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マリー・アントワネットの料理人/里見桂 白川晶

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著者: 里見桂 白川晶
巻数: 1巻

里見桂の新刊
白川晶の新刊
マリー・アントワネットの料理人の新刊

最新刊『マリー・アントワネットの料理人 1


出版社: 集英社
シリーズ: ジャンプコミックスDX


マリー・アントワネットの料理人』(マリー・アントワネットのりょうりにん)は、原作・白川晶、作画・里見桂による日本の漫画作品。

概要

『オースーパージャンプ』(集英社)にて、2006年11月号に第1話が掲載され、以後、1年に1本のペースで掲載される。2008年10月、単行本第1巻が発売された。

一般的に浪費家とされているマリー・アントワネットを、国の未来や飢えに苦しむ民衆を憂う存在として描いており、「パンがなければお菓子(ブリオッシュ)を食べれば良い」というアントワネットの性格を表しているとされる言葉も、当時の情勢や法を頼りに、別の解釈がされている作中の描写では、ブリオッシュはパンよりも質の悪い小麦粉を使った菓子であって、パンよりも安価な食品であり。「パンがなければお菓子を食べれば良い」というアントワネットの発言はまっとうなものであったという解釈をしている。しかし通説では、この発言自体がアントワネットのものではないという説が有力である。

あらすじ

18世紀、オーストリアからフランスへ嫁いだマリー・アントワネット。その側に仕える磯部小次郎は、狭い日本を飛び出し、料理の道を極めんと、単身渡欧してきた彼女のお抱え料理人であった。小次郎は惜しむことなくその腕を振るい、人々の舌を魅了していく。

登場人物

磯部 小次郎(いそべ こじろう)
かつて田沼意次に料理番として仕えた。将軍家の御鷹匠料理番として、将軍の前で血を流さずに捕らえた野鳥をその場で調理するなど、多彩な包丁技・磯部流包丁術を身に付けている。
料理の道を極めるために、狭い日本を飛び出し、世界に出る。オーストリアでマリア・テレジアに宮廷料理人として仕え、マリー・アントワネットがフランスに嫁ぐ時にマリア・テレジアの頼みで共にフランスへと渡る。
マリー・アントワネット
14歳でオーストリアからフランスの王家へ嫁いだ。無邪気で純真な性格で、小次郎を心から信頼している。
極めて庶民的な性格で、贅沢を好まず、自ら農作業や牧畜にいそしむのを趣味としているアントワネットが小トリアノン宮殿で農村に見立てた小集落を作らせた、田舎娘の格好をするのを好んだのは史実であるが、これもまた王侯の贅沢のひとつであった。また自ら農作業を行ったという描写はフィクションである。
デュ・バリ伯爵夫人
ルイ15世の愛妾として、宮廷を牛耳っている。マリーと小次郎が気に食わず、失脚させようと何かと企む。
マルティーヌ
ポリニャック伯爵夫人。力を失いかけている伯爵家を再興させようとアントワネットに取り入ろうと力を注ぐ。
ルイ16世
マリーの夫。錠前作りと狩猟に現を抜かす。
ショワズール
フランス宰相。
ミラ
女官。小次郎に恋をする。

磯部の料理

主人公である磯部は、狭い日本を飛び出してヨーロッパへと渡るが、当然ながら当時の鎖国下の日本では海外渡航など極めて困難である。また仮に渡航できたとしても、日本人がヨーロッパの宮廷で料理人として採用されるなど、まずあり得ない話である。

このようにフィクション性が強い作品であり、当然ながら作中に示された磯部の料理も、史実とは異なるものが多い。以下、例を挙げる。

  • 不味い食べ物であったブリオッシュを、美味しい食べ物に改良した。
  • トマトソース味のスパゲッティを作り、なおかつスパゲッティをフォークで食べる習慣をイタリアに根付かせた(スパゲッティを手づかみでなくフォークで食べる習慣は、通説ではフェルディナンド1世が宮廷料理にスパゲッティを取り入れた事に始まる)。
  • マヨネーズを元にタルタルソースを生み出した。
  • ハンバーガーを発明し、イギリスからの独立を志向するアメリカの使節に振る舞った。

脚注