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右向け左!/すぎむらしんいち

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著者: すぎむらしんいち
巻数: 4巻

すぎむらしんいちの新刊
右向け左!の新刊

最新刊『右向け左! 4



右向け左!の既刊

名前発売年月
右向け左! 2 1990-01
右向け左! 4 1990-08

右向け左!』(みぎむけひだり)は、史村翔原作、すぎむらしんいち作画の漫画およびそれを原作とした映画。週刊ヤングマガジン(講談社)で1989年から1991年まで連載されていた。単行本全8巻。

原作者である史村翔は、自衛隊に入隊していた経験があり、この作品はそれを元に執筆された。

あらすじ

主人公・坂田ミツオの先輩徳山は、恋人の純子が美容院を独立して経営する資金稼ぎのために陸上自衛隊に入隊、300万円を稼ぐために2年間訓練を受けることになった。そこで徳山は後輩の光男に、自分が留守の間、純子がほかの男に手を出されないように見張るように命じた。ところがミツオは酒に酔った勢いで、純子に手を出してしまう。

こうなった以上開き直って純子と同棲してしまうミツオだが、ある日純子が徳山に送った手紙が原因で、脱隊してきた徳山に殺されかける。

慌てたミツオは命乞いのために、先輩の代わりに自分が自衛隊に入り300万円稼ぐと宣言。 かくして坂田ミツオの金も女も自由すらない自衛隊生活が始まるのであった。

主な登場人物

坂田光男
主人公。19歳。入隊前は職を転々としていたが純子に手を出した為、自衛隊で300万円を稼ぐことになる。教育中隊第21内務班に所属。
お調子者でいい加減な性格。口は達者。班長の山口曰く『横に強い奴がいないと何も出来ない野郎』。班のムードメーカー的中心人物になっている。山口ほどではないが俊足で、県の100mタイ記録を持つ。金と女に目がなく、隊内では婦人自衛官の浅野三曹を狙っている。ちなみに渡辺以外では班員唯一の非童貞。(ただし初体験の相手は母親ほど歳の離れた中年女性である)
隊のあちこちで問題を起こしているので班長の山口からは睨まれている。また、給料は全て徳山に取り上げられている為、一文無しである。
山口建太
教育中隊第21班の班長で坂田たちを直接指導する。階級は三曹。かなりの小柄で、重度のインキンを患っている。上官として隊員に対して厳しくしようとするが、坂田との絡みで時折ドジを踏み、周りになめられてしまう。以前は徳山の上官だったが退職の際に殴られており、その際手当してくれた浅野三曹に惚れている。
自衛隊での出世を生き甲斐にしているが、坂田たちの行動でいつも足を引っ張られている。元々いじめられっ子で中学卒業後は家庭の事情で高校に進学できず工員をしていたが、父親が作った借金の「ひと月分の返済額」であろう現金を、地連(当時)の広報官が用立てるという取引で入隊させられた。本人曰く「俺は2万5千円で自衛隊に売られた」らしい。
ちなみにかなりの俊足で基幹隊員の100m記録を持っている。
徳山
坂田の先輩で、風貌はヤクザ。恋人の純子の独立資金を稼ぐために自衛隊に入隊したが、坂田への嫉妬で中途退職、純子に手を出した坂田を半殺しにするところを自分の代わりに300万稼ぐ事で許す。
非常に嫉妬深く、恋人の純子に対してちょっとでも興味を持った男(直接手を出さずとも「いい女だな」と呟いただけでも)は必ず半殺しにしてしまう。腕っぷしが強く、並の人間では歯が立たない。愛車はBMW。
純子
徳山の恋人、坂田が自衛隊に入る事になったそもそもの元凶。美容師であり、彼女の独立資金を稼ぐために徳山、そして坂田は自衛隊に入る。
かなりの美女だが浮気性であり、ちょっとでも気に入った男とはすぐ関係をもってしまう、その後相手は徳山の報復を受ける。
三輪義彦
第21班の隊員。鹿児島から家族の生活費を稼ぐために、そして幼少期に野グソをしている時にレンジャー訓練中の自衛官との出会いから自衛隊に憧れを抱き、「自分の国は自分で守る為に志願した」という理由で入隊した。 レンジャー部隊に入れるほど身体能力は高いが、ケンカはからきしダメ。
河合郁男: 第21班の隊員。栃木県宇都宮市出身。体重110キロの巨漢。相撲部屋での厳しい練習に耐え切れずに逃げ出してきた。気が弱いが怪力の持ち主。
松永達也: 第21班の隊員。東京都出身。山口よりさらに小柄で、度の強い眼鏡をかけている。極度のミリタリーマニアで、本物の銃を撃ちたくて入隊した。装填された銃を構えると人格が変わる。(自称、死神スナイパー)
渡辺伸一郎: 第21班の隊員。北海道出身。元板前であること以外の経歴などはよくわかっていない。幼い娘がいる。異常にケンカが強い。
赤木俊治: 第21班の隊員。男らしくなるように父に言われて入隊した。実家は名古屋で病院を経営。渡辺に想いを寄せているが、坂田のことも気になっている。
水津:教育中隊の小隊長の一人。山口の直属の上官で階級は二尉。防衛大学を優秀な成績で卒業したが、問題児揃いの第21班に手を焼いおり、自分の勤務成績に常に気を掛けている。学生時代は空自幹部を夢見ていたが、後述する水戸の存在により陸自に勤務するはめになり、水戸を毛嫌いしている。
水戸:教育中隊の小隊長の一人。水津の防大同期。防衛大学出らしからぬ、賭博などの遊び好きでいい加減な性格。かなりの策士で、水津をストリップ劇場のまな板ショーに引きずりこんだり、大隊長の弱みを握って本庁に栄転した。
外園:教育中隊付きの、俗に言う万年士長。水津が第21班対策に班長補佐としてつけた。山口の新入隊時代の班長でもあり、かっての部下が自分より出世した事を根に持っている。出世には縁がない為、新隊員をしごき上げるこを生き甲斐にしており、「外園効果」と言わしめるほどの厳しい指導で坂田たちを徹底的にシゴく。しかし、坂田たちに「外出中の階級詐称」の罪をあばかれて、降格の上、北海道の援農部隊に転属になる。

ビデオシネマ

映画

関連項目

  • どいつもこいつも - 作:雁須磨子(白泉社)。WAC(陸上自衛隊婦人自衛官)の日常を描いたコミックス作品。主人公の不純・型破りな入隊動機や自衛隊組織を面白可笑しく茶化した進行など、女性版「右向け左!」といった趣きがある。
  • M★A★S★H マッシュ - 朝鮮戦争での不良軍医(悪人では無い)が主人公のコメディ映画。アメリカ陸軍後方支援軍務での日常をユーモア調で描いた作品。
  • プライベート・ベンジャミン - 新郎の腹上死でやけになった令嬢が主人公のコメディ映画。古今東西のこの手の作品には珍しく、最後に主人公が軍隊生活の魅力に目覚める。
  • 棟田博(『陸軍よもやま話』、『続 陸軍よもやま話』、『陸軍いちぜんめし物語』 著者)
  • 高橋孟(『海軍めしたき物語』、『海軍めしたき総決算』 著者)