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パサラちゃん/竹田エリ

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著者: 竹田エリ
巻数: 2巻

竹田エリの新刊
パサラちゃんの新刊

最新刊『パサラちゃん 2



パサラちゃんの既刊

名前発売年月
パサラちゃん 1 2002-07
パサラちゃん 2 2008-07

パサラちゃん』は竹田エリの4コマ漫画作品である。週刊ヤングジャンプ増刊「別冊ヤングジャンプ」1号 - 14号、週刊ヤングジャンプ増刊「漫革」(いずれも集英社)12号(平成9年(1997年)) - 62号(最終号。平成20年(2008年))にかけて連載された。単行本は全2巻を予定。

概要

竹田エリ独特の可愛い知的な描線で、殺伐とした人間関係の砂漠のような乾いた笑いの世界を描く。

パサラちゃんは、幼稚園に通う女の子。彼女は性格は普通だが、顔は父親似でちょっと怖い。それでも、彼女の実家は大金持ちである。しかし、稼業は巨大犯罪らしい。実家では奇怪な生物が発明されたり、幼稚園の親友も大金持ちの娘だが性格が変だったりする。異常な環境の中でパサラちゃんは元気に生きていく。

主な登場人物

園児

舞台となる金銀砂子幼稚園は『私立T女子学園』で星屑きららと田中小夏(両者ともに大金持ち)が通っていた。このことからも、お金持ち向けの幼稚園と解かる。

パサラちゃん
主人公の女の子。髪はオカッパ。小さなリボンをしている。巨大な目は三白眼。
病気のため2ヶ月遅れで、私立金銀砂子幼稚園に入園した。この幼稚園は、かなり金持ちでないと入園できず、お友達もお金持ちの子ばかり。彼女は顔は父親似で怖い顔をしているが、性格はまとも。ちょっと人見知りするところが有り、おとなしい性格である。親に連れられて世界中を旅行したり豪勢な幼児期をすごす。親友は奇人ばかりだが、なぜか友情は続いている。頭が異常に重く、水に浮くことが出来ない。
マチコちゃん
髪は縦ロール。目はパッチリしており、美少女タイプ。
パサラちゃんの一番の友達。家はボロ家に見えるが、実は豪邸。税金対策のカムフラージュらしい。悪の道を学ぶのに熱心で、自分の敵には容赦しない攻撃を加える。口は達者で先生も言い負かしてしまう。
カンナちゃん:空木(うつき)カンナ
女の子。まるで無表情。髪は左右に不思議な形で束ね、ヘアバンドをしている。
パサラちゃんの友達。マチコちゃんと3人でよく遊んでいる。「嘘つきカンナ」の名で有名らしい。嘘つきというより、「庭の四隅に死体が四つ」というように、グロテスクな突拍子も無い話をいきなり語りだす変人。人に恨みがあっても表情には出さないが、のろいの文句を口ずさむ。コンピュータを使いこなし、警視庁のコンピューターにハッキングも出来る。家はやはり大金持ち。
可愛獰猛(かあいドーモ)
男の子。かわいくて、やさしくて、おっとりしていて園内のアイドル。気は弱く、すぐ涙ぐむ。マチコちゃんがライバル視して、可愛さの勝負をするが、男のドーモのほうが勝ってしまう。マチコちゃんは復讐のため、ドーモの靴に画鋲や釘を入れるが、ドーモは鈍いので痛痒を感じない。パサラちゃんですら嫉妬することがある。

パサラちゃんの家族

パパ
パサラちゃんとそっくりの顔。間違いなく親子である。典型的なギャングのボスの容姿・ファッションをしている。大金持ちだが、その収入は巨大犯罪によるものらしい。彼が取引をやめれば終わる戦争は五つ六つ有るらしい。金の力で全てを解決してしまう。しかし、娘は溺愛している。
『私立T女子学園』の98話に登場し、星屑きらら(『私立T女子学園』の登場人物)の父と野球の試合をしている。パパは星屑きららの叔父にあたるらしい。
ママ
美人。金の亡者。財産目当てでパパと結婚した。世間でいうところの“小悪魔”。パサラが「ママみたいにきれいに生まれたかった」と言うと、「ママは美で金を作ったからパサラは金で美を作ればいい」と教える。パパと同様金で全てが解決できると思っている。金を語るときは目の輝きが変わってくる。
オドロキ博士
肉親ではないが、屋敷内にすんでいる研究者。普段は笑顔を振りまき愛想も良いが、実はパサラちゃんの両親に匹敵するぐらいの悪党。時折その腹黒い本性を現す。研究内容は秘密らしいが、バイオテクノロジーが専門のようで、次々と新生物を作り出す。新生物たちはパサラのペットになったり、金銀砂子動物園で飼われ、園児を食べたりしている。
博士の実験牧場には首の長い象や羽の生えた飛ぶ亀などが居り、パサラちゃんの動物に対する一般常識を混乱させている。

先生など

園長先生
男性。一見渋いロマンスグレーの初老の紳士。実は、パサラのパパと精神的には同族で、賄賂の類を平気でもらい、その尻拭いを部下の先生たちにさせる。しかし、部下の収賄は許さず宅配便のアルバイトをしてまで、彼女等の収賄に目を光らせている。闇収入は多額に登るはずだが、先生たちへの給料の支払いは渋い。どんな非常事態が起きても、表情は変えない。
担任の先生
女性。セミロングのストレートヘアを後ろで束ねている。
物語中一番まとな人格の持ち主の一人。仕事も真面目にする。しかし、園児たちがあまりお金持ちで、特に休みの過ごし方の貧富の差を見せ付けられ、そのたびに屋台でやけ酒を飲む。お金持ちの父兄から届く夏のお中元を楽しみにしていたら、園長が宅配便のバイトで届けに来て、受け取ることができず断腸の思いをする(受け取ると懲戒解雇される)。カンナちゃんが見た怖い夢の話を聞いて戦慄し、恐怖のためその晩は友達(同僚)の家に泊めてもらったことがある。もっとも同情をさそうキャラクターである。

変な生物

モラン
オドロキ博士の作った新生物。オランウータンとセイウチを合成して人魚にしようとして出来てしまった失敗作。喋らないが字を書くことはでき、ダンスも踊り、体から緑色の変な物体を出す。水を吸収すると膨張し巨大化する。体が餅のように伸びる。
ヂッパー(正式名称:モラン108号改ワニ型)
モラン同様、博士が作った新生物。ワニの形をしている。全長3メートル。パサラが拾って来て飼おうとしたが、実は研究室から脱走したモノだった。改めて、パサラちゃんの家のペットとなるが、いつの間にか、幼稚園の池に住み着いてしまい、園児を食料にしている。入園予定者の保護者説明会では見学者を戦慄させ、多くの入園辞退者を出した。
モラン202号
モランシリーズの新生物。巨大な芋虫のような形をしている。詳細は不明。

特別出演

『私立T女子学園』のメインキャラクター5人娘
単行本1巻巻末の特別編に登場する。そこでは、星屑家とパサラちゃんの家は家族ぐるみの付き合いをしているように描かれている。パサラちゃんは星屑きららが好きなようであるが、星屑の父はパサラの父にいいように利用されているようである。