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ファイブスター物語/永野護

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著者: 永野護
巻数: 2005巻

永野護の新刊
ファイブスター物語の新刊

最新刊『ファイブスター物語 2(2005 edition)



twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

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ファイブスター物語』(ファイブ・スター・ストーリーズ、英字表記:The Five Star Stories、略称:FSS)は、永野護による日本の漫画作品。ジャンルはSF(サイエンス・フィクション)に分類されるが、永野自身は「おとぎ話」であると公言しており、欧米で言うサイエンス・ファンタジーにあたる。角川書店発行のアニメ雑誌『月刊ニュータイプ』1986年4月号から、休載を何度か挟んで連載されている。また、1989年には第1話を基にした劇場用アニメーション映画が作られている。

作品概要

4つの恒星で構成されている「ジョーカー太陽星団」が物語の舞台となっている。科学文明がその頂点を極め緩やかに衰退を始めている世界で、光の神・天照(アマテラス)とその妻である人工生命体ファティマ・ラキシス、そしてファティマと共に最強の戦闘兵器モーターヘッド (MH)を駆る戦闘人間ヘッドライナー(騎士)たちの、数千年に及ぶ光と影の歴史が描かれていく。

本作の特異的な点は、作品の年表が連載開始時以前より公開されていることである。何世代にも渡る人々の歴史が記されたその年表の存在により、読者はどのような出来事が起こるかを予め理解して物語を俯瞰することとなる。本編の展開は第1話から時間の流れに従って進められているが、所々に読者に印象付けるまたは重要な伏線として過去や未来の場面が挿入される。例えば物語は第1部のエンディング部分から始まり、再び第1話の冒頭に戻りエンディングに向かって物語は進んでいく。

しかし年表(作中では「星団史」「星団歴」と呼ばれる)が明らかになっていても、登場人物がどのように生きたかまでは年表には記述されていない。歴史の表舞台や裏舞台が描かれることにより、歴史の詳細が明らかになっていく(ただし、それまでの年表をはじめとした設定の細部が修正されることは時々行われている)。それらをつまびらかにしながら歴史という物語を動かし、世界の姿を再構築して提示する手法を本作品はとっている。この手法は年表と本編との存在は、『スター・ウォーズ』の先行公開された原作とそれを元に製作される映画と同様の関係であると作者自身が語っている。また、超科学技術と歴史的様式美とが共存する世界観、「フォース」と呼ばれる超能力、ジェダイのような存在の「騎士」、ライトセイバーに似た光剣「スパッド」など、作品の設定の多くにも『スター・ウォーズ』の影響が見られる。

また、神道や神話的な意味合いでの「神」や「悪魔」が作品に登場している。そして作者は「この物語は『おとぎ話』である」と断言している。

作品登場の背景

本作品の著者である永野護は、テレビアニメ『重戦機エルガイム』で主にキャラクターデザイン・メカニックデザインを担当していた。デザインを練る上で永野は、作品上には出ない背景となる設定などの創作も行っていた。これらが後に角川書店から出版された『重戦機エルガイム』のムックにて、登場人物やメカニックの設定として公開したことからこの作品の企画が始まる。その背景設定「The Five Star Stories」は、歴史年表と数々の設定・多数のイメージボードなどで構成されており、ストーリーテラーとしての永野への期待を高めた。

『エルガイム』の放送は1985年春に終了した。永野と角川書店は「The Five Star Stories」の漫画化を構想したが、永野は漫画家としての技能には精通していなかったことから習作を行うことを決めた。角川書店が創刊したアニメ雑誌『月刊ニュータイプ』の創刊号である1985年4月号から連載された『フール・フォー・ザ・シティ』(『FOOL for THE CITY』、略称『FFC』)である。『FFC』は永野の趣味のロックを題材とし、自分の中で暖めていたキャラクター群を用い、独特の作画・題材・切り口により人気を博した。『FFC』の終了とともに次回作として1986年4月号より『ファイブスター物語』の連載が開始された。なお、『FFC』の登場人物が『ファイブスター物語』の年表に登場しているなど、両作は世界を同じくしている。

もともと永野は、音楽のみならずファッション・兵器・自動車・バイクなどの造形やデザイン面など様々な分野に造詣が深く、『エルガイム』放送当時からそのメカニックデザインはファンの注目を集めていた。そして連載第1話において、本作品の魅力の一つである全高十数メートルの巨大なロボット「モーターヘッド (MH)」が対峙する姿をあおりにより見開きページに収めた。これは『ゴジラ』に連なる怪獣映画をオマージュして描かれている。また『フール・フォー・ザ・シティ』に引き続き、作者の嗜好によりMHや登場人物の名前はバンド名や音楽機材に由来するものが多い(たとえばMH「サイレン」の名はロキシー・ミュージックの5枚目のアルバムに由来する)。

以来本作品は様々な理由で休載を挟むも続行中であり、現在は作者がアニメーション『GOTHICMADE ゴティックメード-花の詩女-』(略称GTM)を製作するとして2004年12月号をもって休載している。再開時期は未定だが、永野は設定資料集『F.S.S.DESIGNS』第1巻のあとがきで、単行本第20巻に相当する部分までのストーリーとデザインは構想済みで、第4巻の発刊と同時に連載の再開を予告している。単行本は2010年現在で第12巻まで発行されている。

ストーリー

クラウン大銀河に存在する4つの恒星系(イースター、ウェスタ、サザンド、ノウズ)と長大軌道を持つスタント遊星により構成されるジョーカー太陽星団が、この物語『ファイブスター物語』の主な舞台である。星団には極めて発達しつつも緩やかに衰退を始めている文明が存在している。4つの太陽系の幾つかの惑星に居住している人類は、無数の国家を形成し、国家は互いに勢力拡大を争っていた。

その国家間紛争の切り札が、「モーターヘッド」(作中ではMHと略して表記することが多い)と呼ばれる人型の巨大ロボットであり、過去の超文明の血を受け継ぐことにより超人的な戦闘能力を持ち、MHを操ることができるヘッドライナーたち(人々には「騎士」と呼ばれる)であり、その両者の仲立ちをする人工生命体が「ファティマ」である。

そのジョーカーにおいて、人類を遥かに凌駕する2つの存在が出会い結ばれる。一人は、惑星デルタ・ベルンの統治者であり、星団随一の美貌と頭脳、そして数々の神技を持つ「光の神」アマテラスのミカド(天照帝)。もう一人は、狂気の天才科学者Dr.バランシェが創造した、アマテラスと同等の力を持つ「超生命体(ダブルイプシロン・ヒューマン)」ラキシスである。やがて彼らは星団全てを戦火に巻き込む大侵攻を開始する。人類の生存と誇りを掛けた神との戦いが展開される。

この物語は、数千年の歴史の中でジョーカー太陽星団において繰り広げられる、騎士・ファティマ・MHを中心とした文明と人々の営みの因果と帰結を描く壮大な叙事詩である。

作品用語

騎士

騎士とは、驚異的な身体能力から、戦闘兵器モーターヘッドで戦うことを生業としている人々を指す。その力は、太古の戦闘人種の血が発現した結果である。騎士の遺伝情報は、全星団の人々に行き渡っているが、一般には その発現率は極めて低い。

純血の騎士
AD世紀の時代に遺伝子改造されて生まれた戦闘人種。星団歴の騎士とは別物と言っていいほど戦闘能力は高い。制御不能となると敵味方を問わず殺戮を始めるため、AD世紀では彼らの額に「ハイブレン・コントロール」という印を付け皇帝を始めとするダイバーにコントロールされていた。また体液の組成も一般人とは異なるらしく、開発初期の騎士の体液が一般人の体内に入るとT細胞や染色体を破壊したという。彼らが子を成すと必ず騎士かダイバーが生まれるとされる。星団歴の騎士は彼らの血が一般人と混血し血が薄まった結果生まれたものである。
バイア
後述する「ダイバー」と騎士の能力を併せ持った人間。騎士もダイバーもその発現率は低いため、両方を顕現するとなるとさらに発現率は低く、物語中でもティン、サリオン、カイエンなど数人しか確認されていない。ダイバーがその行動の遅さを弱点としているのに比べ、騎士の持つ圧倒的なスピードでダイバーパワーを放てるという利点を持つ。王族など騎士やダイバーの血が多く発生する家系に発現率が多いとされ、ティンの様に異常性格を持つ者も少なくない。

ダイバー

ダイバーとは先天的に備わるいわば超能力、ダイバー・フォースを持つ人々を言う。太古の超帝国が遺した力であるが、騎士よりも、さらに稀な存在である。ダイバー・フォースには「ダイバーパワー」・「パラ・サイマル」・「ハイブレン」・「ルシェミ」の4種がある。

ダイバー・パワー
物理的に作用する能力。
戦闘に参加するダイバーの多くはこれである。ダイバー・フォースで代表的な能力である為、他の3種の能力の持ち主であってもダイバーと称することが多い。
当然ながら身体能力自体は一般人と同じである為、騎士と対峙した場合はその圧倒的な身体能力の差が弱点となる。故に敵に「ダイバー」と悟られぬよう行動する事が重要とされる。
パラ・サイマル
予知や探査など精神的現象を扱う能力。
物理的に何かに影響を与える能力ではないため、直接には戦闘に参加はしない。
ハイブレン
生物を制御する能力。
超帝國の支配者が持っていた代表的な能力で、ハイブレンで騎士を支配・利用することで民衆をより強固に支配していた。
ルシェミ
物質を変性させる能力。
騎士や兵器など技術開発に貢献したが、現在では消失している。しかしファティマやモータヘッドの製作者であるマイトは素質的にこの能力を持っているという。

モーターヘッド

最強の戦闘兵器である巨大人型ロボット。驚異的な戦闘人種である騎士の力を完璧にトレースすることが可能である。敵の攻撃からの回避能力が非常に高いので、モーターヘッドを倒せるのは、モーターヘッドだけであるといわれる。管制システムとして、生体コンピュータであるファティマの搭載を必要とする。

ファティマ

ファティマとは、モーターヘッドを操縦する騎士を助ける、生体コンピュータのことである。その演算性能は、多様なパターン処理への対応能力と安定性において、通常のコンピュータの追随を許さない。

その他

AD世紀
星団歴の時代より以前を、AD世紀と呼ぶ。「エンシェント・ディメンジョン・センチュリー」の略で、星団歴に先行する10,003年間の時期を指す。AD4000年頃成立したファロスディー・カナーン超帝國の初代皇帝アッセルムラトワ・ディスターブと、第9代皇帝AD9(ナ・イ・ン)の治めていた時期が、ジョーカー人類の文明の最盛期だと言われている。AD世紀の情報の大部分は、星団歴には伝わらず、失われた。一部の技術情報のみが残り、利用されている。
イレーザー・エンジン
MHのエネルギー源。のみならず宇宙艦船から民生用のディグ(浮上式バイク)にまで装備されている普及したエネルギー源である。AD世紀に開発された技術で、光を動力源とし、永久にエネルギーを取り出すことが可能であるという。
懐園剣(かいえんけん)
アマテラスとラキシスの娘カレンが作り出したとされ、一振りの光剣と大太刀(実剣)とが対となっている。時や空間など次元を超え数々の強力な騎士に受け継がれたといわれる。「ミスト・ブレーカー」と呼ばれることもあり、単に懐園剣と表記した場合は、大太刀の方を指す事が多い。
光剣はジョーカー宇宙でのみ力を発揮し、大太刀はタイカ宇宙でのみ力を発揮するという。
旗騎
国家を象徴するモーターヘッドの事。それぞれその名に見劣りしない高い性能を持つ。
スパッド(光剣)・スパイド(実剣)
騎士が主に使用する武器。超絶な反射神経と運動能力を持つ騎士の闘いにおいては、銃などよりもはるかに有用な武器であり、騎士の身分の証明にもなっている。また彼らの駆るモーターヘッドの主武装でもあり、MHを破壊できるのは基本的にMHの剣のみである。
スパッド(光剣)はレーザー剣。軽量で携帯が容易。スタンモードに切り替える事で峰打ちも可能。
スパイド(実剣)は重くて携帯には不便だが、玉鋼を鍛え上げた その威力はスパッドの比では無い。ちなみにJOTA宇宙騎士団ではスパッドの事を「ダイナミック・オプチカル・スオード」、略して「D.O.S(ドス)」と呼ばれ、スパイドは「ヤパニーズ・プレシジョン・アームス」、略して「JAP.P.A(ヤッパ)」と呼ばれている。
星団暦
星団共通の暦。本作品の主な時代背景でもある。人類生存4惑星の諸国間で条約(「歴史年表」では「協定法案」と呼ばれる)が締結されたAD世紀10,003年をもって星団暦元年としている。
星団法
星団の全ての国にまたがる憲法的法律。度々改正などの会議が行われている。星団暦2310年に発明されたファティマも、星団法での規制対象となっている。
星団法は星団暦2000年代初頭にボォス星の聖宮ラーンで発生した「東宮西宮の乱」をきっかけに、ラーンを始め、フィルモアやクバルカンといった当時の列強国にグリース、コーラスなどの新興国が加わって制定したとされている。デルタベルン星のグリース王国パトラクシェ島(のちのフロートテンプル)には星団法制定を記念したモニュメントが存在する。
ドーリー
MHを運搬する車両。MHの騎体のほか、修理設備と部品・オプション兵器などを搭載する。搭載MHは1騎で騎士が車長を務め、騎士とファティマや部下や客人などが住まう居住施設も備える長期滞在が可能なものが多い。地上走行型をモータードーリー、浮上飛行型をエアドーリーと呼ぶ。
『重戦機エルガイム』の企画段階で『リビングクローラー』という類似する車両がデザインされており、これを転用したものと思われる。こちらにはバリエーションとして宇宙用があり、ラフ・スケッチにはドーリーそっくりの車両が直立したまま宇宙空間を移動しつつ、戦闘機のようなものを発進させているという姿が描かれていた。
ドラゴン・ドロップ
ボォス星に生息する5体のドラゴンの分泌物。宝石として星団最高の価値を誇り、所有者はドラゴンにより願いを叶えられると言われている。色はドラゴンにより異なり、これまでサンダードラゴンがファティマ・静に与えた青色の物と、すえぞう(L.E.D.ドラゴンの幼生)がラキシスに贈った赤色の物とが登場している。
バスター砲
AD世紀に超帝國が開発したバスター・エネルギーを利用した強大な威力を誇る兵器。その想像を絶する威力により、戦争での使用は星団法で全面使用禁止となっている。しかし反面、国家の主な艦船には装備されており、MHにもオプションとして用意している騎士団も少なくない。そのような状況下でバスター砲が滅多に使用されずにいるのは、バスター砲で土地を破壊してしまうと占領する価値がなくなってしまうため、また前述の星団法による規制により、戦場でバスター砲を使用した国家は他国から孤立してしまうためである。
構造により3種類ある。しかし種類によっての威力の違いはない。
バスター・ロック
砲身とイレーザー・エンジンが一体となっている形式。巨大になるために艦船などに装備されることが多い。ユーバー・バラダ大公やシーブル国軍が使用したが、前者は発射前にK.O.G.のバスター・ランチャーで逆に撃ち落とされ、後者はシュペルターのバスター・ランチャーにて砲弾を対消滅されている。
バスター・ファウスト
砲身とイレーザー・エンジンが個別に存在する形式。MHが装備するサイズも可能だが、対MHには命中しないので意味がない。
バスター・ランチャー
砲身のみでイレイザー・エンジンは他で用意する形式。エンジンにより威力が変わり、エンジン側の出力制御により威力が変えられるという特徴がある。サイズは最小のA型から最大のE型までが存在する。本来使用できない兵器であるが、MHが装備するのはこの形式がほとんど。固定装備としているMHはミラージュ騎士団のみである。砲身を二つ折りにして携行しやすくしているK.O.G.や、E型のうえエネルギーをカートリッジ化して連射を可能としているヤクト・ミラージュまで様々。
フェザー(fesor)
全星で流通、使用される通貨。価値は1フェザー≒500円と設定されている。貨幣や紙幣には高度な偽造防止対策が施されているが、一般にはクレジットカードが普及しており、現金が用いられることは一部地域を除いてほとんどない。「フェザーゴールド」と呼ばれる高額金貨も存在する。

主要な惑星と主要勢力等

ジョーカー太陽星団は、イースター、ウェスタ、サザンド、ノウスの4つの太陽系と、移動性太陽系スタント遊星によって構成される。56億7000万年後の変わり果てたジョーカー太陽星団にはフォーチュンという星が存在するらしい。

イースター太陽系

ジョーカー星団の第1太陽系。「東太陽系」とも言う。惑星には太陽に近い軌道順にピョトー、アドラー、デルタ・ベルン、バルーン、シュルース、ラワス、コートがあり、さらに外側に恒衛星シミターがある。人間の居住可能な惑星はアドラーとデルタ・ベルン。

惑星デルタ・ベルン
イースター太陽系第2惑星。隣の惑星アドラーとは二重惑星。地球と近い星年齢と気候を持つが、平均気温はやや低く、赤道直下においても、地球の沖縄程度である。氷河期から温暖期に移行しつつあり、氷河が溶け出しているため海洋が占める割合が多い。
北半球を占めるエイダス大陸の他に、ソドン大陸、南北に二分されたナルキア大陸で構成されている。総人口は約34億人で、その多くはエイダス大陸の東方10ヶ国周辺に集中しているため、南半球には豊かな自然が残っている。
王政を敷く国家が多い。星団暦2899年、グリース王国により惑星全土が統一され、星全体が政治的にも経済的にもきわめて安定したA.K.D.という連邦国家となっている。
人類の歴史は古く、星団暦以前からカラミティ・ゴーダースとの確執が根強く残っているため、アドラーやボォスを舞台に代理戦争を行う事もしばしばであった。
その他に「ジョーカー人類発祥の星」の座を廻ってカラミティ・ゴーダースと争っており、デルタ・ベルン側は人類の進化の形跡が残っている事を根拠として起源を主張している。
A.K.D. (“Amaterasu Kingdom Demenses”; アマテラス・キングダム・ディメンス)
アマテラスのミカド(天照帝)が治める、惑星デルタ・ベルン全土を占める星団最大の連邦国家である。その中心はアマテラス家が代々治めるグリース王国等10カ国からなる天照王朝(「東方10ヶ国」とも)である。
公式の筆頭騎士団はゴーズ騎士団(命星親王騎士団)だが、アマテラス直属の私設騎士団「ミラージュ騎士団」(東方第一等幻像軍団)が事実上の筆頭騎士団と見なされている。ミラージュ騎士団はアマテラス自身が設計に携わった新型機「レッド・ミラージュ」を初めとする「ミラージュシリーズ」と呼ばれる数十体のMHを保有する。ゴーズ騎士団の主力MHはブラッド・テンプル。筆頭騎士は不明。旗艦はベル・クレール、後にザ・ウィル。
天照王朝(東方10ヶ国)
グリース王国を筆頭とする天照家の支配する集合国家群の総称で、天照家に縁のある王族・貴族が国家を運営している。ただし10ヶ国にある全ての土地の所有権は天照帝個人にあり、各王家は土地を借り受ける契約をしているということになっている。
グリース王国
天照家が直接統治する王国。その起源はAD世紀にまで遡る非常に歴史の古い王国で、王朝10ヶ国の長を務めている。首都グリステリアはA.K.D.の首都でもあり、地上部と島全体を空中に浮遊させた「フロートテンプル」から成る。グリステリア地上部にある全長9.7kmを誇る巨大な内宮は、宇宙からでも形状が確認できるという。
内部にコーダンテ大公国、クリサリス公国、オービット王国、ライム公家領、ヘンシェル家領、エミーテ家領などの周辺王家の運営する領地が複数存在する。
バビロン王国
グリース王国の北に接する、バビロン王家の治める国家。内部にダグエラン領を含み、グリースに次ぐ地位にあるA.K.D.の中心国家。国王はファルク・U・ログナーで、首都はファルス・バビロニア。
アトワイト公国
アトワイト公エックス家が代々治めている領地。首都はアトワイト。
クロス王国
東方10ヶ国の中で最も北に位置する国家。コーダンテ大公家の領地でもある。首都は魔法都市グリッド・メルツァーク。
ルーマー王国
かつてメルカ公家が治めていたが、3007年に前コーダンテ大公アイシャが女王となった後は、実質コーダンテ大公家の領地となっている。
シウト公国
バビロン王国の西に接し、属国でもある。首都はシート。
スカタ・グリース統治領
グリースの南に位置する島国。クリサリス公家の領地。
パストーク
東方10ヶ国の中では北西の端に位置する国家。首都はトークォ。
パスポート
グリース王国の南西に浮かぶ島国。首都はカラメー。
ムスルチカ王国
グリース南の島の大半を占める王国。王都はムスルチカ。
フェイツ公国
フェイツ公家(=バランス家)が治めるA.K.D.の学問の中心地。人口は約6万人と非常に少ない。
かつての領主リチウム・バランスが星団で初めてファティマを生み出した地でもある。東方10ヶ国の西に位置するエラン連邦の構成国であるが、天照家との親交が深く、星団暦3020年に天照王朝に加わっている。
外伝『プロムナード』の舞台となったメサ・ルミナス学園があるのもこの国である。
惑星アドラー
イースター太陽系の第3惑星。軌道は第2惑星デルタ・ベルンの軌道のすぐ内側であり、二重惑星といわれている。
AD世紀の頃から長年植民星としての地位にあり、デルタ・ベルンとカラミティの対立に翻弄されることが多かったが、星団暦以降の天照家の台頭によって他国の影響力が減少すると共に力を付け始め、最終的に独立した地位を獲得するに至っている。
大ロマン大陸、小ロマン大陸、アダマス大陸、ヨーグン大陸で構成されており、トラン連邦共和国、バキン・ラカン帝国、ダスニカ神聖連合の3国に寄り添うようにして複数の国家が点在している。
旧設定では、乾燥気候が広がり、人間が居住するにはあまり適さないとされていたが、『F.S.S.DESIGNS 2』において、他星からの観光客も多い快適な気候の星とされた。
トラン連邦共和国
アダマス大陸のレント自治連合、シュリーズ共和国、ラ・バカン共和国を中心とした小国や自治区から成る民主制連邦国家。首都はトラン共和国のノーフォート。
星団7位の軍備を持つものの、筆頭騎士団や筆頭騎士、旗騎は特に置いておらず、連邦公安騎士団(SPI)が筆頭騎士団相当、ミッション・ルース大統領の私有騎であるクルマルス・ビブロスが旗騎と見做されることが多い。主力MHはヌーベル・イザッド。
自由な気風の国で芸術や工芸が栄える。ファティマ・マイトも多く在住する
トラン共和国
連邦首都ノーフォートが含まれる、トランの立法機能を担う国家。単独の共和国としての機能は殆ど持っておらず、行政機能などは連邦議会が持っている。
ラ・バカン共和国
バキン・ラカンとの貿易のアダマン大陸側の中心として栄えている共和国。共和首都はナンシーズ。
シュリーズ共和国
トラン南に位置する共和国。学術都市バルチック・アカデミーがあり、数多くの政治家、学者を輩出している。共和首都はダルメクスタン。
レント自治連合
かつてのレント王国で、トラン連邦の一部でありながら旧王制の一部を引きずり、立憲・司法を独立して行う立場にある。
ファティマが誕生した星団暦2300年代、当時の国王ビギハの在位120年記念行事において、王孫ジェスター王子ここまでの記述は単行本第2巻2005エディション付録に基づく。が、王国騎士団に貸し出され、ジェスターの后アラド(剣聖ナッカンドラ・スバースの次女)に優先使用権が与えられていた『F.S.S.DESIGNS 2』より。ファティマ「ザ・ニーヴ」から「マスター」と呼ばれた出来事により、星団法に「ファティマは完成時、『お披露目』によって自ら相手となる騎士を選ぶ権利を有する」との事項が設けられ、それまで国家や騎士団が有していたファティマの保有権は騎士に移った。この一件がきっかけで、ファティマのお披露目はトラン国内にて行われるしきたりになっている。
第1話の舞台となった自由独立都市バストーニュや、クローム・バランシェの屋敷もこのレント自治連合に含まれている。
バキンラカン帝国
大ロマン大陸北部に位置。フィルモアなどの大国から独立した経緯があり、現在でも国内にフィルモア領(エラルド島)が存在し、フィルモア王家の1つダイ・グ・フィルモア家が領主となっている。政治的に中立であることを国是とする。首都はラッカ。
君主である聖帝は、騎士の力量を瞬時に見抜くという特殊な能力を代々受け継いでいる。これにより、騎士に剣聖以下天位の称号を与える権限を有する。なお、騎士でもあるフィルモア皇帝やその代理騎士に対して、特別に「ハイランダー」の称号を授与している。
星団暦3030年現在の聖帝は前帝ミマス・サオリレナの娘カンパー・ラ=シーラ。筆頭騎士はママドア・ユーゾッタ。旗騎のクルマルス・バイ・オ・ラはトラン・ルース家のクルマルス・ビブロス、フィルモアのアビエン・ヒートサイが有するクルマルス・バイロンと兄弟騎で、超帝國の騎士ナッカンドラ・スバースにゆかり深いMHである。主力MHはフェードラで、筆頭騎士団「ラッカン・フェードラ騎士団」の名はここから採られている。永世筆頭騎士はディモス・ハイアラキ。
ディ・ヨーグン統一連邦
ヨーグン大陸の諸国家(ポー・ヨーグン、マブーブ連合、ライ・ヨーグン青民帝国)が連邦を組み、魔導大戦が終結した3075年に誕生した。初代大統領はダジャー・ビームス。
ナッカンドラ・スバースの妻で、デューク・ビザンチンとディモス・ハイアラキという2人の剣聖の祖母となり、「トラン連邦の始祖」とも言われるダイバー、サローン・バスコの出身地である。そのトランとは建国後より緊張関係にある『F.S.S.DESIGNS 2』より。
星団暦3159年に始まる天照の星団大侵攻は、この国の都市グラスフォートへのミラージュ騎士団の侵攻から幕を開けることになる。
ダスニカ神聖連合
大ロマン大陸中部に位置。トラン、バキンラカンと並ぶアドラーの主要国。魔導大戦終結後、北隣のバキンラカンとの関係が悪化する模様。現在の皇帝はアグラハ。首都はダスニカ。

ウエスタ太陽系

ジョーカー星団の第2太陽系。「西太陽系」とも言う。惑星には太陽に近い軌道順にトゥルス、ボォス、アンスリノ、カーマントー、ステンがある。カーマントーの公転軌道の外側に宇宙都市イズモ・アストロシティが存在する。人間が居住可能な惑星はボォス。その他、鉱業資源の採掘地として重要なカーマントーにも移住コロニーがつくられ、数千万規模で人が住んでいる。

惑星ボォス
ウェスタ太陽系第2惑星。AD世紀に植民された惑星で、星団暦以降にミノグシア連邦、後のハスハ連合共和国が成立するまではアドラーと同じように列強国家の影響を絶え間なく受けていた。星団暦2000年頃からその他の国家が次々と誕生し、現在の国家構成に至っている。
主な大陸構成はミノグシア大陸と、その西にカステポーを有し、南部にコーネラ帝国のあるナン大陸、そして東にメヨーヨのあるグンカ島(メヨーヨ島)を跨いでバッハトマ帝国、ガマッシャーン共和国のあるハツーダン大陸となっている。
気候は比較的乾燥しており、ステップ地帯が広がっている。また海洋部が少なく、ほとんどの大陸が陸続きとなっているが、各地にドラゴンによる攻撃の痕跡が見受けられる。
人口は約120億と、星団の惑星の中でも最も多い。また、一部地方には少数民族ミミバ族が住んでいる。
ナン大陸のカステポー地方は、超帝國時代の人類との契約によりドラゴンの聖域として、いかなる国家の統治・軍事行動が許されない不可侵の土地となっており、ある種の無法地帯となっている。
アトール聖導王朝
アトール聖導王朝は実体を持たない国家である。政治的実権も領土も持たず、象徴としてのみ存在する。しかし、ミノグシア民族の精神的な支柱として絶大な支持を得ている。
王朝はAD世紀からの超帝國の血統を受け継いでいるが、アトール皇帝(「アトールの巫女」とも呼ぶ)は血縁による世襲制ではなく、全ての民衆の中から前皇帝からの託宣により選ばれ任命される。皇帝は、すべて強力なパラ・サイマルである巫女であり、代々の記憶と力を受け継いでいく。
皇帝唯一の法的権限は、皇帝を守る騎士「ネードル・シバレース」の任免である。ネードル・シバレースは通常、旗騎「ジ・エンプレス」に騎乗する。
皇帝の座は、先帝ナトリウム・フンフトがジュノーのメロディ公ピアノとの不倫によって廃除され、ハスハ代表議長ラオ・コレット・クルルの孫娘ムグミカに渡るが、3030年の魔導大戦開戦と同時にムグミカは戦死し、フンフトが暫定的に復帰した。ムグミカは生前に剣聖ダグラス・カイエンの娘マグダル・ビートを後継者に指名していたが、正式なものとはなっていない模様ベイジ陥落時のコレットの最後の命令(単行本第11巻)に見られるように、ハスハでは「ムグミカの後継者はマグダル」がコンセンサスとなっていたが、聖宮ラーンや、ムグミカの死後暫定皇帝として復帰したフンフトがこれを承知しているのかは、作中からは単行本第12巻までの時点では明らかではない。『F.S.S.DESIGNS 3』によれば、マグダルは即位に必要な儀式である「記憶の継承」を受けていないとの事(ただし父カイエンの出自やその背景にあった超帝國とドラゴンとの確執、懐園剣、「血の償還」については知らされていた)。。ネードル・シバレースは2997年のごく短期間にヤーボ・ビート(マグダルの母)が就き、ヤーボの死後2998年にカイエンがAP騎士団総団長と兼任で就任した。カイエンの戦死後は空席となっている。
ミノグシア連合
ミノグシア大陸の赤道上に位置し、超帝國の末裔である12ヶ国を束ねた国家連合である。
前身であるハスハ連合共和国の成立は星団暦2800年頃の事で、それ以前には崩壊した超帝国の末裔が興したとされるギーレル王朝ハスハ帝国とハスハント王国による、アトールの巫女とその在所である聖宮ラーンを巡る争いが絶えず行われていた。
皇帝ナカカラ在位時の星団暦2000年代初頭には聖宮は東西に分裂し、フィルモア、コーラス、クバルカンの諸国や天照家のダイバー組織「典星舎」が介入する事態となった。この争いは星団諸国の国家主権を拘束する憲法的条約「星団法」制定のきっかけになった。また2500年代に聖宮とギーレル朝ハスハが組んだ「ミノグシア連邦」とハスハントとの間で起こった戦争は「ミノグシア大動乱」と呼ばれ、ナッカンドラ・スバースの孫に当たる西ハスハントの王子デューク・ビザンチンの活躍は2900年代においても語り継がれている。
その後もミノグシア連邦とハスハントは大陸全土を巻き込んだ戦乱の末統一され、ハスハントの王都ベイジ(ハスハントと呼ばれる場合もある)を首都としてハスハ連合共和国が成立することになる。
3030年、バッハトマ魔法帝国の宣戦布告により「魔導大戦」が始まると、ベイジはバッハトマ軍の急襲を受けて陥落し、代表議長(「民政王」と呼ばれる)ラオ・コレット・クルルは戦死した。連合議会と軍司令部はハスハント西部の都市スバースに移動するが、中核であるハスハントが事実上滅亡したことでハスハ連合共和国はその機能を喪失し、一部の構成国は連合議会からも独立した。筆頭騎士団であった「AP騎士団」はなおその名称こそ残っているものの、司令系統は分断され、国家騎士団としては解体同然の状況下にある。
魔導大戦前のAP騎士団は13の騎士団から構成されていた。旗騎は流動的で、星団暦2997年から魔導大戦勃発まではカイエンの私有騎であるシュペルターを旗騎としていた。筆頭騎士であるAP騎士団総団長は2997年まではマイケル・ジョーイ・ギラ、2998年から3030年まではカイエン。カイエンの戦死後は一時的空席を経て、3045年よりカイエンの子デブレッサー・ビートが就く。主力MHはクルマルスを製作した名工ゼビア・コーターの手になるA-トール。
ハスハント共和国
ミノグシア大陸西部の端に位置するハスハ連合共和国議会・アトール皇帝を有する中心国家。首都ベイジ(ハスハント)は連合全体の首都も兼ねている。
かつてはクルル王朝ハスハント王国としてミノグシア大陸西部をまとめ、東のギーレル王朝ミノグシア連邦とアトールの巫女を巡る争いを繰り返していた。
魔導大戦開戦と同時に首都圏が戦場となり壊滅。コレット民政王は実の孫でもあるアトールの巫女ムグミカ、AP騎士団総団長カイエンと共に戦死した。ベイジ陥落により西部のスバースに遷都したが、国家機能は失われつつある。
開戦時点のハスハの中心地としてAP騎士団スバース隊・スキーン隊・ドーチュー隊・スクリティ隊・ラーン近衛騎士団を配備していた。このうちラーン近衛騎士団は本来の駐屯地である聖宮ラーンに戻ったが、残る4隊は「ミノグシア連合AP騎士団」の名の下に、スバースの連合議会の統制下にある。
ギーレル・ハスハ王国
かつてのギーレル・ハスハ帝国、ハスハ連合に編入された後は共和制を採っているが王国を名乗っている。首都はパーフェーン。
魔導大戦勃発時はAP騎士団パローラ隊と、MH保有数の多いスパチュラ隊が駐屯していたが、スパチュラ隊が分裂してギーレルを離れてしまったため、残ったパローラ隊が「ギーレル・パローラ騎士団」として、侵攻してきたジャスタカーク公国に対応している。
ナカカラ・クルル王国
大陸中部の南北に広がり、ハスハ東西を結ぶ要となっている王国。王都はナカカラで、名前はかつてのアトールの巫女ナカカラに由来する。ハスハント王家のコレット・クルル家はここの王家の支流であった。
魔導大戦時はAP騎士団の中でも屈指のMH配備数を持つディスターブ隊が駐屯していたが、フィルモア帝国が進出してきたために身動きの取れない状況下にある。同隊はシーゾスから移動したマルコンナ隊の一部と共に「中部ミノグシア連合AP騎士団」と称し、ディスターブ隊隊長ダーナー・ラドンウェイ主導でフィルモアとの停戦協定締結に動いている。
第6話序盤の舞台として、フィルモア-メヨーヨ戦、コーラス軍やブーレイ騎士団の進駐、ワスチャ・コーダンテの初陣などの様々な出来事が起こった場所でもある。
カッツェー公国
連合に西端に位置する国家。首都はサスーン。
魔導大戦時にはAP騎士団・エンブリヨ隊が駐留していた。開戦後もエンブリヨ隊は駐留を続け、ギーレルを離れたスパチュラ隊の一部が防衛に回っている。両隊はスバースの連合議会の統制下にある
シーゾス王国
ハスハント共和国の南に接する王国。首都はスクワルト。
魔導大戦時にはAP騎士団・マルコンナ隊が駐留していた。しかし開戦後にマルコンナ隊は分裂し、シーゾスに残った部隊は「シーゾス騎士団」として国家防衛に当たっている。
ベラ国
ハスハント北の国家。首都はインクイン。
魔導大戦時はAP騎士団・ツラック隊が「北部ミノグシア連合AP騎士団ツラック隊」としてバッハトマからの侵攻に対する防衛を担っていたが、国境で出会ったあるマイスターの助力によって通常を遙かに上回るMH稼働数を保ち続けていたという。
バトラント共和国
ハスハ連合東端に位置する共和国。首都はダルタン。国土の一部がカステポーに隣接し、ドラゴンの周回コースにも入っている。
魔導大戦時にはギーレルを離れたAP騎士団・スパチュラ隊の一部が防衛に回っている。
イェンシング共和国
バトラントの隣、連合北端の共和国。首都はシドラ。国内にA-トール生産工場を持つ。AP騎士団・ジャグード隊が駐留しており、魔導大戦開戦後は隣国バトラントに進駐してきたスパチュラ隊の一部とともに「バトラント共和国・イェンシング共和国AP騎士団」を構成している。
ボルサ諸島列島
ハスハント北西の海に点在する列島。名前はかつてのアトールの巫女ボルサに由来する。
ナオス国
ミノグシア大陸南東の半島を占める国。広大な領土の殆どが砂漠地帯となっている。イェンシング同様国内にA-トール生産工場を持つ。首都はエダクダ。魔導大戦開戦後は隣国ナカカラと一体でディスターブ隊とマルコンナ隊(一部)が駐留する。
イースト・ハスハ
ハスハ連合共和国を構成する国の一つだが、カステポーの一部であるため、軍団などの駐留はされておらず、法律などの影響も一部にしか及んでいない。
魔導大戦時にウモス・カラン・ロッサムなど4ヶ国の連合軍がこの地域を通過しようとしたが、ドラゴンの攻撃によって全滅している。
宇宙都市ダンダグラーダ
ウェスタ太陽系アンスリノ付近にある宇宙都市国家。ハスハの工場都市として機能しており、最も新しく連合に加盟した国家である。AP騎士団の宇宙騎行支隊で「最強の宇宙騎士団」と呼ばれるS-P-K(スペース・パイレーツ・キラー)隊が常駐している。
魔導大戦勃発後にS-P-K隊ごと連合議会から離脱し、独立している。
聖宮ラーン
イースト・ハスハにある小都市。アトールの巫女の本来の在所である。神官議会による自治がなされ、騎士団「アイル・フェルノア」と「ラーン近衛騎士団」、高等教育機関「ラーン教導学院」が置かれている。
皇帝フンフトの失脚に伴い、新たな皇帝としてハスハ民政王コレットの孫ムグミカが選ばれたが、コレットは政治的意図からムグミカをベイジに置く事を望んだ。聖宮はこれを拒むことが出来ず、聖宮は巫女不在の状態となった。魔導大戦でムグミカが戦死し、ナ・イ・ンによってフンフトが暫定的に復帰することになったが、長い巫女不在で聖宮は腐敗が進んでいる。
ベイジのラーン近衛騎士団はムグミカ即位に伴って駐屯することになった分隊で、AP騎士団の一部とされるが、厳密には神官議会の統制下に置かれている。ムグミカの戦死によって神官議会は聖宮への帰任を命じたが、分隊長ニナ・エリスのみは命令を拒み、ミノグシア連合AP騎士団に加わった。また分隊員の一人であるヘアード・グローバーは、ベイジ陥落後は聖宮ともスバースの連合議会とも切り離された形で、ムグミカが後継者に指名したマグダル・ビートの護衛に当たっている。
バッハトマ魔法帝国
元々はシーブルというハツーダン大陸北部の小国であった。シーブルを独裁していたディ・バローに憑依していた超帝國の純血の魔道士ボスヤスフォートが、本来の能力を取り戻したことで興った。ボスヤスフォートを元首とし、ダイバー・パラ・ギルドに反発するダイバーを纏めるビューティ・ペールを魔道士団長、黒騎士デコース・ワイズメルを筆頭騎士とする。首都はバッハトマ。
筆頭騎士団はバッハトマ黒騎士団。国家騎士団はバッハトマ重剛騎士団で、この他に六宝騎士団(ただしこれは複数の騎士団の総称らしい)が存在する。旗騎はデコースの私有騎でもあるバッシュ・ザ・ブラックナイト。主力MHはアウェケン。
メヨーヨ四奉開経連合朝(メヨーヨ朝廷)
ハツーダン大陸とナン大陸に挟まったグンガ島にある国家連合。その時代毎の有力者の治める都市が首都となっていたが、現在はクーバードサングに固定されている。
国家の規模はそれほど大きくないが、各地の豪族が大国との対抗で一体化している。しかし政治的には安定しておらず、各構成国が群雄割拠している状態である。その為に軍国主義による集団国家であり、全体での軍備は強大なものとなっている。
筆頭騎士団は108人の騎士から成るメヨーヨ108金剛遊撃騎士団(通称「ランナバウト騎士団」)。旗騎は筆頭騎士でもあるクラーケンベールの姫沁金剛(フランベルジュ・テンプル)。主力MHはアシュラ・テンプル。
コーネラ帝国
ナン大陸南端の半島に位置する、魔導大戦でその名を星団に知らしめることになる新興国家。
重工業と科学産業を重視し、バルター・ヒュードラーの元でMH、K・A・Nを開発、システム・カリギュラと契約した上でマヨール・レーベンハイトを始めとした騎士団をハスハへと派遣する。
惑星カーマントー
ウェスタ太陽系第4惑星。メトロ・テカ・クロムを始めとする希少なレアメタルが豊富に産出される惑星で、各国の鉱山が存在する。しかし、惑星全体が濃密な有毒ガスに覆われている為、人々はドーム都市の中での生活を強いられている。
シージラック王国
「王国」の名を冠しているが、実際はドーム都市の一つを領土としているに過ぎない。もともとはジュノーの一国家であったが、戦争で領土が壊滅した為、将来の再起を賭けてカーマントーに亡命政権として移転してきた。星団会議にも一応名を連ねているが、他国よりも格下に見なされている。
出雲(イズモ)・アストロシティ
カーマントーに程近い宙域にある宇宙都市。現在の市長は泰千錫華。メトロ・テカ・クロム鋼を良質な「玉鋼」に加工する技術を持ち、その能力で自治権を獲得、他の植民地も含めた宇宙居住民のリーダー格としてその地位向上に努めている。近年ではDr.ダイヤモンド・ニュートラル主導で独自のMHを開発し、各国に売り込んでいる。

サザンド太陽系

ジョーカー星団の第3太陽系。「南太陽系」とも言う。惑星には太陽に近い軌道順にアトス、オハマ、ジュノー、ソード、スーロウサ、グラシャン、ペントリ、オテットがある。人間が居住可能な惑星はジュノー。

惑星ジュノー
サザンド太陽系第3惑星。惑星改造をほとんど行われず入植が行われた惑星で、惑星固有の自然が多数残されている。
北半球の大半を占めるロンド大陸と、南半球にボリショイ大陸、カリーニン大陸、ペテルスファ大陸が存在しており、総人口は約70億人で、その多くが岩盤の安定したロンド大陸中央部で生活している。
惑星全体が温暖で、赤道付近は亜熱帯のジャングルが広がっている。惑星そのものも比較的若く、南半球では岩盤が安定していないため、人類は居住していない。
その不安定さと生活圏の少なさから、列強諸国はこの星の植民には消極的で、それが結果的にこの星をAD世紀末期からのデルタ・ベルンとカラミティの争いの影響を受けにくくしたとされる。
A.K.D.が最後に侵攻した惑星となった他、星団暦18097年では星団唯一の人類生存星となっている。
コーラス王朝
ロンド大陸南東部に位置するジュノーの大国。3つの王家コーラス、バランカ、マイスナー家が協力して政治を行っている。国土はそれぞれの3家の領土とコーラス20世の代から分家したメロディ公領で成り立ち、星団暦3089年にハグーダ共和国を併合している。首都はコーラス領のヤース。
王国の歴史は星団暦とほぼ同時に始まったとされ、現在の体制を築いたのはコーラス19世の代から、この時代ではさらに星団法制定へ関わったことでコーラスの地位を星団列強にまで押し上げるに至っている。
2989年、隣国ハグーダ帝国からの侵攻を撃退したが、筆頭騎士でもある国王コーラス23世(実際は10の桁は省略し単に3世と呼ばれている)と3世のパートナーであるファティマ・ウリクル、そして旗騎ジュノーン(エンゲージSR.3)を失う。他国不可侵を国是としているが、星団中で軍事技術が発達するであろう魔導大戦は無視できず、大義を設けて参戦する。
その後のA.K.Dによる大侵攻をしばらくは静観していたが、コーラス25世の代では反天照のリーダーとして星団中の騎士を受け入れ、黒騎士グラード・シドミアンと共に抵抗を試みるも敗れることになる。
コーラス王家の長子は必ず騎士の力を持って生まれること、純血の騎士の家系でないにもかかわらず剣聖ハリコン・ネーデルノイドを出したメロディ家の存在など、マイトでない3世が優れたMHジュノーンを開発するなど、コーラス王家には謎が多い。
筆頭騎士団の「トリオ騎士団」は、その名の通りは3国の騎士団の連合体である。その内首都ヤースのコーラス城を守る12名の最精鋭騎士は「トリオ・デ・トリオ」と呼ばれる。3030年現在の筆頭騎士はセイレイ・コーラス王女。旗騎はダイアモンド・ニュートラルがジュノーンを解析して作り上げたジェイド・テンプル(エンゲージSR.3レプリカ)。主力MHはベルリン、後にベルリンSR2。
ハグーダ帝国
コーラス王朝の隣国で、星団暦2980年代末期の王は女帝アルメメイオス。
星団暦2989年、弱小国でありながら、強大なコーラス王朝に侵攻する。その陰にはフィルモア、ハスハ、クバルカンという列強各国の存在があった。主力MHは他国の技術と資金の援助により開発したマグロウ。
コーラスに敗れた後は王朝に編入され、コーラス王国ハグーダ領となっている。

ノウズ太陽系

ジョーカー星団の第4太陽系。「北太陽系」とも言う。惑星には太陽に近い軌道順にハリトン、カラミティ・ゴーダース、クラサ、ピョイト、ペスタコ、ムーパン、カナリがある。人間が居住可能な惑星はカラミティ・ゴーダースとペスタコ。

惑星カラミティ・ゴーダース
ノウズ太陽系第2惑星。イースター太陽系のデルタベルンとともに人類発祥の地とされている。どちらだかはっきりしないのは、星団暦以前のAD世紀の記録がほとんど残っていないからである。古い歴史を持った君主制国家が多い。
かなり年老いた星であるといわれており、造山活動などは ほとんど止まっている。寒冷地の多い気候であり、衛星軌道上に太陽光増幅装置を設置することで人工的に人類が居住できる環境を維持している。
星を南北に二分するように存在するグレート(大)・ショルティ大陸、イースタン・ショルティ大陸とキーヤ大陸に囲まれた「破壊洋<<バスターオーシャン>>」と呼ばれる海は、バスター崩壊によって形成された巨大なクレーターであるという。かつては ここに超帝國の帝都が置かれていた。
フィルモアやクバルカンといった大国の上層階級の間では「近いうちにカラミティ・ゴーダーズ星は崩壊する」と予見されており、崩壊後の難民の受け入れ先を確保するべく魔道大戦に便乗してボォス星に侵攻をかける契機となった。
そしてその予測の通り、カラミティ星はA.K.D.の侵攻とスタント遊星の接近によって3239年に爆発・崩壊し、難民たちはボォスやペスタコに逃れている。
大フィルモア帝国
大ショルティ大陸中部の過半部を占める、星団で最も歴史が古い国の一つ、その起源は超帝国時代のラント・フィルモア帝国にまで遡る。王家は超帝國より続く血筋を誇り、国民はそれを誇りとしている。首都はデュアンス。
AD世紀末期から星団暦初頭にかけて、ラント・フィルモアから東西フィルモアに分裂していた時期を経て、再び2国が統合されたのが現在の大フィルモア帝国で、それまでにバキン・ラカンやクバルカン、ジャスタカークなどの国家が分離・独立している。
星団最大の軍事力を背景に、他国に強い影響力を持ち、他国の内乱や紛争に度々介入しており、星団暦2989年のハグーダによるコーラス侵攻の裏で糸を引いていた国家の一つでもある。
皇帝は代々レーダー王家かフィルモア王家から選ばれるしきたりで、魔導大戦前に「太陽王」を名乗るドル・パーマネント・レーダー8世が退位し、エラニユース・ダイ・グ・フィルモア5世が即位した。
アドラーのバキンラカンやボォスのカステポーにも領土を持っているが、いずれ起こるというカラミティ星の崩壊を危惧してハスハにフィルモアの地盤を築き、将来帝国の全てを移すという目的のため魔導大戦に参入する。
筆頭騎士団は多くの騎士を擁する「ノイエ・シルチス」。これとは別に筆頭騎士である皇帝代理騎士「ハイランダー」、4名の皇帝直属騎士「アルカナナイツ」などが存在する。主力MHは星団三大MHの一つサイレンで、旗騎のプロミネンスとネプチューンはそのエボリューション・モデルである。3031年現在のハイランダーは皇帝エラニユース・ダイ・グ・フィルモア5世とクリスティン・V。旗艦はダランス。
クバルカン法国
大ショルティ大陸西部に位置し、サヤステ家やストラウス家と言った有力な騎士領による連合国家。「法」と「徳」を重んじ、厳格な戒律で自らを律するルーン騎士団によって治められており、国民からの信頼が厚く、他国から移り住む人も多い。フィルモアに次ぐ、星団でも有数の軍事力を保有する。首都はルナモア。
かつてのラント・フィルモアから分裂したフィルモア・イーストから独立するに当たって、システム・カリギュラの協力を得ていたとされ、その頃にバングの開発も行われている。
魔導大戦には難民救済という形で介入を開始するが、その目的はフィルモアと同じくボォス星への移民の足がかりを作るためである。
ルーン騎士団を擁し、旗騎は星団三大MHのバング(S.S.I.クバルカン)。主力騎はスチルコア。
ジャスタカーク公国
大ショルティ大陸南東部の半島に位置する小国。規模は小さいものの星団有数の騎士団を擁する事からその名が知られている。以前はカーグ王国の一部であったが、2000年代初頭に内乱に明け暮れる王国にフィルモアとクバルカンの軍事介入が行われた時に3つに分裂し、その時に功績のあった騎士団長が公爵の位をフィルモアから授けられて建国した。現在は周囲の2国と緩い同盟関係を結び、カーグ連合を形成している。
星団暦2000年代にハスハ・ギーレル南部に領土を得たが、後のハスハ統一戦争で失われている。
魔導大戦にはハスハの旧領土奪還の名目で、バッハトマ側に付いて参戦している。筆頭騎士団はカーグ騎士団。筆頭騎士はアイオ・レーン。旗騎はグルーン・エルダグライン。主力騎はシャクター。
ロッゾ帝国
キーヤ大陸の大半を占める大国。首都はオラウド。超帝國時代には重産業地帯として発達してきた地域で、現在でも多数の産業都市を有する。かつてはスパチュラ国が存在していたが、AD世紀末期にナ・イ・ンがバスター・ランチャーを撃ち込んで消滅させた後、いくつもの産業都市国家が連合を組んで現在のロッゾ帝国を形成した。帝国の名を冠しているが、どちらかと言えば連邦制に近く、皇帝も連邦議会の選挙によって選ばれている。3031年現在の皇帝はレオ・ブーチェル。
ジュノーに広い領土を持っているため、魔導大戦ではフィルモアやクバルカン等とは違い、ハスハにおけるロッゾ帝国の地位向上のため参戦する。
なお、ネイパーや慧茄によって複数の部隊が壊滅させられているが、大国相手にも怯むことなく抗議し、賠償を獲得したようである。
筆頭騎士団はヴーグラ騎士団。筆頭騎士はダックナード・ボア・ジィ。旗騎はヘルマイネ。主力騎はバルンシャ、ツァイト。
ウモス国家社会主義共和国
キーヤ大陸北西の荒涼とした地域に存在する国家。首都はプロコルハルム。デヴォンシャシリーズなど多数のMHを輸出している。カラミティでは比較的新しい国であり、フィルモアや隣国のロッゾから政争に敗れて追放されたりした人々が集まって「青い影」と呼ばれる政治結社を結成したのが始まりである。「青い影」はそのままウモス唯一の政党の名前となり、現在の一党独裁政治の中心となっている。また、この国の建国にはシステム・カリギュラが深く関わっている。3031年現在の元首はフォッケヴォルフ・ムックル総統。筆頭騎士団は青銅騎士団。旗騎は紫苑鋼。主力騎はデヴォンシャシリーズ多数。
アティア王国
キーヤ大陸北東に位置する小国。ミラージュ騎士団のイマラ・ロウト・ジャジャスはこの国の王女である。後に息子のジャコー・クォン・ハッシュが王となる。
惑星ペスタコ
太陽からかなり離れている上に、有毒ガスを含む大気により本来は居住には不適だったものの惑星改造により生存が可能となった。カラミティへの供給を目的とした工業星である。
A.K.D.の星団統一で侵攻されなかった唯一の惑星。崩壊したカラミティの住人が移住し、反アマテラス活動の拠点となっていく。

スタント遊星

ジョーカー星団5番目の太陽。約1,500年周期で星団内に巡ってくる。紫外線が放射される独特の恒星で、肉眼では黒い太陽にしか見えない。

惑星には太陽に近い軌道順に「緩(カー)」、「令(ヒョウ)」、太陽惑星「無(ナイン)」、「列(フー)」、「枝(シー)」、「膨(ホウ)」、「超(バスター)」があり、ナインとフー、シーとホウの間には小惑星帯が存在する。これらの惑星や、その周りを回る衛星は超帝國の技術でもテラ・フォーミングが出来なかった。最外縁に位置するバスターについては、衛星の数が113個という以外の一切のデー