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仁義S/立原あゆみ
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著者: 立原あゆみ
巻数: 18巻
最新刊『仁義S 18』
『JINGI 仁義』(じんぎ)は、立原あゆみによる日本の漫画作品。『ヤングチャンピオン』(秋田書店)にて連載された。単行本は全33巻。また、それを原作とした映画、Vシネマ、OVA作品もある。スピンオフ作品に『JINGI2 仁義2』、続編に『JINGIS 仁義S』(じんぎたち)がある。
概要
ストーリー
鉄砲玉の仁と元テロリストの義郎が偶然の出会いから意気投合し、敵対するものと戦い続けてヤクザ社会で出世していく。
登場人物
主人公
- 神林仁(かんばやし ひとし)
- 「ひとし」が本名だが、身内からは「ジン」と呼ばれている。直情径行で情に厚い性格。
- 墨田川会系砂組の平組員。兄貴分に鉄砲玉を命じられた際、偶然通りがかった義郎を誤って銃撃したのが縁で知り合い、意気投合して兄弟分となる。
- 当初は平凡なチンピラだったが、相棒の義郎の手助けを得て、男気を発揮してヤクザ世界で出世して行く。
- 八崎義郎(やざき よしろう)
- 「よしろう」が本名だが、親しい者からは「ギロウ」と呼ばれている。頭脳明晰で権謀術数に長け、表面上は落ち行いた物腰の優男。
- 元は東大生で極左の過激派学生。超高性能爆弾を製作するテロリスト「昨日の牙」として公安警察にマークされてたが、現役時代は正体を隠し通した。
- 反体制運動に意義を見出せなくなり一方的に引退を表明した頃、鉄砲玉の仁に人違いで狙撃される。それが縁で、単純明快な情理に生きるヤクザ世界に魅力を感じ、仁とともにヤクザ世界でのし上がる野望を抱く。
- 仁の兄弟分として一歩引いた立場で常に行動を共にし、頭脳を活かして資金集めや戦略を担当しながら、二人でヤクザ世界の頂点を目指す。
仁を取り巻く女たち
- 愛子
- 仁の愛人。チンピラ時代の仁がナンパした家出娘で当時16歳。仁との子である礼一を産むが、出産時の合併症で死亡。
- 野村美津子
- 駆け出しの頃に行きつけのスナック「AN」で、酔って逆ナンパをしてきた主婦。証券マンの野村の妻で、幼稚園の娘がいる。手切れ金代わりにベンツを貰う。
- 原田節子
- 証券会社のOL・美智子の学生時代の友人。建設省官僚の娘。ニュータウン構想のインサイダー情報絡みで関係を持つ。
- 高石恵美
- 売春女子高生。都議の娘。アダルトビデオ出演に関して「新宿流会」に脅迫される。 トラブル解決の礼に、奥多摩のニュータウン構想の情報を漏洩に繋がる。
- 由起子
- 銀猫の二号店「二匹目の銀猫」のバニーガール。相同の資金源である覚醒剤密売の客。情報を得る為に接触し、中毒から復帰させた。
- 社会復帰後は、幼児時代の礼一の面倒を見る。相同の覚醒剤ルートの調査に際し、自発的に協力するも敵方に素性がバレてしまい、薬物の過剰摂取で死亡。
- 陽子
- クラブ「銀猫」の新人ホステス。元看護婦で、礼一の生まれた「千葉医院」で担当をしていた。付かず離れずで長い付き合い。
- 芝原綾乃
- 高校教師。金原たちの高校中退に絡み仁と知り合う。後に愛人関係になるが、金原の死亡に伴い関係を清算し、田舎の学校へと転勤。
義郎を取り巻く女たち
- 関本祐子
- 過激派の現役メンバー。学生時代の義郎の恋人で、過去に義郎の子供を妊娠し、堕胎した事がある。
- セクトの活動に絡み海外に渡航する計画があり、その際に「昨日の牙」の爆弾の製法を持参する手筈であったが、代わりに100万ドル入ったスイス銀行の口座を譲渡されて出国。
- 幸田純子
- クラブ「銀猫」のママ。元々は黒川の愛人だったが、義郎の愛人となる。
- 結木友子
- 大手商社「紅菱商事」の部長の娘。最初のシノギとして輸入牛肉の横流しに参画する為に近付いた。
- 美智子
- 証券会社「中央証券」のOL。「北方郵船」の仕手戦絡みで交際していた。
- 宇佐美若菜
- 裕福な人妻。綾乃の同僚の教師・宇佐美の妻。実父は同校の理事長で、旧財閥系の出身者。夫が買春容疑で逮捕されたのを機に離婚、旧姓の「千家」に戻る。
仁と義郎の関係者
- 神林礼一
- 仁と愛子の息子。
- 駄菓子屋のばあちゃん
- チンピラ時代からの顔見知りの老婆。母を亡くした礼一を同居させて面倒を見ている。
- 比奈子
- 所轄の婦警。駄菓子屋のばあちゃんの持つアパート「寿荘」の住人。幼稚園入園前後の礼一の面倒を見ていた。仁の女性関係としては肉体関係が無い。
- 伊藤小百合
- 神林通商の事務員(ちなみに初任給は月15万)。のちに「サガン企画」の室長(年収は2000万以上)。
- 野村
- 証券会社「糸丸証券」社員で課長職。のちに「サガン企画」の社長。
墨田川会 砂組
墨田川会
関東一円会
登場する組織
墨田川会
- 東京都墨田区・隅田川近辺を縄張りとする暴力団。初代の黒川組が拡大して作られた連合組織である一次団体。なお「墨田川」は実際の隅田川の旧称でもある。
- 物語は先代「黒川組長」が死亡し、二代目会長を実子の黒川忍が継いだ直後の混乱から始まる。黒川の解任後に砂川明治が三代目会長に就任。その後、復帰した黒川が四代目会長に就任(副会長は神林仁)、砂川は新設の名誉職・会頭に就任。黒川の失脚により会長職は空席のまま、仁が会長代行。砂川の死亡に伴い、砂組組長を襲名した仁が五代目会長となる。
- シリーズ初期は、墨田川組を筆頭に砂組・別当組・古沢組・流水会という構成。本家・墨田川組が消滅と再編を繰り返して弱体化、砂組が事実上のトップとなる。神林会長の時代に、全体の再編成が行われて参加団体を完全に系列化、対外的には「墨田川会」として一本化される。内部的には系列と縄張りは残っているものの、「〜組」という呼称は用いられていない模様。
- 墨田川組
- 初代黒川組長の作った組であり、墨田川会の本家。二代目を実子の黒川忍が継ぐ。若頭は相同一正。
- 黒川忍の会長解任に伴い一時消滅し、組織は相同を組長とする「相同組」に引き継がれる。その後、相同が失脚した事により「相同組」消滅。同時期に、縄張りを持たない「黒川組」を黒川忍が組織。「相同組」の消滅後は、その縄張りを受け継ぎ、後に「墨田川組」に名称を変更した。六代目の会長を狙った黒川の死亡により解散、本家としての墨田川組は消滅する。残党は「黒川組」時代からの若頭・小滝がまとめる。
- 砂組
- 初代黒川組長の兄弟分の砂川明治が作った組、分家筋にあたる。若頭は井尻。
- 二代目組長は神林仁。二代目襲名と五代目会長職就任、黒川本家の消滅により、事実上「墨田川会本家」となる。理事(若頭に相当)は八崎義郎。小笠原竜二が若頭補佐に相当する。
- 旧来の砂組系構成員と、神林直系の構成員との2系統が存在する。仁と義郎が表裏一体の関係である為、神林直系の構成員はどちらかの派閥という訳ではなく、役割分担によって相互に行き来している模様。
- 別当組
- 初代黒川組長の兄弟分の別当が作った組、分家筋にあたる。若頭は鈴村修。
- 本家・墨田川組との対立により別当が引退し、鈴村が二代目を襲名(若頭は大松英樹)。鈴村の失態により、別当が組長に復帰。その後、別当が再度引退し、旧別当組系は義郎に譲られ、大松が残党を取りまとめる。後に大松が降格して平組員となり、実質的に消滅。
- 古沢組
- 成立時期は砂組・別当組より新しく、本家筋の子組にあたる。組長は古沢要。若頭は野々山邦博。
- 再編成時に解体され、古沢は引退、残党は野々山が引き継ぐ。
- 流水会
- 初代黒川組の成立以前から当地にあった老舗の団体。墨田川会発足に伴い傘下に入った。組長は水田甚一郎。若頭は原剛。
- 砂組と対立して水田は死亡、原が失脚して、次席の名手が組長に就任。再編成時に解体され、派閥として名手が引き続き取りまとめる。
関東一円会
映画版
1991年作品。105分。東映配給。
登場人物(映画版)
- 神林仁
- 「かんばやし ひとし」が本名だが「じん」と呼ばれている。砂川組組長代行にして企業舎弟「神林通商」の社長。人情派で血の気が多く切れると後先考えずに行動する。義郎と出会う前はチンピラで砂川組の鉄砲玉として働いていたが、対立する組幹部と間違えて義郎を狙撃したことが縁で出会ったことから砂川組組長、ひいては関東一円会会長を目指す。
- 八崎義郎
- 「やざき よしろう」が本名だが「ぎろう」と呼ばれている。東大卒の元エリート銀行マン。砂川組理事長にして神林通商の専務。東大在学中は左派過激派組織「昨日の牙」のテロリストとして活動していたが、運動に迷い組織を抜けた後、仁に敵対する組幹部と間違えられ撃たれたことで、やくざの世界に足を踏み入れる。仁を砂川組組長にするためならどんな手をも使う。過激派の頃に爆弾を作っていたため、殺しにはまれにそれを使用することもある。
キャスト
- 神林仁:伊原剛志
- 八崎義郎:竹内力
- 砂川明治:岡田眞澄
- 米助:田中傑幸
- 金原:菅原加織
- 黒川康男:貞永敏
- 綾乃:早見優
- 純子:芦川よしみ
スタッフ
- 監督:長谷川計二
- 製作:中村俊安
- プロデューサー:小島吉弘・横山和幸
- 企画:瀬島光雄
- 脚本:田部俊行
- 撮影:柳島克己
- 美術:山崎秀満
- 編集:只野信也
- 音楽プロデューサー:高桑忠男
- 助監督:井坂聡
Vシネマ版
映画版の続編として、1994年から徳間ジャパンコミュニケーションズよりリリース開始。2007年に一度完結を迎えるが、2009年より発売元を松竹に変えてシリーズを再開している。
キャスト
- 神林仁:竹内力
- 八崎義郎:榊原利彦
- 砂川明治:奥野匡
- クモ助:山口祥行
- ヨネ助:根岸大介
- 酒井陟:上田耕一(6〜21)
- 銀猫のママ:西初恵(2〜21)
- 小百合:伊奈由美子(2〜15)
- 池田砂緒里:大原かおり(16〜19)
- 奈々子:松田純(20〜27)
- 千春:三田あいり(28〜31)
スタッフ
- 製作:瀬島光雄、大川修
- 撮影:長沼六男、満井坦彦、菊池亘、今泉尚亮、小松原茂、内田清美、北澤弘之、今井裕二
- 美術:丸尾知行、佐藤廊亮
- 録音:中村雅光
- 照明:小中健二郎
- 音楽:佐伯真魚、義野裕明、村山竜二
シリーズ一覧
タイトル || リリース年 || 脚本 || 監督 || ゲスト || 備考 | |||||
---|---|---|---|---|---|
仁義2 | 1994年 | 田部俊行 | 南部英夫 | 武田久美子、伊藤敏八、新堂有望 | |
仁義3 | 南部英夫、田部俊行 | 若林志穂、誠直也、麻生真宮子、勝部演之 | |||
仁義4 | 1995年 | 大川俊道 | 貞永方久 | 高島礼子、青山知可子、成瀬正孝、中尾彬 | |
仁義5 | 青山知可子、網浜直子、中尾彬、笹峰愛、貞永敏 | ||||
仁義6 前面報復戦争 | 松井昇 | 菅田俊、伊藤洋三郎、清水ひとみ、大村波彦、松山鷹志、賀川黒之助、三田村賢二、坂田雅彦 | |||
仁義7 代理戦争勃発 | 1996年 | 坂木優子、渡辺哲、椎谷建治、平泉成 | |||
仁義8 内部抗争激化 | 嶋村かおり、遠藤憲一 | ||||
仁義9 死神の復讐戦争 | 長谷川初範、中村綾、望月知子 | ||||
仁義10 流血の代理戦争 | 濱田万葉、麻田かおり、須藤正裕 | ||||
仁義11 北陸極道狩り | 1997年 | 夏樹陽子、神崎恵、本田博太郎 | |||
仁義12 流血の縄張(シマ) | 片岡礼子、田山真美子、片桐竜次、阿藤海 | ||||
仁義13 地獄の墓標 | 四方堂亘、今井恵理、大杉漣 | ||||
仁義14 資金源強奪 | 1998年 | 白島靖代、萩原流行 | |||
仁義15 女豹襲撃 | 青田典子、小沢和義 | ||||
仁義16 裏切りの銃弾 | 梶原真弓、松田ケイジ、米山善吉 | ||||
仁義17 皆殺しの野獣 | 夏目玲、小沢仁志 | ||||
仁義18 反逆の代償 | 日暮裕一 | 白鳥智恵子、三浦浩一 | |||
仁義19 殺しの軍団 | 1999年 | 大川俊道 | 中島宏海、西守正樹、白竜 | ||
仁義20 裏切りの報酬 | 日暮裕一 | 松田千奈、菅田俊 | |||
仁義21 極道十年戦争 | 大川俊道 | 矢部美穂、誠直也、松田優 | |||
仁義22 狂った野獣 | 小松みゆき、木下ほうか、大和武士 | ||||
仁義23 ボディ・ガード | 2000年 | 日暮裕一 | 渡辺哲、松本あまり | ||
仁義24 反逆者狩り | 松井昇、中村章 | 立原麻衣、湯江健幸、須藤正裕 | |||
仁義25 流血の掟 | 松井昇 | 立原麻衣、甲賀瑞穂、岡崎二朗、ジョニー大倉 | |||
仁義26 抗争と野望 | 日暮裕一、岡芳郎 | 栗林知美、松田ケイジ | |||
仁義27 復讐の銃弾 | 2001年 | 日暮裕一 | 清水昭博、菊池かほり、片桐竜次 | ||
仁義28 骨肉の掟 | 白島靖代、松山鷹志、遠藤憲一 | ||||
仁義29 極道死体強奪 | 大竹一重、松重豊 | ||||
仁義 序章 | 大川俊道 | 立原麻衣、菅田俊 | 映画版をVシネマ版のキャストでリメイク | ||
仁義30 義理の墓場 | 2002年 | 日暮裕一、柏原寛司 | 矢部美穂、山田辰夫、鶴岡修 | ||
仁義31 暴力団再武装 | 松田ケイジ、深水三章 | ||||
仁義32 裏切りの代償 | 柏原寛司、望月武 | 永井大、勝村美香、須藤雅宏、久富惟晴 | |||
仁義33 極道復讐戦争 | 松井昇、大川俊道 | 綿引勝彦 | |||
仁義34 殺しの報酬 | 2003年 | 田部俊行、大川俊道 | 松山鷹志、天宮良、山口仁、綿引勝彦 | ||
仁義35 野望の代償 | 松井昇、望月武 | 木下ほうか、山口仁、鼓太郎 | |||
仁義36 反逆の銃弾 | 田部俊行 | 中山弟吾朗、須藤雅宏 | |||
仁義37 報復の掟 | 松井昇 | 翠玲、山口仁、山西道広、遠藤憲一 | |||
仁義38 野望の凶弾 | 2004年 | 田部俊行 | 長岡尚彦、松山鷹志、片桐竜次 | ||
仁義39 流血の墓標 | 鎌田大地 | 武蔵拳、山田辰夫 | |||
仁義40 報復の銃弾 | 柏原寛司、武藤大助 | 山口仁、藤田佳子、野村祐人 | |||
仁義41 非情の掟 | 田部俊行 | 坂田雅彦、工藤俊作、菅田俊 | |||
仁義42 兄弟の絆 | 2005年 | 鎌田大地 | 川本淳市、山西道広 | ||
仁義43 流血の抗争 | 小沢俊介、松井昇 | 嘉門洋子、湯江健幸、松山鷹志、須藤雅宏 | |||
仁義44 頂上戦争勃発 | 大川俊道 | 小沢和義、大竹一重、伊藤洋三郎、片桐竜次 | |||
仁義45 関東抗争勃発 | 2006年 | 片桐竜次、武蔵拳、波多江清、中山弟吾朗 | |||
仁義46 内部戦争勃発 | 綿引勝彦、須藤雅宏、加納竜、嘉門洋子、松山鷹志 | ||||
仁義47 極道報復戦争 | |||||
仁義48 代紋戦争激化 | 綿引勝彦、渡辺哲、須藤雅宏 | ||||
仁義49 極道最終戦争 | 2007年 | 鎌田大地 | 菅田俊、工藤俊作、堀田眞三、渡辺哲 | ||
仁義50 最終章 | 菅田俊、松田優、堀田眞三、渡辺哲 | ||||
仁義51 〜血と掟編〜 | 2009年 | 小川奈那、宮内洋 | |||
仁義52 〜反逆編〜 | 鎌田大地 | 原幹恵、誠直也 |
OVA版
『JINGI 仁義』 1991年作品。50分。日映エージェンシー製作。
『JINGI 仁義 隅田川頂上作戦』 1992年作品。50分。
キャスト
- 神林仁(CV:松本保典)
- 八崎義郎(CV:小杉十郎太)
- 砂組組長(CV:麦人)
- 米助(CV:菊池正美)
- 黒川(CV:鈴置洋孝)
- 相同(CV:小野健一)
- 愛子(CV:本多知恵子)
- 銀猫のママ(CV:速見圭)
スタッフ
- 監督:村山靖、吉田健次郎
- 脚本:南部英夫
- キャラクターデザイン:川村敏江、阿部恒
- 作画監督:松本勝次、阿部恒
- 美術監督:石渡俊和
- 音響監督:田中英行
category:オリジナルビデオ