吉永さん家のガーゴイル/玉岡かがり
著者: 玉岡かがり
巻数: 1巻
最新刊『吉永さん家のガーゴイル』
twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)
『吉永さん家のガーゴイル』(よしながさんちのガーゴイル)は、田口仙年堂/著、日向悠二/イラストのライトノベル。ファミ通文庫刊。また、これを原作とする漫画、アニメ作品。
喋る犬の石像ガーゴイルが門番を務めることとなった吉永家とその周囲の生活を描く「ご町内ハートフルコメディ」である。
本作の番外編『ガーゴイルおるたなてぃぶ』についても本項で扱う。
ストーリー
御色町(ごしきちょう)という平和な街に、一風変わった個性派揃いの家族・吉永家が住んでいる。
ある日のこと、吉永家の長女・双葉が商店街の福引で三等賞を引き当てた。その賞品は、喋る犬の石像。その日を境に、吉永家と周囲の生活は一変する。
主な登場キャラクター
吉永家
- ガーゴイル
- 声 - 若本規夫
- 第二次世界大戦前に3人の錬金術師たちがその技術の粋を集めて作り上げた、“命を持つ”門番型自動石像。外見は全身漆黒で悪魔のような翼と鎧のような装甲を纏うお座りした「犬」。門番として作られたその使命に誇りを持つ。
- 当初は長い間休眠状態にあったことと人間世界に関する情報不足からか、考え方に融通が利かず、吉永家(特に双葉)や御色町の住人とトラブルを起こしていた。しかし、周囲との触れ合いから柔軟な物の考え方ができるようになり、現在は自分の役目を「吉永家の守護者」から、「御色町の守護者」と考えるようになっている。
- 空中飛行や遠隔感知や瞬間移動などの特殊能力に、見えざる水銀と触れざる硫黄による光線を主とした多彩な攻撃または便利機能を持つ。また、犬猫を始めとする動物や考える人や狛犬などの石像と会話をすることも可能。常に冷静で大局的な物の見方を心掛ける。吉永家の話し合いの末に付けられた名で、和己は「ガーくん」と呼ぶ。お隣のおばあちゃんにもらった鈴が唯一の私物であり宝物。
- 錬金術師の最終目的である賢者の石のレプリカで作られており、吉永家に来た当初は彼を狙う個性豊かな敵が絶えなかった。
- 吉永双葉(よしなが ふたば)
- 声 - 斎藤千和
- 吉永家の長女で末っ子。初登場時9歳で、御色第一小学校四年生。プロレス好きのお転婆少女。ガンを飛ばすような三白眼とロケットノズルを髣髴とさせるポニーテールが特徴。性格は短気で喧嘩っ早く口より先に手が出るタイプだが、弱いものイジメはしない。性格故にトラブルメーカーとなることが多く、ご近所では『吉永さん家の凶暴な方』と評されている。最初はガーゴイルのことを嫌っていたが、今は大の仲良し
。旺盛な好奇心から学力は高く、面談では私立中学への進学を打診されたりしていた。
- 吉永和己(よしなが かずみ)
- 声 - 宮田幸季
- 吉永家の長男で双葉の兄。初登場時17歳で、県立菜々色高校二年生。見た目が可愛らしく性格も大人しいため、5割(原作ではほぼ10割)の確率で少女と間違えられる(双葉からオカマと揶揄されることも)。双葉のブレーキ役を務めることが多い。体力は8歳下の双葉と互角だが、それ以外の能力は高く、雑学なども嗜む。ただし稀に双葉ですら恐れるような行動力を示すあたり、紛れもなく吉永家の一員である。美術部の後輩に人気がある。ガーゴイルの影響や演劇部でのボランティア経験から、福祉関係の仕事を目指すようになった。
- パパ
- 声 - 中國卓郎
- 吉永家の大黒柱。体育会系のゴツい容姿とは裏腹に、穏やかな性格のマイホームパパ。何かと大きい声で喋る。
- ママ
- 声 - 浅野るり
- とても無口な吉永家の主婦。
可愛らしい容姿に見合うおっとりしたロマンチストな性格と、朝に子供を起こす際にパワーボムを決めたり、「兵器として使うからガーゴイルを売れ」と言ってきた某国の遣いにタイガースープレックスをぶちかますなど、風貌に反した豪快な性格を併せ持つ。
- 怪盗百色の大ファンで、写真を撮ったりビデオを録ったりしては大事にコレクションしている。
主要キャラクター
- 高原イヨ(たかはら イヨ)
- 声 - 桑島法子
- アンティークショップ「兎轉舎(とてんしゃ)」の女主人。パラケルススの再来と謳われた天才錬金術師で、ガーゴイルの開発者の1人。80年以上生きているが、錬金術の応用により未だ20代の若々しい外見を保っている。珍奇な機械の試運転や怪しげな実験を度々行い、生意気な双葉や百色などに対しては躊躇無く青龍刀
を振り回すなど、性格は子供っぽい。しかし戦争で大事な家族を失うなどの辛い経験もしており、真面目モードの際の言葉には、多くの経験をしてきた者にしかない重みがある。
- 東宮天祢(ひがしみや あまね)
- 声 - 菊池正美
- 東宮エレクトロニクス若社長で、トーグーグループ総帥次男。26歳。自宅の豪邸には多数のハウスメイドを従えている。祖父の遺志を継ぎ錬金術師となり、ケルプを以ってイヨに挑戦した。
- 美男子な上に優秀な経営者で、錬金術師としても一流、更には家事までこなせる完璧人間だが、いい人なのと押しが弱いのが災いしてかイヨには尻に敷かれまくっている。
- 怪盗百色(かいとうひゃくしき)
- 声 - 千葉進歩
- その名の通り、世を騒がせている怪盗。変装や手品を得意とする奇術師である。
- 端麗な容姿に加え、怪盗らしからぬ健全な性格(いわゆる義賊)でもあることから女性にモテるが、ただ1人イヨには「乳ぱんつ事件」で嫌われており、「怪盗エロマント」「ゴキブリ」などと呼ばれている。エンパイアステートビルの外壁をよじ登ったり、ガーゴイルの放つ光線をカードで弾いたりと、非常に高い身体能力を持つ。
- ガーゴイルとは互いを認め合うライバル同士であり、普段は何かと戦り合っているが、ここぞというときには息のあった動きを見せる。
- 梨々=ハミルトン(りり ハミルトン)
- 声 - 水樹奈々
- 父親であるハミルトンの手により、錬丹術の被験体にされていた少女。ガーゴイルの弱点を探るために父親の命令で百色と行動を共にするが百色に盗まれて回復を果たした。現在は百色を恩人として慕い同居している。双葉の学校に入学し、双葉や美森とは親友。
- 怪盗に憧れ百色に修行してもらっていて「怪盗白色(びゃくしき)」を名乗る。文武両道の天才肌で、100メートル走のタイムは12秒、百色から課せられた「イヨの乳ぱんつを盗む」試験も難なくクリアし、読心術を得意とする(ただ、手品の仕掛けは分からなかった)。マグロ丼とイチゴタルトには特別な思い出がある。
- 高原喜一郎(たかはら きいちろう)
- イヨの息子であり、古科学者。外見は軍服を着た少年だが、年齢的には既に老人である。太平洋戦争で戦死したと思われていたが、実は戦争中にイヨの渡したお守り(賢者の石のオリジナル)と魔法使いの手によって不老不死(周囲の時間が喜一郎を覚えている状態)となり、世界中を放浪していた。『ガーゴイルおるたなてぃぶ』(後述)では「身体の一部(右手だけ)から完全復活する」「血を飲ませた人間の心臓を再生させる」という荒業を披露したが、本人は“普通の身体に戻りたい”と願っている。
- 錬金術を憎み(経緯は『ガーゴイルおるたなてぃぶ』4巻にて詳しい)、ガーゴイルと戦うため御色町に現れた。光るクナイを投げつけ敵を惑わしたり、空中で静止したり、姿を消したりと奇妙な技で戦う。また、刀の達人でもあり、ケルプを切断しガーゴイルにも太刀傷を負わせた。
- 双葉からは「キー兄ちゃん」と呼ばれている。
- レイジ=マルケス
- 邪教「ツァコル教」の教祖であり、催眠術師。7巻にて登場。
- 自身の宗教を壊滅させた百色を憎み、復讐するために来日したが百色一家とガーゴイルに敗退。
- その後、錬金術や古科学を学ぶなど力を付け(『ガーゴイルおるたなてぃぶ』3巻参照)、14巻にて再び来日。数々の策を弄して御色町の住民を籠絡、吉永家と百色一家を孤立させた。
その他のキャラクター
- ケルプ
- 声 - 岡野浩介
- ガーゴイルに対抗するため、東宮天祢によって作られた「上位2級の天使」の名を持つ全身純金製の自動石像。羽根の生えた獅子のような姿をしている。見えざる水銀での光線に加え、相手の心理から姿を隠す心理ステルス機能を持つ。また、ガーゴイル対策に音波を交えた衝撃波を使用した。礼儀正しい性格で誰に対しても敬語でしゃべる。
- デュラハン
- 声 - 飯島肇
- ハミルトンが開発した、対立てこもり犯用の城門破りロボット(自動人形)。通称「首無し騎士」で、文字どおり首から上がない(名前の由来もアイルランドの伝承から)。梨々を守ることが主な役目。もともとはハミルトンからの命令だが、現在ではそれを自らの使命と心得ている。百色がハミルトンから梨々の養育権を奪ったあと、今まで彼女にひどいことをした罪滅ぼしをしたいとついてきた。梨々を養うため百色と雇用契約を結び、彼の仕事の手助けをする。料理もできる。未完成な妖精の技術を思考回路に流用されているため、単純な単語での会話しか行えず、性格は少し子供っぽい。
- 能力は凍結効果のある光線や熱光線の発射、両手部分の銃火器(通常弾頭のほか焼夷弾や榴弾など多種類の弾頭が仕込まれている。またさまざまなアタッチメントに取り替えることも可能)など。また腹部には奥の手として高熱を帯びる杭が内蔵されており、これを展開した状態での突撃(ヒートパイルアンカー)はガーゴイルでも避けられず体にヒビを入れる程であった。
- オシリス
- 声 - 浅野るり
- ヒッシャムが開発した強化植物。自立が可能なほどの知能を持ち、高飛車な性格。ガーゴイルすら溶す強力な腐食光線、葉が1枚でも残っていれば復活できる強靭な再生能力を持つ。声帯は持たず、会話はもっぱら携帯電話の音声やメールまたは筆談で行う(ちなみに和己とはメル友である)。元々は食用として開発されたため、果物のような味で美味。体内に万能薬(パナケア)を循環させているため、回復効果もある。名前の由来は一度死んで後に蘇ったというエジプト神話の神から。
- ピクシー
- レイジが諜報のため吉永家に送り込んだ、身長15センチ程の妖精。不思議の国のアリスのような格好をしている。
- ガーゴイルに感知されることなく吉永家に侵入し、双葉の容姿をコピーし感覚を共有した(ガーゴイルが家族には手出しできないという弱点を突くため)。ただし当人に害意はなく、性格は穏やかで言葉遣いも丁寧。
- レイジに操られガーゴイルに牙を剥いたが、自力で支配から免れた。戦闘能力は高く特にそのスピードはガーゴイルを翻弄するほどであった。
- ケツァルコアトル
- 14巻にてレイジが連れて来た白色の蛇型自動石像。大蛇の体に翼が生えた姿をしている。
- 百色一家(およびガーゴイル)への復讐の為に作られたのだが、本人は「賢者の石」の研究および解析以外にはまったく興味がない。戦闘能力はそれほど高くなく、防御力に至っては普通の爆弾でも破壊が可能なほど弱く、撹乱能力には長けているがケルプに及ばない、といった程度。番外編のポチとは兄弟関係にあるが、能力に関しては数段劣る。
- ガーゴイルの弱点を突き破壊した。
- ハミルトン
- 声 - 家中宏
- スコットランドの錬金術師。痩せ型の中年男性。高原イヨからガーゴイルに使われている賢者の石を奪うために日本に来た。梨々の父親でもあるが、彼女を錬丹術の被験体にすることこそが父親としての愛情だと考えているマッドサイエンティスト。
- イヨと天祢が名前を知っていることから、錬金術の世界では多少名の通った人物のようである。
- ヒッシャム
- 声 - 中國卓郎
- エジプト人の錬金術師。自国の繁栄と自らの名誉の為にオシリスを開発し、ガーゴイルと対決させようと来日した。英語交じりの日本語を操るが、発音といい文法といいどちらもかなり怪しい不審人物。しかし本当は生命を大切にする心優しい性格。趣味はバレエ鑑賞。変な踊りを常日頃から繰り返している。特技は円周率を二千五桁まで暗唱できること。語尾に「――デース」を多用する。
- 小野寺美森(おのでら みもり)
- 声 - 稲村優奈
- 双葉の級友にして親友の、心優しい少女。エイバリーとは大の仲良し。暴走する双葉や梨々のツッコミ役。
- エイバリー
- 声 - 飯島肇
- 小野寺家で飼われている盲導犬。性格は実直。愛称は「エイバリー少尉」または「少尉」。愛称の由来は、彼が戦争物の映画が好きで、これを見ると騒ぎ出すことから。ガーゴイルとの会話では、軍人言葉になる。
- 近所の家に泥棒が侵入した際、それを周囲に知らせ、逮捕に大きく貢献したことにより少尉から中尉に昇格した。
- 菊一文字(きくいちもんじ)
- 声 - 儀武ゆう子
- ガーゴイルのことを「旦那」と呼び慕っている黒ネコ。野良だが食事は吉永家などでもらっている、いわゆる半野良である。名前の由来は額にはしる横一文字の傷跡から(あるいは新選組の剣客沖田総司の愛刀とされる菊一文字と、彼が晩年黒ネコの幻影に怯えていたというエピソードから)。また、この横一文字から付きそうになった不名誉なあだ名は「貯金箱」。
- 石田歳三(いしだ としぞう)
- 声 - 儀武ゆう子
- 双葉たちの級友で、薬局の息子。双葉とは喧嘩しつつも仲が良い。名前の由来は新選組副長土方歳三と、その生家で作っていた打ち身の薬石田散薬から。
- ちなみに番外編「おるたなてぃぶ」に、石田という薬造りの古科学者の話が出るが、関係は不明。
- 片桐林吾(かたぎり りんご)
- 声 - 青木強
- 和己の同級生で友人。ボサボサ頭と丸眼鏡が特徴。演劇部の部長兼演出兼役者で脚本も書く。演出、役者としては優秀だが、心の師が唐十郎や寺山修司というアングラ演劇好きで、書く脚本が難解なアングラものばかりというのが玉に瑕。多少強引だったり暴走することもあるが、芝居にかける情熱と行動力はものすごく、先頭に立って部員を引っ張っていこうとする。そのため、彼らからの信頼は厚いが、尊敬はされていないようだ。
- 片桐桃(かたぎり もも)
- 声 - 藤田咲
- 林吾の妹。演劇部の舞台監督であり、影に日向に部の活動を支える。髪型は柔らかいポニーテール。かわいらしい風貌と活発な性格の持ち主だが、兄に似ずしっかり者かつ常識派で、ともすれば暴走しがちな林吾のブレーキ役も彼女の務め。だが、迫真の演技(泣き落とし)で和己を騙しこちらの要求を飲ませる辺りは確かにこの兄にしてこの妹と思わせる。和己に対し、ひそかに想いを抱いている。
- 実は演劇にはまったのは、林吾より桃の方が先。
- 清川刑事(きよかわけいじ)
- 声 - 風間勇刀
- 御色町の治安を守る刑事。常に目は笑っているが、怪盗百色の逮捕を夢見ている。非番の日はジョギングで汗を流している。
- 夜倶外法人(よぐ そとほうと)
- 双葉の担任で、あだ名は夜倶ちゃん。作中屈指の謎の人物である。
- 先生らしく背広を着ているが、髪の毛が顔を覆いつくしていて、素顔を見た人はいないらしい(ガーゴイル曰く「背広を着た、髪の塊」)。文節を「―」で区切る怪しい話し方をするが、完全に無口な吉永家のママと普通に会話ができる。ガーゴイルでも気配を感じ取れず、写真に写すとピンボケとノイズで心霊写真のようになる。以上のように怪しい描写が多い。しかし、学校では人気があるとのこと。
- 名前の元ネタはクトゥルフ神話の神の一柱、ヨグ=ソトホートと思われる。
ガーゴイルおるたなてぃぶ
『吉永さん家のガーゴイル』(以下「本編」)と別の街で同時進行している「番外編」。全4巻(+1巻)。 本編からヒッシャムと喜一郎がレギュラーで出張している他、3巻で百色一家(およびレイジ)が登場している。
登場人物
- 東宮ひかる(ひがしみや ひかる)
- 主人公。猪崎市の雑居ビル(逸色ビル)3階で「鳥屋」(いわゆる「何でも屋」)を営む。しかし依頼は稀で、いつも金欠で悩んでいる。ついた特技が「1日100円で過ごせる」で、好きな言葉は「拾う、もらう、タダ」。
- 実は東宮天祢の姪(彼の兄の娘)であり、錬金術にのめり込んだ末、啖呵を切って家を飛び出した身である。結果、実家とは“一応”絶縁状態。
- 過去に見えざる水銀中毒になり、死の間際で命をやり取りする錬金術「ラーの天秤」を思いつく。それによりガー助を完成させるが命を共有することになる。以降、ラーの天秤の技術は忘れていたが、レイジの手によって思い出した。その後、命の危機の際に改良を加え、対象に触れただけで命をやり取りできるようになる。
- ひかるを狙い、周囲の人間に危害を加えた古科学者を敵視している。
- ガーゴイル
- ひかるが錬金術で作った「鳥型」自動人形。希少銀(ミスリル)製で全身ほぼ黒色、翼に注連縄を巻きつけてある。本編のガーゴイルにあやかって名前が付けられたが、周囲には「ガー助」の愛称で親しまれている。ひかると命を共有する身であり、それがこの物語の中核を成す。少年漫画の影響からか、口や態度が悪い上に怒りやすく、ことあるごとにひかるとケンカをしている。
- 高原喜一郎(たかはら きいちろう)
- 本編10巻後、古科学者を捜し各地を旅していた。ひかるやカンジ、平賀の娘などとの付き合いから、自分の女運の無さを気にしているようである。
- おるたなてぃぶでの一連の事件が終わり、訪れた御色町では和己に驚かれるほど丸い性格になっていた。
- ヒッシャム
- 本編からの出張。ひかるの開発の爆発に巻き込まれたり、ひかるに命を50%も吸われたり、ひかるに命がけで新素材を作らされたり、と良い人ぶりが祟って散々な目に合わされている。千秋や彦左衛門の治療までこなす、本作最大の影の功労者。
- 板垣千秋(いたがき ちあき)
- 逸色ビル1階の花屋『フラワーイタガキ』の看板娘。
- 神経の病気で足の不自由な身だが、ヒッシャムの調合した薬で徐々に回復しつつある。趣味はリハビリ。喜一郎に思いを寄せている。
- 板垣
- 千秋の父親。千秋の足の治療法をだしに、古科学者に利用されていた。ひかるに戦いを挑んだ過去もあるが現在は改心している。
- 天成会
- 逸色ビル4階を拠点に構える、奥村組系列のその筋。
- 毎度の如く高額報酬で危険かつナンセンスな依頼を『鳥屋』に持ち込む“お得意様”。
- 秋里カンジ(あきさと カンジ)
- フード付きのコートを羽織り、和風の隈取のされた仮面を付けた子どもの古科学者。喜一郎とコンビで行動している。
- 特殊な折り紙を 通信手段(折鶴)や武器(手裏剣等)として使う。本編9〜10巻の巻頭漫画にて梨々と戦闘したが敗退。父の形見である仮面を盗まれてしまい、それ以来百色一家について調べていた。
- 3巻(梨々との再戦)にて実は「ボク少女」であったことが判明する。「カンジ」という名前は父親から受け継いだもの。それ以前の名前は不明。
- ちなみに、3巻末で「本編」と「おるたなてぃぶ」のイラストでは体の大きさが違う(成人男性と少女くらい)ことが指摘されているが、イラストレーターの日向悠二は「古科学的秘術を用いた巧妙なだまし絵」と説明している。
- お七(おしち)
- 古科学者。表向きは呉服店『江戸屋』を営んでいる老女。
- 花一輪から火柱を紡ぎ出す等、火炎系列の攻撃術を得意としており、また、レイジから教わった催眠術を好奇心で修得してしまうなど、かなりの天才。一見柔らかい物腰だが、目的の為に非情に徹する一面も持っている。
- 1巻でひかるを古科学側へヘッドハンティングしようとするも拒否され、その後紆余曲折の末、ひかるの捕虜として『鳥屋』に同居することになる。
- 彦左衛門(ひこざえもん)
- 古科学者の杉田により強化・洗脳されたミドリガメ。1巻にて逸色ビルを襲撃する。
- 後に千秋の純粋さに惹かれ、ヒッシャムの治療により本来の姿をほぼ取り戻した(一部、後遺症が残っている)後、千秋のペット兼ボディガードとなった。
- 狛(こま)
- 古科学者の近松に作られた市松自動人形。好戦的な性格でガー助のライバル。
- 口から物凄い勢いで吐き出す熱い緑茶(ガー助曰く『波動茶』)と左手に携えた刀(妖刀メイクアップ・シャドウ)が武器。趣味は少女漫画鑑賞でよくそこから取ったような台詞を言う(月に変わって仕置きする、キチェスでもサーチェスでもないなど)。
- 人間に「遣われる」(具体的な方法は不明)ことによって稼動する。戦闘力や戦術は遣った人間の能力に依存し、遣った人間が気を失うなどすると弱体化する(波動茶や剣術が使えなくなる)。
- 製作者の命により「アヌビス」(もしくは「ラーの天秤」)を追う。
- 平賀(ひらが)
- 古科学者集団ミズチのリーダーの中年男性。電気の使い手で、放電攻撃や反射神経の強化を得意とする。元は弱い古科学者だったが、ウィツィロポチトリと命を共有して能力を強化し、喜一郎を追い詰めた。
- ウィツィロポチトリ
- ミズチが「ラーの天秤」の技術を用いて製作した蜂鳥型の自動石像。ケツァルコアトルの弟。
- 光線、念動力、火の玉を操り、戦闘能力に関してはガーゴイルと同格。知能も高く、果ては貧乏生活テクニックまで擁する、まさしく“ミズチの切り札”。尊大かつ傲慢、更に残酷な性格を併せ持ち、“力持つ者”を自称する。目的は世界征服。
- 自身の名を名乗った途端、ガー助に「ポチ」というあだ名を付けられた。
既刊一覧
台湾・香港では「吉永家的石像怪」のタイトルで台湾国際角川書店より刊行されている。 {| style="white-space: nowrap;" | style="vertical-align: top;"|
- 吉永さん家のガーゴイル
- 吉永さん家のガーゴイル2
- 吉永さん家のガーゴイル3
- 吉永さん家のガーゴイル4
- 吉永さん家のガーゴイル5
- 吉永さん家のガーゴイル6
- 吉永さん家のガーゴイル7
- 吉永さん家のガーゴイル8
- 吉永さん家のガーゴイル9
- 吉永さん家のガーゴイル10
- 吉永さん家のガーゴイル11
- 吉永さん家のガーゴイル12
- 吉永さん家のガーゴイル13
- 吉永さん家のガーゴイル14
- 吉永さん家のガーゴイル15
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- 2004年1月23日発売 2004年2月初版発行
- 2004年3月19日発売 2004年3月初版発行
- 2004年5月22日発売 2004年6月初版発行
- 2004年8月23日発売 2004年9月初版発行
- 2004年10月20日発売 2004年11月初版発行
- 2005年1月20日発売 2005年2月初版発行
- 2005年4月20日発売 2005年5月初版発行
- 2005年10月29日発売 2005年11月初版発行
- 2006年3月30日発売 2006年4月初版発行
- 2006年4月28日発売 2006年5月初版発行
- 2006年10月30日発売 2006年11月初版発行
- 2007年4月28日発売 2007年5月初版発行
- 2007年10月29日発売
- 2008年5月30日発売
- 2008年7月30日発売
| style="vertical-align: top;"|
- ISBN 4-7577-1701-6
- ISBN 4-7577-1788-1
- ISBN 4-7577-1871-3
- ISBN 4-7577-1967-1
- ISBN 4-7577-2033-5
- ISBN 4-7577-2133-1
- ISBN 4-7577-2251-6
- ISBN 4-7577-2488-8
- ISBN 4-7577-2663-5
- ISBN 4-7577-2742-9
- ISBN 4-7577-3000-4
- ISBN 978-4-7577-3503-3
- ISBN 978-4-7577-3793-8
- ISBN 978-4-7577-4230-7
- ISBN 978-4-7577-4333-5
|}
{| style="white-space: nowrap;" | style="vertical-align: top;"|
- ガーゴイルおるたなてぃぶ
- ガーゴイルおるたなてぃぶ2
- ガーゴイルおるたなてぃぶ3
- ガーゴイルおるたなてぃぶ4
- ガーゴイルおるたなてぃぶZERO
| style="vertical-align: top;"|
- 2006年7月29日発売 2006年8月10日初版発行
- 2007年1月29日発売
- 2007年7月30日発売
- 2008年1月30日発売 2008年2月12日初版発行
- 2009年1月30日発売
| style="vertical-align: top;"|
- ISBN 4-7577-2866-2
- ISBN 978-4-7577-3325-1
- ISBN 978-4-7577-3631-3
- ISBN 978-4-7577-3978-9
- ISBN 978-4-7577-4648-0
|}
- その他
- 『吉永さん家のガーゴイル アニメすぺしゃる』2006年10月30日発売 ISBN 4-7577-3003-9
- アニメ全13話のシナリオに加え書き下ろし短編を収録
- 『コラボアンソロジー1 狂乱家族日記』2008年8月30日発売 ISBN 978-4-7577-4372-4
- 「御色町狂乱捕物日記」(ファミ通文庫SP『FBSP vol.3 狂乱家族日記すぺしゃる』掲載)および日日日による「狂乱!ガーゴイル日記2054」」(ファミ通文庫公式サイト『FB Online』掲載)を収録
- 『コラボアンソロジー2 “文学少女”はガーゴイルとバカの階段を昇る』2008年10月30日発売 2008年11月11日初版発行 ISBN 978-4-7577-4484-4
- 「天栗浜のガーゴイル」(ファミ通文庫公式サイト『FB Online』掲載)を収録
- 『コラボアンソロジー3 まじしゃんず・あかでみい』2009年1月31日発売 2009年2月12日初版発行 ISBN 978-4-7577-4581-0
- 「吉永さん家の☆まかでみい 門番なんですけど。」(書き下ろし)を収録
漫画
玉岡かがりの作画で『マジキュー』Vol.12から22まで連載され、2006年3月25日に単行本化された。その後、2007年に入りファミ通文庫公式サイト『FB Online』でウェブコミックとして連載再開。『FB Online』掲載分は2008年2月に『吉永さん家のガーゴイル ハッピー&ハートフル』のタイトルで刊行された。
- 2006年3月31日発売 ISBN 4-7577-2690-2
- 2008年2月25日発売 2008年3月初版発行 ISBN 978-4-7577-4073-0
4コマ漫画
日向悠二と玉岡かがりの2名によって別々に描かれた。
- 日向執筆分
- 『マジキュー』不定期掲載、『メガミマガジン』(学習研究社)2006年5月号から9月号までの連載、公式サイトに連載された。そのほか、本作に関するCDや販促用チラシなど、いろいろな場所に掲載された。それぞれのタイトルは「No.1」から始まり「No.54」までの連番になっている。
- CD『吉永さん家の玉手箱』のデータトラックにかなりの数が収録されている。携帯電子書籍サイト「ちょく読み」で配信されている携帯電子書籍『吉永さん家のガーゴイル 4コマ』(vol.1 - 4)には全話収録されている。
- 玉岡執筆分
- 公式サイト、および『FB Online』に連載された。『吉永さん家のガーゴイル ハッピー&ハートフル』に収録されている。
アニメ
2006年4月から同年6月まで放送されていた。全13話。地上波では深夜での放送だが、公式ウェブサイトには、子供に対し、録画してみるように明記されていた。放送時には次回予告が無く、エンディングで次回の映像が放送されている。2006年7月から同年11月にかけて発売された本編DVDには、次回予告と新たに制作されたエンディング映像が収録されている。また、DVD各巻にはオリジナルエピソードとして短編アニメ「不思議の国の和己」(1回約2分、全5回)が収録されている。
スタッフ
- 原作 - 田口仙年堂
- 監督 - 鈴木行
- シリーズ構成 - 吉岡たかを
- キャラクター原案 - 日向悠二
- キャラクターデザイン・総作画監督 - 渡辺真由美
- 美術監督 - ANI VILLAGE
- 色彩設定 - 山口喜加
- 撮影監督 - 三品雄介
- 編集 - 坂本雅則
- 音響監督 - 飯塚康一
- 音楽 - 大谷幸
- プロデューサー - 赤堀悟、大宮三郎、高畑裕一郎
- アニメーションプロデューサー - 光延青児
- アニメーション制作 - トライネットエンタテインメント、スタジオ雲雀
- 製作 - 御色町商店街(エンターブレイン、エイベックス・エンタテインメント、トライネットエンタテインメント、ハピネット・ピクチャーズ)
主題歌
- オープニングテーマ
- 「オハヨウ」
- 歌:双葉(斎藤千和)、梨々(水樹奈々)、美森(稲村優奈)
- エンディングテーマ
- 「愛においで 逢いにおいで」(第1話 - 第12話)
- 歌:双葉(斎藤千和)、梨々(水樹奈々)、美森(稲村優奈)
- 3人で歌うバージョンとそれぞれのソロの4種類が、放送された内容に合わせて使われた。
- 「答えは空の下」(第13話)
- 作詞・作曲 - Funta / 編曲 - 梅堀淳 / 歌 - 双葉(斎藤千和)
- DVDおよび再放送では「答えは空の下」(ノンテロップ)のあとに通常エンディングが流れる。
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 吉永さん家の石ッころ | 吉岡たかを | 鈴木行 | 鈴木良成 | 渡辺真由美 加納綾 |
2 | 激突!天使と悪魔 | 鈴木良成 鈴木行 | 鈴木良成 松浦錠平 | 柳瀬譲二 SIGERU | |
3 | 盗まれた少女 | 矢吹勉 鈴木行 | 矢吹勉 鈴木良成 松浦錠平 | 加納綾 渡辺真由美 竹上貴雄 小沼克介 | |
4 | 鏡に映らない心 | 岡本英樹 | 山崎友正 | あみさきりょうこ 近藤高光 三浦貴弘 山形孝二 | |
5 | 山の歌声 | 木村真一郎 | 高田昌弘 | 渡辺真由美 近藤高光 竹上貴雄 小沼克介 | |
6 | もう君の歌は聞こえない | 岡本英樹 | 松浦錠平 | 加納綾 竹上貴雄 | |
7 | 梨々恋しや首なしデュラハン | 有富興二 鈴木行 | 齋藤徳明 鈴木芳成 | 三浦貴弘 渡辺真由美 あみさきりょうこ | |
8 | 銀雪のガーゴイル | 尼野浩正 | 山崎友正 | 加納綾 尼野浩正 | |
9 | 怪盗梨々 | 阿藍隅史 | 矢吹勉 康村諒 鈴木芳成 | 竹上貴雄 山形孝二 阿藍隅史 | |
10 | 商店街狂想曲 | 鈴木行 | 高田昌宏 | 渡辺真由美 柳瀬譲二 | |
11 | 人形がみつけた赤い糸 | 齋藤徳明 山崎友正 | 加納綾 あみさきりょうこ 竹上貴雄 渡辺真由美 | ||
12 | 夫婦喧嘩も祭りの華 | 山崎友正 | 竹上貴雄 猫部那智子 | ||
13 | 祭りよければ終わりよし! | 鈴木芳成 鈴木行 | 渡辺真由美 加納綾 鎌田祐輔 竹上貴雄 小沼克介 |
放送局
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 |
---|---|---|---|
千葉県 | チバテレビ | 2006年4月1日 - 6月24日 | 土曜 26時05分 - 26時35分 |
埼玉県 | テレ玉 | 2006年4月3日 - 6月26日 | 月曜 26時00分 - 26時30分 |
神奈川県 | tvk | 月曜 26時15分 - 26時45分 | |
京都府 | KBS京都 | 2006年4月4日 - 6月27日 | 火曜 26時00分 - 26時30分 |
東京都 | 東京MXテレビ | ||
兵庫県 | サンテレビ | 火曜 26時05分 - 26時35分 | |
中京広域圏 | メ〜テレ | 2006年4月12日 - 6月28日 | 水曜 27時08分 - 27時38分 |
日本全域 | AT-X | 2006年7月21日 - 10月13日 | 金曜 10時00分 - 10時30分 |
GyaO | 2007年1月29日 - 3月12日 | 月曜 12時00分更新 | |
シーエスGyaO | 2008年1月10日 - | 木曜 25時00分 - 25時30分 |
※メ〜テレでは第12話と第13話(最終回)は1時間に拡大しての放送。
- 放送事故
- サンテレビで放送された第12話(6月20日放送分)において、前半終了後以降のCM挿入タイミングに異常が発生し、一部内容が削られる放送事故となった。局側は迅速に対応し、翌週に第12話の再放送と第13話の本放送を連続で放送した。
関連CD
- ドラマCD「吉永さん家のガーゴイル」ガーくんドキドキ三本勝負(2006年4月26日、AVCA-22717)
- OPテーマ「オハヨウ」とEDテーマ「愛においで 逢いにおいで」のTVsizeを、主題歌CDに先行して収録。
- ドラマCD第1話「吉永さん家の和己くん」、第2話「第一小のガーゴイル」、第3話「お姉さん家の青龍刀」を収録。
- ドラマCDは、原作の田口仙年堂監修。
- アニメには未登場の、夜倶先生も登場した。
- ジャケットは、日向悠二描き下ろし。
- 初回特典として、特製カードが封入された。
- OP&EDテーマ オハヨウ/愛においで 逢いにおいで(2006年5月24日、AVCA-22758)
- 吉永さん家のガーゴイル キャラクターソングシリーズ(2006年7月5日、AVCA-22826~22828)
- 各キャラクターのキャラクターソングとそのInstrumental、EDテーマ「愛においで 逢いにおいで」のソロバージョン、おまけメッセージを収録。
- 初回特典として、日向悠二描き下ろしアナザージャケットが封入された。
- 「答えは空の下」(双葉(斎藤千和))
- 「Promise you」(梨々(水樹奈々))
- 「Dear my Friends」(美森(稲村優奈))
- 吉永さん家のガーゴイル~御色町おんがく祭り~(2006年5月24日、AVCA-22789(AVCX-22789))
- 吉永双葉役の斎藤千和と吉永和己役の宮田幸季による、「現場タレコミミニ番組」と称したラジオ風ドラマや、アフレコ裏話、BGMなどを収録。
- 初回特典として、怪盗百色モデル 特製トランプのジョカーその1が封入された。
- 吉永さん家の玉手箱(2006年5月24日、AVCA-22938)
- 全24曲を収録した音楽CDと、PC用デスクトップアクセサリー集を収録。
- デスクトップアクセサリー集には、デスクトップ用デジタル時計5種と壁紙4種、スクリーンセイバー1種、アイコン12種のほか、日向悠二による4コマ漫画no.4~33を収録。
- 初回特典として、怪盗百色モデル 特製トランプのジョカーその2が封入された。
関連項目
- avex mode
- トライネットエンタテインメント
- UHFアニメ一覧