メルヘン・メドヘン/松智洋 松智洋&StoryWorks
著者: 松智洋
松智洋&StoryWorks
巻数: 3巻
松智洋の新刊
松智洋&StoryWorksの新刊
メルヘン・メドヘンの新刊
最新刊『メルヘン・メドヘン 2』
twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)
『メルヘン・メドヘン』は、松智洋・StoryWorks・カントクによるメディアミックス作品。
沿革
シナリオ原案を松、イラストをカントクが担当する形で、オリジナルテレビアニメーションを含むメディアミックス企画として、2014年に始動。2016年5月に松が急逝するが、松が代表を務めていた創作集団StoryWorksが松の遺稿を引き継ぐ形でプロジェクトを続行。2017年2月に、プロジェクト第1弾としてダッシュエックス文庫(集英社)よりライトノベルが刊行される。同年10月にはコミカライズ作品が連載を開始し、翌2018年1月にはテレビアニメが公開。
あらすじ
物語をこよなく愛する:妄想過多なぼっち少女・鍵村葉月は、新しい家族との関係もうまくいかず物語の世界に逃避する日々を送っていた。そんなある日、謎の少女・土御門静と出会った葉月は、世界中のありとあらゆる物語から生まれた魔法の本『原書』に選ばれた少女=メドヘン達が学ぶ『クズノハ女子魔法学園』へと迷い込む。 葉月もまた『 シンデレラ』の『原書』に選ばれたメドヘンであった。 静と友達になるため、本物の魔法使いになって今までの自分から変わるため、葉月の学園生活が幕を開ける。
登場人物
日本
- 鍵村葉月(かぎむら はづき)
- 声 - 楠木ともり
- 本作の主人公。『ヘクセンナハト』日本校メンバーの一人で妄想過多なぼっち少女。幼い頃に母親を亡くしており、父親は海外へ単身赴任中のため、現在は継母・冴子と継姉・美沙と3人で暮らしているが、家族仲はあまり良好ではない。状況を問わず空想・妄想にふける癖があるが、これは亡くなった母親がよく言っていた「自分の『物語』を見つけなさい」という言葉を考え抜いて辿り着いた結果である。普段は辛い状況・苦しい状況を空想で紛らわせているが、それでも処理しきれなくなったときは本を読むことで物語の世界に逃げ込み現状を逃避する悪癖があり、葉月はこの悪癖を『物語症候群』と呼んでいる。
- 土御門静と出会い彼女の後を尾行したことで『クズノハ女子魔法学園』へと迷い込み、そこで学園長から自分が『シンデレラ』の『原書』と契約したメドヘンであると知らされる。自分が求めてた非日常、そして静と友達になりたいという思いから学園へと仮編入(原作2巻で転校)する。メドヘンが最初に覚える魔法である『ブーフ・ヒュレ』は使えないのに大量のカボチャを召喚したり(召喚の際に用いた杖はオモチャであり、本来は「光と音が出るだけ」代物)、カボチャに意思を持たせるなどの高等魔法を使いメドヘン三強の一人である静をして「異常」と身震いさせている。
- 1巻中盤でカザンから『ヘクセンナハト』について知らされ、静が「戦力としての自分に期待している」と落ち込む。その後、温泉でのアーサーとの会話、カザンの襲撃、静から突き放されたなどの理由から『シンデレラ』との契約を破棄し学園を去るが、学園長から自分より前に『シンデレラ』と契約していたメドヘンの話を聞き、自分だけの『物語』を見つけるために日本校と諸国連合で行われていた『ヘクセンナハト』の予選に乱入。封印状態にあった『シンデレラ』と再契約し「誰も傷つけず、不幸にしない、飛び切り優しい結末」を迎えるために『シンデレラは振り向かない』に『原書』を書き換え、固有魔法『ガラスの心(グラスハート)』でカザンと和解し『ヘクセンナハト』予選を突破。その後、改めて静と友達になる。
- ややネガティブな思考回路の持ち主であるものの、その心優しさなどから作中の登場人物のほぼ全員から好感を抱かれていおり、また物語が進むごとに静とは友情を深めている。
- 『 シンデレラ』→『シンデレラは振り向かない』
- 葉月が契約した『原書』。強力な力を持つ『原書』の一つ。1巻終盤で葉月によって『シンデレラは振り向かない』へと書き換えられる。『ブーフ・ヒュレ』を発動した時は胸元に花のコサージュ、腰回りにリボンと大きな花、深いスリットの入った白いドレス、ガラスのヒール姿に変身し、髪は白色に変化する。
- ・カボチャ召喚
- 葉月の固有魔法の一つ。魔力によって形成されたカボチャを召喚する魔法。個性を持たせることである程度は自立行動させることも可能。魔力量に応じて一気に大量に召喚することもできる。
- ・『私のお城』
- 葉月の固有魔法の一つ。透明な城を召喚する防御魔法。城の底部にはタービンエンジンが設置されており、これを用いて空を飛んだり相手の攻撃をかき消したりすることができる。また葉月に敵意を持つ者の侵入を拒む機能もある。受けたダメージ量に比例して城に設置された時計の針が動き、針の位置が12時を迎えると城は消滅する。
- 原作3巻ではアメリカ校のドリューの固有魔法『グレートオーズ』に対抗するため巨大ロボ『ノイシュヴァンシュタイン』に変形する能力を獲得した。
- ・『ガラスの心(グラスハート)』
- 葉月の固有魔法の一つ。まだ未完成であり葉月にかかる負担は多大(使用後はしばらく『ブーフ・ヒュレ』も使用できなくなる)だが、「相手の気持ちをダイレクトに伝える(作中の描写を見るに距離は関係ない模様)」「相手の過去や気持ちを読み取る」「破損した『原書』を修復する」など効果は強力であり、静からも「あの魔法があれば『ヘクセンナハト』に優勝することも難しくない」と言われている。
- ・カボチャ召喚
- 土御門静(つちみかど しずか)
- 声 - 末柄里恵
- 『ヘクセンナハト』日本校メンバーの一人で現役メドヘン三強の一角。平安時代のお姫様を連想させるような黒髪の少女。魔法使いの名家である土御門家の現当主で、十三人の始祖の一人の末裔でもある。『7年前の事件』で母・土御門巴を亡くしており、原書『 かぐや姫』と契約して以降は土御門家の悲願=凋落した土御門家の再興および『十三人委員会』への再抜擢のために身を粉にして『十三人委員会』に尽くしている。有子の実家である加澄家とは主従関係にあり、有子とは幼い頃から親交がある。
- 学園長の指示で「あちら側」に『原書』を探しに行った時に立ち寄ったファーストフード店で葉月に姿を目撃され、紆余曲折を経た結果、葉月が『シンデレラ』と契約したメドヘンだと知り『ヘクセンナハト』日本校メンバーとして育てることになる。「自分のために葉月を利用している」という良心の呵責に耐えながらも交流していくうちに互いに友情を深め友達になるが、物語終盤、カザンに襲撃されボロボロになった葉月を見て私欲のために『ヘクセンナハト』に巻き込んだことを後悔し、葉月を突き放すためわざと冷たい言動をとる。
- 葉月がいない状況で諸国連合との『ヘクセンナハト』予選に挑むがカザンの固有魔法によって自分の固有魔法をすべて奪われ窮地に陥ったところを『シンデレラ』と再契約を交わした葉月に救われ、その後、改めて友達になる。
- 葉月のことを非常に大切に思っており、葉月が無茶をするとイライラしたり、他校のメンバーと仲良くしていると嫉妬心を抱くことも多々ある。現在の魔法使いには珍しく機械音痴な上に「あちら側」の世情に疎く、1巻で所持している携帯電話がガラケーだったりツイッターやLINEの事も知らなかったりする。好きな食べ物はハンバーガー。これは幼少期のころから厳しく育てられ母親とも親子らしいことを何一つしたことがなかったが、一度だけ母とハンバーガーを食べた時に母が見せた優しさ忘れられず特別な食べ物に思っているため。
- 原作3巻においてリンの策略で審問会にかけられた時に魔法界中枢の腐敗ぶりに失望。そして本当に母が守りたかったものを理解する。
- 『 かぐや姫』
- 静が契約した『原書』。現存する最古の『原書』であり強力な力を持つ。3巻終盤、静によって新しい『物語』が書き加えられる。『ブーフ・ヒュレ』を発動した時は色鮮やかな十二単に白い天女のような羽衣を纏った姿に変身する。
- ・『火鼠の皮衣』
- 静の固有魔法の一つ。炎を操る衣をを召喚する魔法。炎の魔法を全て無効化するほか、衣の温度を操作することで砲弾などを溶かして無力化することもできる。
- ・『蓬莱の球の枝』
- 静の固有魔法の一つ。数多の宝玉が実った枝を召喚する魔法。宝玉からは光線を照射することができるが、照射する光線の数が多かれば多いほど精密な狙いをつけられなくなるという弱点もある。
- ・『五色の龍』
- 静の固有魔法の一つ。魔力によって形成された質量を持つ龍を召喚する魔法。「龍の顎」という噛付き攻撃と「龍顎砲」という強力なレーザーによる砲撃を行う。
- ・『月の船』
- 上記3つの固有魔法を組み合わせることで発動する静最大の固有魔法。『蓬莱の球の枝』を船の骨組みとして『火鼠の皮衣』で船殻とエンジンを形成し『五色の龍』を主砲とした、幾重もの花弁で形成された大輪の花を思わせる空飛ぶ円盤。船に設けられた無数の発射口からは『蓬莱の球の枝』のレーザーを、船体内に収容された『五色の龍』からはさらに強力になった「龍顎砲」を発射することができるが、固有魔法をどれか一つでも奪われると解除されるという弱点もある。
- ・『月世界(ムーンフォール)』
- 原作3巻で静が『かぐや姫』の「その後の物語」を書き加えることで発現した新しい固有魔法。文字通り月を落として対象を攻撃する。この月は非常に強固であり、ロンドンを一瞬で焦土と化したリンの魔法ですらかすり傷程度しか与えられないほど。
- ・『火鼠の皮衣』
- 加澄有子(かすみ ありこ)
- 声 - 本渡楓
- 『ヘクセンナハト』日本校メンバーの一人でとても小柄な少女。加澄家四姉妹の三女で、姉の朋子からは「怠惰で口が悪く愛想もない」と評されており、事実、補修の常連であり誰に対しても口が悪く滅多に感情を表に出すことがないが、静や日本校メンバーの事を大切に思っており、原作3巻でリンが静に対して行った謀略に対して怒りを露わにする。
- 土御門家の現当主である静とは主従関係にあるが、前述の性格からか言動は従者のそれではない。しかし諸国連合との『ヘクセンナハト』予選で焦りのあまり舞に対してキツく当たろうとした静を諫めたり、審問会にかけられた静の意思(『ヘクセンナハト』に勝利してほしい)を果たすために土御門の里に残された超希少金属である ヒヒイロカネ(日本国内で現存する3つとない物の一つ。売れば国が買えるほどの価値がある)を(無断で)持ち出したりとその忠誠心は本物である一方で「土御門の人間」という枠組みから抜け出せないために静を助けられなかった自分を責めたりもしている。
- 『 一寸法師』
- 有子が契約した『原書』。『ブーフ・ヒュレ』を発動した時は高下駄を履いたミニスカ巫女装束風の姿に変身する。
- ・『打出の小槌』
- 有子の固有魔法の一つ。身長よりも巨大な木槌を召喚する魔法。木槌で叩いた対象を好きな形状や材質に変化させることができる。
- ・『針の剣』
- 有子の固有魔法の一つ。針の形状をした剣を召喚する。原作3巻ではリンに対する切り札として超希少金属 ヒヒイロカネを『打出の小槌』形状変化させた「炎が一切通用しない」赤い『針の剣』を使用している。
- ・『打出の小槌』
- 学園長
- 声 - 岡村明美
諸国連合
- ユーミリア・カザン
- 声 - Lynn
アメリカ校
- リン・デイヴス
- 声 - 日高里菜
ロシア校
- マリヤ・ラスプーチン
- 声 - 大津愛理
ドイツ校
- アガーテ・アーリア
- 声 - 加隈亜衣
イギリス校
- アーサー・ペンドラゴン
- 声 - 上田麗奈
中国校
- 李雪梅(リ シュエメイ)
- 声 - 吉岡麻耶
インド校
- マハーカーリー
- 声 - 鎌倉有那
小説
- 松智洋・StoryWorks、集英社〈ダッシュエックス文庫〉、既刊3冊
漫画版
『ジャンプスクエア』(集英社)にて、2017年11月号より連載中。コンテ構成を中村尚儁、漫画を山縣清継が担当している。
単行本
- 松智洋/StoryWorks(原作)・カントク(キャラクターデザイン)・中村尚儁(コンテ構成)・山縣清継(漫画) 『メルヘン・メドヘン』 集英社〈ジャンプ・コミックス〉、既刊1巻(2018年1月4日現在)
テレビアニメ
2018年1月よりAT-X・TOKYO MX・BS11にて放送中。
スタッフ
- 原案・シリーズ構成 - 松智洋
- 原作 - MMM
- 原案協力 - StoryWorks
- キャラクター原案 - カントク
- 総監督 - 斎藤久
- 監督 - 上田繁
- キャラクターデザイン・総作画監督 - 森川侑紀
- 脚本 - 松智洋、アサウラ、門田祐一、金月龍之介
- 色彩設計 - 斉藤麻記
- 美術監督 - 下元智子
- 撮影監督 - 村上優作
- 編集 - 廣瀬清志
- 音楽 - rionos
- 音楽制作 - ランティス
- 音響監督 - 森下広人
- 音響製作 - 叶音
- 音楽プロデューサー - 吉江輝成、佐藤純之介
- プロデューサー - 服部健太郎、吉江輝成、礒谷徳和、森田淳、篠崎真哉、林俊安、藍谷厚史
- アニメーションプロデューサー - 永井理
- アニメーション制作 - フッズエンタテインメント
- 製作 - メルヘン・メドヘン製作委員会(NBCユニバーサル・エンターテインメント、ランティス、AT-X、DMM.comラボ、集英社、フッズエンタテインメント、メディコス・エンタテインメント、叶音、日本ナレーション演技研究所)
主題歌
- オープニングテーマ「わたしのための物語 〜My Uncompleted Story〜」
- 作詞 - 林英樹、佐藤純一 / 作曲 - 佐藤純一 / 編曲・歌 - fhána
- エンディングテーマ「sleepland」
- 作詞・作曲・編曲 - rionos / 歌 - 上田麗奈
- イメージソング「誰もわたしを知らない世界へ」
- 作詞・作曲・編曲 - rionos / 歌 - 上田麗奈
各話リスト
放送局
Webラジオ
『メルヘン・メドヘン 楠木ともりの見習いラジオ』は鍵村葉月役の楠木ともりがパーソナリティを務めるWebラジオ。2017年11月17日より音泉、HiBiKi Radio Stationにて隔週金曜に配信開始。2018年1月12日からは毎週更新となったほか、2018年1月7日より超!A&G+でも毎週日曜に配信される予定。
出典
以下の出典は『集英社BOOK NAVI』(集英社)内のページ。書誌情報の発売日の出典としている。
外部リンク