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バケルくん/藤子・F・不二雄

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著者: 藤子・F・不二雄
巻数: 5巻

藤子・F・不二雄の新刊
バケルくんの新刊

最新刊『バケルくん 第5巻


出版社: 小学館
シリーズ: ぴっかぴかコミックス


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

inouekazurou RT @kamenjiro: 8月に藤子・F・不二雄キャラクターズ「フィギュアコレクション歩く!」(全8種+シークレット)という食玩が発売されるようです。春日エリ、バケルくん、モンガーもいる!シークレットが何か気になるところ。 http://t.co/OcCozX2N
P_Kedama 【「パーマン」「21エモン」初の完全版DVDが発売決定】 http://bit.ly/m2JlXR 藤子不二雄は子供の頃よく読んでたし、アニメも観てた。21エモンといえばサツマイモ畑!梅干し食べてスッパッパー!とかバケルくんとか好きだったな #anime #manga

バケルくんの既刊

名前発売年月
バケルくん 第4巻 2007-05
バケルくん 第5巻 2008-01

バケルくん』は藤子・F・不二雄のSF漫画作品、及びそれを原作とするドラマ作品。

概要

小学生・須方カワルが宇宙人から不思議な人形をもらい、その人形に乗り移って姿を変えることができるようになるという日常SF作品。「バケルくん」はその人形のうちの1つ。人形を手に入れて変身できるようになったカワルの日常生活を描く。

アニメ化はされておらず、コミックスも長く絶版になっていたため、藤子・F・不二雄作品の中では知名度が低い。『小学四年生』に掲載された「ドラとバケルともうひとつ」の中の一作で、『ドラえもん』てんとう虫コミックス第9巻に収録された「ぼく、桃太郎のなんなのさ」(ドラえもんとの共演作品)が比較的知られている。「ぼく、桃太郎のなんなのさ」は1981年に映画化されたが、バケルくんは登場せず、ドラえもん単体の作品として作られた。

てんとう虫コミックス(小学館)、藤子不二雄ランド(中央公論社)、ぴっかぴかコミックス(小学館)などから単行本が発行されたが、一部未収録作品があった。藤子・F・不二雄大全集(小学館)で刊行された『バケルくん』では、初めて全作品が収録された。

掲載誌

  • 小学館の学習雑誌
    • 『小学二年生』1974年2月号 - 1975年3月号
    • 『小学三年生』1975年4月号 - 1976年3月号
    • 『小学四年生』1975年4月号 - 1976年3月号
  • 『コロコロコミック』 1977年 - 1978年(再録)
  • 『別冊コロコロコミック』(「新バケルくん」として) 1984年7月号 - 10月号

コミックス

  • 小学館 てんとう虫コミックス全2巻 
    • 2巻の後半は初版以降「ジャングル黒べえ」を収録していたが、「黒人差別をなくす会」の黒人描写問題により、バケルくん未収録作品へ差し替えられた。それ以降はカバーの作者名義が「藤子・F・不二雄」に変更されているのが見分けるポイントである。『ジャングル黒べえ』の項も参照。これによって2巻は「ジャングル黒べえ」収録版は数千円以上の価格が付けられることが多く、また「藤子・F・不二雄」版も発行部数が少ないため入手が非常に難しい。
  • 中央公論社 藤子不二雄ランド全3巻(新バケルくんも収録)
  • 小学館 ぴっかぴかコミックス全5巻
  • 小学館 藤子・F・不二雄大全集全1巻(全作品収録)

あらすじ

ある日、友達と飛行機のラジコンで遊んでいたさえない小学生・カワルは通称「おばけやしき」と呼ばれる薄気味悪い屋敷にラジコンを飛び込ませてしまう。責任を取らされて一人でラジコンを探しに行ったカワルはその屋敷で人形と人間が次々に入れ替わる家族を目撃する。カワルが近くにあった犬の人形を手に取ったところ、自分がその犬に乗り移り自分の体が人形になってしまう。実はこの屋敷にいたのは体を持たない魂だけの宇宙人で、研究のために地球に来ており地球人型の人形に乗り移っていたのだ。宇宙人の目的は研究のみであり、すでに目的を果たしたので自分の星に帰る直前であった。宇宙人はおどかしてしまったおわびとして自分の持つ様々な人形コレクションを屋敷ごとカワルに譲り、UFO型人形に乗り移って帰っていった。以後カワルはバケルくんはじめ様々な姿に変身できるようになる。

人形

人形は鼻がスイッチになっており、鼻を押すことでカワルに限らず誰でも人形に乗り移ることができる。バケルの家族の他にも様々な人や動物の人形も無数に存在し、変身している間はその人形の能力を発揮できる(バケルに変身して運動神経の良さを発揮したり、外国人の人形を使って外国人と会話したり、犬の人形で鋭い嗅覚を発揮したりした)。また、同時に複数の人形の鼻を押すことで複数の人形を同時に動かすことも可能。1人で同時に複数の人形に乗り移った場合、カワルは当初は全ての人形に同じ動きをさせることしかできなかったようだが、後の話では、同時変身している複数の人形がそれぞれ別の動きをしたり別の台詞を話している描写も見られるようになる。

主なキャラクター

須方カワル (すがた かわる)
主人公。力が弱く頭も良くない小学生。宇宙人から貰った人形を使って様々な人・動物などに変身する。下手の横好きで野球を趣味とするが、作中で特訓の成果あって主力打者になっている。
人形をくれた宇宙人
地球を研究しに来ていた魂だけで実体を持たない宇宙人。地球では人形を使って地球人の姿に偽装していた。第1話でカワルに人形を譲り、宇宙へ帰っていった。このとき、自分のことを誰にも言わないとカワルに約束させたことが語られる話が後にあるが、第1話の中にはそういう台詞はない。UFO人形の姿で時々カワルに会いに来る。作中では「人形をくれた宇宙人」と呼ばれるのみで、素性については語られていない(UFO人形は映画『宇宙戦争 (1953年の映画)』のマーシャンウォーマシンがモデル)。
バケ田バケル (ばけた ばける)
宇宙人の人形の1つでカワルが主に使う人形家族・バケ田一家の長男。運動神経抜群。ハートマークの帽子がトレードマーク。
バケ田ユメ代 (ばけた ゆめよ)
バケルの姉。頭が良く美人でスタイルも良いが、運動は苦手。カワルを苛めるゴン太を度々袖にする。
バケ田バケ左衛門 (ばけた ばけざえもん)
バケルの父。体を使うことは苦手。いくらでもお金が出てくる不思議な財布を持っている。このお金は自分の星で採掘したダイヤを売った際に得た紛れもない本物であり、いつも札束単位でお金を取り出している。お陰でカワルが小遣いに困ることは全く無く、空き地を地主から買い取ったり、倒産寸前の出版社を建て直したり、店の商品を買い占めたりしていることも。
バケ田オボロ
バケルの母。優しい。家事全般が得意。
バケ田トロン
バケ田家の犬。とても鼻がきく。
カワルの父
丸の内の会社に勤める係長。上司に気に入られており、課長昇進も約束されていた(本編で実現はしていない)。家事は苦手。
カワルの母
専業主婦だが、内職をしている。勉強をしないカワルへの小言が多い。
ユミ子
カワルの同級生。周りからはユミちゃんと呼ばれている。バケルのことが好きで、彼の頼みなら絶対に断らない。その一方でカワルに好かれており、バケル - ユミ - カワルの三角関係になっている。当然だが、バケルがカワルである事には気づいていない。また、ユミ子自身、カワルへの好意はさほど持っていない。
ゴン太
ガキ大将。カワルの入っている野球チームの監督で、野球に情熱を燃やす。かなり男らしい面もあるが、普段はカワルを苛めている。ユメ代のことが好きであり、彼女の言うことなら何でも聞く。父親は不動産屋。
ホー助
ゴン太の野球チームに入っている。ゴン太の子分。茶色い髪。

ドラマ版

藤子不二雄のバケルくん』(ビデオリリース時『藤子不二雄名作シリーズ4 バケルくん』)。1987年5月4日、フジテレビ系列の月曜ドラマランド枠内でドラマ化された。

アイキャッチでバケルとトロン(犬)のアニメーションが流され、そのパートが本作唯一のアニメ化となっている。

原作との相違点

  • カワル・バケルが男性から女性に変更されており、それと同時に名前がカワルからかわりに変更されている。

スタッフ

  • 演出:大黒章弘・鈴木雅之
  • 脚本:奥津啓治
  • 企画:久保田栄一、大黒章弘
  • プロデューサー:石川泰平、塩沢浩二、菅野てつ勇
  • 演出補:木下高男
  • 制作補:船津浩一
  • 制作進行:石井勝浩
  • 技術協力:バスク
  • アニメーション制作:スタジオぎゃろっぷ
  • 制作:フジテレビ、共同テレビ、スタッフ21

キャスト

  • 須方かわり/バケ田バケル(二役):畠田理恵
  • バケ田バケ左衛門:荒井注
  • バケ田星子:松金よね子
  • バケ田ユメ代:鳥越マリ
  • 姿こう平:野々村真
  • 姿良一:東八郎
  • 姿タマ子:谷啓
  • 沢河岸先生:高田純次
  • 八代新助:小宮孝泰
  • 八代フミ子:白石まるみ
  • 泥棒・黒川:ベンガル
  • 泥棒・白山:綾田俊樹
  • 山下みどり:大塚真美
  • 杉下刑事:成田勝
  • 姿麗子:宮園純子
  • 警察官・今村:石井洋祐
  • 小形クニ夫:小田進也(パワーズ)
  • 大木井ゴン太:須間一也(パワーズ)
  • 沢河岸京子:中村幸子
  • 轟裕子:松尾久美子
  • 山野洋子:はるな友香
  • 黒い影:藤井敏夫
  • エキストラ:劇団ひまわり、劇団いろは、コスミック
  • アクション:橋本春彦
  • 振り付:池田和也

主題歌

  • エンディングテーマ:畠田理恵「ソノ気にさせて」(作詞:文園千津子、作曲:鈴木慶一、編曲:かしぶち哲郎)
  • 挿入歌:畠田理恵「ココだけの話〜オフレコ〜」