HOME > コミック > 九月病

九月病/

共有

著者:
巻数: 3巻

の新刊
九月病の新刊

最新刊『九月病 3


出版社: 白泉社
シリーズ: ジェッツコミックス


九月病の既刊

名前発売年月
九月病 1 2007-09
九月病 3 2007-09

九月病』はシギサワカヤ作の漫画作品。英語読みは「Sickness in september」。シギサワカヤが同人誌で発表した作品と新たな書き下ろし2作品を収録した上下2巻で構成される。

あらすじ

銀行に勤める伊坂広志は、仕事もでき、人当たりも良く容姿端麗。他人からは非の打ち所のない人間として見られるが心に深い傷と苦しみを持つ。 そして、広志は実の妹である真鶴と関係を持ち、その事に罪悪感を抱きながらも夜な夜な関係を続けていく。 そんな、二人の壊れた関係を知らない海老沢碧は広志の心の奥底にある深い苦しみに触れ、彼を救おうとして、自分もおかしくなっていく。 後輩の幹本が広志に拒絶された夜。彼女は初めて彼の苦しみの一端を知り、犯される。抵抗をしようとすれば、できたはずなのにそれをしなかった。そして、幹本に「彼を好きになるのなら、例えば自分の体に火を放って彼の凍った心を溶かす覚悟がないと」と、告げる。

主な登場人物

伊坂広志(いさか ひろし)
銀行に勤める29歳。視力は両目とも1.5あるが、若く見られる為、常にメガネを着用している。極度の方向音痴。
実は腹黒い一面も有り。酒豪だが、真鶴と関係を持ってからは他人の前では飲まなくなった。高校時代、喫煙をしていたが、大学卒業直前には止めている。
他人からは非の打ち所のない人間として映るが、心の奥底で常に苦しんでいる。
他人を傷つけないようとする心と、妹への罪悪感が他人への壁を作る。そして、友人に対しても仮面の笑顔で笑う。
罪悪感を抱きながらも妹と肉体関係を続ける。
伊坂真鶴(いさか まつる)
フリータの23歳。広志の妹。人の名前を覚えない。海老沢も認める酒豪。
幼い頃、『店で物を得るにはお金が必要』というプロセスを知らず、悪気なく行ってしまった万引き行為によって、周囲からは兄の広志とは逆に『いけない子』として見られてしまった。
家庭や街でのそんな扱われ方とは裏腹に、幼少時は基本的に嘘のつけない純粋無垢な子供であったが、彼女のそんな性質が結果的に父の浮気を母に知らせてしまうことになる。
母親や周囲から『いけない子』としてみなされる中、唯一の心のより所であった兄に禁じられた感情を抱き、それが、やがて兄との禁じられた肉体関係と繋がってしまう。
他人の名前を覚えることを苦手であったが、海老沢と田中の名前は覚えられるようになった。
海老沢碧(えびさわ みどり)
広志の職場の同僚で29歳。酒豪。実は職場の男性からかなり人気があるらしいが、本人はまったく気づいていない。アクション担当(作者談)。通称「兄貴」
後輩であり、伊坂に憧れる幹本の応援をしていたが、伊坂の心の傷を突いてしまい、伊坂から強引に肉体関係を迫られ関係を持ってしまう。
海老沢家長女。妹が二人おり、次女を主人公とした『溺れるようにできている。』、三女をヒロインとした『ファムファタル 〜運命の女〜』がある。
但し、時代背景は本作品より過去のものと思われる。
幹本(みきもと)
海老沢から幹ちゃん呼ばれる。着任直後から伊坂に憧れ、告白するがあえなく撃沈。しかし、それでも伊坂の事を心配する良い子。
但し、自動引き落としを100件ミスるなど、銀行員としては不向きと自覚しているらしい。
田中沙織(たなか さおり)
伊坂と同じマンションに住む主婦であり、病院の婦長。
最初は若い二人の夜の艶声を井戸端会議のネタにする主婦であったが、真鶴が田中の勤める病院に妊娠検査に来たのを機に二人が兄妹である事を知る。
そして、伊坂が熱で倒れた夜に真鶴にすべてを告白され、「お互いが責任を持つなら好きにすれば良い」と声をかける。
原口ハヤト(はらぐち はやと)
広志の高校、大学時代の友人。単純バカ(妻談)
広志に数々の悪癖を教える。
子煩悩な愛妻家であり、妻に頭が上がらないが、結婚前に浮気をしており、広志と共にホテルに来ていた早千に見付かっている(広志は気づいていなかった)。
清水早千(しみず さち)
広志の元婚約者。旧姓田所。結婚式の一週間前に高校時代の教師と駆け落ちをする。お腹にその教師との間にできた子供がいる。
清水耕輔(しみず こうすけ)
早千と駆け落ちをした元英語教師、早千の旦那。
冴木
真鶴の援交相手。職業は教師。太り気味な事を自覚しているが、他人に言われると傷つくタイプ。
部長
伊坂と海老沢が勤める銀行の上司。妻子ある身でありながら、ことある毎に海老沢にちょっかいを出す。海老沢の事や伊坂の本部への栄転の事で、伊坂に嫉妬している。
副支店長
伊坂と海老沢が勤める銀行の上司。部長とは違い、伊坂の能力を高く評価しており、体調不良で倒れた伊坂が復帰した際も涙を流して喜んでいた。

刊行情報

白泉社「ジェッツコミックス」より

  • 単行本第1巻 (ISBN 4592142829)
  • 単行本第2巻 (ISBN 4592142837)