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ホイッスル!/樋口大輔

共有

著者: 樋口大輔
巻数: 15巻

樋口大輔の新刊
ホイッスル!の新刊

最新刊『ホイッスル! 15


出版社: 集英社
シリーズ: 集英社文庫コミック版


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

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ホイッスル!』は、樋口大輔によるサッカー漫画作品、およびそれを原作とした一連のメディアミックス作品の総称。1998年から2002年まで週刊少年ジャンプ(集英社)で連載された。全216話。話数カウントは「STAGE.○」。

あらすじ

主人公・風祭将はサッカーが大好きな中学生。夢はJリーガーとなり、世界でプレーすること。サッカーの名門である武蔵森学園中等部に通っていたが、背が低いという理由で3軍に回され、練習に参加することも許されなかった。サッカーをしたい一心で桜上水中学校に転校するも、武蔵森のレギュラーが来たと誤解されて恥をかき、一度は姿を消す。しかし、桜上水の水野やシゲ、不破といった仲間たちと切磋琢磨する中で、サッカー選手としても人間としても成長していく。

登場人物

声の表記は、オリジナル版アニメ / ボイスリメイク版アニメの声優の順。

桜上水中学校

東京都にある極めて平凡な公立校。サッカー部は弱小チームであったが、風祭の入部をきっかけに変化が表れ始める。

男子選手

風祭 将(かざまつり しょう)
声 - 小向美奈子 / 堀江瞬
2年 背番号9 フォワード 1984年5月10日生まれ 身長146cm 体重40kg A型
物語の主人公。転校前は名門・武蔵森学園中等部のサッカー部の3軍でひたすら雑用とリフティングなどを延々こなすだけの日々を過ごしていた。過酷な状況下でも挫けずにレギュラー入りを目指して1軍昇格を目標にしていたが、偶然通りかかった2軍の天野達から身長が低すぎて1軍入りを目指しても無駄と揶揄されるなど、理不尽な理由をはじめとした自分への陰口を聞いてしまう。このままではレギュラーどころか3軍からの昇格も試合にも出場できないことを知った風祭はサッカーをしたい一心で武蔵野森中等部から桜上水中学校へ転校し、武蔵野森学園の寮から兄・功の住むマンションに引っ越した。だが転校初日のサッカー部への入部早々に顧問の香取の早とちりで武蔵森サッカー部のレギュラーと勘違いされてしまい、その場の流れで出場したミニゲームでも何もできなかったことからチームメイトからも不信を買ってしまった風祭は入部初日で早くも居場所を失ってしまう。一度は挫けそうになりながらも、再びサッカー部に戻るために自主練習を開始した風祭の元に、水野が現状の弛んだサッカー部を改革するために風祭に共闘を持ちかける。水野の挑発でキャプテン本間を筆頭とした現レギュラー組との対決が決定し、風祭は水野のコーチの元で高井をはじめとした補欠メンバー達と共にサッカー部へ戻るために奮起し、現レギュラー組との5対5のミニゲームでの対決を制して信頼を勝ち取ることに成功する。復帰後は春の地区大会のメンバーに人数ギリギリながらもフォワードとしてレギュラー入りを果たすが、大会の抽選会で香取が1回戦の相手に優勝候補の武蔵森を引き当ててしまう。試合も序盤からリードを許す苦しい展開になるが、風祭の2ゴールで一時は同点に追いつく奮戦を見せるも終了間際の失点で敗戦。しかし優勝候補相手に善戦したことで部員が急増し、直後に就任した松下コーチの元で始動した新体制のレギュラー争いにも勝ち抜き、その後も小柄な体格など様々な苦難や壁を乗り越えるべく人一倍の努力を重ねて実力を伸ばしていく。そんな風祭に引っ張られるかのように成長を続ける桜上水サッカー部は夏の地区予選で優勝して都大会出場を決めるまでに成長し(都大会は3回戦敗退)、風祭自身も地区予選終了後に行われた東京都選抜の選考合宿に召集されるまでになる。合宿中には飛葉中の椎名や黒川など周囲からのアドバイスやヒントも得て自分の身体の小ささを生かした戦い方を少しずつ身につけはじめ、合宿最終日のメンバー選考を兼ねた紅白戦では合宿に途中合流した際の練習で手も足も出なかった同じフォワードのライバルの鳴海を相手に股抜きでゴールを決めて結果を残し、選考試合終了後の最終メンバー発表の場で正規メンバーとは別枠ではあるが、小岩と共に正規メンバーの中に負傷者が出た場合のためのバックアップメンバーに選ばれた。
東京都選抜入りした初期はあくまでバックアップとしてベンチ外の補欠扱いだったため、最初は練習と雑用のみで試合への出場を全くさせてもらえず過酷な日々が続いたが、水野と途中交代で出場した洛葉との練習試合をきっかけに周囲が驚くほどのスピードで成長、選抜メンバーからも徐々に信頼されるようになっていく。その後は調子を落としていた天城を立ち直らせるべく挑んだ勝負で覚悟を決めた天城の復活を見届けた後、ドイツ移住のために選抜を途中離脱した天城の背番号を引き継ぎ、正式に選抜の正規メンバー入りを果たす(背番号19)。メンバー入りした後は膠着状態に陥った時のスーパーサブとして、ゴールや献身的なディフェンスを含め様々な局面で結果を出していくつもの窮地を救ってきた。そしてトレセンの終盤ではスタメン出場を果たすまでになる。
元来の風祭は特に運動神経やフィジカルが優れていたわけでもサッカーセンスに秀でていたわけでもない平凡な選手だったが、桜上水サッカー部での地道な努力や選抜入りを経て選手として伸び続けている最中も決して自分に満足せずに、まだまだ下手くそだと自分自身に言い聞かせながら練習も試合もどんな時でも本気で取り組むことで現在に至るまで結果を出し続けている。そして試合ではどんな逆境でも諦めずに一途に前を向いて突き進むがむしゃらなプレーは、ここ一番でチームの局面を切り開いていくことも多い。
性格は愚直なまでに真っ直ぐ且つ頑固で、マリーシアや不正など曲がったことを見過ごすのを何よりも嫌っている(学校のテストのカンニング行為や、シゲがダイブで得たPKをわざと外すなど)。その性格から多少煩わしいところも指摘されるが、気づけば自分の周囲の意識を変えていくほどの純粋さと向上心を持ち合わせていることもあり、風祭の情熱にあてられた選手は同世代を筆頭に数多い。サッカーや私生活などで歳相応に悩むことも多いが、最終的にはいつも自分で進むべき道を切り開いていく。その前向きな性格からかチームメイト内外からの信頼も厚く、シゲからは「ポチ」、椎名からは「将」と呼ばれている。本編最終盤では小柄な体格を活かした「消えるフェイント」や、シゲを意識した3人抜きをやってしまうなど、凄まじい早さで成長を続ける風祭の姿は水野やシゲ達を戦慄させていた。
サッカーをしていない普段の私生活では天然で鈍感(シゲ談)で、割と真面目な顔で的外れな発言をしたり(韓国に行くのにパスポートが必要なのかと聞いたり、北海道に行くのにもパスポートが必要だと言われ信じそうになったりなど)、女子からの好意にも鈍感で全く気付くことがなかったりする。サッカー部マネージャーの桜井から向けられた好意にも気づくことはなかった。
亡父・潮見謙介(声:木内秀信 / 同左)も社会人サッカー選手であったが、幼少時に両親が事故死したため、母(声:中尾友紀 / 甲斐田ゆき)方の伯父である風祭家へ引き取られ、風祭家の次男として育てられてきた。
トレセンの決勝の試合終盤で関西選抜のシゲとの接触プレーで左ヒザに重症を負い、最初の手術後に日常生活はともかくサッカーはもうできないと医者に宣告される。リハビリ中に病院で途方に暮れていたところを、以前フットサル場で出会ったプロ選手・周防から激励され、ドイツで大手術を受けて無事成功。その後ドイツに残り約3年に及ぶリハビリを経て、U-19日本代表として奇跡の現役復帰を果たした。ちなみにドイツでのリハビリの最中、後に生涯の伴侶となる天城の妹・イリオンと出会っている。
赤マルジャンプのU-19の完結編エピソードではドイツから帰国した後の進路は決まっていなかったが、文庫版の描き下ろしでは、2006年にはジュビロ磐田所属でレギュラー入りを目指して奮闘中。一方で私生活では自身に対するイリオンの恋心に全く気づいていなかったりと、天然で鈍感なのは変わっていないようである。不憫なイリオンを見かねた水野とシゲの後押しの結果、実質両想いだったことが発覚し、イリオンと恋仲になった。彼女の薬(マシュマロ)のおかげで背もすっかり伸びている。
中学2年の4月時の身長は146cmだが7月には149cmになっている。最終的には165cm(U-19の試合時「16cm伸びた」と発言している)まで伸びた。だが、周りも当然大きくなっているので相変わらずチビとからかわれた。
2014年に刊行された次世代編『サムライファイト!』ではイリオンと結婚し、ドイツに在住。1男1女の父親になっている。
2016年からマンガワンおよび裏サンデーにて連載されている続編『ホイッスル!W』では、イングランド・プレミアリーグのラスターで活躍し、日本代表にも定着している。
水野 竜也(みずの たつや)
声 - 前田剛 / 立花慎之介
2年 背番号10 ミッドフィールダー 1984年11月30日生まれ 身長167cm 体重56kg AB型
桜上水中の司令塔でキャプテン。武蔵森の入部試験に合格しながらも、武蔵森中サッカー部監督の父を嫌っていたために敢えて合格を蹴って無名の桜上水中に通う(後に父とは和解)。父と離婚した際に母(声:香坂千晶 / 同左)に引き取られ、母と祖母と叔母2人と飼い犬ホームズと暮らしている。美形で女子からの人気が高い。シゲからは「タツボン」と呼ばれている。
ミッドフィールダーとしての能力の高さは折り紙付きで、風祭の転入前には地域トレセンに選ばれていた経歴もある。周囲からは未来のファンタジスタとも評されるほどのサッカーセンスを持ちあわせていて、中盤ならサイドもこなせるが基本的にはトップ下を任されることが多く、感覚と閃きによるプレーで数々のゴールを演出してきた。人付き合いがやや不器用ではあるが面倒見もよく、桜上水サッカー部でも個性の強いシゲや成長著しい風祭をはじめ、選手同士の能力の差が大きく個性豊かなメンバーを不器用ながらもまとめあげるリーダーシップも兼ね備えている。
風祭の転入時にサッカー部の意識改革のために動き出し、風祭や補欠メンバーと共にキャプテンの本間や他の先輩達を中心とした旧レギュラー組との対決を制したものの、結果と引き換えに多くの部員を失ってしまう。しかし風祭をはじめとした残ったメンバーやサッカー部に復帰したシゲと共に奮起し、春の地区予選に向けて猛練習を積み重ねる。春の地区大会は結果的に初戦で武蔵森に敗れたものの、大会後に就任した松下コーチの下でスタートした新体制でもキャプテンと司令塔としてチームをまとめ上げていく。大会前の直前合宿や夏の大会を経てチームメイトが順調に成長し、確かな手ごたえを感じ始めていた水野が桜上水でのサッカーを好きだと思うようになってきた矢先、父が強引に事を進めようとしていた武蔵森への転入騒動をきっかけに、今まで以上に父への対抗心や葛藤に悩むようになっていく。個人プレーに走ったり傲慢な態度をとったりとメンタルが不安定になっていたが、最終的には風祭やシゲをはじめ、雨の中の激闘となった洛葉との延長とPK戦にまでもつれた試合をチーム一丸となって勝ち抜き、チームメイトの後押しも受けて立ち直る。夏の地区大会終了後に東京都選抜の選考合宿に選ばれ、合宿中にかつて父の言っていた「環境が優秀な選手を育てる」との言葉に一定の理解を示し、厳しい選抜選考の中でも自分を自由にしてくれる優秀な選手達と日々切磋琢磨しながらサッカーを楽しむ姿が見られた。選抜選考合宿の最終日の紅白戦でいち早く最終メンバー入りを確定させ、桜上水に引き続き背番号10を与えられたが、桜上水に戻ってからはサッカー部と選抜チームの両方で周囲との連係がなかなか上手くいかずに悩むことになる。監督の西園寺やマルココーチからはセンスを認められながらも「今のプレーは独りよがりで傲慢。ファンタジスタになれる素質を持っているが、チームの核となるためには自分だけでなく他人を生かすプレーを考えてもらわないと」と指摘されていた。周囲との信頼をあまり築けないまま迎えたソウル市選抜戦でも序盤はチームメイトと噛み合わずにやや浮足立ったプレーをしていたが、同じ司令塔のライバルでもある郭の身体を張ったディフェンスと厳しい言葉に奮起して覚醒、チームメイトからも「もっと挑戦しろ(遊べ)よ」と言葉をかけられてからはチームに順応していく。試合は引き分けで終わるものの確かな成長を感じていた矢先、翌月のトレセン初日に水野たちは関西選抜の一員として現れたシゲと再会する。チームメイトではなく対戦相手として現れたシゲに対し水野が戸惑う中、これまでの桜上水では見ることのなかった枷を外して自由に走り始めた本気のシゲの実力や、いつも自分で道を切り開いていく風祭が既に気持ちを切り替えてシゲと戦えることを楽しみにしている姿を尻目に自分だけが取り残されていると気づき、これまで他人に自分の存在意義を見出していた水野は再び悩み始めてしまう。悶々としたまま関西選抜とのトレセン決勝当日まで悩み続けるが、最終的には試合中にも成長を続ける風祭と、シゲの本気のプレーに触発されてぶつかったことで完全復活、水野のメッセージを込めたラストパスでゴールを決めた風祭と抱擁を交わした。
後に武蔵森学園高等部に進学し、在学中に横浜F・マリノスに入団。
文庫版の描き下ろしでは、18歳下の弟・虎治が誕生している。高校在学中に家を出てマリノス入団を決めた理由をシゲに暴かれてからかわれる一面もあった。
2014年に刊行された次世代編『サムライファイト!』では成長した虎治の兄として登場。独身だが、女子アナと交際している模様。
佐藤 成樹(さとう しげき)
声 - 木内秀信 / 金本涼輔
2年 背番号11 フォワード(最初の武蔵森戦ではゴールキーパー) 1983年7月8日生まれ 身長171cm 体重58kg B型
通称「シゲ」。母親(声:薛宏美 / 中尾友美)と生活していたが、妾の息子であることで冷遇されていた京都の名家を飛び出し、テレビ番組に影響されて1年近く放浪生活を行う。そのため、風祭とは同学年でクラスメイトであるが年齢が1つ上。桜上水中近くの寺で居候をしている。私生活では水野と同様にかなりモテるタイプで、バレンタインには袋2ついっぱいのチョコレートを貰っていた。
運動能力とサッカーセンスの高さに加え、ここ一番で見せる勝負強さと身体能力の高さを生かしたアクロバティックなシュートやプレーなど、ポジションがどこでも何でも器用にこなす。普段はフォワードのポジションではあるが、春の地区予選後に不破がサッカー部に入部するまでは臨時でゴールキーパーを務めた。その身体能力と器用さを買われて、スポーツ系の部活を筆頭に文科系の手芸部で見せた上手な刺繍など様々な助っ人稼業をしており、以前に助っ人したことのあるサッカー部を気にかけていた折に風祭と出会い、風祭がどのような人物かを見極めた上で正式にサッカー部に入部するものの、初めは楽しければそれでよいという考えを持ち、かなりの実力はあるもののプレーにひたむきにはなれずにいたが、夏の大会終了後の東京都選抜候補メンバー入りを逃してからは、本気でサッカーをしたいと願うようになる。
実は東京都選抜の選考合宿メンバーには風祭や水野や不破と共にシゲも選出されていたが、表向きは負傷(飛葉中戦で負傷した右肩の影響)という形で松下コーチが東京都選抜に断りを入れたため、選抜入りメンバーからは漏れる形となった(本当の理由は本気でやれる時間が短いサッカーとちゃんと向き合ってほしいという松下コーチの判断だった)。その後、松下コーチや飛葉中の井上からの激を受けて真剣にサッカーと向き合う決意を決めたシゲは京都の実家でもある藤村屋へ帰り、関西選抜チームのスポンサーとしてサッカー界に顔の利く父にプライドを捨てて頭を下げ、関西選抜のメンバー選考会への推薦を懇願する。幾つかの押し問答を経て、最終的に父から一つでも試合に負けたらサッカーをスッパリ辞めて藤村屋に入ってもらうという厳しい条件を課せられたものの、どうにか関西選抜候補のメンバーに推薦してもらうことに成功し、その後正規の選考を受けて晴れて関西選抜チームに加入が決定した。ちなみに選考試合で共にツートップを組んだどこか風祭に似たような雰囲気のある吉田光徳とは、後に選抜でもツートップを組むこととなる。その後シゲは、風祭の全身全霊でサッカーと向き合いながらいつでも自ら道を切り開いていくその姿に大いに影響されて自分の気持ちをごまかすのをやめ、自らの枷を外して自由に走り始めていく。
なお関西選抜入りした後は関西の学校に転校はせず、週末になると関西選抜の練習に参加するために東京と関西を往復する生活を選び、サッカー部のメンバーおよび東京選抜に選ばれている3人には関西選抜入りを告げないままでいた。そしてトレセン初日、シゲは関西選抜のエースストライカー「金髪のフリーマン」藤村成樹として、本来の母親の佐藤性から苗字を戻し、風祭や水野と戦うべく東京都選抜の前に立ちはだかる。関西選抜入りしてからは正規の練習とは別に地道なトレーニングを続けた結果、元来の才能だけに頼ったプレースタイルからは完全に脱却し、フィジカルにサッカーセンスやテクニックなど選手として必要な要素の全てが桜上水サッカー部で練習していた頃よりもずば抜けて成長している。関西選抜の山本監督曰く「この世代じゃナンバーワンの実力の持ち主。カリスマになれる奴だ」と評価をしている。
アニメでは肩の負傷が癒えた時点で秘密裏に東京都選抜入りを果たしている(背番号23)。アニメ最終話のソウル市選抜戦の試合終了間際に1点リードされた敗色濃厚の状況で切り札としてスタジアムに登場し、何も知らされてなかったメンバーが動揺する中、前日からの腹痛で調子を崩していた鳴海と交代で途中出場した。出場直後に桜上水でツートップを組む風祭と、トップ下の水野との原作での東京都選抜チームでは描かれることのなかった桜上水3名によるトリオプレーで試合終了間際の同点ゴールのきっかけを作った。なお、アニメでもソウル市選抜とは最終的に引き分けで終了している。
後に山白高校に進学し、京都サンガF.C.に入団。
番外編でのエピソードには、前キャプテンの本間に新人戦の出場メンバーの助っ人出場を乞われて桜上水サッカー部へ参加、年齢はシゲの方が1つ上ではあるが当時互いに1年生同士だった水野とコンビを組んでいた時期もあった。
文庫版の描き下ろしでは選手生活と並行して藤村屋のグッズなどを使っての店の宣伝やネット通販で海外に支店を出すアイデアなどで結果を出して認められたことで、父と和解している。
2014年に刊行された次世代編『サムライファイト!』にも登場。水野と同じく独身。
不破 大地(ふわ だいち)
声 - 喜安浩平 / 江口拓也
2年 背番号1 ゴールキーパー 1984年12月31日生まれ 身長174cm 体重60kg AB型
桜上水中始まって以来の天才児にして問題児。何でも軽々とこなし、何事においても天才的な才能を発揮するが、多くの相手(その中には教師も含まれる)のプライドをズタボロにしてしまう、通称「クラッシャー不破」。その性格から学校一絡み辛い人間とされていたが、そんな自分に無邪気に話しかけてくる風祭の笑顔が気になり、サッカー部に入部。入部後は元々備わっていた鋭い読みと反射神経を駆使してキーパー個人としての守備に関しては高い能力を発揮していたが、試合を勝ち進み相手が強くなるにつれて個人の能力だけでは打開できずに組織守備が求められる場面で連携ミスが出てくるようになる。これまで何をやっても一人で解決してしまう能力の高さ故に人を信頼することを知らなかったため、野呂をはじめとしたディフェンス陣との連携に課題が出てきてしまう。同時に風祭の笑顔(サッカーの面白さ)が理解できずに答えを風祭に求めたが、その際に風祭がうっかり発した「武蔵森で不破と同じキーパーの渋沢なら何か答えを知っているかも」という言葉を受け、翌日に渋沢に会うべく武蔵森に潜入する。直後に部員の一人を捕縛して練習着を調達し、こっそり練習に参加して(藤代にはバレていたが面白そうとの理由で黙認された)武蔵森の1軍に対してもいつも通りに欠点を挙げまくるクラッシャーぶりを発揮していると、そこに騒ぎを収めにやってきた渋沢と遭遇することに成功する。不破が風祭に聞いても答えが出なかった質問と疑問を渋沢にぶつけ、問いに対し答えてくれた言葉に一定の理解を得た数日後、守備陣がぎくしゃくしたまま地区予選決勝トーナメントの初戦・岩工大附属戦に臨むことになる。試合は序盤徹底的に守備を固めてきた岩工が前半残り5分で勝負を仕掛け、野呂と不破との連携が甘い隙を見抜かれてしまい、ミスを誘発され先制される。悪い流れのまま迎えたハーフタイム中に自ら途中交代を申請しようとしていた野呂を不破が連行し、ぎこちない会話ながらも直接腹を割って話し合ったことで互いを理解することを覚えた。そして迎えた後半、岩工が追加点を狙って前半と同じく決定的な場面を迎えたが、相互理解の深まった不破と野呂との連携で見事に相手の攻撃をシャットアウトし、直後のカウンターで同点ゴールを決めた風祭と共に試合の流れを引き寄せることに成功した不破は味方を信頼することの面白さに気付き、その後は今までなら見ることもなかった野呂との日常会話(以前は野呂が一方的に萎縮していた)をはじめ、他のメンバーとも息の合った連携が見られるようになっていく。
夏の大会終了後には東京都選抜の選考合宿メンバーに選ばれたが最終メンバーには残れず、クラッシャーも人の子で安心したと声をかけてきた高井らの頬を抓って感情を表す場面もあった。後日、選抜メンバーのキーパー小提健太郎がソウル市選抜戦で負傷して長期離脱が決定したため、トレセン前に入れ替わりで追加招集された(背番号12)。
後に選抜で同じチームメイトになる渋沢にはライバル心を抱いている。プレースタイルは堅実堅守な渋沢とは違い、基本的なキーパーのプレーをしつつも、逆立ちでボールをキャッチしたり、ペナルティキックを正面からのパンチで弾き返すなど、実質サッカー初心者ながらも時折見せる奇想天外且つ予測不能なプレーが最大の特徴。祖父・大作、父・大陸(だいろく)、母・乙女の4人家族。後に黒須大学高等部、黒須大学に進学。サッカーをやめられない理由は「人を知るための触媒としてのサッカーは興味深い」から。黒須京介というはとこがいる(原作者の読切作品『X-コネクション』の主人公の一人でもあり、不破に顔がそっくりである)。
アニメでは天城の選抜離脱後に追加メンバーとして東京都選抜に招集される(背番号22)。ソウル市選抜戦は負傷した小堤と交代で途中出場した。
2014年に刊行された次世代編『サムライファイト!』にも登場。
高井 真人(たかい まさと)
声 - 長瀬博高 / 大畑伸太郎
2年 背番号12 ウイングバック(最初の武蔵森戦ではフォワード) 1985年3月29日生まれ 身長158cm 体重50kg B型
風祭の入部前からずっと補欠であったが、風祭の入部の際に起きた部員とのいざこざでチームの人数がギリギリ11人になってしまい、物語序盤はレギュラーでフォワードとして試合に出場した。しかしその後は不破の入部でシゲがキーパーから本来のフォワードに戻り、風祭とのポジション争いにも敗れてしまいレギュラーから降格。練習もサボりがちになっていた時期に、夜な夜なアンブロ仮面を名乗ってサッカー部の関係者(サッカー部に悪意を抱いていた相手のみ)を襲撃していた女子マネージャーの小島に勝負を吹っ掛けられ、この勝負をきっかけに奮起する。その後、夏の大会直前の合宿で松下コーチに試合に出るためにはどうすればいいかを相談し、俊足と体力があってもフォワードとしては全体を見渡せる視野が足りないと指摘される。この欠点を改善して試合に出るために、松下コーチの提案で足りない視野をサイド方面に特化すべくウイングバックにポジションをコンバート。その際にサイドからのパスの精度を課題として出され、自主練習でひたすらにロングボールを中心としたパスの精度に磨きをかけた。その後、合宿最後の国部二中との練習試合で途中出場した高井は風祭へのセンタリングのアシストで結果を出して正式にレギュラー復帰、新たな攻撃のオプションとしてその後の試合でも活躍した。中学卒業後は森長と共に強豪の上水南高校に進学し、東京都大会でベスト4に入るまでの成長を見せる。実家は八百屋で、高校卒業後、家業とJFLの選手、少年サッカーチームのコーチと多忙を極める。
2014年に刊行された次世代編『サムライファイト!』では風祭の息子・蒼の日本でのコーチとして登場。既婚。
森長 祐介(もりなが ゆうすけ)
声 - 二村兆富 / 西山宏太朗
2年 背番号7 ボランチ 1984年5月30日生まれ 身長159cm 体重48kg A型
ボールコントロールが上手い。友情に篤く、八重歯が特徴的。風祭に対しては敬語を使う。後に高井と共に上水南高校に進学。大学を経て学校の教師となり、サッカー部顧問となる。
古賀 良彦(こが よしひこ)
声 - 堀田勝 / 山下誠一郎
1年 背番号3 ボランチ(最初の武蔵森戦ではディフェンダー) 1986年2月1日生まれ 身長144cm 体重38kg B型
黒縁眼鏡と風祭よりさらに小柄な体格が特徴。外見通り頭が良いらしく、時々きついツッコミを口にする。
花沢 秀臣(はなざわ ひでおみ)
声 - 鶴岡聡 / 真木駿一
1年 背番号2 ストッパー 1985年6月27日生まれ 身長177cm 体重65kg A型
かなりの長身でごつい顔をしているが、女性のような穏やかな言葉遣いで、実家では花を生けている。
五味 薫(ごみ かおる)
声 - 窪田亮 / 生田鷹司
1年 背番号8 スイーパー(最初の武蔵森戦ではミッドフィールダー) 1985年10月14日生まれ 身長166cm 体重53kg AB型
人畜無害で一見目立たないタイプだが、武蔵森の選手からボールを奪う、飛葉中の猛攻をしのぐなど、桜上水のサブキャラ陣の中では意外にも活躍は多い。
野呂 浩美(のろ ひろよし)
声 - 又村奈緒美 / 釘宮理恵
1年 背番号4 ストッパー 1986年3月3日生まれ 身長149cm 体重58kg A型
分裂の危機にあったサッカー部で同輩達と別れてサッカー部に残る。体型は太めで、気弱な性格だが、柔軟な身体を活かしたプレーでレギュラーをとる(体型は後に段々と痩せていく)。
山口 杉太(やまぐち さんた)
声 - 石橋美佳 / 三瓶由布子
1年 背番号15 ミッドフィールダー 1985年8月15日生まれ 身長153cm 体重43kg O型
強豪になりつつある中で入部したため、分裂の危機は知らない。お調子者で桜井のことが好き。そのため、勝手に風祭をライバル視している。出場機会は少なく、ベンチにいることが多い。
外山 一平(とやま いっぺい)
声 - 長浜満里子 / 田村清准
2年 背番号6 ウイングバック 1984年8月28日生まれ 身長156cm 体重45kg O型
春の大会まではレギュラーだったが、夏の大会前の合宿でポジションをウイングバックにコンバートした高井と入れ替わりで控えに降格してしまった。
田中 衛(たなか まもる)
声 - 髙木俊 / 河西健吾
2年 背番号5 ウイングバック(最初の武蔵森戦ではディフェンダー) 1984年12月23日生まれ 身長158cm 体重47kg AB型
ウイングバックのポジションながらあまり得点に絡むことはないが、チーム内ではベンチにいたことがないレギュラーの選手。

女子選手

小島 有希(こじま ゆき)
声 - 鈴木真仁 / 牧野由依
2年 ミッドフィールダー 1985年4月1日生まれ 身長155cm 体重41kg B型
女子サッカー部のキャプテンで、男子サッカー部のマネージャーでもある(原作では武蔵森戦の後だが、アニメでは第1話からマネージャーである)。兄がJリーガーであり、自らも幼少より女子のクラブチームに入ってサッカーをしていたが、父親の転勤により女子のクラブチームに行けなくなったせいで思うようにサッカーができず、不満を募らせていた。その腹いせに、謎のアンブロ仮面として、サッカー部を馬鹿にしていた男たちに八つ当たりし1年間を無駄にしてしまう(原作のみ)。サッカーの才能は高く、桜上水女子サッカー部結成以前はマネージャーから選手へと格上げされ、男子と共にプレーしていたが、後に風祭たちの呼びかけにより念願叶って女子サッカー部を創設する(ただし、その後も引き続き男子部マネージャー業もこなしている)。女子サッカー部創設後は、けじめとして長かった髪を香取に切ってもらった(その後作中でだんだん伸びていき、最終話では元の長さに戻っている)。ボーイッシュな性格だが美人で、ぶりっ子が得意。少々ブラコンの傾向があり、バレンタインの時に「私の本命はお兄ちゃんです」と言っている。高校在学中に渡米し、クラブユースに入団。アメリカ女子プロサッカーリーグを目指し奮闘している。
2014年に刊行された次世代編『サムライファイト!』にも登場。意外な人物と結婚している。
桜井 みゆき(さくらい みゆき)
声 - 長谷川静香 / 七瀬彩夏
1年 1985年4月27日生まれ 身長150cm 体重37kg O型
風祭に好意を寄せているが、風祭があまりにも鈍いためなかなか上手くいかない。風祭に近づくために女子サッカー部に入部したが、次第に本気でサッカーにのめりこむようになる。たまに風祭からもらえるアドバイスに幸せを感じている。
上条 麻衣子(かみじょう まいこ)
2年 1984年8月29日生まれ 身長163cm 体重45kg B型
美人でプライドが高く、それゆえに学園のアイドルの座を巡って小島をライバル視しているが、小島には学園のアイドルというポジションに興味がないため、全く相手にされていない。小島を初めて見た時は、二人で「桜上水 二輪のバラ」になろうと考えていた。私立中学に入学を拒否されたほど成績が悪いらしい。負けん気が強く、入部テストの課題であったリフティング10回ができないことを本気で悔しがった。
戸田 志津代(とだ しずよ)
1年 1985年11月30日生まれ 身長158cm 体重42kg O型
通称「しーちゃん」。桜井の付き合いで共に女子サッカー部に入部。弟との付き合いでサッカー経験があり、入部テスト(リフティング10回)には難なく合格している。非常に正直な物言いをする。
横山 寧々(よこやま ねね)
3年 1984年3月15日生まれ 身長177cm 体重51kg B型
高校からサッカー部に入るつもりであったが、桜上水中に女子サッカー部が創設されると聞いて入部。入部テストもスムーズにパスした。小島が見上げるほど背が高い。

指導者・保護者

松下 左右十(まつした そうじゅう)
声 - 楠大典 / 木内秀信
1961年10月24日生まれ 身長182cm 体重73kg O型
元日本サッカーリーグ新川電工のミッドフィールダーで、日本代表選手でもあった。チームに未完の大器として加入した雨宮への指導方針を誤った過去の経験から、自らサッカーをやめ、サッカーを通じての人付き合いを避け、隠遁生活をしていた。おやっさんのおでん屋の常連客。ひょんなことから武蔵森と戦う桜上水中の試合におやっさんに連れていかれ、この試合限定でコーチを務めた。後日正式に香取から桜上水のコーチ就任を依頼されるものの、過去のトラウマから一度は断ってしまう。その数日後、国部二中との練習試合後に香取から松下の話を聞いてかつてのチームメイトで国部二中の監督に就任していた雨宮が訪問し、かつての出来事の謝罪ともう一度サッカーをしてほしいと激励を受けてようやく過去から解放された松下はコーチとしてサッカーへの現場復帰を果たした。シゲに本気でサッカーと向き合うきっかけを作った一人でもある。コーチをしていく中でかつての仲間でもあるジュニアユース代表監督の榊と再会し、ナショナル選抜のコーチも引き受ける。その際に伸ばしていた髪を切った。
本作の登場人物には藤代や西園寺をはじめ、松下のファンが少なくない。豆乳を好んでよく飲んでいる。
後に榊と西園寺と共にU-19日本代表コーチに就任する。
香取 夕子(かとり ゆうこ)
声 - 原元美紀 / 同左
1974年12月5日生まれ 身長163cm 体重50kg O型
桜上水中の英語教諭でサッカー部の顧問だが、サッカーに関する知識はなく、本人曰くズブの素人。風祭を武蔵森中のエースだと早合点した張本人。少々向こう見ずで、テストで「平均点以下を一人でもとったら試合には出ない」というとんでもないタンカをきったことがある(結果は全員セーフであった)。ミーハーな性格。寝起きが悪い。シゲは香取を姉さんと呼び、陰ではオバンと言っていた。当初の設定では風祭たちと同級生であった。
風祭 功(かざまつり こう)
声 - 高橋広樹 / 高橋英則
1975年2月18日生まれ 身長182cm 体重68kg O型
将の兄で、弟と二人暮らしをしている。稼ぎのよいホストだが、必要とあらば仮病まで使い女性とのデートより弟への気遣いを優先するなど、非常に弟思いな性格。非常に厳格な父親の期待に添えなかったことで、親の期待が全て弟に向かったことに負い目を感じている。トレセン決勝で将が選手生命を脅かす大怪我をした時は、ドイツの優秀な医者を見つけて(西園寺が探していた医者と将が周防に紹介された医者も同じ人だった)将と共に渡独した。ドイツ在住時は金髪から黒髪になり、U-19代表合宿の招集で将と共に帰国した際は再び金髪になった。
アニメではモデル会社の副社長という設定になっている。
おでん屋のおやっさん(本名不明)
声 - トニーヒロタ / 斎藤志郎
昭和一桁生まれ 身長144cm 体重60kg B型
風祭が個人の練習場にしている河川敷の近くでおでん屋台を営んでいる。顔は非常に怖く、本人は驚かれることに慣れている。またその風貌からは想像できないが、サッカーの知識は深い。松下がこのおでん屋の常連客であることや、桜上水中の試合を功と一緒に応援に来るなど、桜上水中との関わりも非常に多い。部員におでんを御馳走したり、様々なトラブルも温かく見守るなど、桜上水中サッカー部の陰のサポーターとなっている。日韓ワールドカップ開催中は全国を飛び回っていた。
文庫版の描き下ろしで描かれた2006年の話にもおでん屋の店主として登場、水野の弟の虎治を抱き上げてあやしたり、イリオンが風祭に告白した場面にも立ち会った。

武蔵森学園中等部

中高一貫、全寮制の私立校。全国大会の常連であるサッカー部は数百人の部員を実技テストにより1軍、2軍、3軍に分けている。

桐原 総一郎(きりはら そういちろう)
声 - 上別府仁資 / 松本大
1955年4月19日生まれ 身長174cm 体重68kg A型
サッカー部の監督で、水野の実父。基本的にワンマンではあるが筋の通ったことを好む理論派。息子は離婚した妻に預けている。元社会人サッカー選手でもあり、桜上水監督の松下とも面識があった。集英社文庫の最終巻(15巻)では妻とよりを戻していて、水野に弟ができている。
渋沢 克朗(しぶさわ かつろう)
声 - 内藤玲 / 近藤隆
3年 背番号1 ゴールキーパー 1983年7月29日生まれ 身長183cm 体重65kg A型
キャプテン。ナショナル選抜(世代別日本代表)に選ばれたこともある超中学生級の実力者。性格は温厚で世話焼きで、チーム内でも面倒見の良さから生粋のキャプテンシーを常に発揮する人格者でもある。恵まれた体格と技術に加えて身体能力に優れ、素早い状況判断と正確なコーチングを駆使し、どんなチームが相手でもそう簡単には得点を許さないその実力は「この世代で一番優れたキーパー」と周囲からの評価も高く、東京都選抜でも正ゴールキーパーに選ばれた。洛葉との練習試合の後に選抜チームのキャプテンを決める際には他のメンバーからほぼ全員一致で指名をされて、選抜チームでもキャプテンを務めているが、喧嘩の仲裁に入って水を被ったり、藤代の好き嫌いや愚痴を聞かされたり、試合中ディフェンスラインが全員攻撃参加してしまったために後ろを一人で任されたりするなどなかなかの苦労人である。
選抜チームの練習中に怪我をしてしまい(それが小堤の故意によるものだとはこの時知らなかった)、ソウル選抜戦は代わりに小堤がゴールを守っていたが、試合中に負傷。後日不破との入れ替わりで小堤の長期離脱が決まり、その際に小堤がコーチに真実を打ち明ける場面を見た後、去っていく小堤の後ろ姿にそっとエールを送り、懐の深さを見せた。
桜上水の不破がチームで孤立した際に、風祭がうっかり名前を出してしまった同じキーパーの渋沢を偵察するべく不破が武蔵森に潜入した際にも部員と不破が揉めている場面に対しても即座に仲裁に入り、面倒見の良さを発揮した。直後に不破からの「サッカーは楽しいのか」という疑問に対し、味方への信頼とゴールキーパーというポジションの重要さとサッカーの楽しさを教えた際に、不破が渋沢の回答に対して一定の理解を示した姿からも人格者であることが伺える。
実家は老舗の和菓子屋。毎朝起床後の練習前には自前のお茶セットで日本茶を飲んでいる。
後に大学生と鹿島アントラーズの選手の二足のわらじを履く。U-19日本代表と並行してフル代表にも選出されている。
藤代 誠二(ふじしろ せいじ)
声 - 近藤孝行 / 阿部敦
2年 背番号9 フォワード 1985年1月1日生まれ 身長175cm 体重59kg AB型
武蔵森のエースストライカー。右目の下にある泣きボクロが特徴。渋沢と共にナショナル選抜(世代別日本代表)に選ばれたこともある。友好的な性格で、差し入れを持って偵察兼陣中見舞いに桜上水中サッカー部を訪れた際は、いつの間にか部員たちと馴染み練習に参加していた。松下左右十の大ファンであり、実際に会った時はかなりミーハーな反応をした。少し抜けたところもあるが、サッカーの才能は誰よりも高く、自分の実力に絶対の自信を持っている。それぞれの分野でレベルの高い選手が揃い、基本的に組織サッカーが主体な武蔵森の中では異彩を放つ存在で、個人技でも味方のフォローを必要とせず一人でゴール前までボールを運んでいけるという驚異の突破力の持ち主。50mを6秒フラットで走り、その足の速さを活かしたドリブルは普通に走っている選手が追いつけないほど。スピードに加えて非常に高等なテクニックやフェイント(クライフターンなど)も使いこなすなど、欠点らしい欠点のないオールラウンダー。そんな藤代に唯一欠点があるとしたらサッカーとは一切無関係だが、寮での食事の際には自分用にニンジン抜きのメニューを作らせるほどのニンジン嫌いである。渋沢からもニンジン嫌いを治すように指摘されていたが、結局治る兆しは最後まで描かれなかった。
後に武蔵森学園高等部に進学し、水野と同じく在学中から東京ヴェルディに入団。
三上 亮(みかみ あきら)
声 - 河合美憲 / 赤羽根健治
3年 背番号10 ミッドフィールダー 1984年1月22日生まれ 身長172cm 体重58kg AB型
武蔵森の司令塔。自分よりも才能は上だとされる水野を同ポジションとして敵視しており、水野の武蔵森編入を耳にした際にはレギュラーを奪われる危機感から阻止すべく画策した(もっとも水野自身には編入の意思はなかった)。東京都選抜選考合宿でも水野を意識していたが、最終的には武蔵森から招集された中では唯一選考漏れとなった。その後はサッカー部で奮起し、武蔵森の都大会優勝の原動力となった。寝起きが悪く、朝起きる際には同室の近藤がいつも四苦八苦している。
間宮 茂(まみや しげる)
声 - 松本吉朗 / 石川界人
2年 背番号3 ミッドフィールダー 1984年9月12日生まれ 身長165cm 体重64kg B型
ボランチのポジションではあるが、プレー自体はマンツーマンでのディフェンスに長けている守備的な選手。「マムシ」と呼ばれ、その名の通りしつこいマークを得意としており、その能力は東京都選抜でも遺憾なく発揮された。藤代とは同室であるが、藤代がほかの部屋に入り浸っているため一人部屋も同然であるらしい。奇怪な行動が多く(プリンに醤油をかけて食べるなど)ある意味で恐れられている存在。後に高校を中退しイタリアに渡り、後に鹿島アントラーズに入団。
笠井 竹巳(かさい たくみ)
声 - 丸山彩智恵 / 田丸篤志
2年 背番号6 左サイドバック 1984年11月3日生まれ 身長169cm 体重56kg O型
根岸と同室。
辰巳 良平(たつみ りょうへい)
声 - 吉川寛司 / 赤澤涼太
3年 背番号11 フォワード 1983年11月3日生まれ 身長180cm 体重60kg B型
長身を活かしたヘディングが得意。渋沢と同室。
近藤 忍(こんどう しのぶ)
3年 背番号8 ミッドフィールダー。三上と同室。寝起きの悪い三上を起こすのに毎回苦労している。
中西 秀二(なかにし しゅうじ)
2年 背番号7 ミッドフィールダー。近藤と共に中盤を固める。
根岸 靖人(ねぎし やすと)
2年 背番号2 右サイドバック
高田 剛(たかだ つよし)
背番号4 左センターバック
大森 裕希(おおもり ゆうき)
背番号13 右センターバック
天野 聖夜(あまの せいや)
声 - 石川正明 / 浜田洋平
3年 ミッドフィールダー 1983年6月20生まれ 身長173cm 体重57kg B型
2軍選手。風祭が武蔵森にいた時代に後輩いびりをしていた先輩の一人で、風祭を辞めさせた張本人。サッカーの才能はそれほどでもなく、ずっと2軍から這い上がれていない。プライドが高く、3軍の選手を見下した態度を取る。また、武蔵森が非常に強豪校であるため、対戦校に対しても見下した態度を取る。
山川 智之(やまかわ ともゆき)
声 - 長浜満里子 / 市川葵
2年 ディフェンダー 1984年8月12日生まれ 身長159cm 体重48kg AB型
3軍選手。風祭の武蔵森在学中の親友でありライバル。風祭とは武蔵森の入試で出会った。サッカー部では雑用やランニング、リフティングのみの毎日であり、周りの選手が次々と辞めていく中、風祭と共に腐らずに努力した。その際、最後のメンバーになっても一緒に頑張ろうと風祭と誓い合った。しかし、風祭が武蔵森では身長を理由にサッカーができないと知り辞めると言った時には、風祭がきつい生活に嫌気がさして辞めるのだと勘違いし、風祭と絶交する。やがて予選1回戦での風祭のプレーを見て誤解していたことに気付き、ハーフタイムには桜上水のロッカールームを訪問。風祭に「願えば叶う」とメッセージを贈った。風祭に影響され地道に努力をした結果、2軍に昇格した。

国部第二中学校

桜上水と同じ地区での強豪校。強力なワントップの天城を擁し、監督の指示をスムーズに反映できる選手の揃っているチーム。

天城 燎一(てんじょう りょういち)
声 - 石川正明 / 梅原裕一郎
2年 背番号9 フォワード 1984年11月11日生まれ 身長180cm 体重63kg B型
大柄な体格が特徴。ドイツ人とのハーフ。テクニカルなポストプレーや突破力を併せ持ち、渋沢の腕を弾くほど強烈なシュート力も持つ。元々は武蔵森サッカー部に入部するべく入部テストを受けていたが、個人プレーが目立ったために落ちてしまう。同じテストを受けていてあえて合格を蹴った水野を敵視する節もあった。その時の経験から利き足ではない左足にもこだわるようになる。
初登場時はかなり乱暴な一面を覗かせていて(乳母のかずえを除く)、家庭事情に首を突っ込む風祭を毛嫌いしていたが、桜上水との試合を経て徐々に自分自身を変えていき、元来の優しい性格を少しずつではあるが表に出せるようになった。しかし夏の地区予選準決勝の飛葉中戦を前に大事な存在であった乳母かずえ(声:又村奈緒美 / 森史絵)を亡くし、失意のまま臨んだ試合も飛葉中の強固な守備陣の前に完璧に抑え込まれて敗戦。心の支えと目標を同時に失ってしまったことでサッカーの道を諦めようとしていたが、試合翌日に国部二中敗戦の報を受けて飛葉中の偵察に来ていた将や水野ら桜上水メンバーと共闘して飛葉中の椎名達とフットサルで対決したことをきっかけに再びサッカーを続けていくことを決意。
夏の地区予選終了後に東京都選抜候補に選出されるが、この頃にはもう風祭をはじめ他のメンバーとも普通に会話や食事を共にするくらいにまで穏やかになっていた。その後合宿を経て最終メンバー入りするものの、ふとしたきっかけで開封したかずえの形見のお守りの中にあったドイツにいる母の写真と連絡先を見つけることになる。母に連絡をした直後に妹のイリオンを連れて日本に駆けつけた母親からドイツで一緒に暮らさないかと提案される。遠く離れたドイツから母に今でも家族として愛されていたことと、自身に流れるドイツと日本の血について考えるようになり、ドイツ移住か選抜に残るかで日々悩むようになっていった結果、徐々に調子を落としていく。これを見かねた風祭が状況を打破すべく天城に勝負を挑み、先行でゴールを決めた成長著しい風祭のプレーに触発された天城は、これまで封印していた本来の利き足でもある右足で豪快なミドルシュートを決めて自身の迷いを完全に断ち切り、ドイツ移住の決意を固め選抜を離脱。父(声:鶴岡聡 / 真木駿一)の理解も得て、空港で国部二中のチームメイトや風祭に見送られながら母と妹の待つドイツへと旅立っていった。
ドイツに移住後はバイエルン・ミュンヘンに入団。U-19日本代表にも選出され、日独を往復する日々を送る。後に妹のイリオンと結婚した風祭とは義兄弟の関係になった。
2016年からマンガワンおよび裏サンデーにて連載されている続編『ホイッスル!W』では、日本代表の選手としてバイエルンで活躍中。天城の父の秘書を務める女性と結婚し、息子・煌牙が誕生している(煌牙は後に武蔵森学園初等部に入学し、サッカー部に入部)。息子の煌牙と一緒にサッカーを楽しんだり、妻にハグをしたりと普段遠く離れて暮らしている家族のことをとても大切に想っているが、昔からサッカーにあまりいい印象を持てないままの父とは未だお互いに素直になれずにいる。実は犬嫌いであることも発覚した。
雨宮 東吾(あめみや とうご)
声 - 土屋佑壱 / 遊佐浩二
1969年11月7日生まれ 身長177cm 体重69kg B型
国部二中の監督。かつて松下が所属していた日本サッカーリーグ・新川電工サッカー部の後輩。現役時代のポジションはフォワード。入団当初は大型新人としてチームやマスコミから期待を寄せられて天狗になっていた。しかし、才能を高く評価した上で敢えて厳しく接していた松下の期待に応えられずスランプに陥り、半ば自棄になってナイフで自身の足を切り、両足腱切断となりまともに歩ける体ではなくなってしまう。
その後は足の治療のための入院生活を経て教職課程をとり、指導者としての道を歩き始めた。性格も現役時代からはかなり穏やかになり、選手の成長を温かく見守る指導者となっている。
結果的に松下が現役を引退し、長い間サッカーから距離を置く原因となったが、松下を桜上水の監督として再びサッカーの道に戻したのも他でもない雨宮だった。

飛葉中学校

転校してきた翼が立ち上げたチーム。近代的な戦術と洗練されたディフェンスが武器。地区予選決勝戦で桜上水と対戦する。

椎名 翼(しいな つばさ)
声 - 樋口智恵子 / 高城元気
3年 背番号4 センターバック 1983年4月19日生まれ 身長151cm 体重43kg B型
キャプテン。風祭と同じように小柄で、女の子のような可愛らしい顔立ちをしているが、内面は非常に好戦的で男らしい。極めて頭の回転が早く、皮肉屋で相手に反論の余地も与えないマシンガントークが得意だが、その性格ゆえ敵も多い。また、外見のせいで侮られることを嫌い、武道を心得てもいる。
飛葉中サッカー部での基本戦術でもある中学生では扱うのが難しいとされる3バックシステムのフラットスリーを鮮やかに駆使し、中心に位置するセンターバックとして試合中はもう一人の監督のような存在となり、西園寺の指示を受けつつ周囲の選手への正確なコーチングやラインコントロールに加えて、自身を中心に統率された組織守備で最終ラインを死守する。東京都選抜でもディフェンスの要として活躍し、風祭の兄貴分としてプレーのヒントを与えたりしているが、椎名をよく知る黒川曰く「クレバーで底意地の悪いプレー」が特徴である。
小柄な身長ながらも運動能力は中学生とは思えないほどずば抜けていて、ミドルレンジやロングレンジから繰り出される威力のあるシュートに、ドリブルなどのボールコントロールに加え、いざとなればリベロとして前線まで駆け上がるスピードとスタミナも兼ね備えているが、無遠慮な物言いで相手を傷つけたり、桜上水に負けて涙を見せたり、身長にややコンプレックスを抱えていたりなど、年相応の子供っぽい部分もある。飛葉中・東京都選抜監督の西園寺玲とははとこに当たる。
後にリーガ・エスパニョーラのマラガCFに入団。その頃には、身長も167cmになった(自称)。
黒川 柾輝(くろかわ まさき)
声 - 石川大介 / 内田雄馬
2年 背番号6 ウイングバック 1984年11月23日生まれ 身長173cm 体重59kg A型
色黒の肌が特徴的。椎名の側近的存在で、時折熱くなりがちな椎名を諌めたりすることも。後に東京都選抜に選出されるが、本来のポジションのミッドフィールダーではなくディフェンダー(サイドバック)を務める。攻守両方において技術も高く、サイドのポジションならではの鋭いオーバーラップが武器。勝ち負けよりも面白いサッカーをすることを重視している節がある。選抜選考の合宿中には椎名と共に風祭にプレーのヒントを与えた。弟と双子の妹がいる。
畑 六助(はた ろくすけ)
声 - 永野善一 / 木内太郎
2年 背番号2 ストッパー 1984年9月18日生まれ 身長177cm 体重66kg O型
ドレッドヘアが特徴(ヘアバンドを付けている)。飛葉中では兄の五助と共にプレーし、兄と翼のアドバイスで動いている。東京都選抜に合格するものの、頼りの兄がおらず困惑気味であった。
畑 五助(はた ごすけ)
声 - 林伊織 / 真木駿一
3年 背番号3 スットパー 1983年7月28日生まれ 身長175cm 体重67kg O型
弟と同様のドレッドヘア(こちらはヘアバンドを付けていない)。東京都選抜には入れなかった。畑兄弟の実家は理容室。
井上 直樹(いのうえ なおき)
声 - 石塚堅 / 梶川翔平
3年 背番号7 ウイングバック 1983年5月5日生まれ 身長166cm 体重57kg O型
通称「サル」(幼少期の顔が猿に似ていたため)。シゲに幼少の頃サッカー対決で負け、なおかつ再戦の約束をすっぽかされたことを根に持っており、東京まで追いかけてきて宣戦布告した。実力者ではあるようだがシゲには劣り、翻弄されるシーンが目立つ。後にシゲに本気でサッカーに取り組ませるべく画策し、無事に役割を果たしてシゲと共に関西選抜に入りを果たすが、自身は補欠止まりに。選抜選考ではシゲと共に金髪で周囲の注目を集めていた。
西園寺 玲(さいおんじ あきら)
声 - 園崎未恵 / 折笠富美子
1970年6月7日生まれ 身長167cm 体重50kg AB型
監督。翼のはとこ。元日本女子サッカーリーグの選手で、小島の憧れの人。父も元サッカー選手で現在はサッカー協会の役員をしている。「男装の麗人」と呼ぶに相応しい凛々しい美女で、かなりの策士。風祭の才能を見出して東京都選抜へ推薦した。東京都選抜にはコーチとして参加したが、途中から尾花沢監督(声:泉尚摯 / 落合福嗣)の入院により新監督に就任する。
後に榊と松下と共にU-19日本代表のコーチに就任している。

脇栄第一中学校

夏季大会地区予選支部予選リーグで桜上水と最初に対戦し0-6で敗れる。

荒巻為 吾郎(あらまきため ごろう)
声 - 髙木俊
キャプテン。スポーツショップで杉太に購入したスパイクの箱を壊される、ナンパした有希に「ダメゴロー」と呼ばれるなどの災難に遭い、風祭たちがリーグ戦であたる桜上水中のサッカー部と知るや弱小と見下した態度をとるも、試合では大敗に愕然としていた。

岩清水工業大学附属中学校

守備的で安定感があるチーム。地区予選決勝トーナメント1回戦で桜上水と対戦し桜上水の守備の連携不足を狙って先取点を奪うが逆転負けする。

洛葉中学校

打倒武蔵森を掲げる全員短髪のチーム。地区予選決勝トーナメント2回戦で桜上水と対戦しPK戦の末敗れる。その後事前に弱点を教えてもらいながらも高校に3連勝中の東京都選抜相手に引き分けた。

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