マージナル/萩尾望都

『マージナル』は、萩尾望都による日本の漫画作品。『月刊プチフラワー』（小学館）にて1985年8月号から1987年10月号まで連載された 『毎日グラフ』1986年10月26日号「COMIC界の“超少女”たち〔女性マンガ家インタビュー〕」で、作者は「半年の予定で始めたんだけど、終わらない。そろそろまとめにかかります。あと半年ぐらいかかりそう。」と語っている。。

「男しかいない世界」という設定で描かれたSF作品。

あらすじ

西暦2999年、地球は汚染されて不毛の地となっていた。人々は不妊ウイルスにより生殖能力を失い、唯一の女性である聖母「マザ」を中心として、その息子たちで世界は構成されていると信じられていた。 世界の中枢であるセンターはこの世界をミツバチ型社会「マージナル」と呼び、管理している。 年々子供は減少し、不安が募るなか、祭礼の日にマザが暗殺されてしまう。

登場人物

キラ

砂漠でさまよっているところをグリンジャに拾われ、アシジンに買われる。ゴーなどから「夢の子供」と呼ばれ、高い感応能力をもつ。

グリンジャ

当初グリンという名だったが、物語の途中で呼び方として定着した。

目じりに青いいれずみをいれており、砂漠の医師村で薬師をしていた。夢見のおじいの予言によって村の者と共にマザ殺しを犯す。その後キラを拾い、アシジンに売った。

アシジン

子供の頃がけから落ちて死にかけたがセンターによって一命を取り留められ、その後「死にぞこないのアシジン」と名乗るようになった。額に新月の形をした傷跡がある。月の岩屋に住み、村にかかわろうとしない。

メイヤード

センターの長官（マルグレーヴ）。マージナルの最高責任者で一切のことを任されている。

ゴー博士

生物学者。行方不明になった友人を探すため、地球に密入国しようとした。

目次

• プロローグ ホウリ・マザ（月刊プチフラワー 1985年8月号）
• 第1話 迷い子（月刊プチフラワー 1985年9月号）
• 第2話 アシジンの岩屋（月刊プチフラワー 1985年10月号）
• 第3話 二九九九-現在（月刊プチフラワー 1985年11月号）
• 第4話 漆黒の森（月刊プチフラワー 1985年12月号）
• 第5話 図書の家の夜鳴鳥（月刊プチフラワー 1986年2月号）
• 第6話 花石榴の村（月刊プチフラワー 1986年3月号）
• 第7話 双頭（月刊プチフラワー 1986年4月号）
• 第8話 レクイエム（月刊プチフラワー 1986年5月号）
• 第9話 イワンの研究について（月刊プチフラワー 1986年6月号）
• 第10話 死霊（月刊プチフラワー 1986年7月号）
• 第11話 受胎告知（月刊プチフラワー 1986年8月号）
• 第12話 夢の子供 No.151（月刊プチフラワー 1986年9月号）
• 第13話 ヘビじじいとヘビ男（月刊プチフラワー 1986年11月号）
• 第14話 星と炎（月刊プチフラワー 1986年12月号）
• 第15話 狩人（月刊プチフラワー 1987年1月号）
• 第16話 えもの（月刊プチフラワー 1987年2月号）
• 第17話 アシジンとマルグレーヴ（月刊プチフラワー 1987年3月号）
• 第18話 最後の晩餐（月刊プチフラワー 1987年5月号）
• 第19話 ハレルヤ（月刊プチフラワー 1987年6月号）
• 第20話 暗示（月刊プチフラワー 1987年7月号）
• 第21話 洪水（月刊プチフラワー 1987年8月号）
• 第22話 境界の果て（月刊プチフラワー 1987年9月号）
• エピローグ ホウリ・ナイト（月刊プチフラワー 1987年10月号）

サウンドドラマ

NHK-FM、1988年10月31日放送。CD、1989年発売。

• 脚色 岡本蛍
• 音楽 細野晴臣、福沢諸
• キャスト
  • キラ：越美晴
  • グリンジャ：石田純一
  • アシジン：岡本富士太
  • メイヤード：塩沢兼人
  • エメラダ：川村万梨阿
  • ナースタース：田島令子
  • センザイマスター：高木均
  • ゴー博士：斎藤晴彦
  • イワン：若山弦蔵
  • 市長：田村錦人
  • アリーン：円城寺あや
  • ガリバー：田山涼成
  • ジューシー：亀山助清
  • ナレーター：此島愛子
  • ほか

舞台

• 2008年、劇団Studio Lifeにより舞台化。

脚注