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博多っ子純情/長谷川法世

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著者: 長谷川法世
巻数: 10巻

長谷川法世の新刊
博多っ子純情の新刊

最新刊『博多っ子純情 第10巻


出版社: 双葉社
シリーズ: 双葉文庫


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

fcummavo @choccasyrup 漫画家の長谷川法世(博多っ子純情)が15年来CM出演している"博多通りもん"以外だと、"博多っ子"って名前のめんたいパイとか、"かすていら"なんかが評判いいみたいですよ!
kentaro666 羨ましいです。RT @msugaya: 長谷川法世さんが『博多っ子純情』で小学館漫画賞を受賞したとき、六本木で開かれた二次会の会場にタモリが駆けつけてくれて、密室芸の数々を披露してくれました。RT @kentaro666: (cont) http://t.co/RSqo2Wfo
mangapoll_new 長谷川法世の「博多っ子純情」を登録しました。 http://mgpl.jp/t/15006 #comic #manga

博多っ子純情』(はかたっこじゅんじょう)は長谷川法世作・画による劇画である。

概要

1976年から1983年まで、「漫画アクション」(双葉社)に連載された。

福岡・博多を舞台とし、郷六平と小柳類子の中学生から大学生になるまでの青春群像を縦軸に、博多祇園山笠などに代表される人情味あふれる古きよき時代の博多の風物を横軸にした作品である。六平の父は博多人形師で、福岡県出身のバンド、チューリップも登場する。連載開始当初は、西鉄福岡市内線(1979年廃止)の路面電車も作品内に度々登場した。

セリフは博多弁であり、「博多」を全国に広めた劇画である。サブタイトルにも、毎回博多弁が用いられた。

1978年には松竹配給で映画化。1995年には一部脚色の上、NHK連続テレビ小説『走らんか!』としてテレビで放映された。

第26回(昭和55年度)小学館漫画賞受賞。

ハウス食品の即席ラーメン『うまかっちゃん』のテレビCMキャラクターとしても有名。博多の菓子『博多通りもん』のCMでは、長谷川法世と郷六平、小柳類子が映像の合成により共演している。

福岡出身のバンド、チューリップにも「博多っ子純情」(1977)という曲がある。この曲の歌詞も漫画に登場する。「取締役 島耕作」の博多赴任編でも山笠を舞台にした話で、この歌詞が登場した。 なお、同曲が収録されたアルバム「WELCOME TO MY HOUSE」の歌詞カードは長谷川法世による毛筆である。

登場人物

郷 六平 (ごう ろっぺい)
主人公,父五郎は博多人形の職人,母はスミ。中学二年のときから,締め込みをつけて山笠に出てている山笠”いのち”の博多モン。中学は博多三中,高校は石堂高校,一浪後に東京の集道大学に入る。高校ではラグビー部に所属し,花園に出場する。父親が脳溢血で倒れたのを機に中退し,博多人形師になることを決意する。
小柳 類子 (こやなぎ るいこ)
料亭「小柳」の三女,中学時代からの六平のガールフレンド。六平のことを一途に思っているが,その分やきもちも激しい。地元の大学に進学し,郷土の古代史と遺跡発掘に興味をもつ。六平との関係でぐらつくこともあったが,五郎が脳溢血で倒れたときに「私には最初から郷君しかおらん」と結婚を決意する。
阿佐 道夫 (あさ みちお)
中学時代からの六平のクラスメートで高校,大学も同じ。父親は阿佐衣料卸店を経営する。母親は再婚で若くて美人なため素直に接することはできない。いつもセックスに関わる話を「お前たち,知っとうや」で始める。六平とは流れは違うが山笠には欠かさず出ている。絶交状態にもかかわらず,六平の父親が倒れた時は連絡に奔走するいい男である。
黒木 真澄(くろき・ますみ)
中学時代からの六平のクラスメートで高校も同じ。高校時代にはラグビー部に所属し六平と一緒に花園に行く。大学でもラグビーを続け,レギュラーとなる。
郷 五郎(ごう・ごろう)
六平の父親で博多人形の職人。酒と中洲が大好きで妻を泣かせることもある。グータラに生きているようであるが,ときどき制作に精を出す。六平が高校を卒業したとき訣別を宣言する。自分がガンと思い込み,遺作として傑作を残そうとする。脳溢血で倒れ,手術後も意識が戻らないとき,六平の「祝い目出度」歌で意識を回復する。中州の飲み屋で「女房も子も家もなく 職もなく 持てるは己が玉二つかな」とう辞世の句を読む。
小柳 多加子(こやなぎ・たかこ)
類子のすぐ上の姉,中学では秀才であったが,カゼの高熱のため高校入試を失敗し,人生の進路が狂う。大学卒業後は村芝居のメンバーとなり演劇の道を志す。類子の芯の強さに嫉妬する場面もあるが,普段は仲のよい姉であり,相談にものってくれる。
料亭小柳の大将(りょうてい・こやなぎの・たいしょう)
なぜか名前が出てこない。郷五郎と中州の飲み屋で出会い,生涯の飲み友達になる。山笠の常連であり,類子には山笠の好きなきさくな男と結婚させたいと思っている。
穴見 武(あなみ・たけし)
六平が兄とも思う熱血漢。彼から教わった鉄拳一直線は六平のけんかに大いに役に立つ。郷家のとなりに住む六平の初恋の人である重富青葉と駆け落ちするが海難事故で若くして死亡する。
米倉先生(よねくら・せんせい)
中学時代の担任,標準語を話し,同僚の朝倉先生と結婚する。六平が高校生になってからも,新年会などでよく米倉家にクラスメートが集まる。
仁久島(にくしま)
元々は事あるごとに、六平と対立する敵役。しかし山笠の最中に六平と喧嘩をしたことがきっかけで和解し、後に自身の結婚の引き出物として六平に博多人形を依頼する。
可愛 司郎(かわい・しろう)
石堂高校の同級生,非常に性格の良い男。兄弟姉妹の多い貧乏な家庭で育ち,修学旅行には参加できなかった。しかし,貧乏をまったく卑下していない。痩せ型にもかかわらず力が強く,ラグビー部の主要メンバーになる。苦学をして大学に進学する。
野枝 由宇穂(のえ・ゆうほ)
石堂高校の同級生,才媛。中学の頃は生徒会長をしており,論理的な話し方をする。可愛と恋仲となり,六平が芹井とのことで退学騒ぎとなったときは,自主的な全校集会を開いて弁護する。
扶桑 一子(ふそう・いちこ,イッチー)
石堂高校の同級生,ハデ好きの性格で永射とすぐに恋仲となる。永射を別れたあとは,スキャンダラスなタレントになる。
永射 道徳(ながい・みちのり)
石堂高校の同級生,バスケットからラグビーに転向する。LMのジョーに刺された事件が新聞に載り,ラグビー部は一年間の出場停止処分を受ける。予餞会では寸劇の終了後,照明を落とした会場で3年生のメンバーに謝罪する。扶桑一子と恋仲になるが分かれる。映画監督を目指している。
芹井 美子(せりい・よしこ)
六平の中学校の後輩。六平が二年のときに起きた運動会のからしめんたいこ事件で番町の無法松に呼び出されたとき,ことの顛末を説明して窮地を救う。六平を追って石堂高校に入学したときはスリムになり,メガネはコンタクトに変えている。流産した時,隠されていた日記に六平との架空の関係が書かれており,六平は退学の窮地に陥る。六平が花園に出場したとき,チームからエールを送られ感激する。
若菜 真弓(わかな・まゆみ)
芹井の親友,流産事件の真相は察知していたが六平に不利な証言をする。大学進学後に黒木と恋仲となる。
れんとう(石堂高校の教頭)
伝統が口ぐせのためそのようなあだ名がついた。生徒の風紀に非常に厳しく,芹井の流産事件では六平退学の急先鋒となる。修学旅行のときはラグビー部のメンバーが宿を抜け出したのを見て後をつける。幸い行き先は花園ラグビー場であり,可愛の顔を描いたラグビー・ボールのご利益もあり不問となった。
捨石先生
石堂高校の教師,「は~,まあ~」のように非常にとろい話し方をする。生徒たちには理解が深く,芹井の流産事件では六平の弁護に回ってくれた。
多志麻 ハル(たじま・はる)
予備校の同期生,正体不明の怪女。「人類の進歩や文明とやらどれほどのもんかい」などと深遠な哲学を語ることもある。インドの懐の深さにあこがれている。
二毛越 良雄
予備校の同期生,二毛越病院の跡取り息子。母親に過保護の状態で育てられたため,まだ精神的な親殺しが済んでいないと多志麻ハルに指摘される。運命論者の佐間に触発される。音楽奏者の名前をまちがえるというささいなことから暴発し,母親をバットでなぐろうとするとき六平が止めに入る。

単行本

双葉社「アクション・コミックス」、双葉文庫から出版されていたが、いずれも絶版。2005年、西日本新聞社から新装本として再出版されたが、中学生編で刊行が停止した。現在はコミックパークの双葉社オンデマンドコミックスから全34巻が復刊されている。

映画

キャスト

  • 郷六平:光石研
  • 小柳類子:松本ちえこ
  • 阿佐道夫:小屋町英浩
  • 黒木真澄:横山司
  • 重富青葉:立花美英
  • 穴見武:赤木良次
  • 郷五郎:小池朝雄
  • 郷スミ:春川ますみ
  • 小柳加代:上月左知子
  • 阿佐道造:桂歌丸
  • 阿佐光恵:宮下順子
  • 黒木信江:岡本麗
  • 重富剛造:竜虎
  • 重富志乃:小畠絹子
  • 穴見武市:田崎潤
  • 荒井しのぶ:伊佐山ひろ子
  • 富田松男:本間進
  • 長谷部町内役員:長谷川法世
  • 山内町内役員:佐藤蛾次郎
  • 博多屋:桂米丸
  • バーのママ・千草:園佳也子
  • ホステス:児島美ゆき、渡辺とく子
  • 黒岩:野崎英則
  • 老夫婦:陶隆司、春江ふかみ
  • 銭湯の男:なぎら健壱

スタッフ

  • 監督:曽根中生
  • 脚本:石森史郎、長谷川法世
  • 音楽:服部克久