ブレイク・カフェ/森ゆきえ

『ブレイク・カフェ』は、漫画雑誌「マーガレット」（集英社）に連載中の森ゆきえによる少女漫画作品。単行本はマーガレットコミックス（同）より5巻まで刊行（2010年7月現在）。

また、作者の公式ブログ上にて本作をセルフパロディ化した漫画「怪盗ミッチェル」シリーズを不定期で発表している。

あらすじ

高校生の寿々子は兄の卓樹と共にYOTUYAカフェの経営を始める。しかし不動産屋に騙されたことから、YOTUYAカフェは自殺の名所としてオープン。

そんな不吉な立地条件のYOTUYAカフェと、そこに集まる奇妙な人々が織り成すおかしな物語。

登場人物

四ツ谷 寿々子（よつや すずこ）

本作品の主人公。高校生。YOTUYAカフェをおしゃれでくつろげる店にしようと日々努力している。兄・卓樹（後述）の奇行にいつも頭を痛めている。

作る料理の大半がアメーバ状の不定形で、時に意思を持って動き、声を発する場合もある。味も不味い。

ゴリラに例えられるほどの怪力の持ち主。

四ツ谷 卓樹（よつや たつき）

寿々子の7歳上の兄。YOTUYAカフェのオーナー。

YOTUYAカフェをおしゃれでくつろげる店にしようとする寿々子の努力を、いつも奇行によって台無しにする。

変人としか言いようのない個性的な性格だが、容姿は良く、女性には人気がある。

甘党で、店で売れ残ったケーキを食べる事を楽しみにしている。

ポエムを書いたりマンガを描くのが趣味で、ブログも運営中。

手先が器用で、カフェや家での料理を全て担当している。

山田 藻太郎（やまだ もたろう）

自称：ミッチェル。崖下のレストラン「ミッチェル料理店」のオーナーで、店長を兼任。

フランスで5年間修行を積んでおり、料理の腕自体は天才的と評されているが、元々崖の上に建っていた4号店が崖崩れにより崖下に落ちて以来、来客は殆ど途絶えている。

オセロが好きだが正式なルールを知らない為、いつも同店シェフの藪木渉（後述）に負かされている。

「ミッチェルシェフの5分間クッキング」という日曜日の料理番組に藪木と出演しているが、内容がコント的なため視聴者からはお笑い番組だと思われている。

藪木 渉（やぶき わたる）

崖下のレストラン「ミッチェル料理店」の見習いシェフ。

四ツ谷卓樹とは料理学校時代の友人。

童顔だがかなり口が悪く、特に山田藻太郎に対しては手厳しい。

寿々子に好意を持っており、料理をの手ほどきをしようとして挫折したことがある。

古山 ミツエ（ふるやま ミツエ）

寿々子が通う高校の理事長。「ブル山」とあだ名されるほど、ブルドッグに似た容貌の女性。

5年前に夫を亡くしており、現在は四ツ谷卓樹に対して一方的な想いを寄せている。

学校では厳格な教師として生徒たちから畏怖されているが、卓樹に想いを抱き始めてからは寿々子に対して愛想がいい。

崎 匡次（さき　きょうじ）

寿々子の同級生で、借金取り。四ツ谷家への貸金を何とかして回収しようと画策するが、いつも不首尾に終わる。

電子ペットのくまボ（後述）が好きで、借金のカタとして四ツ谷卓樹が所有するくまボを持って帰ったこともある。

極道の跡取り息子で、小学校の卒業アルバムに「日本一の極道」が将来の夢などと書いているが、未だにサンタクロースの存在を信じている無邪気な側面もある。

島岡　剛（しまおか　ごう）

崎の部下。

寿々子、崎の同級生。クラスではお花係を務める。

ふとしたきっかけから漫画家デビューを果たし、「島岡くま郎」のペンネームで執筆を開始。

スキンヘッドに顎鬚、常にサングラス着用という容貌。

大塚 晴海（おおつかはるみ）

四ツ谷卓樹の元恋人で、まだ卓樹の事が忘れられない。

陸上競技で大会記録を出した経験が有る。

山本 澄也（やまもとすみや）

年上の女性が好みで、犯罪に近い攻勢により大塚春海の恋人となる。しかしストーカー談義を交わす内に古山ミツエに好意を抱き始める。

横田　千織（よこた　ちおり）

寿々子の同級生で、手作りカップケーキをオークションに出品するなど、やりくり上手の倹約家。

木村　苺（きむら　いちご）

寿々子の同級生で、料理が上手い。よく島岡と一緒にいる。

目黒　一郎（めぐろ　いちろう）

横田千織がオークションに出品した品物を法外な値で落札するなど、彼女にはいいように利用されている。

マサ（まさ）

南町商店街の肉屋「肉のまさぞう」の娘。

中学3年生。四ツ谷卓樹に好意を抱いているものの、すでに古山ミツエと交際中だと思い込んでいる。

くまボ（くまぼ）

ソミーより発売された、高度学習機能付のくま型最新電子ペット。

象に踏まれても壊れないが、車に轢かれると壊れる。

現在は生産中止。

鈴原　快（すずはら　かい）

「ミッチェル料理店」で働く大学生。

同店オーナー山田藻太郎の、作中の台詞によれば「自分のオセロの相手と、藪木の毒舌に傷ついた自分を励ます事」が主な業務とされており、鈴原自身は子守の仕事に従事していると考えている。

四ツ谷　和幸（よつや　かずゆき）

四ツ谷卓樹、寿々子兄妹の父親。4年前、楽しみにとっておいたプリン3個を卓樹に食べられた事がショックで逐電した（同様に、母親はとっておいた大福を卓樹が食べたことを理由に家出している。）。

現在はプリン工場で働くほどのプリン好き。工場での成績は抜群のトップ。

夢は工場の正社員、役員を経て、最終形態プリン神となり日本を支配する事。

鴨根（かもね）

政治家。

「ミッチェル料理店」の常連だが味音痴で、寿々子の料理(デザート)を美味いと評し、倒れなかった唯一の人物。

沢田　はすみ（さわだ　はすみ）

寿々子の同級生。

調理実習中に寿々子の作ったシチューに飲み込まれて以来、耳からシチューが出てきて意思表示を行うようになっている。

書誌情報

• 森ゆきえ 『ブレイク・カフェ』 集英社〈マーガレットコミックス〉、既刊5巻（2010年7月現在）

1. 2005年8月25日発売、ISBN 4-08-847882-7
2. 2006年11月24日発売、ISBN 4-08-846110-X
3. 2008年9月25日発売、ISBN 978-4-08-846330-8
4. 2008年12月25日発売、ISBN 978-4-08-846365-0
5. 2010年3月25日発売、ISBN 978-4-08-846505-0

脚注

外部リンク

森ゆきえブログ - 作者・森ゆきえによる公式ブログ