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ヒットエンドラン/あや秀夫

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著者: あや秀夫
巻数: 3巻

あや秀夫の新刊
ヒットエンドランの新刊

最新刊『ヒットエンドラン v.3


出版社: 講談社
シリーズ: 講談社コミックスDX


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

d_manpuku @kmakra エロすぎてびっくりしてたらすぐ月刊の方にお引っ越ししてしまったのでまさにヒットエンドランというかなんというか。
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ヒットエンドランの既刊

名前発売年月
ヒットエンドラン v.1 2000-07
ヒットエンドラン v.2 2000-07
ヒットエンドラン v.3 2000-07

ヒット・エンド・ラン』は、『週刊少年サンデー』(小学館)で連載されていたあや秀夫の漫画作品。またそれを原作としたテレビアニメ。全13巻。

あらすじ

主人公の遠藤蘭は稲葉中学野球部のキャプテン。この野球部はとんでもない弱小チームで、先輩の三年生が抜けてからというもの1勝どころか1点も取れていない。守ればエラーにトンネルは当たり前、打席に立ってもボールがミットに入ってからバットを振る始末。観客に大笑いされて馬鹿にされる試合を続けていた。そしてついに先輩や先生からも見放され、野球部は解散を迫られることに。でもせめてあと1試合、最後の試合だけは笑われない試合をしたい…地区大会1回戦、シード校の光陵中学へと挑む。

稲葉中野球部キャプテン時代から、転校、進学をしつつ蘭が成長していく姿を描いてあるが、 むしろ、この作品において、最も重要なキャラクターが登場するのは、転向先の関中学校(一応、野球部は名門という設定)においてである。

そこで、主人公の蘭は、可憐な美少女麻野久美子と出会う。久美子のあどけなくも一途なアプローチによって、いつしか奥手の蘭にもほのかな想いが生じるが、実は、この2人は、あまりにも汚れなく純粋であり、思春期の恋というより、お互いがまだ片思いをしていると言ってもいい。それほどピュアな「恋」なのである。

ここで「野球」と「純愛」という2つのテーマが醸し出されるが、ドラマは意外な展開へと進み、麻野久美子は、不治の病によって入院してしまう。 恋愛ドラマとしては、時代錯誤とも言えるほど古典的なのだが、作者あや秀夫は、まるで自身の青春時代を振り返り、その願いを刻み付けるかのように、読者の心をとらえて離さない作品に昇華させた。 数ある野球マンガの中において、それは、水島新司の野球マンガとも、ちばあきおとも、あだち充とも違う、あや秀夫だけの青春野球マンガとなっており、ある意味、ひとつの金字塔を打ち立てたと言っても過言ではないだろう。

不治の病によって、永遠となった久美子に別れを告げるかのように、蘭の中学時代は終わる。そして、また故郷の稲葉に帰ることになった蘭だったが、再会した昔の野球仲間たちも、ただの青春は送っていなかったようで、それなりに強いチームを作って活躍していたらしい。その彼らも、蘭と一緒に新たに稲葉の高校に進学することになる。

野球経験のないあや秀夫によって、高校野球をどこまで描けていたかは、「ヒット・エンド・ラン」においては、もはや問題ではない。 遠藤蘭とその仲間がどれだけ「ひたむき」に野球に打ち込んでいったかが見所であり、それは最終巻に見事に集約されている。 一回戦、勝てる見込みのまったくなかったはずの県下一の強豪と互角に戦い、勝利目前となったその最終回のマウンドで、蘭は関中時代のバッテリーだった捕手熊沢の幻を見る。 欄の右ひじは、投手としてはすでに故障の一歩手前なのだが、若くしてこの世を去った麻野久美子へのひたむきな思いを、最後に確かめるように白球に込めて投げ込むのだった。

青春というものの価値は、なによりも「ひたむき」さであると、この野球マンガは証明してみせてくれている。

登場人物

  • 遠藤蘭(声:内海敏彦)
  • 葵麻呂(声:神谷明)
  • 剛(声:塩屋翼)
  • 初人(声:岡村悦明)
  • 番場(声:大見川高行)
  • 彦丸(声:塩沢兼人)
  • ひろみ(声:松田辰也)
  • 竹(声:鈴木清信)
  • 郁美(声:小山まみ)
  • 秋山先生(声:納谷悟朗)

アニメ版

1979年2月18日にフジテレビ系の日生ファミリースペシャルの一本において『がんばれ! ぼくらのヒット・エンド・ラン』のタイトルで放送された。

スタッフ

  • 企画:佐藤昭司
  • 演出:光延博愛
  • プロデューサー:加藤良雄
  • 脚本:高橋二三
  • 撮影監督:三沢勝治
  • 美術監督:伊藤ルイ
  • 編集:瀬山武司、掛須秀一
  • 音楽:京建輔
  • キャラクターデザイン・作画監督:金沢比呂司
  • 絵コンテ:光延博愛
  • 製作協力:土田プロダクション
  • アニメーション製作:日本アニメーション