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凍牌/志名坂高次

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著者: 志名坂高次
巻数: 全12巻

志名坂高次の新刊
凍牌の新刊

最新刊『凍牌 12



凍牌の既刊

名前発売年月
凍牌 6 2009-01
凍牌 7 2009-06
凍牌 8 2009-10
凍牌 9 2010-02
凍牌 10 2010-07
凍牌 11 2011-01
凍牌 12 2011-06

凍牌』(とうはい)は、志名坂高次による日本の漫画作品。『ヤングチャンピオン』(秋田書店)において連載中。2010年9月現在、単行本は10巻まで発売されている。

また、近代麻雀オリジナル(竹書房)で、堂嶋を主人公にしたスピンオフ作品『牌王-はおう-』が掲載されている。

あらすじ

金、女、臓器。欲望蠢く裏レート雀荘を荒らし回る男がいるという。その男、いまだ少年にして、冷徹なる思考、冷艶なる打牌、裏世界からは“氷のK”と呼ばれているが、自宅には少女を飼っていると噂される。

登場人物

ケイ
本作の主人公で高校生。本名は作中では明かされていない。裏レート麻雀を荒らし回っており、通称「氷のK」と呼ばれる。決め台詞は「凍死」「震えてるよ」。非凡な記憶力と、常に最善の行動をする冷静さを失わない理論的打ち手で相手を追い詰める麻雀。その冷静さは、自他の目前での破滅や暴力、たとえ友人が死にかけても揺るがない。一人暮らしで、自宅に少アミナと言う少女を飼っており、アミナの事になると必死さが滲み出る。そのことを突かれ窮地に陥ることは幾度かあった。桜輪会の代打ちとして結果を残し代打ち集団「一軍」入りを果たす。
堂嶋
裏世界で知らない者はいない麻雀打ち。ケイとは対照的に波を読む直感型で強運の持主、それに加えて繊細な技術も持ち合わせている。一見ホストのような服装をしているため、初見の人物には「ホストか」と思われ軽視される事があるが、その認識をすぐに改めさせるほどの豪快な打ち筋が特徴。
ケイの行く先によく現れ、時には最大のライバルとして立ちふさがり、時にはケイの最高の理解者として共闘することもある。ちなみにケイとコンビ打ちで戦った際の息はぴったりで、ケイに当たり牌を喰い流して勝利を得た。豪快な性格で女が好きで、アミナのような少女も含まれるようである。相手の金品からプライドまで、とことん絞り抜く性格であり、関からは「食っても食っても満たされない餓鬼」と揶揄された。その見事な金髪と性格、波に乗って相手を一気に押し殺す強さから「ライオン」といわれる。
勝負のためには自らを犠牲にする事に躊躇しない性格でもあり、ケイと初めて会った際に行った賭けではいきなり財布を丸ごと賭ける。それ以外にも、背負っているものやリスクの差からツキが逃げてしまうと感じたときは迷わず自分の体の一部などを賭けて同等のリスクを背負う。
読者人気も高く、近代麻雀オリジナル掲載の『牌王伝説ライオン』の主人公も務める。かつて「堂嶋」と言う名の麻雀打ちと戦い、敗北して右足の指を失った。敗北の代償に右足の指を全て切り落とすか、一生麻雀を打たないかを選択した果ての結果であり、彼との再会を望み「堂嶋」の名で麻雀を打ち続けている。そのため、堂嶋は偽名と言うよりも通り名と言う方が正しい。
アミナ
ケイに飼われている異国の少女。関の組織が取り仕切る裏DVD等の商品として、まっちゃんに飼われていた。その頃はまっちゃんの性格から日常的に暴力を振るわれていたため、幼いながら「生きる」ことに非常にシビアな考え方を持つ。同じ商品の少女達は皆諦めきって監視が甘い時でも逃げ出そうというそぶりすら見せなかったのに対し、唯一希望を捨てずに常に良い飼い主を探しており、ケイと初めて会った時からその瞳は希望に満ちていた。ケイとまっちゃんの勝負の途中にも、まっちゃんに殴られる事を覚悟の上でタガログ語の通しに関するヒントを口にしてケイに教え、ケイの勝利のきっかけを作る。
詳細は不明だが、病気を患っている様子で、本人は「ケイにバレてはいけない、バレたらまた捨てられる」と隠している。関曰く「前の主人も日本人だった」為、英語混じりで片言ではあるが、日本語が喋れる。たまにケイと麻雀をしている。
関 ひではる
名前の漢字は不明。裏世界の何でも屋。ケイに裏レートの世界を仲介する。ケイの才能の覚醒に立会い、まだ高校生のケイを高く評価している。
桜輪会との戦争で、ケイに「桜輪会を裏切ればアミナにビザをやる」と持ちかける。ケイはアミナのために一度はそれを承諾し、関が指示した「関を勝たせるための行動」を実行するが、その上でケイに敗北してしまう。その後、彼の仲間は殺されてしまったが、彼は逃がしてもらい、今も生き延びている。
まっちゃん
本名不明。「まっちゃん」はネット麻雀でのハンドルネーム、及び仲間内の愛称。アミナをはじめ、沢山の「商品」を飼っており、ネット麻雀を使って一般人も巻き込んでいる。3対1のグループ打ち、(一般的な日本人がタガログ語を理解出来ない事をいいことに)隠そうともしないタガログ語による通し、その他すり替えや握り込みといったイカサマを使う、「勝負」よりも「イジメ」が好きな男。両刀使いで、ハメて借金させた相手が男で小奇麗な場合はAVで掘って清算させる。
ケイも同様の手口でハメて"イジメ"ようとするが、ケイの記憶力と策略の前にイカサマを全て看破され破られる。窮地に立った途端に暴力で勝負を無効にしようとするが、ちょうどその場に現れた関に撃たれた上に脅されてそのまま勝負を続行させられる。仲間だった男らからも見放され、必死に一人でケイに対抗しようとするが遠く及ばず、最終的には失血死して勝負は終わる。
畑山
大学生ながら刺激を求めて暴力団の桜輪会に接触し、代打ちになる。一軍の試験でケイとコンビを組むが、破滅と不確実なスリルと対面した際にメッキがはがれる。微糖の缶コーヒーを好む。初期は本気を出すと、ブラックコーヒーを頼む事もある。
後に、関によって薬物により変わり果てた姿で、桜輪会との戦争の際にタヤオ側の代打ちとして再登場する。自身の破滅とスリルを求め、ピンポイントの読みに賭けたオープンリーチを中心とする独特のスタイルを作り、序盤は「負けても何かを失うのはバックの高津だけ」と言う状況にある堂嶋を圧倒するが、自身の両腕も賭けて退路を断った堂嶋に盛り返され、しまいには関に「もう降りる以外何もするな」と言われてしまう。関からの戦力外通告に加え、ケイからの度重なる挑発により、自分が求めていたものを見つけ、終盤で関の命令を無視して独自に打ち始める。
勝負が始まった時点で重度の薬物中毒であり廃人寸前の状態だったが、一皮むけ、勝負が終わった後は堂嶋と気が合い、たまに打ち合うほどの仲になる。竜王杯ではケイとの直接対決で追い詰めるほどの打ち手となるが・・・
高津
関東一円に及ぶ暴力団組織・桜輪会傘下、高津組組長。麻雀賭博代打ち集団の「一軍」を率いる。柳の遺志を継ぎ、ケイを信頼、サポートする。
いつも冷静だが、タヤオの組織と麻雀勝負の日取りを決めるための会合では柳を撃った犯人をいきなり銃殺し、危うくその場で銃撃戦になりかける程であった。
桜輪会傘下、高津組若頭。パンチパーマのいかにもな容姿。隣部屋で残酷ショーが行われても平然としているが、親近者には気の良い一面を持つ。
ケイを高く買っており、桜輪会代表の代打ちを決める対局の際、高津が総合的に判断してケイではなく松本を指名した際には高津に食い下がった。しかし、桜輪会対タヤオ戦の桜輪会メンバーを選抜する麻雀勝負の終了後、部屋から出た所でタヤオ側の人間に狙われ、とっさにケイを銃弾から庇って死亡してしまう。死に際までケイの事を気にかけてケイを代打ち代表とすることを頼み込んでおり、高津がケイを使うと決める事となった。
松本
年配の桜輪会代打ちの一軍。組からは「ジイサマ」と呼ばれている。じっくりと腰をすえた重い打ち筋が特徴で、冷徹な思考を持っているとは言えまだまだ若く突っ走る事もあるケイに対し、「見せる」ために麻雀を打つなど、何かとケイを気にかけていた。
アイとの勝負に敗北し、指を全て切り落とされる。その後ケイがアイを打ち負かした事により指を全て返してもらうが、元に戻ったかは不明。
桂木 優
ケイの幼馴染であり、同級生。ケイに恋愛感情を抱いており、彼が裏世界に踏み込むことに危惧を覚えている。昔のケイに戻ってもらいたい一心で、上野と組みケイを負かそうとするが失敗。
その後、上野に騙され昇心会の代打ちをやらされるが、上野のヤケクソの行動により服を裂かれ、左手にアイスピックを3本も刺されてしまう。「極道の男でさえも叫んでしまう」程の状況に置かれてもなお、「ケイに迷惑を掛けない」ために声を上げる事もなく麻雀を打つ。自分に「ケイに対する人質としての価値」が生じてしまう事が最もケイにとって迷惑をかける事だと察し、最後までケイに助けを求めなかった。
昇心会がケイに対して持ちかけた「3000万で2人(上野と桂木)を売ってやる」と言う提案をケイが蹴ったことで、ケイに対しては自分は人質にならないと回りに示せた事で涙を流す(と同時に自身の助かる目が無くなる)が、一部始終を見ていた高津が5000万で買うと言う形で救い、今は普通の生活を送っている。
上野 真一
ケイの同級生。自分が一番でなければ気が済まない傲慢な性格で、ケイほどではないが非凡な記憶力とイカサマを駆使して友人からゲームで金を巻き上げている。危険な世界に踏み込むケイを心配した桂木からケイを負かして欲しいと頼まれるが、大金を手に入れたケイから金を巻き上げたい、勝って自分の優位を示したいと言う意図で勝負を挑む。最初の頃はケイを上回るかのような記憶力を見せ、「何事も自分が一番と思わない方がいい」と言い放つが、次第に本領を発揮したケイに手も足も出なくなっていき、自分が言い放ったセリフをそっくりそのまま返されてしまうほどに敗北する。
その後、その性格が災いして不良グループの女に手を出して借金をし、麻雀で金を稼ごうとするが、運悪く堂嶋と畑山の2人と同宅となって、昇心会のヤクザに借金を重ねてしまう。桂木をケイの弱点と見定め、彼女を騙して昇心会の代打ちとしてケイに挑むが、やはり力は及ばなかった。桂木を追い詰めてケイにイカサマさせることですり替えの現場を掴んで、イカサマを暴けば(それまでの負け分も無かった事にして)昇心会の勝ちに加えてケイを殺す事が出来ると言う状況を作るが、「掴んだ手がイカサマをしていなかった場合」は逆に自分が殺されると言う話になるとプレッシャーに耐えられなくなり、実際にケイの手牌が1枚少なくなっていると言うほぼ決定的な状況であるにも関わらずケイの手を開かせる事が出来ず、勝負を放棄して逃走を試みる。当然他の組員に捕まりボコボコにされ、最後はケイにも助けを求めだすが、当然ケイにも、桂木を救った高津にも見捨てられる。その後の消息は不明。
アイ
女性の麻雀打ち。過去に義父から性的虐待を受け、その経緯から異常な洞察力(彼女は瞳と表現する)で相手の意図を推測する。また、徹底的に負かした相手には、指を賭けさせ、切り落とした後に指をトイレに流して絶望に満ちた表情を嘲笑う趣味がある。
松本を降し、ケイと勝負して序盤はその瞳で圧倒するが、ケイの捨て身の全牌オープン打ちで心の隙を晒してからは一転、完敗を喫す。以降、ケイへのリベンジを求めて表の世界でも勝負を重ねて龍王杯に参戦し、ケイと再戦する。
大辻
数十年に渡り不敗を誇る伝説的な怪老人。常に人をおちょくる言動をする。