体から将来性を期待されていることが分かった。
疑探偵TRAP(ぎたんていトラップ)
「バトル物に代わる新たな王道ジャンル」として連載化を前提に描いた探偵漫画で、2人の5番目の作品。第6回『WJ』金未来杯エントリー作品。2番手で掲載。掲載された号でのアンケート順位は3位で、得票数は1321票、支持率は76%。得票数に関してはエントリーされた4作品中1位。第6回金未来杯同率1位受賞作品。
サイコーが小学生時代に描いた『サギ師探偵ヒカケ』を下敷きにしたキャラ設定と、もともと推理小説のファンであるシュージンのアイデアの下に生まれた。詐欺師で探偵の主人公が、犯人を罠にはめて捕らえるという設定。
ヒロインのアミは、亜豆がモデルになっている。
連載に向けての服部の作戦の甲斐もあり、福田や蒼樹&中井組の作品を抑え、連載権を獲得した。確かな画力と綿密なストーリー構成から編集部では賞賛の声があとを絶たず、一時は「CROW」と同率の3位まで人気が上がったが、サイコーが病気で入院中休載している間に多くのファンが他誌の作品に移り人気が急落したのが致命的となり、連載再開から間もなくして打ち切りとなってしまった。単行本は全4巻+番外編1巻。
Future Watch-未来時計-(みらいどけい)
探偵物に代わる新たなジャンルとして描いたSF漫画で、2人の6番目