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バリバリ伝説/しげの秀一

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著者: しげの秀一
巻数: 4巻

しげの秀一の新刊
バリバリ伝説の新刊

最新刊『バリバリ伝説 WGP第4戦スペイン編


出版社: 講談社
シリーズ: KPC


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

Awabikun_04 RT @notaatama: イニシャルDやMFゴーストとかしげの秀一の書いた中でバリバリ伝説って言う漫画知ってる人RT https://t.co/NgNa3jbqqw
Manga_Z_ 『MMR』や『コータローまかりとおる!』や『バリバリ伝説』など懐かしのタイトルも!/『少年マガジン コミックス』最強電子コミック公式アプリをiPhone、iPadで配信開始! http://t.co/aCiOyfgZ
asariyositotter RT @kyomad_LRRP: FSS、FOOL for THE CITY、宇宙家族カールビンソン、究極超人あ~る、HELLSING、BANANA FISH、TRIGUN、エアマスター、キリン、バリバリ伝説 #好きな漫画10冊晒して全部被ったら結婚
KTetsuro あー!万人ウケバイク漫画、ありましたね!両方とも大好きです。RT @sirons2: でも過去に「バリバリ伝説」や「あいつとララバイ」とか化け物的なのもあったりするのがある意味悲しいです。
kannka バリバリ伝説 に★をつけました! http://t.co/38izb5GP #comicab #comic #manga

バリバリ伝説』(バリバリでんせつ)は、週刊少年マガジンで1983年から1991年まで連載されたしげの秀一の漫画、およびそれを原作としたアニメ。通称バリ伝

概要

  • 4人の高校生とバイクレースを主体とした青春漫画で、後の「頭文字D」と多くの共通点が見られる作品である。
  • 第1部は公道でのレースがストーリーの中心で、ただそういった無軌道な走りに警鐘を鳴らすようなエピソードも盛り込んではいる。
  • 第2部以降は一転、サーキットが舞台となる。第2部では全日本ロードレース選手権、第3部ではロードレース世界選手権シリーズ(WGP・現MotoGP)が舞台となり、最後は当時のGP500クラス(現MotoGPクラス)でシリーズチャンピオンを決め、連載は終了した。
  • 主人公のガン・ボーイ(仲間にはグンと呼ばれる)こと巨摩郡の、転倒を恐れない攻撃的で切れ味鋭い痛快なライディング姿は、後に1990年代から現在にかけて、ロードレース世界選手権シリーズで活躍する日本人ライダーの活躍を先取りした形になり、彼等にも大きな影響を与えている。特に中野真矢はグンの大ファンで、現役当時はMotoGPやスーパーバイク世界選手権でグンのゼッケン・56を選んで参戦していた。
  • WGP編ではロン・ハスラムやエディ・ローソン、ランディ・マモラといった当時の現役ライダーや、ジャコモ・アゴスチーニ、ケニー・ロバーツといった当時のチーム監督ら、実在する人物も多数登場している。ちなみにグンが乗るホンダ・NSR500について、シーズン前半は前年フレディ・スペンサーが走らせていたものの発展バージョンを使用しているという記述が見られるため、年代設定は1987年頃と見られる(なお作中にスペンサーは登場しない)。
  • 1985年(昭和60年)度、第9回講談社漫画賞少年部門受賞。
  • 漫画の中で主人公が着用しているレーシングスーツは実在のメーカーのJレーシングプロジェクト製(JRP)である。デザインはJRPの代表である佐藤順造が現役時代(~1988年)に着ていたデザインである。レーシングスーツは巨摩郡レプリカとして販売され、ヘルメットも販売されていた。ヘルメットは現在もJレーシングプロジェクトで「グンヘル」として販売されている。

登場人物

第1部より登場

巨摩 郡(こま ぐん)
主人公。第1巻時点では高校2年生。作中では「グン」とカタカナ表記されることが多い。秀吉からは背が高いことから「ノッポ」と呼ばれていた。父はアメリカでビジネスマンとして成功したが、その父に反発してか日本で高校生にして一人暮らし。(ただしバイクに使っているお金などの遊興費を含めた生活費は父が負担している様子)
そのライディングスタイルは極めてアグレッシブかつクレイジーで、行きつけのバイクショップの常連に『はやいなんてもんじゃないですよ。ありゃオニですよ!』と言われるほど。当初は峠でオートバイ(ホンダ・CB750F)を飛ばすのが趣味の一高校生に過ぎなかったが、美由紀の誘いでサーキットでのレースに参加するようになり、鈴鹿8時間耐久ロードレースのサポートレースである鈴鹿4時間耐久ロードレース(鈴鹿4耐)にスズキ・GSX-R400で、市川の指示でイヤイヤながらも聖秀吉とのコンビを組み(ただし、レース本番中に互いのライディングがなければトップグループに残れなかった事を理解し、和解した)優勝。その後もレースへの情熱はそれほど大きいものではなかったが、秀吉の峠での事故死を契機に本格的にレースの世界にのめりこむ。
第2部では工業系の大学に進学しつつ、全日本ロードレース選手権・250ccクラスで参戦して、初年度にしてチャンピオンを獲得、WGPへステップアップする。愛車はホンダ・CB750Fが盗難されたため、ホンダ・NS400Rに変わり、普通自動車免許を取得し叔父から借りたマツダ・RX-7(FC3S)も乗りこなす。
第3部(WGP編)では海外のファンから「GUN」というローマ字表記から「ガン・ボーイ」と呼ばれるようになる。
伊藤 歩惟(いとう あい)
ヒロイン。第1巻時点では高校1年生。
当初は単に「オートバイを乗り回す姿がかっこいい」という理由だけでグンたちにくっついていたが、グンたちが本格的にレースに参戦するようになるとチームの一員として帯同するようになり、グンと交際するようになる。
第2部のラストでグンと婚約し、第3部では婚約者としてグンと共にWGPのレースを転戦。HRCのムードメーカー兼マスコット的存在となった。
聖 秀吉(ひじり ひでよし)
第1部の重要人物。第1部途中で関西から転校し、グンたちと同じ高校に通う一方、グンと「ウサギとカメ」と題した峠での追い抜き競争で腕をきたえる。そのライディングスタイルは非常にステディかつシュアであり、グンとは好対照。初めのころグンは洗練された走りの秀吉に、勝つことができなかった。しかし秀吉はすぐにグンの底知れぬ天性と可能性を感じ取っていた。愛車はスズキ・GSX750Sカタナ。自称「裏六甲のウンチーニ」。
中学のころに交通事故で両親を亡くし、妹と二人暮らし。生活費については事故相手の会社の社長から援助を受けていた。その関係で「早くプロのレーサーになって、自らの力で家計を支えたい」という志向が強く(特に耐久レースへの思いが強かった)、グンや美由紀が鈴鹿4耐参戦のためのチームメイトを探していることを聞きつけると、美由紀らの前で土下座してチーム入りを懇願。仲の悪かったグンと組むことが決まっても、即座に拒絶反応を示したグンと違い、レースに勝つためには当然のことと受け入れた。その結果グンとのコンビで鈴鹿4耐に参戦し、途中他のレーサー等の妨害に遭いつつも見事優勝、グンとのいがみあいも解消し、来シーズンのステップアップも内定していたが、久々にグンと共に峠に走りに出かけたところ交通事故に遭い死亡。
その後は作中には登場していなかったが、第3部のクライマックス直前で重要な役割で登場する。
一ノ瀬 美由紀(いちのせ みゆき)
グンたちの高校での同級生。実家は大企業を経営しており、父親のバックアップを受けて高校生によるレーシングチーム「イチノセレーシングチーム」を結成する。腕も相当なもので、当初はグンも彼女から技術を吸収していた。公道での愛車はホンダ・VT250F。
はじめはグンに片思いだったが、鈴鹿4耐後に比呂の想いを受け入れ、交際している。
沖田 比呂(おきた ひろ)
グンと同じ高校に通う親友でバイク仲間。八百屋の息子。ノリの軽いお調子者だが、グンほどの走りの才能が自分に無いことをコンプレックスに思っている。しかし『4耐出場のトレーニング期間で、もっとも成長したのは比呂』と市川に評価された。美由紀にずっと片思いだったが、鈴鹿4耐のあと相思相愛に。愛車はカワサキ・Z400GP。
市川(いちかわ)
イチノセレーシングのベテランメカニック。元中学校の教師。初めてグンの走りを見て、「このままでは君はバイクで死ぬことになる。もっと考えて走れ」と苦言を呈した。美由紀のことを「お嬢さん」と呼ぶ。 メカニックとしては4サイクルエンジンのスペシャリストであり、ゆえに第2部中盤からチーフメカを島崎にバトンタッチする事になった。
太田 信一(おおた しんいち)
イチノセレーシングのメカニック。第3部では島崎のもとにつきWGPを転戦しグンのTカーを担当する。第2部以降登場機会が少なくなった比呂の代わりとして、主にコメディリリーフ的な役割を担当する。愛車はヤマハ・FZ400R。

第2部より登場

星野 アキラ(ほしの あきら)
グンのライバルの一人。シーズン開幕当初は若手ライダーの一人に過ぎなかったが、グンにあこがれその走りをまねようと試行錯誤するうちに頭角を現し、ライセンスはグンと同じ国際B級ながらもヤマハのワークスライダーとなり、グンの前にライバルとして立ちはだかる。
第3部では全日本ロードレース選手権のタイトルを独走で勝ち取り、アメリカGPの250ccクラスにテスト参戦するが、WGPのライダーのレベルの高さの前に打ちのめされていた。
島崎 浩一(しまざき こういち)
第2部途中より登場するエンジニア。特にエンジンチューニングに才能を発揮し、限界までピークパワーを搾り出すセッティングを得意とするが、それ故にエンジン特性がピーキーとなり扱いづらくなるため、なかなかその才能を理解してくれるライダーに巡り合えなかった。グンと出会ったことで初めて自分のセッティングを理解してもらえる環境に巡り合え、第3部でも引き続きエンジニアとしてマシンセッティングを担当する。元はWGPにプライベート参戦するライダーだったが、エンジン焼き付きによる大クラッシュで引退に追い込まれた過去を持っている。
荻野目 誠(おぎのめ まこと)
イチノセレーシングでグンのチームメイト。全日本ロードレース選手権では中堅どころのライダーとして実績を積んでおり、当初はポッと出の新人であるグンを見下すなど尊大な態度をとっていた。しかし、後にアキラが台頭してきた際には「グンの方が才能では遥かに上」としてグンを評価するようになっている。一度フリー走行でグンのマシン(シマザキスペシャル)を借りた際にクラッシュしグンに迷惑をかけたことから、最終戦でグンと歩惟がトラブルに巻き込まれた際には自分のマシンセッティングの時間を犠牲にして代わりにグンのマシンのウォームアップを行うなど、「借りは必ず返す」という義理堅いところも見せている。ライダーの収入だけでは生活が成り立たないらしく、普段はタクシー運転手としても働いている。
ヨーコ
ある意味で第2部の最重要人物。元々は鈴鹿サーキットクイーンの一人だったが、鈴鹿4耐の表彰式でグンに冷たくあしらわれたことを根に持ち、グンを追っかけるようになる。次第にそれはグンに対する恋愛感情へと変化するが、既に歩惟と交際しているグンには全く相手にされない。しまいには取り巻きの不良たちを使って、全日本ロードレース選手権・最終戦の決勝前日に歩惟を拉致するが、目論見と異なり歩惟を救出すべくグンが駆けつけたため、グンの気持ちが自分ではなく歩惟に向いていることを確認しグンをあきらめる。『あの足に惚れた』というエピソードは、作者のしげの秀一が交際・結婚した速水翼に対するものから。
カルロス・サンダー
前年にWGP250ccクラス参戦1年目でチャンピオンとなったことから、500ccクラスにステップアップしロスマンズ・ホンダのワークスライダーとして参戦。この年の鈴鹿2&4レースに出走するため来日したおりのテスト走行時にグンと初めて出会う。最終戦の鈴鹿で再来日、500cc及び250ccクラスにダブルエントリーし250ccクラスでグンと対戦する。第3部でもロスマンズ・ホンダのワークスライダーとしてWGP500ccクラスに出走する。

第3部より登場

ラルフ・アンダーソン
第3部におけるグンのライバルである天才ライダー。「キング・ケニーの秘蔵っ子」として、チーム・ロバーツ(マシンはヤマハ・YZR500)よりシーズン途中の第3戦イタリアからWGPに参戦。急激に頭角を現し、グンとGP500クラスのチャンピオン争いを展開する。エリート選手らしい傲慢な面を見せ、グンとは犬猿の中だがグンの才能は認めており、コース上ではフェアなバトルを展開している。亡き母の容姿を意識し、長く伸ばした金髪を後ろでまとめているのが特徴。
梅井 松夫(うめい まつお)
HRC監督。グンに対してはいつも憎まれ口を叩きつつもその才能を評価しており、第8戦イギリスでニューマシンを投入する際、グンだけに他のワークスマシンとは方向性の異なるチューニングが施されたNSR500を供給するなどの便宜を図り、ロスマンズ・ホンダ陣営と揉めごとになった。グンをかばい切れなかった際の涙ながらの謝罪、出場停止の制裁を下したWGPプロモーターに対する激しい抗議などで、次第に信頼を得ていった。また歩惟のことをかなり気に入っており、グンと歩惟が初夜を迎えたことを知ったときには尋常ではない落ち込み方をした。モデルは連載当時ホンダF1総監督であった桜井淑敏と、同じくHRC監督だった福井威夫。

ストーリーにからんだ実在の人物

吉村秀雄(ポップ吉村)
聖秀吉の、グンのバックアップに徹するライディングを見抜いた。秀吉が事故により死亡しなかった場合、翌シーズンの自チームのライダーとして秀吉を迎える予定だった。
ケニー・ロバーツ
現実通り、チーム・ロバーツの監督として登場。グンの属するホンダ勢のライバルであるヤマハ勢の重鎮として、フィクションにリアリティを与える存在として描かれた。
エディ・ローソン
グンの危険性の高い走行に巻き込まれ負傷するも、それを非難しグンに詰め寄る観衆を諌めるなど、器の大きな人物として描かれた。
ロン・ハスラム
歩惟に言い寄り、グンの初勝利を祝う宴にちゃっかり紛れ込むなど、フレンドリーな人物として描かれた。挑戦欲を喪失したグンを奮起させるためチームの方針に反し全力勝負を挑むなどの重要な役割も。

アニメ

1987年に製作されたオリジナルビデオアニメ。同年8月に日本ヘラルドの配給で劇場公開される。併映作品は同じ週刊少年マガジン連載の「あいつとララバイ 水曜日のシンデレラ」.

登場人物(声の出演)

  • 巨摩郡(こま・ぐん)(声:田中秀幸)
  • 伊藤歩惟(いとう・あい)(声:荻野目洋子)
  • 聖秀吉(ひじり・ひでよし)(声:中尾隆聖)
  • 一ノ瀬美由紀(声:戸田恵子)
  • 沖田比呂(声:二又一成)
  • 知世(声:平松晶子)

スタッフ

  • 製作:加藤勝久
  • 企画:平賀純男、内田勝
  • プロデューサー:五十嵐隆夫、鈴木良平、布川ゆうじ
  • 脚本:渡邊由自、渡辺麻実
  • 演出:上村修、池上誉優
  • 作画監督:古瀬登
  • 音楽:新田一郎
  • 録音演出:斯波重治
  • 制作:スタジオぴえろ

ゲーム

  • バリバリ伝説(FM-7用ソフト・ポニカ・1985年)
  • バリバリ伝説(PCエンジン用ソフト・タイトー・1989年)

パチスロ

  • バリバリ伝説(平和)

エピソード

1979年7月、(社)御殿場青年会議所(御殿場JC)が周辺道路の渋滞、富士グランチャンピオンレース(富士GC)観戦の暴走族が周辺で集会や暴走行為を繰り返す環境の悪化による青少年への影響、省エネ時代にそぐわないことを理由に富士スピードウェイの廃止、転用を静岡県に陳情した。これにより、サーキットを廃止しゴルフ場などのレジャーランドへの転用が発表される事態となった。モータースポーツ業界は「日本モータースポーツ振興会」を立ち上げ、廃止に反対の立場を表明したため動きがなくなるが、1984年再び廃止転用の動きが表面化し、1985年スピードウェイの親会社である三菱地所がサーキットの廃止について言及する。レース業界は更に「FISCO廃止問題連絡協議会」を立ち上げ、大御神レース村ガレージや選手会も参加し、一般レースファンへのPR活動などを活発に行い、レース関係者が激しく反対運動を展開した。しげの秀一は『バリバリ伝説』(『週刊少年マガジン』)のタイトル頁で、主人公巨摩郡が「FISCOなくなったら困るぜ!みんなで反対しよう!」と呼びかけるかたちで反対運動に賛同した。1986年1月、地権者である富士スピードウェイ協力委員会が反対の意を示し、連絡協議会主催により東京でシンポジウムが開催され、神田から丸ノ内の三菱地所まで東京都内をデモ行進した。同年6月、小山町長に三菱地所から廃止問題についての地権者との調停依頼があり、同年7月30日、廃止問題は白紙とする旨の小山町長の裁定が下され、存続が決定し廃止騒動は収束した。1富士スピードウェイの歴史-F1日本グランプリ開催と廃止騒動-』静岡県立中央図書館発行

脚注

外部リンク