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ムーたち/榎本俊二

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著者: 榎本俊二
巻数: 2巻

榎本俊二の新刊
ムーたちの新刊

最新刊『ムーたち 2


出版社: 講談社
シリーズ: モーニングKC


ムーたちの既刊

名前発売年月
ムーたち 1 2006-12
ムーたち 2 2007-10

ムーたち』は、榎本俊二の漫画作品である。

概要

講談社の漫画雑誌「モーニング」に2006年から2007年9月まで連載された。単行本は全2巻。1話完結型が多く、登場人物の身近を舞台とするのは前作えの素に似ている。ただし前作とは違い、いわゆるエログロの表現はかなり抑えられている。話のテーマは哲学に近いギャグであり、読者は考えながらにやりとする。副題は「a man keeps fighting for the family!!」で、直訳すると「男は家族の為に戦い続ける!」。連載当初のタイトル「ムーさん」が示すとおり、主人公は父親である虚山実なのであろう。なお作品名は二階堂正宏の「ムーさん」と被っていたため、途中から「ムーたち」に変更された。

登場人物

虚山無夫(むなやまむーお)
通称「ムー夫」。11月15日生まれの8歳児。人参とさつまいもが嫌いでユーレイが怖い、典型的な小学生。
虚山実(むなやまみのる)
ムー夫の父で8月27日生まれ。スキンヘッドで首と肩がない。一コマ毎に顔の描写が変わり、顔芸を越えてシュールな芸術作品のようである。規理野が登場する話では最後に「ゴッド・ブレス・ユー(あなたに神の祝福を)」と声を掛ける。家の中にありとあらゆる事に関するリストの書庫を持つ、外国の男性の名前を日本の男性の名前に変換したりする、謎の競技に精通するなど、奥深い人物である。
虚山空子(むなやまそらこ)
ムー夫の母で3月12日生まれ。目と髪は緑色。喋る花を栽培している。手帳に美人妻佐々木さんの夫の誕生日が載っている。外国の女性の名前を日本の女性の名前に変換したりする。実と長年一緒に生活しているので行動パターンと思考パターンがかなり似ている。
先生
ムー夫たちの学級担任の女性。ありふれた答えはNGワードとする。辞書などの記載ページで使用する単語をあらわしたりする。「ブスでもがんばっている」先生で眉毛がいわゆる平安時代の貴族女性の眉毛と同じ形態である。
規理野視組(きりのしくみ)
1981年11月11日生まれ。一見すると無関係の事象を統計により関連付けようと努力している。実の「死んで欲しくない人リスト」に掲載されている。万歩計の数値を計算して作曲した曲がドイツ人ピアニストのフランツ・ゲルマンヴィッヒが作曲した曲と偶然一致し、公演の際にステージ上で本人に質問して逮捕された。
白身川さとし(しろみかわさとし)
ムー夫と仲の良いクラスメイト。
そのほかのムー夫のクラスメイト(50音順)
赤堀 基明(あかほり もとあき)、池田 武男(いけだ たけお)、意地本(いじもと)、稲穂 郁人(いなほ いくと)、井上(いのうえ)、井森 ほい(いもり ほい)、右近 達磨(うこん だるま)、大迫 源(おおさこ げん)、加藤 佐知(かとう さち)、久遠 アラン(くおん あらん)、杉迫 夏子(すぎさこ なつこ)、妹尾 静夫(せのお しずお)、出崎 山美、田渕 駿(たぶち しゅん)、津山 利一(つやま りいち)、中井 和樹(なかい かずき)、中山、斜田(はすた)、馬場 隆夫(ばば たかお)、堀井 もい(ほりい もい)、本田 準(ほんだ じゅん)、森井 理保(もりい りほ)、森口 由麻(もりぐち ゆま)、八雲 蘭(やくも らん)、山川、山岸、李 もいほ(り もいほ)、リンドバーグ 洋子(りんどばーぐ ようこ)、連城 正子(れんじょう まさこ)
前川
何事も前向きに考えるタイプ。実の友人
後藤
何事も後ろ向きに考えるタイプ。実の友人

擬音

第3話以降で様々な擬音が「○○リ」(例・物が倒れる様子「パタリ」等)と表現されることが多くなった。「ぱたり」「むくり」「のせり」「おちり」など脚韻のような味わいを持った、独自の漫画世界を作り出している。

謎の競技

第19 - 20話で実がムー夫に伝授すべきか悩んでいる競技名未詳の競技がある。実は20年間練習し世界一と断言出来るほど自信がある。野球やサッカーの世界一と同等か少しだけ偉い。競技方法は以下の通りである。

  1. 全身タイツに着替え、屋外で行う。
  2. 3枚の円盤を頭に乗せ、両腕を左右に伸ばし顎を引いて円盤を地面に落下させる。
  3. 円盤を落下させたらすかさず横移動し、円盤の動きが止まるまでの時間をカウントする。
  4. それぞれの円盤の動きが止まるまでの時間を計算し、その解答の分だけ可能な限り高速で横移動する。計算方法は競技実施日の天候によって変わる。
  5. 横移動が終ったら夕日が沈むまでブリッジし続ける。

番外編

週刊モーニング2006年47 - 48号に「えの素トリビュート」発行記念に番外編が掲載された。47号の番外編第1話はムーたちを舞台にムー夫がえの素のみちろう、実が郷介、空子が田村さんでそれぞれ描かれた。48号に掲載された番外編第2話はえの素を舞台に郷介が実、葛原が空子、菖蒲沢が先生、田村さんが規理野、二比が白身川として描かれた。勿論、えの素と同様にいわゆるエロがテーマで第2話では叫ぶと登場する「入れ替え屋」が登場した。この番外編2話は、作者の意向により、単行本に収録されていない。(2008年8月に刊行された『えの素完全版・下』(講談社)に両編とも収録された)

単行本

  1. 2006年12月22日発行 590円 ISBN 4063725707
  2. 2007年10月23日発行 590円 ISBN 9784063726398(解説:斎藤環)

関連項目

  • モーニング

外部リンク