ヒメアノ～ル/古谷実

『ヒメアノ〜ル』は、古谷実による日本の漫画作品。『週刊ヤングマガジン』（講談社）にて、2008年より2010年まで連載された。単行本は全6巻で発売されている。

登場人物

岡田 進（おかだ すすむ）

主人公。ビルの清掃会社のパートタイマー。25歳。判を押したような何もない日々と孤独に不安と不満を抱いている。安藤の紹介で阿部ユカを知り、その後彼女が岡田に告白して二人は付き合い始める。度々安藤にお願いされたり、訳の分からない話を聞かされたりしている。常識的な人物で、時には男らしい一面も見せる。

安藤 勇次（あんどう ゆうじ）

岡田が勤務している清掃会社のパートタイマー。31歳。阿部ユカに惚れている。迷走する岡田を説教するしっかりした一面を持つが、実際は根性無しでいじけ虫のダメな人。性格は純粋で「日本でピュアな人50人に入る」と自負している。

阿部 ユカ（あべ ゆか）

カフェで働いている女性。21歳。森田に付け狙われている。かなりの美人で森田曰く声がとても綺麗。岡田に告白し、付き合い始める。基本的にしっかりした性格だが自虐的で天然な一面も持っている。

森田 正一（もりた しょういち）

岡田の元同級生。高校時代に河島と高橋にひどいいじめを受けていた。カフェで働いている阿部ユカを付け狙っている。ぼんやりしているが、実態は人の首を絞めて殺すことに性的興奮を感じるいわゆる快楽殺人者であり、本作のもう一方の主人公であるともいえる。作品の中で物語は彼の視点で進む所がある。

和草 浩介（わぐさ こうすけ）

岡田の元同級生。高校時代は森田と同様に河島と高橋にいじめられていた。現在は地元のホテルでマネージャーを務めている。

河島（かわしま）

岡田の元同級生。頭は悪く、ケンカも弱いが持ち前の社交術を利用してあらゆる強面の人々に気に入ってもらい、それを利用して森田と和草をいじめていた。

伊藤（いとう）

森田が通っているパチンコ屋の常連。自分の愚痴を聞いてほしいという理由で森田に接触する。容姿が河島に似ている。

藤原（ふじわら）

大地主。森田や伊藤と同様にパチンコに打ち込んでいる。自分の夫を事故に見せかけて殺してほしいと伊藤に依頼する。

飯田 アイ（いいだ あい）

阿部の親友。非常に我儘で遠慮が大嫌いな性格。阿部と共にカフェを開くという夢を持っている。不美人でキノコのような頭をしており、亀のかばんを背負っている。遠慮が大嫌いなために、岡田と安藤に大説教し、怒らせてしまう。

久美子（くみこ）

和草の彼女で婚約者。和草から金をむしり取る森田を殺そうと提案する。

家出の少女

夏休みから家出をしている女子高生。本名は不明。父親は事故で死んでいる。母親が再婚するかもしれないという理由で家出をしている事以外は素性が知れないやや謎の多い人物。風俗店に入るかどうか迷っていた安藤に声をかける。

エリナ

風俗店で働いている女性。OLでもある。下の名前の本名は美香。安藤は彼女に一目惚れし、色々と話をするが、訳の分からない話をさんざん聞かされた彼女は呆れて安藤を振ってしまう。トオルに利用されていることには気づいていない。

トオル

エリナの彼氏。といっても彼からすれば彼女は金を稼いでくれる存在としか思っておらず、また、そうさせている女性が他にも複数いる様子。要するに紐男。

山田（やまだ）

岡田が勤務する清掃会社で働いている女性。孤独感に苛まれており、老後のために貯金したり節約したりしている。彼女の周りには様々な噂が流れているが、実際はごくごく普通のいい人。自分のピュアな性格を変えたいという理由で安藤が嘘の告白をするが…。

ホームレスの男

2ヵ月前にホームレスになった男性。本名は不明。岡田を殺すのを手伝わせるために森田が話しかける。

織田 涼子（おだ りょうこ）

スポーツジムで働いている女性。24歳。美人だが感情を表に出せない性格。しかし、安藤と知り合ってから徐々に感情を表に出すようになり、ついに安藤に告白し付き合うに至る。

平松（ひらまつ）

織田が勤務するスポーツジムに通っている男性。周囲の人間に自分が織田の恋人だと嘘をついて彼女に近づかせないようにしている。後に織田が安藤に告白したことを知った彼は彼女をかけた勝負を安藤に持ちかける。

安斉 アザミ（あんざい あざみ）

不眠症を患っている女性。両親は既に癌で死んでいる。自分と雰囲気が似ているという理由で森田に接触する。

高橋 健（たかはし けん）

売れないマンガ家。頭の悪い人間を極度に嫌っている。変装している森田に興味を持ち、彼の身辺を調査し始めるが…。

富田（とみた）

阿部の隣の部屋に住んでいる男性。難しい本を多数持っていることから知的な人物のようだが、友人には基本的に暗い人だと思われている。阿部の部屋の前で四六時中張っている森田を通報しようとするが、逆に森田に攻撃されてしまう。

外部リンク

• 週刊ヤングマガジンでの紹介ページ