内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎/渡辺保裕
著者: 渡辺保裕
巻数: 17巻
最新刊『内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎 17』
内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎の既刊
名前 | 発売年月 |
---|---|
内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎 1 | 2004-02 |
内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎 2 | 2004-02 |
内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎 3 | 2004-05 |
内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎 4 | 2004-07 |
内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎 5 | 2004-09 |
内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎 6 | 2004-11 |
内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎 7 | 2005-01 |
内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎 8 | 2005-04 |
内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎 9 | 2005-06 |
内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎 10 | 2005-09 |
内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎 11 | 2005-11 |
内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎 12 | 2006-01 |
内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎 13 | 2006-04 |
内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎 14 | 2006-07 |
内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎 15 | 2006-09 |
内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎 16 | 2006-11 |
内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎 17 | 2007-01 |
『内閣権力犯罪強制取締官 財前丈太郎』(ないかくけんりょくはんざいきょうせいとりしまりかん ざいぜんじょうたろう、英名 - Government Crime Investigation Agent Zaizen Jotaro)は、原作:北芝健、漫画:渡辺保裕による日本の漫画作品、及びこれを原作とするテレビアニメ作品。
概要
超法規的権限を与えられた主人公が、ありとあらゆる手段で政界の汚職・犯罪を取り締まっていくという内容の作品である。『週刊コミックバンチ』(新潮社)にて、2003年24号より2007年5・6合併号まで連載された。単行本は全17巻。
ストーリー上の繋がりはないが、その内容や制作主旨が原哲夫の『公権力横領捜査官 中坊林太郎』(以下、中坊)とほぼ同一で、云わば『中坊』の続編とも呼べる漫画である(この作品が『中坊』を実質的なモチーフとしていること自体は、連載第1回の本誌の特集記事でも触れられており、原哲夫もこれを公認している旨の発言をしている)。しかし、『中坊』の方は政界とゼネコンの癒着話に的を絞っていたのに対し、『財前』はゼネコンの癒着から始まり、対・日本の闇の大物、血族(クラン)、アメリカ、中国マフィアの日本制圧計画…と風呂敷を広げ過ぎてしまい、最終的にはほぼ投げっぱなしという形で終了した。また、政界を舞台とした作品ではあるが、政界の役職などの変化への対応が追いついていない部分もあった。
『コミックバンチ』編集部は、渡辺にこの漫画を描かせるために、『バンチ』創刊当初から渡辺が連載し、野球漫画ファンから絶大な人気を得ていた漫画『ワイルドリーガー』を打ち切ったのではないかとも噂されている。それだけ編集部が力を入れていた作品ではあったのだが、この作品が人気を得ていた理由はどうやら編集部の想定とは違った所(※)にあった様だ。連載当時は、『日本国大統領 桜坂満太郎』(終了)と共にバンチの(ツッコミ所の多い)二大大型政治漫画連載作品となっていた。
- (※)一読すれば大抵の読者は気付くのだが、あえて列挙すると下記の様な点が挙げられる。
- 妙に顔の濃い、"萌え"からは極北に位置するキャラクターたちが織り成す、コントすれすれの大仰な台詞回しの面白さ
- 悪行の限りを尽くすが、どこか茶目っ気がある(様に見える)愛すべき悪役キャラクターたち
- 細かい理屈や設定は無視したインパクト重視のストーリー展開
- これらの要素は、本作の源流的存在とも言える原哲夫の名作『北斗の拳』の人気を支えた理由の一群でもあり、バンチ編集部は読者の現在の評価も当初から織り込んだ上でこの様な作風にしている可能性もある。
あらすじ
誰が見ても分かるように、今や日本の政治の根幹は腐敗し切った連中により食い物にされている。政界を裏で操っている巨悪からの圧力により、警察も検察も政界には介入することができないというのが日本の現状である。そこで内閣は、超法規的な権限を持った特殊部門を創設する。
「内閣権力犯罪強制取締局」(G.C.I.A.)と呼ばれるその組織は、何時如何なる時でも巨悪を捕えることができる超法規的権限を持つ犯罪捜査のエキスパートたちにより構成されている。そして組織の捜査官の一人に、大富豪中の大富豪のみが所持することを許されるザイナース社クレジットカードの最上位「ゴールドブラック」を持つ男がいる。その名は財前丈太郎。
財前は過去に得た人脈とゴールドブラックカード、そしてその独自の機動性を最大限に活用しながら政界の巨悪に挑んでいく。
登場人物
テレビアニメ版での各キャラクター担当声優(声の出演)についてはキャストの節を参照のこと。
内閣権力犯罪強制取締局
- 財前 丈太郎(ざいぜん じょうたろう)
- 主人公。内閣権力犯罪強制取締局に属する捜査官の一人で、政界の巨悪を取り締まることに全てを賭けている。
- 警視庁勤務後に入隊したSASで数々の武勲を上げた。あるミッションでイギリスの石油王の子息の救出に成功したことへの感謝として、ザイナース社の「ゴールドブラックカード」を所持するに至った。カードの支払いはパトロンであるその石油王が全て負担している。カードを手にしてからわずか1ヶ月で自家用コンコルドを購入するといった、常人では考えられない財前の浪費振りに対し、当の石油王は「あのやんちゃ坊主がこの程度しか使ってないのね」と涼しい顔をしている。
- 決め台詞は「だっぼん!(Da Bomb!)」。これは英語のスラングから来ている言葉("Yeah!"程度の意味)。
- 藤堂 直人(とうどう なおと)
- 内閣権力犯罪強制取締局局長。
- 望月 卓巳(もちづき たくみ)
- 元大鹿建設の土木課長。第2話にて会社の不正を検察にリークしたことで覇王黒龍会に命を狙われたが、財前に助けられた。
- 内山 剛司(うちやま ごうじ)
- 第5話にて覇王黒龍会の報復に遭い、殺害される。
- 吉岡 潤子(よしおか じゅんこ)
- 元松坂の愛人で、「銀座の若き女帝」と呼ばれていた。
- 白石 恵(しらいし めぐみ)
- 元大鹿建設社長秘書。「アイアンメイデン」の異名を持つ。その平手打ちは「アイアンゴッドハンド」と呼ばれる。
- 綾野 美奈子(あやの みなこ)
- 陣内の愛人で、内取にスパイとして潜り込んでいた。第9話にて陣内の凶刃から財前を庇い、その時の傷が元で死亡。
ゼネコンの巨悪
- 鈴木 恵一(すずき けいいち)
- 大手ゼネコン「大鹿建設」の社長。義理の息子である鈴木秀明に殺害される。
- 鈴木 秀明(すずき ひであき)
- 鈴木恵一の娘婿。恵一を亡き者にした後、大鹿建設の社長の座を継ぐ。
ヤクザの巨悪
- 陣内 隆一(じんない りゅういち)
- 覇王黒龍会若頭。インテリにして武闘派。第9話にて丈太郎との一騎打ちに敗れ、自害。
- 伊達 公彦(だて きみひこ)
- 今津 博堂(いまつ はくどう)
- 覇王黒龍会総裁。90代でありながら、筋肉隆々とした外見である。財前のことを「もがすけ」と呼び、抗酸化性の食べ物(特に梅干し)を好む。
政界の巨悪
- 曽根屋 康造(そねや こうぞう)
- 日本国元首相にして、民自党最高顧問。第10話にて贈収賄罪の容疑で検挙される。
- 松坂 征二郎(まつざか せいじろう)
- 政界議員。吉岡を愛人にし、銀座の高級クラブを持たせた。ゼネコンとの癒着が露見したため、第7話にてトカゲの尻尾切りとして殺害される。
テレビアニメ
2006年7月より、三大都市圏のテレビ朝日系列局3局で深夜アニメとして放送された。全11話。その演出や作画などに独特の奇妙な味があり、インターネット上を中心に話題を呼んだ。また、2006年9月20日深夜には製作局テレビ朝日での最終回放送に合わせ、打ち上げ会場と思しき場所からインターネットラジオ番組を放送。スタッフやキャストが裏話を披露したり、掲示板に書かれた質問などに回答するという企画も行われた。これは前番組『THE FROGMAN SHOW』でも試みられた企画である。放送終了からしばらくの間この作品を収録したDVDは発売されていなかったが、翌2007年10月11日にようやくリリースされた。
"Da bomb!"
主人公・財前丈太郎が指を鳴らしながら用いる決め台詞で、「最高」を意味する英語のスラングである。しかし、これが「だっぽん」という響きに聴こえる視聴者が続出。その奇妙な響きと意味不明さから、本作を象徴する台詞として認知されるようになった。基本形の他にも、畳み掛けるような短縮形や、上がり調子の疑問形などがあり、財前の心境に応じて使い分けられる。
カットイン
本作の特徴として、漫画で用いられるようなカットイン(挿入)をアニメに持ち込むというその実験的な演出技法が挙げられる。そのため、本来はそこにいないキャラクターが背景に重ね合わされたり、キャラクターの顔の大きさのみが唐突に拡大されたりする。
キャスト
{| |style="vertical-align:top"|
- 財前丈太郎 - 小川輝晃
- 陣内隆一 - 西凛太朗
- 吉岡潤子 - 深見梨加
- 望月卓巳 - 塩屋浩三
- 松坂征二郎 - 西村知道
- 鈴木恵一 - 大竹宏
- 藤堂直人 - 稲田徹
- 内山剛司 - 玄田哲章
- 今津博堂 - 大塚周夫
- 曽根谷康造 - 加藤精三
- 岡村良行 - 宗矢樹頼
- 綾野美奈子 - 久川綾
- 白石恵 - 泉裕子
- 桜井佐和子 - 並木のり子
- 鈴木秀明 - 斧アツシ
- 高辻征太郎 - 藤井啓輔
- 和泉孝四郎 - 福田信昭
- 笹野篤之 - 有本欽隆
- ジョージ・アンダーソン - 藤原啓治
- レイラ・フォスター - 岡寛恵
- 毒島講児 - 天田益男
- 山田一郎太 - 中博史
- 桂木直人 - 近藤広務
- 緒方正義 - ふくまつ進紗
- 大垣充 - 中村浩太郎
|style="vertical-align:top"|
- 望月美帆 - 羽豆幸子
- 望月哲也 - 笹田貴之
- 唐沢文教 - 赤城進
- 梅田森雄 - 丸山壮史
- 福木良登 - 三浦潤也
- 内山深雪 - 並木のり子
- 国定慎之介 - 斎藤志郎
- 袴田邦弘 - 岩崎ひろし
- 五島田治昌 - 品川徹
- 小島慎之介 - 武虎
- 稲葉 - 矢部雅史
- 堀内 - 斉藤次郎
- 菅原 - 田坂浩樹
- 古橋 - 御園行洋
- 早苗 - 中谷有里
- 岸村 - 芦澤孝臣
- ホテルマネージャー - 塚田正昭
- 殺し屋A(神父) - 木村雅史
- 管制官 - ジャック・ウッドヤード
- 通信士 - 紗綾
- カーディーラー - 田坂浩樹
- ママ - 瀬尾恵子
- 予告ナレーション - 村瀬克輝
- アバンナレーション - 梅宮辰夫
|}
スタッフ
- 原作 - 北芝健
- 漫画 - 渡辺保裕
- 監督 - 大森英敏
- 監督補佐 - 森義博
- シリーズ構成 - 三井秀樹
- キャラクターデザイン・総作画監督 - 須田正己
- サブキャラクターデザイン - 松本剛彦
- 美術デザイン - 三宅晶和
- 美術デザイン補助 - 伊藤早織
- アイテムデザイン - 珍田哲男
- 色彩設定 - 村上智美
- 撮影監督 - 桑原賢治
- 3Dアニメーションディレクター - 磯部兼士
- 編集 - 長坂智樹
- 音響監督 - 赤間明吉
- 音楽ディレクター - 高木完
- 音楽制作 - 村上壮
- プロデューサー - 西口なおみ、加藤雅弘
- アニメーションプロデューサー - 今成英司
- アニメーション制作 - トランス・アーツ
- 製作 - テレビ朝日、ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン、トランス・アーツ
主題歌
- オープニングテーマ「ゼロの気持ち」
- 作詞 - 大田紳一郎 / 作曲・編曲 - 徳永暁人 / 歌 - doa(GIZA studio)
- エンディングテーマ「もしも生まれ変わったら もう一度 愛してくれますか?」
- 作詞 - 北原愛子 / 作曲 - 中嶋康孝 / 編曲 - スピカ / 歌 - 北原愛子(GIZA studio)
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
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第1話 | 追跡者…チェイサー | 三井秀樹 | 大森英敏 | 神崎ユウジ | 秦野好紹 |
第2話 | 密告者…ホイッスラー | 石踊宏 | 藤本義孝 | 井口忠一 | |
第3話 | 破壊者…クラッシャー | 森義博 | 及川博史 | ||
第4話 | 復讐者…リベンジャー | まつぞのひろし | 石田ひろし | 水口桂 | |
第5話 | 犠牲者…ビクティマー | 寺崎敦子 | 石平信司 | 千葉大輔 | 井口忠一 |
第6話 | 退場者…エグジッター | 三井秀樹 | 大森英敏 | 田園太郎 | 秦野好紹 |
第7話 | 権力者…モンスター | 丸藤広貴 | 蔵本穂高 | 青鉢芳信 手島勇人 | |
第8話 | 復活者…カムバッカー | 寺崎敦子 | 大森英敏 | 殿河内勝 | 中野彰子 |
第9話 | 対決者…デュエラー | 三井秀樹 | 高橋順 | 水口桂 | |
第10話 | 窮地者…ディフクルター | 石平信司 | 岡崎ゆきお | 井口忠一 | |
第11話 | 完結者…エンダー | 大森英敏 | 森義博 | 須田正己 |
放送局
放送対象地域 | 放送局 | 系列 | 放送期間 | 放送日時 | 備考 |
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関東広域圏 | テレビ朝日 | テレビ朝日系列 | 2006年7月5日 - 同年9月20日 | 水曜 26時40分 - 27時10分 | |
中京広域圏 | メ〜テレ | 2006年7月11日 - 同年9月26日 | 火曜 26時58分 - 27時28分 | ||
近畿広域圏 | 朝日放送 | 2006年7月19日 - 同年9月28日 | 水曜 26時51分 - 27時21分 | ※ |
関連項目
- テレビ朝日系アニメ
- 深夜アニメ一覧