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プロレススーパースター列伝/原田久仁信

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著者: 原田久仁信
巻数: 11巻

原田久仁信の新刊
プロレススーパースター列伝の新刊

最新刊『プロレススーパースター列伝 11


出版社: コミックス
シリーズ: 講談社漫画文庫


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

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プロレススーパースター列伝』(プロレススーパースターれつでん)は、梶原一騎原作、原田久仁信画の漫画作品。週刊少年サンデー1980年23号から1983年26号まで連載。少年サンデー・コミックスとして全17巻で刊行され、その後も何度か復刻された。

概要

実在のプロレスラーから、当時日本で人気のあった選手を題材に選んで描かれた漫画作品。一回約20ページ連載で、最短はカール・ゴッチの5回、最長は初代タイガーマスクの27回を費やして描かれた。

コミックス版は小学館から発売されたが、ワイド版・文庫版は講談社からの発売となった。なお、カール・ゴッチ篇は文庫版ではじめて収録された。この文庫版を含め何度か復刊されているが、後期の刊で出版社が異なる場合は、劇中に出てくる「少年サンデー」という言葉は訂正されている。また、現在では問題視される差別用語などは、多くの場合は差し替えられている。

内容

体裁としては事実に基づくものとされていたが、実際には虚構、漫画的な誇張が多く、それゆえ同じレスラーが別の物語に登場した時に内容が整合しない例も存在する(スタン・ハンセンの学歴など)。また、以下に代表される数々の点で事実とは異なる事が明らかになっている。また、新日本プロレス側メインの協力なので全日本プロレス側の外人レスラーは冷遇されている面が多数ある(ボックウィンクル、サンマルチノ、デストロイヤーなど)。加えて全日本対新日本の営業戦争の直撃時期なので、一段と苛烈に描かれている(新日本のタイガーマスクブーム、全日本のスタン・ハンセン引き抜きなど)。なお、当時の第三団体であった国際プロレスはアンドレ編のごく一部を除きほとんど登場しない。

  • タイガーマスクにリング上で制裁されるエル・ソラールの件(実際はアクシデントによる脱臼)や、佐山がメキシコのリングで白覆面のタイガーマスク(ティグレ・エンマスカラード)をやっていたとする件。また、同じく佐山がメキシコとイギリスで、「ミスター・カンフー」のリングネームを名乗っていたとする件(実際は、メキシコでは「サトル・サヤマ」、イギリスでは「サミー・リー」と名乗っている)。
  • ハンセンがブルーノ・サンマルチノの首を折った技がラリアットの件(実際はハンセンのボディスラムのミス。ただし、連載当時はそのことはほとんど知られていなかった)。
  • ハルク・ホーガンのアックスボンバー誕生秘話。ホーガンとハンセン、アンドレが互いに激しい嫉妬心を抱く。
  • ルー・テーズにも度々スポットが当たっており、宿敵(ザ・ファンクス編)、恩師(マスカラス編)、猪木の師匠のカール・ゴッチのタッグパートナー(馬場と猪木編)と重要な役割を果たす事も多い。但しテーズ自身は確かにメキシコの団体に所属した事はあるが団体のオーナーに成った事は一度もなくマスカラスとの接点も少ない。実際のメインは選手兼コーチ業であった。
  • ニック・ボックウィンクルやハーリー・レイスなど、主人公に立ちはだかる世界王者やその周辺の人物がやたら卑劣に描かれている。
  • 梶原は他作品同様アメリカのプロレス団体のチャンピオンの反則防衛(反則負けならタイトルは移動しない)を痛烈に批判している。日本のプロレス団体はあらゆる勝ちに対して移動する。実は「反則負けでもタイトル移動」を最初に導入したのは馬場(PWF)なのだが、その点については触れられていない。
  • 「アントニオ猪木・談」というエピソードが、さも猪木の語っているように登場するが、8割方は創作だと言われている。

ただし、本作に虚構が描かれた点自体が法的に問題視された例は確認されていない(プロレスのギミックを参照。原作者の梶原一騎自身の行為に関して法的な問題が発生した例は存在する→梶原一騎#経歴を参照)。

各エピソード

  • 父の執念! ザ・ファンクス(週刊少年サンデー・1980年23号~29号)
    • 主役レスラー=ザ・ファンクス(ドリー・ファンク・ジュニア、テリー・ファンク)
タイトル通り、半分以上が二人の父親であるドリー・ファンク・シニアのエピソードである。
ドリー・ファンク・Jrは本作を気に入っていたようで、コミックの一部を自分のホームページで紹介していた。
  • 首折り魔!スタン・ハンセン(週刊少年サンデー・1980年30号~35号)
    • 主役レスラー=スタン・ハンセン
<本エピソードで語られた内容>
高卒でプロレスラーになったことになっている。しかしブロディ編では大卒に訂正されている。現実ではアメリカマット界を干された原因になったブルーノ・サンマルチノ頸椎損傷事件も、あくまでハンセンの暴走で起こしたことになっている。ブロディとは学生時代からの友人であるが、この回ではブロディ編でも詳細に描かれる初対決で知り合い、友人関係を結んだことになっている。
プロモーターに自分を売り込む際、ドラム缶をベアハッグで潰している。
必殺技のウエスタン・ラリアットはファンク道場時代の鶴田との会話がきっかけで編み出した。

※その他のシリーズでもハンセンはキー的なレスラーとして扱われホーガン編、ブロディ編でも重要な人物として登場している。

  • 地獄突きがいく! A・ザ・ブッチャー(週刊少年サンデー・1980年36号~47号)
    • 主役レスラー=アブドーラ・ザ・ブッチャー
無名の前座レスラーだった若き日のブッチャーが、拳法家との試合で敗れたことをきっかけに東南アジアへ遠征。シンガポールの空手の達人ガマ・オテナ門下となり、地獄突きを初めとする空手技を習得、帰国後は一躍実力派のヒールとしてスターダムを駆け上がるというストーリー。物語の端々にザ・シークが登場しており、お人好しなところがあるブッチャーを騙しギャラをピンはねする、罠にはめデスマッチで公然と潰そうとするなど狡猾な小人物として描かれている。
いくつかのシーンは、アニメ『タイガーマスク二世』で、すでにブッチャーが移籍していたため、馬場を猪木に、全日本プロレスを新日本プロレスにそのまま入れ替えて流用されていた。
  • 世紀の巨人! A・ザ・ジャイアント(週刊少年サンデー・1980年48号~1981年1号)
    • 主役レスラー=アンドレ・ザ・ジャイアント
当時の公式プロフィール通りに、木こりをしていたところをスカウトされたことになっている。また、実際にはリングネームの一つであるジーン・フェレが本名とされている。
  • 千の顔をもつ男! ミル・マスカラス(週刊少年サンデー・1981年2/3号~1981年17号)
    • 主役レスラー=ミル・マスカラス、 実弟ドス・カラスも登場。
馬場の招きで初来日したとされているが、実際の初来日は1971年2月、日本プロレスの「ダイナミック・シリーズ」であり、馬場が日プロを脱退して全日本プロレスを興す以前の話である。
  • インドの狂虎! タイガー・J・シン(週刊少年サンデー・1981年18号~1981年24号)
    • 主役レスラー=タイガー・ジェット・シン
冒頭で山本小鉄をいたぶる悪役レスラーは、スティーブ・リッカードというシンの友人のはずが「初対面の卑屈なチンピラレスラー」として描かれており、名前すら呼称されない。
  • なつかしのB・I砲! G馬場とA猪木(週刊少年サンデー・1981年25号~1981年42号)
    • 主役レスラー=ジャイアント馬場&アントニオ猪木(BI砲)
解説が猪木だけあって、猪木に重点が置かれた構成になっている。しかし、後年の馬場・猪木の確執以前の、友人同士としての二人を描いている数少ない作品のひとつとして貴重な面もある。
力道山の死因が「手術のあと水を飲むのも禁止されていたのに自分の肉体を過信し寿司とサイダーを平らげたため」となっている。劇中では「…との説もある」となっているが、しっかり絵に描かれており、それに対する猪木のリアクションも描かれていた。
  • プロレスの神様! カール・ゴッチ(週刊少年サンデー・1981年43号~1981年47号)
    • 主役レスラー=カール・ゴッチ
レスラーとして第一線を退いた後のゴッチが、通称「蛇の穴」ビリー・ライレージムへ入門した若き日のことを回想するというストーリー。他エピソードに登場する「プロレスの神様」然とした冷静沈着なゴッチとは違い、非常に血気盛んで喧嘩っ早い。なお冒頭でビリー・ライレージムの異名について「オーッ、スネーク・ホール!」とゴッチが声を上げるシーンがあるが、正確にはスネーク・ピット(Snake pit)である。前述の通りコミックス版未収録。
  • 狂乱の貴公子! リック・フレアー(週刊少年サンデー・1981年48号~1982年3/4号)
    • 主役レスラー=リック・フレアー
ハンサムな外見が売りのフレアーであるが、小柄な体格で苦労したレスラー生活を描いた根性ストーリー。巨漢の敵として登場したブッチャーが、その根性に惚れ込み味方につくという展開。その他ブロディやキラー・コワルスキーと対戦。リッキー・スティムボートとのライバル関係も描かれているほか、テリーや鶴田との防衛戦を通じて「負けないレスリングをしっかり身につけている王者」というフレアー像が描写されている。
実際にはフレアーのスタイルの原型であるバディ・ロジャースについて、「人気だけで実力がなかったため控室でゴッチにKOされ男として最低の恥をかかされた」とフレアーが罵倒するシーンがある。
  • 夢の英雄! タイガーマスク(週刊少年サンデー・1982年5号~1982年31号)
    • 主役レスラー=タイガーマスク(初代)
当時の現役人気レスラーであり、生みの親が原作の梶原一騎自身ということもあって、シリーズで最大の長編になっている。
梶原本人もたびたび登場し、当時のリアルタイムでタイガーの正体の謎解きをしている描写があるが、佐山サトルのエピソードが描かれるなど、正体が佐山である事を明かしていると言っていい内容である(あくまで「タイガーの正体が佐山サトルだとすれば・・・」という形だが)。ライバルとしてダイナマイト・キッド、ブラックタイガー(マーク・ロコ)が登場。
  • 超人一番! ハルク・ホーガン(週刊少年サンデー・1982年32号~1982年49号)
    • 主役レスラー=ハルク・ホーガン
アントニオ猪木対モハメド・アリを見て打倒猪木を誓いプロレスに入った、という設定になっている。ちなみに、これについてホーガンがレスラーになる前にバンドをやっていたこと(これは事実)を踏まえ「ホーガンにギターを捨てさせた」と表現されているが、実際にはホーガンはバンドではベーシストをしていた。ハンセン、アンドレと日本リングで外人レスラーNo1をかけて戦った。
  • 文明のキングコング! ブルーザー・ブロディ(週刊少年サンデー・1982年50号~1983年17号)
    • 主役レスラー=ブルーザー・ブロディ
ハンセンとは大学の同級生だったことになっているが(実際はブロディが3つ年上)、シリーズの中では一番リアルに近いと言われている。ブロディが元新聞記者という設定もコラム記事を書いていた時期があり、あながち間違ってはいない。ブロディの理解者がハンセンやフリッツ・フォン・エリックなどと言う限られた人物であった事もハンセンの自著などで明らかにされており、ジャンボ鶴田が強敵であった事も語っていたという。他に駐車場で最初にブロディに全日本移籍をハンセンが告げるが、現実ではホテルであるが、これも事実でタッグ復活の打ち合わせをしたのも確かである。「単なる怪物じゃない扱いをしてくれる」とブロディが日本を気に入っていたのも事実である。
  • 東洋の神秘! カブキ(週刊少年サンデー・1983年18号~1983年26号)
    • 主役レスラー=ザ・グレート・カブキ
日本のプロレス界で巻き起こる様々な軋轢に辟易し、プロレスそのものに失望しかけていた高千穂明久が、東南アジアでのある試合をきっかけに心機一転。本格的に拳法を学び、実力派の怪人ヒール、ザ・グレート・カブキへと変身するというストーリー。カブキの師となる拳法家のウォン・チュン・キムは、ブッチャー編のガマ・オテナの一番弟子という設定である。
日本プロレスの内紛についても多くのページが割かれており、「文責・梶原一騎」として日本プロレス社長の芳ノ里が会社の金で豪遊していたと断定する記載がある。

梶原一騎の逮捕により打ち切りとなったが、もし連載が続いていたら続きとしてジャンボ鶴田編を執筆する予定があった。

備考

  • タレント・今田耕司がバラエティ番組において愛読していた漫画の中で本作を挙げており、全巻所有している。
  • 斉藤由貴主演のドラマ『吾輩は主婦である』(第38回:『おうち』2006年07月12日放送)の中で吾輩(注:夏目漱石が乗り移ったみどり《演:斉藤由貴》)になりたての頃に本作を夢中になって読んでいる場面が描かれている。

関連項目

  • プロレス