HOME > コミック > 俺の妹がこんなに可愛いわけがない

俺の妹がこんなに可愛いわけがない/いけださくら 伏見つかさ

共有

著者: いけださくら 伏見つかさ
巻数: 5巻

いけださくらの新刊
伏見つかさの新刊
俺の妹がこんなに可愛いわけがないの新刊

最新刊『俺の妹がこんなに可愛いわけがない 4


出版社: アスキー
シリーズ: DC


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

grgefe Key/クラナド/リトルバスターズ!/枕/H2O/いきなりあなたに恋している/ケロQ/素晴らしき日々/終ノ空/ゆずソフト/天神乱漫/ドラクリオット/魔法少女リリカルなのは/とらドラ!/俺の妹がこんなに可愛いわけがない/電波女と青春男 この作品が好きな人はフォローお願いしますー
grgefe Key/クラナド/リトルバスターズ!/枕/H2O/いきなりあなたに恋している/ケロQ/素晴らしき日々/終ノ空/ゆずソフト/天神乱漫/ドラクリオット/魔法少女リリカルなのは/とらドラ!/俺の妹がこんなに可愛いわけがない/電波女と青春男 この作品が好きな人はフォローお願いします!1
_net_shop_ 【ホビー】 #2: 俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 黒猫 (1/8スケール PVC製塗装済み完成品) http://t.co/jELo5x2bbb  #amazon #アマゾン
clic_news_ 「ぺたん娘みにっ 俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」が予約開始!amazonフィギュアランキング初登場36位。2014年6月30日に発… #ぺたん娘みにっ #俺の妹がこんなに可愛いわけがない http://t.co/bjvOQShp69
3chomeT RT @chi_bakun_chiba: 今週のTBS「千葉ドリーム! もぎたてラジオ」はいつもと違って今夜8時30分から放送。千葉市を舞台にした「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」の作者・伏見つかささんがゲストなんだって。

俺の妹がこんなに可愛いわけがない』(おれのいもうとがこんなにかわいいわけがない)とは、伏見つかさによる日本のライトノベルシリーズである。2008年8月に電撃文庫(アスキー・メディアワークス)よりシリーズ第1巻が刊行された。イラストはかんざきひろ。2010年11月現在、既刊7巻。「電撃G's magazine」(アスキー・メディアワークス)2009年3月号よりいけださくらによる漫画化作品が連載中。2010年3月にドラマCDが発売。また、2010年10月よりテレビアニメが放送されている。

公式な略称は『俺の妹CloseUp NetTube、2008年10月17日。。『俺妹』と略されることもある。「俺の妹がこんなに可愛いはずがない」は誤記

概要・構成

垢抜けていて勝ち気な妹と、その妹が隠し続けてきた「実は隠れオタク」という秘密を知ってしまったことから、不仲だった妹に振り回されることになった兄との関係を描いたコメディー作品。

本作は、2007年冬頃まで準備が進められていた『ねこシス』の企画が諸事情により一時没となった際に、その構想の一部を引き継ぐ形で企画された「あとがき」『ねこシス』、274-275頁。後に『ねこシス』は『電撃文庫MAGAZINE』の連載として復活した後、電撃文庫から出版されている。「#他の伏見つかさ作品との繋がり」および「ねこシス」も参照。。編集者である三木一馬の提案により、伏見の作風も考慮した上で「超常現象のない普通の日常」「勝気な女の子」「オタク」という題材が選ばれ、当初は社内の期待が低かったことから、キャラクターの設定を前面に据えたインパクトが重視されたCloseUp NetTube、2008年10月23日。アキバBlog、2008年12月5日。アキバBlog、2009年8月7日。「あとがき」小説第2巻、371-372頁。。その後は著者の伏見がリードを取る形で執筆が進められたが、伏見にとって長編コメディーは初挑戦であり、作風の変化を意外に受け止める読者も多かったという。決して大ヒットを狙った作品ではなく、伏見はこれが人生で最後に出版する作品になる覚悟で書いたと述べており小説第1巻、裏表紙カバー袖。、実際に発売前は電撃文庫での扱いも小さかったというが
、発売後間もなく作中に登場した実在の個人サイトから反響があるなど、インターネット上では大きな話題になり、アニメ化が発表された2010年5月時点では公称120万部を売り上げる人気作品となっている。

物語は主人公である兄の一人称で進行する、一人称小説の体裁となっている。各巻4章立て(第一〜四章)で、各巻第二章は麻奈実メインの「麻奈実ルート」となっているアキバBlog、2009年4月10日。。電撃文庫では通常4葉(8ページ)あるカラー口絵は通常の1葉と、3つ折りの折込みが1葉となっている。通常の本編中のイラストの他、章の間にアニメのキャラクター設定画風の「Character file」が載る。

本作は作中テーマとして主におたく文化を扱っているが、従来あった作品よりもおたく文化の深い部分やインターネットの事物、敬遠されがちな性風俗などの話題に踏み込むことが意図されておりアキバBlog、2010年1月7日。アキバBlog、2010年5月7日。、アダルトゲームなどを含む実在の作品名や団体名、ウェブサイトといった固有名詞、インターネットスラングなども頻繁に登場する。また読者が肌で興味を感じているであろう今風の話題を取り入れようという考えから、プロパガンダには踏み込まない範囲で時事問題を扱ったエピソードもあるアキバBlog、2008年12月10日。。おたく文化を肯定的に描く一方で、例えばインターネット上のおたく文化では否定的に捉えられていたケータイ小説を擁護する場面が盛り込まれるなど、様々な事柄に関する既存の社会的評価を覆してその魅力を再確認しようという試みも意図されている

物語の転機「あとがき」小説第3巻、325頁。となる第4巻の新刊時には特製のアンケートはがきが差し込まれており、第5巻の内容はアンケートで決まる「読者投票型のルート分岐シナリオ」となった。ただし正確には事前にアンケート結果を予想して書き進められており、予想と違えば書き直すつもりだったとのこと。最終的に第5巻はメインヒロインの桐乃がほとんど登場しない黒猫メインの巻となり、第1巻カバーをセルフパロディにした黒猫がメインヒロインであるかのような口絵が載った。

本作の作風はいつ中止に追い込まれるか分からないような危ういものでありアキバBlog、2010年5月1日。、作者の伏見は毎回、次の巻が人生最後の作品になる可能性を念頭に置きつつ、常にクライマックスのつもりで書いてきたというアキバBlog、2010年11月10日。。実際に書き直しを迫られた場面も幾度かあったというがアキバBlog、2009年4月8日。、作者の伏見や編集の三木は、批判を恐れず目新しいヒロイン造形や題材、宣伝手法を開拓していったことや、主流に反するようなカウンターカルチャー的なコンセプトが、作品の支持にも繋がったと分析している

あらすじ

波乱のない普通の人生を志向する男子高校生・高坂京介は、数年前から中学生の妹・高坂桐乃から挨拶もされずまるで汚物を見るかのように蔑んだ視線を送られるだけの冷え切った関係になっていた。京介自身もまた非凡な才能に溢れる生意気な妹を嫌っており、そんな状態がこれからもずっと続くかに思われていた。

ところがある日、京介は自分の家の玄関で、高坂家では自分も含めて誰も見そうに無い魔法少女アニメ『星くず☆うぃっちメルル』のDVDケースが落ちているのを発見する。しかも、そのDVDケースには『メルル』のDVDでなくアダルトゲーム『妹と恋しよっ♪』が入っていた。京介は夕食の卓を囲みながら両親に『メルル』の話題をそれとなく振ってみるが両親、特に警察官である父親はオタクに対する偏見が非常に強く否定的な反応が返って来るのみであった。ただ一人あからさまに不審な反応を返したのは、持ち主としては最もありそうにないと思えた妹の桐乃であった。

その後ややあってケースの持ち主が桐乃であることを確信するに至った京介は、詳しいことは問い詰めずにDVDケースとその中身を桐乃に返す。しかしその後のある晩、これまで挨拶もろくに交わさなかった桐乃が突如として「人生相談がある」と言いながら京介の部屋に押しかけて来て、萌えアニメや「妹萌え」シチュエーションの美少女ゲームがどうしようも無く好きで堪らないが誰にもそのことを打ち明けられず困っていたことをカミングアウトされてしまう。京介は内心ドン引きしつつも、苦手な妹を適当にあしらうつもりで小説第1巻、43,51,54,63頁。、彼女の趣味に理解を示すそぶりを装い、秘密は守るし困ったことがあればできる範囲で協力するという空約束をする小説第1巻、72頁。。そして厄介ごとを他人に押し付けるためにも小説第1巻、113頁。、インターネットのSNSへの入会を勧め、妹の趣味に理解を示してくれるような「裏」の友人探しを手伝うことにする。

しかし京介は次第に桐乃の趣味にかける真剣さや、痛々しいまでの情熱を知るようになり、少しずつ己の考えを改めるようになる。口では妹のことを毛嫌いし、表面的には不仲な関係を継続しつつも、時には身体を張り恥をかなぐり捨ててでも妹の趣味を守ろうと奮闘するようになり、無関心だった桐乃との関係性を次第に変化させていく小説第3巻、212-213頁。。また京介自身も、SNSのオフ会を通じて「裏」の友人となった黒猫沙織・バジーナたちとの交友関係や、妹が持ち込んだ大小さまざまな事件、夏コミへの同行、桐乃が書いたケータイ小説の出版騒動、京介自身のゲーム研究会への入部といった出来事を通して、今まで幼馴染である田村麻奈実との居心地のいい関係に甘んじていた自分を取り巻く環境の変化を実感していく。やがて桐乃の喧嘩友達であり様々な出来事を通して京介と共に奔走する仲間でもあった黒猫との関係や、京介に対する桐乃の本心といった事柄の進展も、桐乃の突然の留学による不在と帰国などを経て物語に関わるようになる。

背景設定

thumb|アニメ版に登場する千葉都市モノレール。 超常現象のない普通の現代日本が舞台となっており、少なくとも主人公の視点では非現実的な事件は描かれない。物語の中心人物である高坂兄妹の自宅は千葉県にあり小説第3巻、150頁。「あとがき」小説第6巻、281-283頁。、原作では市町村名についての言及こそないものの、最寄りの駅から秋葉原までは電車で1時間半小説第1巻、136頁。、有明の東京ビッグサイトには新木場駅を途中経由して2時間と少々の距離にあるとされ小説第2巻、180-183頁。、隣町にある観光案内に紹介される規模の公園が徒歩15分の距離にある小説第1巻、189頁。ことなどが断片的に言及されている。他にも渋谷小説第3巻、144頁。、新宿小説第3巻、134頁。、松戸小説第3巻、214頁。、千葉小説第7巻、第1章。といった実在の土地や、実在の店舗などが登場するエピソードもある。

アニメ版では高坂家の住所が千葉県千葉市の千葉駅周辺に設定されており、高坂兄妹が住む地域の風景として千葉都市モノレールの高架や、千葉駅の駅舎が描写されるなどアニメ配信第3話、該当時間11分14秒目。「千葉駅」と書かれた看板が登場する。、千葉駅周辺の景観をモデルとした風景が登場している なおアニメ版の放送開始以降は原作でも、高坂兄妹の友人たちがよく行く場所として千葉駅周辺が登場しているが、千葉駅から秋葉原駅までは総武線各駅停車でも50分程度である。またアニメ版では、原作では実名で登場していた地名や事物の一部が架空の名称に置き換えられている場合もある。

物語の発端は6月の出来事とされ小説第2巻、15頁。、以降の展開で1年以上の期間が経過している。原作では、物語が現実の暦で何年の出来事であるのかは明言されておらず、作中で言及される実在の事物や出来事から年代を特定できる描写はあるものの、後年になって読み返しても違和感がないようにという判断から、具体的な年は敢えて曖昧にされている。一方アニメ版では具体的な年月日が描写されることもあり、物語開始時点においてアニメ本放送開始時より8か月未来である2011年6月の出来事として描かれている。

作中では幾度かおたく差別が話題として取り上げられており、ヒロインである桐乃の周囲にはオタクに対して強い偏見を持つ人物が多く登場するが小説第1巻、第4章。小説第2巻、第4章。小説第4巻、第1章。、世間一般ではオタクに対する理解も進んでいるとされ、単にテレビアニメやアニメ映画、ゲームを愛好している程度では迫害されないという言及もある小説第5巻、115-117頁。。一方で桐乃が愛好するアダルトゲームや同人誌などは世間に受け入れられておらず、作中においてもアダルトゲームの製造や販売を規制する法律の制定を求める請願が衆議院に提出されているが小説第2巻、320頁。、その請願の根拠を疑問視する数百人の署名も提出されており議論は決着していないという言及があり小説第2巻、339頁。、アダルトゲームの単純所持自体は非合法化されていない。道徳的な問題や成人向けゲームのレイティングに言及される場面はある小説第1巻、257頁。小説第4巻、210頁。

物語の主要な舞台である高坂家の間取りや家具の配置には詳細な設定があり、コミカライズの際に原作者による3Dの図面が作成されている。作中では兄・京介の部屋が6畳間小説第1巻、23頁。、妹・桐乃の部屋が8畳間小説第1巻、48頁。であると言及され、桐乃の部屋にある本棚の裏にはリフォーム前の名残である押入れがあり、オタク趣味を隠すための隠し部屋として用いられている小説第1巻、52-53頁。

登場人物

声優は特記のない限りドラマCD版・アニメ版共通。作中では物語の進行に伴い年単位の時間が経過しており、小説第5巻以降からは全員が1学年進級しているが、学年などの設定は特に説明がある場合を除いて物語登場時に準拠する。原作では各キャラクターの身長やプロポーションが設定されているが、アニメ版では登場人物間のバランスを取る都合上、身長の設定が変更されており、厳密な数値は定めない方針となっている電撃文庫MAGAZINE、2010年11月号付録、10頁。

高坂家

本作の中心人物である兄妹と、その家族たち。物語開始時点では兄妹の仲は冷え切ったものとなっており、その後の展開を経た後も口を開けば刺々しい言葉を交わす間柄で、物語の語り手である京介の主観では仲の悪い兄妹として認識されている。ただし第三者である他の登場人物たちからは、しばしば良好な関係のように評されたり、性格面ではよく似た兄妹だと指摘されたりする小説第5巻、259頁。こともある。「#作中の兄妹関係」も参照。

高坂 京介(こうさか きょうすけ)
声 - 中村悠一
身長175cm、体重60kg「Character file.02」小説第1巻、76頁。、4月生まれ。
本作の主人公にして、この物語の語り手。高校2年生。取り立てて長所も短所も無いが、平凡であることを美徳であるとして肯定的に捉えている。一人称は「俺」。能動的な性格ではないが、一度決めたことは恥をさらしてでも貫き通す責任感の強い一面もある。黒猫や沙織に言わせると「お人好し過ぎる」とのこと。また多くの女性から「ニブい」「察しが悪い」と言われている。
妹・桐乃からは何が原因かは覚えていないものの一方的に蔑まれるような関係となっており、また京介自身も非凡な才能を持つ妹への嫉妬心を抱いていたが小説第3巻、296-297頁。、玄関で『メルル』のDVDケースを発見したことから妹の誰にも知られたくない秘密を知ってしまう。厳格な家庭で育ったために当初はパソコンどころかテレビゲームすら所持しておらず、サブカルチャーに対しては相応の偏見を抱いていたが小説第1巻、221-222頁。、沙織達との交流を経て、理解はできなくとも否定されるようなものではないという印象を抱くようになり小説第1巻、249-250頁。、桐乃の趣味を擁護する立場となる。当初はオタク趣味に対して抵抗感を感じつつも小説第2巻、16頁。、幾度かの事件を経てそれを普通の日常の延長として受け入れるようになり小説第1巻、289,291頁。、巻を追うごとに台詞や地の文もその影響を受けている例えば2ちゃんねるのコピペや、漫画・ゲームのパロディと思しき台詞が増えているなど。。3年生に進級後は黒猫とともにゲーム研究会の部員となる。
幼馴染の麻奈実とは気心の知れた間柄で小説第6巻、184-185頁。、友達以上恋愛未満の関係を続けることを望んでいるが、後には黒猫との恋愛関係も物語上の争点となっていく小説第7巻、292-297頁。。好きな女性のタイプはあやせのような黒髪ロングの女性で、あやせの前では下心を露わにしてしまう一面もある。また本人は認めようとしないが、眼鏡っ娘には並々ならぬこだわりを持つ。一方で妹キャラクターを攻略対象とする恋愛ゲームには苦手意識があり、妹を性的な目で見ることには強い抵抗感を感じている。
高坂 桐乃(こうさか きりの)
声 - 竹達彩奈
身長165cm、体重45kg、スリーサイズB82/W54/H81「Character file.01」小説第1巻、75頁。
京介の妹で、物語を引っ張る人物。中学2年生。ハンドルネームは「きりりん」。兄と違って人目を惹き付ける美貌に恵まれ、ファッション誌の専属モデルとしてかなり高額の報酬を手にしている。また学力は県内でも指折りの優等生にして、陸上部のエースと非の打ち所がない。家の外では礼儀正しく愛想よく振る舞っており小説第1巻、200頁。、学校や仕事先では慕われている小説第7巻、99頁。。その一方で家庭内では無愛想で小説第1巻、32頁。、京介に対しては高圧的な態度や乱暴な口調で接する。

本人も何が契機かはよく覚えていないながらも萌えアニメや男性向けの美少女ゲーム、特に「妹もの」を(成人向けか否かを問わず)こよなく愛し、ニュースサイトを巡回して気に入った物を見つけてはモデルの報酬を使って衝動買いをしている。しかし世間の目が気になり趣味を分かち合う相手を得られず悶々としていたところ、兄に秘密を知られてしまい、不本意ながらも兄に相談を持ちかける。表向きの生活と裏のオタク趣味の間は、どちらも不可分な自分の一部であるとして真剣に思い詰めており、作中では幾度かその板挟みに直面しつつも、決して一方を切り捨てないことを決意し小説第1巻、117頁。小説第1巻、240頁。小説第2巻、348-350頁。、京介から背中を押されている小説第1巻、241頁。。かつては京介に対してほとんど無視に近い対応をとっていたが、口では刺々しい言葉を浴びせつつも徐々に心を開いていく。
何事も一生懸命で、一度決めたことには全力で取り組むという努力家でもあり、小学生低学年時代は運動が苦手だったのを奮起して躍進したという経緯がある。その一方で想定外のトラブルに対しては非常に脆く、しばしば年相応の弱さを露呈してしまうという弱点があり小説第3巻、211頁。、窮地に追い込まれてしまうことがある。萌えアニメに大はしゃぎしたり小説第7巻、37-39頁。、美少女ゲームの不幸な展開に深く感情移入して涙を潤ませてしまうような一面もあるが小説第4巻、260頁。、現実とフィクションはきっちり区別する主義。
第4巻の終盤、中学3年生への進級を前にアメリカへスポーツ留学したが、成果を出せず悩んでいたところを、第5巻で京介に半ば連れ戻される形で帰国した。
高坂 大介(こうさか だいすけ電撃文庫MAGAZINE、2010年11月号付録、15頁。
声 - 立木文彦
高坂家の主で、京介・桐乃兄妹の父。仕事は警察官。京介曰く「極道面で頑固」。有言実行を信条としており小説第1巻、227頁。、京介や桐乃に対してもそのようであるようにと教育している小説第1巻、246-247頁。。京介にとっては畏怖すべき父親であり、桐乃はもちろん小説第1巻、237頁。京介にとっても腕力では太刀打ちできず小説第1巻、224-225頁。、また嘘や誤魔化しも通じない相手として恐れられている小説第1巻、215,218,220頁。。桐乃の目つきや雰囲気は父に似たらしい
桐乃がモデルの仕事をしていることについては、その内容をよく確かめた上で、学業やスポーツと両立させることを条件に認めている小説第1巻、199,253頁。。一方、ゲームやアニメといったオタク趣味に対しては当初「悪影響しかないくだらない趣味」小説第1巻、250頁。といった強い偏見を抱いており、桐乃の趣味を知った際にはそれら全てを取り上げて捨てようとした。しかし体罰を辞さない説得をもってしても、桐乃を庇おうとする京介の決意を挫くことはできず小説第1巻、246-261頁。、その後は関連事項についてチェックしつつも事態を静観している小説第2巻、338頁。。普段は厳格な父だが我が子を溺愛しており、特に桐乃に対しては幼少からの写真や嫌っていたモデルの写真までスクラップブックに貼付してある小説第1巻、252-253頁。
作中では名前で呼ばれる場面がなく「親父」「お父さん」と呼ばれているが、アニメ版のクレジットで名前が明かされた

高坂 佳乃(こうさか よしの
声 - 渡辺明乃
京介・桐乃兄妹の母で、専業主婦。部屋に入るときにノックをする習慣がなく、たびたび京介を困らせている。京介がエロ本を隠していた場所を全て探し当て、隠すのを諦めさせたという経歴がある小説第1巻、22-23頁。。また京介はどちらかというと母親似らしい
作中では「お袋」「お母さん」と呼ばれており、フルネームはアニメ版で明かされた。アニメ版では原作のイメージを変更し、若々しい母親として描かれている

田村家

高坂家の近所小説第1巻、84頁。に住む一家で、高坂兄妹と同じ年齢の姉弟とその両親、祖父母の6人家族小説第2巻、99頁。。古めかしい和風建築の佇まいの小説第1巻、98頁。「田村屋」という和菓子屋を営んでおり、若い女性客にも好評を博している。京介は幼い頃からこの一家との親交があり家族同然に迎えられているが、桐乃は彼らと距離を置いている。

田村 麻奈実(たむら まなみ)
声 - 佐藤聡美
身長160cm、体重50kg、スリーサイズB84/W59/H86「Character file.03」小説第1巻、130頁。、5月4日生まれ。
京介の同級生。彼の幼馴染でもあり、その付き合いは十年以上にもなる。若干天然気味だが成績は良く、図書館で京介に付き合って勉強しているお陰で京介は成績を落とさずに済んでいる。かと言って恋愛関係に進展する気配も無く、京介曰く「隣に居てくれると、なんとなく心地良い」関係で一番の相談相手でもある。もっとも浩平を始めとする同級生や京介の母などからは付き合っていると思われており、桐乃からも「デレデレしている」と見えているらしく一方的に拒絶されており、また麻奈実の側も京介との関係を進展させようとしている素振りを見せることもある電撃文庫MAGAZINE、2010年11月号付録、11頁。。菓子作りを始めとして料理が得意。眼鏡をかけていて、裸眼では視力0.1以下になる小説第2巻、107頁。。外来語の発音が苦手で棒読みになる。彼女を敵視している桐乃からは「地味子」と呼ばれている。
京介にとって、派手で非凡で相手をしていて疲れる桐乃とは正反対の存在として対比される人物。京介との間でサブカルチャー関係の話題が交わされることはほとんどないが、桐乃に関する相談事が話題になることはある。後に京介を介してあやせ小説第2巻、第2章。、黒猫小説第5巻、第1章。と面識を持つようになり、特にあやせとは親密に情報を交換している小説第7巻、96頁。

田村 いわお(たむら いわお) / ロック
声 - 大津田裕美
身長163cm、体重52kg「Character file.08」小説第2巻、178頁。
麻奈実の弟。中学2年生で桐乃とは同学年だが、学校が違う小説第2巻、100頁。。京介には小学校の頃に大恥をかきそうになったところを助けられた恩もあって懐いており小説第6巻、232-233頁。、調子に乗ってはよくどつかれている。姉に劣らず天然気味の性格で、流行を追いかけ洋楽に入れ込んではいるが、スキンヘッドに憧れて床屋に行くものの五厘刈りにされてしまったり、ギターを始めようとするものの金銭的な問題から三味線で妥協したりと、垢抜けない。自分の髪型がスキンヘッドではないことに気が付かず格好をつけて「ロック」を名乗るが、京介に間違いを正された後も自称は渾名となり小説第3巻、79頁。、以降も物語の語り手である京介から「ロック」と呼ばれ続けている。
リズム・アンド・ブルースのSNSコミュニティに参加しオフ会にも行っており小説第1巻、120頁。、そのことが麻奈実と京介を経由して桐乃を「オタクっ娘あつまれー」のコミュニティに参加させる間接的なきっかけとなった。現在はコンタクトレンズを使用しているが、過去には黒縁の眼鏡をかけていた時期もあり、久しく顔を合わせていない桐乃からは「怒りっぽいメガネくん」という印象を持たれている

田村祖父
声 - 樫井笙人
田村姉弟の祖父。やや若々しくノリのいい性格。死ぬ前に麻奈実と京介を結婚させたがっている。死臭に似た加齢臭の持ち主で、ハロウィンの予行では迫真の死んだふりで京介と麻奈実を驚かせたことがある小説第3巻、第2章。
田村祖母
声 - 片貝薫
田村姉弟の祖母。京介が来るたびに麻奈実の婿と囃し立てる。しばしば老衰を引き合いにして京介を困らせる夫に辛辣なツッコミを入れている。
田村父
第3巻に登場。田村姉弟の父。店の仕事を無条件に京介に手伝ってもらおうとするなど、京介との面識が深い。

高坂兄妹の「裏」の友人

桐乃が入会したSNSのコミュニティ「オタクっ娘あつまれー」の参加者たち。オフ会を通じ、メンバーのうち沙織と黒猫の二人は京介と桐乃にとっての共通の友人となり、その後も同人誌即売会に同行したり、高坂家に招かれたり、何かあった時には親身になって協力してくれたりと、オフでも親しく交流がある。

槇島 沙織(まきしま さおり) / 沙織・バジーナ(さおり・バジーナ)
声 - 生天目仁美
身長180cm、体重61kg、スリーサイズB88/W60/H89「Character file.04」小説第1巻、183頁。

15歳。中学3年生。「オタクっ娘あつまれー」の管理人で、作中では「沙織・バジーナ」というハンドルネームを名乗っている。180cm程の長身にジーンズ、ぐるぐる眼鏡にバンダナを巻いて丸めたポスターが挿さったリュックを背負うと言う典型的な秋葉系ファッションが特徴で、桐乃たちの前ではいかにもオタクっぽい口調の人物として振る舞っている。自慢はスリーサイズが藤原紀香と同じであると言うこと小説第1巻、174頁。。面倒見は良く、皆のムードメーカー的存在であり、常に周囲への気配りを怠らない性格。なかなかオフ会に馴染めない様子であった桐乃と黒猫を二次会に誘ったことをきっかけに小説第1巻、第3章。、桐乃に同行していた京介とも知り合い交友を深めていく。姉や両親のつてによる豊富な人脈を持ち、出版業界にもコネを持っている。
オフの場で普段見せているオタクっぽい恰好や振る舞いはキャラ作りの一環であり小説第1巻、174-175頁。、ネット上、及び素ではお嬢様スタイルな口調。また、眼鏡を外すと見違えるような美人小説第6巻、186頁。。沙織本人が言うには、自分を鼓舞してコミュニティを結成するまでは引っ込み思案な性格であったといい、家族の縁故に頼らず独力で結成したコミュニティに対して強い愛着を抱いている小説第6巻、197頁。。第6巻で本名や素顔が明らかになるが、その後も京介やコミュニティの仲間の前ではオタク然とした「沙織・バジーナ」のキャラクターで接している小説第7巻、118頁。
自宅は高坂家からは離れており、原作では千葉県外にある海沿いの高級住宅街とされ小説第6巻、133-137頁。、アニメ版では神奈川県横浜市在住であると設定されている。親元を離れ、親の資産であるマンションを一棟丸ごと借り切って住んでおり、部屋中にガンプラやレトロゲーム、昭和の食玩や玩具、美少女フィギュアなどといったコレクションを陳列している小説第6巻、147-163頁。。作中2年目からは高校に進学しており、通学先は名の知れたお嬢様学校であるという小説第6巻、135,146頁。
ちなみに香織という姉がおり、沙織の趣味や人脈、コミュニティに対する接し方は姉から大きな影響受けているが、現在は結婚して海外で暮らしているという小説第6巻、196頁。
五更 瑠璃(ごこう るり) / 黒猫(くろねこ)
声 - 花澤香菜
身長160cm、体重43kg、スリーサイズB77/W53/H80「Character file.05」小説第1巻、184頁。

中学3年生。作中では「黒猫」というハンドルネームを名乗っており、第5巻にて本名が明らかになった後も、物語の語り手である京介からは基本的に黒猫と呼ばれている。サークルや個人ブログも持っているなど桐乃以上のオタクであり、また対戦型格闘ゲームの世界大会で上位入賞小説第4巻、164頁。する程の凄腕ゲーマーでもある。長い黒髪が綺麗な美少女ではあるのだがやや他人を見下すような発言や、自分をフィクションの伝奇物語の登場人物と同一視するかような痛々しい言動が多く、また人見知りする傾向もあり、交友関係は少ない。左目の下に泣きぼくろがある。

「オタクっ娘あつまれー」のオフ会でゴスロリファッションに身を包んで参加するが桐乃と同様、場の雰囲気に馴染めず浮いていたところを沙織の仲介で二次会に参加。その席で毎週楽しみにしているアニメ『MASCHERA 〜堕天した獣の慟哭〜』を桐乃に誹謗されたことから激しい口論となるが小説第1巻、170頁。、桐乃と同様に趣味について熱く語り合える相手を欲していた感情がこの口論で満たされたためか、その後は互いを「スイーツ(笑)」「邪気眼厨二病」などと貶し合いつつも喧嘩友達としてそれなりに上手く行っている。桐乃が困っていたり窮地に立たされている際には憎まれ口を叩きつつも助力したり、京介と共に奔走することもあり、好意や感謝を素直に表現できないという意味で、京介からは桐乃の同類と認定されている小説第2巻、268頁。。また、幾つかの出来事を通して京介との関係も進展していき、京介に対する恋愛感情も物語に影響していく。家は高坂家とある程度近所にあり、作中2年目からは京介や麻奈実と同じ高校に進学しゲーム研究会に籍を置くようになる。ゲーム研究会では「五更」という本名で呼ばれている。
普段は創作活動をしたりバイトをしたりと、それなりに忙しい模様。また、妹がいるらしく小説第1巻、166頁。、時折話題に上る。創作活動には特に力を入れているが、その内容については酷評されており小説第3巻、46-49,251-252,259頁。、自身が描きたいものと売れ筋との乖離を感じている小説第5巻、199頁。
桐乃の不在時にはほぼ1冊丸ごとメインを張る巻もあり、読者からの人気も高い主要登場人物。また、同じ作者による作品『ねこシス』の主要登場人物である東雲 千夜子(しののめ ちやこ)とは、口調や性格や外見的特徴が一致し、同一人物ともスター・システムによる別人とも解釈できるように描写されている。詳細は「#他の伏見つかさ作品との繋がり」を参照。

桐乃の「表」の友人

桐乃が通う中学校の友人たち。桐乃にとって仲の良い友人たちだが、自分のオタク趣味については隠そうとしている。

新垣 あやせ(あらがき あやせ)
声 - 早見沙織
身長166cm、体重44kg、スリーサイズB80/W56/H83「Character file.06」小説第2巻、88頁。
桐乃の同級生で親友。桐乃と同じくティーンズ誌のモデルをしており、桐乃は職歴上先輩にあたる。また勉強面でも桐乃に教わったりと、憧憬に近い感情を抱いている。明るく人当たりの良い性格だが、やや考えすぎる傾向があり思い込みが激しい
当初は高坂家に遊びに来た時に京介と知り合い、京介と桐乃の関係を良好なものと思っていい感情を持っていた。その一方で父が議員小説第2巻、338頁。国会議員か地方議員かは不明。、母がPTA会長小説第2巻、319頁。といった家庭環境や、やや潔癖な性格もあって環境犯罪誘因説に感銘を受けており、オタクに対しては「犯罪者予備軍」小説第2巻、322,323,326,335,341頁。「穢らわしくておぞましい趣味」小説第2巻、342,347頁。といった強固な偏見や生理的嫌悪感を抱いている。そのため桐乃の趣味を知ったときはひどくショックを受け、親友を思う気持ちから悪習から足を洗うよう厳しく迫り小説第2巻、323頁。、一時は絶交状態にまで陥ってしまう。その後京介の説得で和解しその趣味についても黙認するようになるが、一方その説得方法が原因となって今度は京介と微妙な関係になってしまい顔を会わせるたびに辛辣な言葉を投げかけるようになる。ただし、桐乃の事情を知る友人として、彼女が困っている時には渋々ながら京介と協力関係を結ぶこともあるなど、紆余曲折を経ながらも京介との人間関係を維持している。
原作では京介との関係が良好だった頃に、彼を介して麻奈実と知り合っており、その後も連絡を取り合っている小説第5巻、251頁。
来栖 加奈子(くるす かなこ)
声 - 田村ゆかり
身長148cm、体重39kg、スリーサイズB70/W51/H77「Character file.07」小説第2巻、89頁。
桐乃の同級生の友人。小柄な体格で、髪型はツインテール。初めて会った京介にも怖じず、今時の女子中学生らしく思ったことをすぐ口にする性格。また唯我独尊としており口調も乱暴で、あやせや京介もその扱いに困惑することも多い。アイドルを志しているようでダンスレッスンやカラオケで練習などをしており、オーディションなどにも幾度か出ている。その成果もあって、歌唱力や踊りは一般のそれを凌駕している。中学生でありながら喫煙の習慣があり、作中で一度補導されているが、後に禁煙する小説第6巻、第1章。
桐乃の趣味については知らされておらず、オタクを見下しているが、そのルックスや声質は『星くず☆うぃっちメルル』の主人公・メルルにそっくり。第6巻ではブリジットと共にあやせと同じ事務所に入り、コスプレアイドルとしての芸能活動を開始する。ファンからの愛称は「かなかな」。コスプレは仕事と割り切っているが小説第7巻、48頁。、元々目立ちたがり屋な性格でもあり、自分を崇拝してくれるファンたちは、例え気持ちの悪いオタクであっても可愛いく思える存在であるらしい小説第4巻、74,79頁。

高校の友人

京介、麻奈実が通う高校の友人たち。後に黒猫も同じ高校に進学する。

赤城 浩平(あかぎ こうへい)
声 - 間島淳司
身長177cm、体重73kg「Character file.09」小説第5巻、60頁。
京介の同級生で、瀬菜の兄。サッカー部所属。赤みがかかった栗色の短髪が特徴で、顔立ちも端整。京介とは憎まれ口を叩きあうぐらいには仲が良い。京介と麻奈実が付き合っていると思っている。シスコンの気があり、妹のために深夜にBLゲームを買いに行ったり妹のことを「世界で一番かわいい」と豪語する。また自分のことを臆面も無く「イケメン」と言うなど、少しナルシシストな一面もある。
妹が腐女子であることを明かして以降は小説第4巻、第4章。、京介とはオタクの妹を持つ兄同士の共感で結ばれるようになる小説第4巻、229-233頁。小説第6巻、101-110頁。

ゲーム研究会

作中2年目より京介と黒猫が入部した、高校の部活。後に作中2年目の夏コミを通じて、沙織や桐乃とも面識を持つようになる小説第7巻、第3章。

三浦 絃之介(みうら げんのすけ)
声 - 井上剛
身長179cm